音質 装着感 遮音性 音漏れ デザイン 携帯性 音の傾向 参考最安価格
5 4 4 4 3 3 均(低、高) -

評点

重量 ドライバー直径 コードの長さ コードの出し方 備考
330g - 4.4m 両出し 収納ケース付属
駆動方式 構造 周波数帯域 音圧感度 インピーダンス
ダイナミック 密閉型 - - -

スペック

音質
 やや低音よりのドンシャリだが、濃くて力強い鳴らし方のためにそう感じる部分が多いだけで、広い目で見れば実際はかなりフラット。低域は十分な量と非常に高い質が楽しめる。メイン以外の音が非常に良く聴こえるせいで中域はやや控え目に感じることが多いが、凹んでいるわけではない。高域は作ったような明るさや鮮やかさはないものの十分な表現。
 分解能、音場感、原音忠実性すべて非常に良い。それほど線が細いわけではないが、音の分離と言う意味での分解能は素晴らしい。それぞれの音を異なる振動板で鳴らしているような錯覚を覚えるほど。一般的な意味での原音忠実性も十分良いし、原音の実体感と言う意味では最高レベルのものを持っている。エッジは多少きつめだが、それほど聴き疲れしないレベル。
 かなり明瞭な上、それ以上に音の鮮やかさや厚みが素晴らしい。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさは他の長所と比べるとそれほど目立たないが、十分なものは持っている。非常にノリが良いが、それでいて粗のなさという意味ではかなりのもの。響きは適度からややあっさりだが、それでいて残響音の最後の一粒までしっかり聴かせてくれる。良くも悪くも切れが良く、やや硬質な鳴らし方。もう少し柔らかく音が広がっている方が好きという人も多そう。
 弦楽器は低域の心地よさは非常に良いものの繊細さにはやや欠ける傾向にある。金管楽器は鮮やかと言うよりも力強い鳴らし方。打ち込み系の音の表現は非常にうまい。線の太さや低域の質感が良く合う。
 コストパフォーマンスを口にするのも憚られる、他にはない至上の音楽を聴かせてくれる機種。

装着感
 良好。側圧は強め。頭頂部にはきちんとクッションがあるのだが、それでも長時間使用すると少し痛い。多少動いてもずれない。
 イヤーパッドは耳を覆うサイズで、上下左右に角度調節ができる。材質はMercedes-Benz Maybackリムジンシートにも使用されているエチオピアン・シープスキン。通常の天然皮革と比べて蒸れにくいように感じる。
 普通のDJ用同様ヘッドバンドの長さ調節が固定できないのに加えて、調節位置がずれやすいため何度も着けたり外したりする場合には調節が面倒。

その他
 遮音性及び音漏れ防止は良好。
 作りは悪くないが、価格を考えるとヘッドバンドのクッション等はもう少し気を使って欲しかったところ。デザインは癖が強く好みが分かれるところだろう。スイーベル機構で折りたたみ可能な構造は良いが、高級機には不要に感じる。
 プラグは金メッキの標準プラグ。コードの太さは合流前は約2.5mm、合流後は幅約5mm・厚さ約2.5mm、特に扱いづらさは感じない。イヤーパッドのサイズは、外周100mm×88mm、内周56mm×44mm、深さ18mm。

付属品

ミニ→標準変換プラグ
4m延長コード
収納ケース
クリーニングクロス



参考
不定期コラム『第26回 MDR-R10試聴レポ』
不定期コラム『第30回 ATH-L3000試聴レポ』
不定期コラム『第49回 イヤーパッドの交換と音質の変化 3回目』

