第76回 The Wizard's Last Rhymes/Rhapsody「Rain of a Thousand Flames」より
Rhapsodyはイタリアのシンフォニックメタルバンドです。2006年に著作権及び商標の問題により改名し、現在は「Rhapsody of Fire」というバンド名で活動しています。メンバー構成は、ヴォーカル、ギター、ベース、キーボード、ドラムスです。
今回取り上げる曲は2001年発表の4thアルバム「Rain of a Thousand Flames」のラスト7曲目です。クラシックの名曲、ドヴォルザークの交響曲第9番ホ短調作品95『新世界より』の第4楽章をロック調にしたものです。
クラシックがベースとは言ってもほとんどロックの音なので、ヘッドホンとしては、ロック向きのものが良いでしょう。
・1台目 MDR-7506(SONY)
ロック向きで、中でもベースやドラムスの量感・締まり・アタック感が良いので選びました。今回の曲はベースやドラムスが比較的しっかりと活躍する曲なので、このあたりのウェイトは軽くないです。また、MDR-7506は曲によっては低域の弾力がありすぎてブヨブヨしているように感じることがありますが、今回の曲ではあまりそういう印象は受けませんでした。
他にはK181DJやRP-21も魅力的でした。低域の量を重視するならK181DJ、総合的なバランスの良さを重視するならRP-21が良いでしょう。どちらもかなり良かったのですが、MDR-7506を選んだのはベースやドラムスの魅力という点で勝っていたこと、明るく切れの良い鳴らし方であったことが要因です。
不満点は、やや作ったような不自然な感じがする点です。
・2台目 HD25-1(SENNHEIER)
定番はなるべく避けようと思ってあれこれ聴いてみるのですが、やはりこれ以上のものはなかなかありません。
1台目の不満点を改善し、それでいてしっかりとした魅力があります。変な派手さはなく安定感があり、聴き込めば聴き込むほど良さが分かる感じです。低域の量感は減りますが、締まりとアタック感があり、まったく不足に感じません。
不満点は、もう少し明るい音で音場が広い方が良いという点です。
・3台目 edition7(ULTRASONE)
2台目同様これも定番ですし、生産終了(後継機のedition9があるとは言え一応)なのであまり選ばないようにしているのですが、2台目の不満点を考えるとこれしかありません。
2台目より明るくて音場が広く、低域の量感・締まり・アタック感も素晴らしく、全体の音の傾向も今回の曲に良く合っています。
今回の曲は密閉型特有の圧力のある音で聴きたいと感じたため、密閉型ばかり選びましたが、人によっては開放型が良いと感じるかもしれません。その場合には定番のSR-325iが良いと思います。
HD25-1とedition7が良いのは当然の結果という印象ですが、MDR-7506については予想以上に良かったです。MDR-7506は中域から中高域が明るい曲では明るすぎたりキンキンしたりして良くないのですが、今回の曲はそのあたりは割と控え目で、低域の質もマッチしたのが要因でしょう。
今回は好みというよりは予算に合わせて選ぶような結果になっていますが、ご了承ください。
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