第43回 「南極物語」メイン・テーマ/「南極物語オリジナルサウンドトラック」より

 今回は映画「南極物語」(1983年公開)のオリジナルサウンドトラックから、1曲目のメイン・テーマです。ギリシャの音楽家・ヴァンゲリスが音楽を担当しています。ヴァンゲリスはシンセサイザーをベースとした曲を得意とし、他にも「炎のランナー」等多数の映画音楽やテレビ番組の音楽を担当しています。
 ヘッドホンとしては打ち込み系の音が得意で、この曲の爽やかさや壮大さを表してくれるものが良いでしょう。また、線の細いものや低域の量が少ないものは合わないと思います。


・1台目 DJ1 PRO(ULTRASONE)
 打ち込み系の表現、特に低域の量感と中高域の鮮やかさが良い点、音の厚みがある点を評価して選びました。他にはHP-M1000、RH-300、ATH-PRO700等も合います。基本的に今回の曲はあまりヘッドホンを選ばないと言うか、先に挙げた条件を満たすものであればある程度良い鳴らし方をしてくれるようです。
 DJ1 PROの不満点としては、もう少し低音の量が多くても良いかもしれないという点です。

・2台目 HP-DX1000(Victor)
 DJ1 PROより低域が出るかどうかはともかく、それなりの量がある上に質感が合いそうだと思って選びました。また、爽やかさ、鮮やかさという点でも良さそうに思いました。
 前々から思っているのですが、HP-DX1000はポップス向きの打ち込み系の音が得意な音と、クラシック向きの広く明確な音場を持っている、珍しいタイプのヘッドホンです。実際に聴いてみて実感しましたが、今回の曲は基本的にシンセなのでHP-DX1000の音の質感は良く合いますし、音場も広い方がより魅力的な鳴り方になるようで、この点もHP-DX1000はなかなか良いです。
 不満点は、もう少し線が太く落ち着いた鳴らし方の方が迫力が出て良さそうという点です。

・3台目 edition7(ULRTASONE)
 HP-DX1000より線が太い機種というのは、実はそうない気がします。さらに低域がしっかり出て打ち込み系の音もうまいものとなると、edition7くらいしか思い浮かびませんでした。
 実際聴いてみると、各帯域の量のバランスが非常にマッチする感じです。edition7で慣れた後に他のヘッドホンで聴くと、どこか違和感があるように感じるほどです。


 今回はどの機種もかなり良い鳴らし方でしたが、他にも良い機種は沢山ありそうです。特に分解能が高く原音忠実なヘッドホンが良いというわけではなく、1万円台のDJ用ヘッドホン等でもそれなりに魅力的に鳴らしてくれるように思います。条件としては、打ち込み系の音が得意なこと、低域の量がある程度あること、線の細い鳴らし方でないこと、爽やかさや鮮やかさを感じさせる音調であることです。後はそれらのバランスの好みだと思いますので、自分に合ったものを探してみてください。


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