周波数特性グラフ


比較メモ
EXH-313
edition7はややドンシャリ、EXH-313はややかまぼこ。低域はedition7の方がかなり低い音で量も多い。中域はどちらも癖なくはっきり聴こえてくるが、edition7の方がやや高めの音に感じる。高域はedition7が金属的なのに対して、EXH-313は細く繊細。量的にはedition7の方がやや多い。分解能はどちらも非常に良い。音の分離はedition7の方が上、一つ一つの音の微細な描写はEXH-313の方が上。音場感はどちらも耳から多少離れたところで鳴らす浮遊感のようなものが共通しているが、edition7の方が臨場感がある感じ、EXH-313の方が音の広がりがある感じ。原音忠実性はedition7の方が上。原音の粗や生っぽさの感じられる度合いにかなりの差がある。edition7の方がエッジがきつい上、音の圧力があり、聴き疲れしやすい。明瞭さ、音の鮮やかさはedition7の方が上。厚みはedition7の方がかなりある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはEXH-313の方が上。edition7の方がノリが良く、EXH-313の方が繊細。響きはEXH-313の方が豊か。全体的に対照的な音。edition7は音の厚みや原音の実体感が強く感じられるのに対して、EXH-313はまったくと言って良いほど感じられない。また、EXH-313は一つ一つの音の微細な描写や心地よさが強く感じられるのに対して、edition7はあまり感じられない。edition7は低域が質的にも量的にも存在感があるのに対して、EXH-313は存在感が希薄。弦楽器はEXH-313の方が繊細かつ心地よいが、低域の量感が欲しいときや原音らしさが欲しいときはedition7の方が良い。金管楽器はedition7の方がかなり力強く、金属的で鮮やか。打ち込み系の音の表現はedition7の方がかなりうまい。音の厚み、低域の量感等で勝っている。使い分けるなら、ノリの良さ重視ならedition7、繊細さ重視ならEXH-313。様々な点で対照的な音なので、使い分けがしやすくかつ楽しめる2機種。

HFI-650
どちらもややドンシャリ。低域はedition7の方が低い音で量も多い。中域はどちらもはっきり聴こえてくるし、変な癖もない。中高域から高域はかなり似た鳴らし方だが、edition7の方が若干高い音か。分解能はedition7の方が上。音場感はほぼ互角でかなり似ている。原音忠実性は基本的にはそれほど変わらないのだが、原音の実体感はedition7の方がかなり感じられる。エッジのきつさはほぼ同等だが、どちらかと言えばedition7の方がきつい。明瞭さ、音の鮮やかさ、厚み、温かみ、ヴォーカルの艶っぽさすべてedition7の方が上。特に音の鮮やかさや厚みはかなり差がある。edition7の方がノリが良くかつ繊細。響きはどちらも適度からややあっさりで、ほぼ互角。弦楽器は全体的にedition7の方がうまい。特にチェロ等の低域に差が出るし、ギターのエッジとうもedition7の方が楽しめる。金管楽器は、音の高さ等は似ているが、力強さや鮮やかさはedition7の方がかなり上。打ち込み系の音の表現もedition7の方がうまい。低域の質と量で勝っているのが大きい。ほとんど何を聴くにしてもedition7の方が良いだろう。

HFI-780
どちらもややドンシャリ。低域はedition7の方がローエンドまで素直に出る感じ。HFI-780の方が中低域が凹んでいて100Hz以下が妙に目立つ感じ。全体的な低域の量はedition7の方が多いが、100Hz以下はほぼ同量。中域は、HFI-780の方が中低域から中域にかけても減衰している上、やや高い音ではっきり聴こえてくる。高域は質的にも量的にもそれなりに似ているが、HFI-780の方が細くて明るい鳴らし方。分解能はedition7の方がやや上。音の分離はさほど差を感じないが、一つ一つの音の微細な描写で勝っている。音場感はHFI-780の方が広いが、明確さという意味ではさほど差を感じない。HFI-780はedition7と比べると空間の広さの割に音が足りていないような印象を受ける。原音忠実性はedition7の方が上。周波数特性上の癖のなさで勝っているし、原音の実体感が感じられる度合いが違う。ただ、原音の粗や生っぽさが感じられる度合いには大きな差はない。エッジのきつさや聴き疲れはほぼ同レベル。明瞭さはHFI-780の方がやや上、音の鮮やかさはedition7の方がやや上。厚みはedition7の方がある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはedition7の方が上。どちらもノリが良い傾向だが、edition7の方が迫力や力強さがあり、HFI-780の方が明るく軽快。響きはほぼ同レベルだが、どちらかと言えばedition7の方が豊か。HFI-780の方が硬くタイト。HFI-780はedition7と比べて、中低域が減衰していること、音場の広さの割に音が足りてないように感じること、厚みが薄いこと等の理由からスカスカな音に感じる。弦楽器はedition7の方が繊細かつ心地よい。金管楽器はHFI-780の方が明るいことは明るいが、edition7の方が力強さや細かい表現で勝っている。打ち込み系の音の表現は微妙。edition7の方が厚みや低域の量感で勝っているが、HFI-780の方がスッキリしていて明るいのでそれを好む人もいるだろう。使い分けるなら、基本的にはedition7、音場の広さや明瞭さを重視するならHFI-780。

HP-DX1000
edition7はややドンシャリ、HP-DX1000はかなりフラット。低域は厚み・量ともにedition7の方がかなり上。中域はHP-DX1000の方がややうわずり気味ではっきり聴こえる。高域はedition7の方がやや高いが、HP-DX1000の方が明るい鳴らし方に感じる。分解能、原音忠実性はedition7の方がかなり上。音場はHP-DX1000の方が広いが、明確さはedition7の方が上。edition7の方がエッジがきつく聴き疲れする。明瞭さはHP-DX1000の方が上。音の鮮やかさ、厚み、温かみ、ヴォーカルの艶っぽさすべてedition7の方が上。どちらも基本的にノリが良いが、editoin7は重厚で迫力があるのに対して、HP-DX1000は軽快で明るい。響きはHP-DX1000の方が豊かで、広がりもあるのでそういう要素が必要な曲はHP-DX1000の方が楽しめるだろう。弦楽器はedition7の方が繊細かつ心地よい。金管楽器はHP-DX1000の方が明るく鮮やかだが、edition7と比べると作ったような感じは否めない。打ち込み系の音の表現はedition7の方がかなりうまい。使い分けるなら、音の広がりが必要な曲はHP-DX1000、それ以外はedition7。

PROline750
どちらもややドンシャリだが、edition7の方がフラット。低域はPROline750の方が一段低めの音を鳴らすが、中域付近はedition7の方が出るため、楽器によってはedition7の方が豊かな低域に感じることがある。中域はedition7の方がかなりはっきり聞こえてくる。高域はPROline750の方がやや高いが、粗もある。分解能及び原音忠実性はedition7の方がかなり良い。純粋な音場感はそれほど違いが無いように感じるが、定位の良さと一つ一つの音をしっかり描き分ける力がedition7の方が上なので、必然的に音場感もedition7の方が良いように感じがち。PROline750の方がエッジがきつくやや聴き疲れする。明瞭さ、音の鮮やかさ、厚み、温かみ、ヴォーカルの艶っぽさすべてedition7の方が上。edition7の方がノリが良くしかも繊細。ただ、所謂重低音はPROline750の方が出るため、人によってはPROline750の方がノリが良いように感じるかもしれない。響きはPROline750の方がやや豊かだが、PROline750と違ってedition7は残響音の最後の一粒まで聴き取ることができるため、edition7の方が響きが豊かなのではないかと感じることもある。弦楽器はedition7の方が原音に近くしかも心地よい。金管楽器はPROline750の方が高く派手だが、edition7の方が力強くしっかりした鳴らし方。打ち込み系の音の表現は、変な付帯音がないためかedition7の方がうまいように感じる。ほとんど何を聴くにしてもedition7の方が良いように感じる。

サイン波応答


位相+高周波歪み


インパルス応答(CSD)


インパルス応答(録音波形)


100Hz・1kHz・10kHzサイン波の再生


曲別HP探索
第23回 愛が止まらない/Wink「Wink Memories 1988-1996」より
第25回 Joy/本田雅人「Growin'」より
第30回 ロメオとジュリエット/チャイコフスキー
第37回 ANGEL EYES/m.o.v.e「GRID」より
第40回 For the love of you (Vanski's superdooper dance mix)/Candy Dulfer「For the love of you」より
第43回 「南極物語」メイン・テーマ/「南極物語オリジナルサウンドトラック」より
第46回 Have a nice day/BON JOVI「HAVE A NICE DAY」より
第47回 Mighty Heart〜ある日のケンカ、いつもの恋心〜/KOTOKO
第49回 真夏のカルメン/coba「mania coba 2」より
第55回 聖少女領域/ALI PROJECT
第59回 crazy sunshine/GOLLBETTY「GOLLING!!」より
第66回 Achilles Last Stand/LED ZEPPELIN「PRESENCE」より
第72回 パガニーニによる大練習曲「ラ・カンパネラ」/フジ子・ヘミング「フジ子・ヘミングの奇蹟〜リスト&ショパン名演集〜」より
第76回 The Wizard's Last Rhymes/Rhapsody「Rain of a Thousand Flames」より
第87回 My Plague/Slipknot「IOWA」より
第98回 21世紀の精神異常者/キング・クリムゾン「クリムゾン・キングの宮殿」より


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公開日:2006.6.4