MDR-7506

音質
 全体的に見るとかなりフラットだが、細かい周波数特性には波があるようだ。ややドンシャリ気味か。低域はしっかり低い音を鳴らしてくれるし厚みもあるが、量は程々。中域は低域に埋もれたりせずはっきり聴こえてくるが、これは若干うわずり気味のせいであることも理由かもしれない。高域はある種金属的な鳴らし方。細いわけではないが、しっかりした高域が楽しめる。
 分解能は価格の割にはなかなか良い。さすがはモニター用といったところ。音場感はそれなり。やや耳に近い場所で音が鳴っている上に、空間が狭いのが気になる。原音忠実性はかなり良い。原音の粗や実体感が感じられる。エッジは多少きつめだが、それほど聴き疲れしないレベル。
 明瞭さ、音の鮮やかさはなかなか良い。厚みはかなりある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはいまいち。音楽鑑賞に使うには、この点が最大の欠点かもしれない。モニター的ではあるが、かなりノリ良く音楽を楽しめる。響きは適度からややあっさり。
 弦楽器は心地よさにはやや欠けるものの、原音の生っぽさや澄んだ感じが楽しめる。金管楽器はなかなか鮮やかだが、作ったような感じはしない。適度な刺激が楽しめると言って良いだろう。打ち込み系の音の表現はかなりうまい。低域の量感と音の厚みが合う。
 モニター用でありながら音楽鑑賞にも使える優れた機種。

装着感
 良好。側圧は普通からやや強めで、ずれやすい等の不満はない。ヘッドバンドはあまり柔らかくないが、意外と軽いため苦にならない。
 イヤーパッドは耳を覆うサイズだが、内周はあまり広くないし深さがやや浅めなため耳に当たる。ただし、MDR-CD900STよりはかなり深い。上下左右に角度調節ができる。材質はシワが気になる安っぽい人工皮革。

その他
 遮音性及び音漏れ防止は良好。
 デザインはいかにもスタジオモニター用といった感じで、良くはない。作りは悪くない。折りたたみ可能で、カールコード。
 プラグは金メッキのミニプラグ。コードの太さは約3.5mm、硬さは普通で特に扱いづらさは感じない。イヤーパッドのサイズは、外周102mm×78mm、内周60mm×36mm、深さ12mm。

付属品
ミニ→標準変換プラグ
キャリングポーチ



参考
メーカー製品ページ

不定期コラム『第36回 周波数特性のグラフと実際』
不定期コラム『第44回 イヤーパッドの交換と音質の変化 2回目』
不定期コラム『第58回 追加測定ピックアップと注意点』

周波数特性グラフ


比較メモ
HFI-650
どちらもややドンシャリ。低域はMDR-7506の方が低い音で量も多く、粘りがある。中域はどちらもはっきり聴こえてくるが、MDR-7506の方がうわずっていて癖がある。高域はHFI-650の方がやや高い音で硬く粗のない感じ。この2機種を比べた場合、HFI-650の方が高音よりと言えるだろう。分解能はほぼ互角。音場感はHFI-650の方が広く明確。原音忠実性は同等レベル。周波数特性上の癖のなさではHFI-650の方が良いが、MDR-7506の方が原音の粗や生っぽさが感じられる。HFI-650の方がエッジがきつくやや聴き疲れする。明瞭さ、音の鮮やかさはHFI-650の方が上。厚みはどちらもしっかりある感じだが、音が太く低音の量が多い分MDR-7506の方がやや上のように感じる。温かみはどちらもあまり感じられないが、どちらかと言えばHFI-650の方が感じられる。ヴォーカルの艶っぽさはHFI-650の方が上。どちらもノリが良い傾向だが、HFI-650は締まりや切れでノリが良い感じ、MDR-7506はHFI-650と比べるとやや低音の量で押す感じ。響きはどちらもややあっさりでほぼ同等レベル。弦楽器はHFI-650の方が癖がなく澄んだ音。金管楽器はどちらもなかなか鮮やかだが、HFI-650の方がやや高い音で不要な成分を鳴らさない感じで好印象。打ち込み系の音の表現はどちらもうまい。中域から高域の鮮やかさや締まりを重視するならHFI-650、低域の量感を求めるならMDR-7506といった感じ。使い分けるなら、低域の量感が欲しいならMDR-7506、そうでなければHFI-650。

HFI-780
どちらもややドンシャリ。低域はMDR-7506の方が柔らかく弾力があり、量もやや多い。どちらも中低域が凹んでいる点が似ている。中域はどちらも低域に埋もれたりせずはっきり聴こえてくる。音の高さとしてはHFI-780の方が高いくらいなのだが、MDR-7506の方が張り出したりして嫌味が出ることが多い。高域はHFI-780の方が細く高く、量もやや多い。この2機種を比べると、HFI-780の方が高音よりと言える。分解能はHFI-780の方がやや上。音の分離に差がある。音場感はHFI-780の方が広く明確。原音忠実性は微妙。どちらも周波数特性にやや癖があり一聴して違和感を感じやすいのが難点だが、どちらかと言えばHFI-780の方がましか。原音の粗や生っぽさは、MDR-7506の方が感じられる。エッジはHFI-780の方が鋭い感じでやや聴き疲れしやすい。ただ、MDR-7506の方が音に粗があり、そういう意味で疲れることもある。明瞭さ、音の鮮やかさはHFI-780の方が上。厚みは微妙。厚みがどうこうと言うより、HFI-780の方が締まっているのが印象的。温かみはどちらも感じられないが、HFI-780の方が硬く冷たい音。ヴォーカルの艶っぽさはどちらもあまり感じられないが、MDR-7506の方が嫌味が出る点がマイナス。HFI-780は硬いという点を除けば悪くない。どちらもノリが良いが、切れやスピード感はHFI-780の方が上。粗がないという意味で、HFI-780の方が繊細。響きは、低域はMDR-7506の方がやや豊か、高域はHFI-780の方がやや豊か。MDR-7506の方が古っぽい音で生気に欠けるが、そこがモニター用らしいとも言える。弦楽器はどちらもあまり心地よく楽しめるタイプではない。ヴァイオリン等を澄んだ音で聴きたいならHFI-780、チェロやコントラバスを柔らかい音で聴きたいならMDR-7506。生楽器らしさが欲しいならMDR-7506の方が良いだろうが、それで音楽として楽しめるようになるかは微妙なところ。金管楽器はHFI-780の方が高く鮮やかで楽しめる。打ち込み系の音の表現はどちらもうまい。音の質感の相性や切れ等、基本的にはHFI-780の方が良いが、低域の量感が足りないならMDR-7506の方が良いだろう。使い分けるなら、基本的にはHFI-780、HFI-780では音が硬すぎるとか高域が痛いという不満があるならMDR-7506。

HP-M1000
どちらもややドンシャリ。低域はMDR-7506の方がやや低い音で厚みもあるが、全体的な量はHP-M1000の方が多い。HP-M1000の方が曇っているように感じる。中域はMDR-7506の方が低域に埋もれずはっきり聴こえてくるが、これはMDR-7506の中域がややうわずり気味なせいもあるかもしれない。中高域はMDR-7506の方がかなり出るが、高域はHP-M1000の方が細くて目立つ印象。分解能、音場感、原音忠実性すべてMDR-7506の方が上。HP-M1000の方がややエッジがきつく聴き疲れするが、絶対値としては問題ないレベル。明瞭さ、音の鮮やかさはMDR-7506の方が上。厚みはMDR-7506の方がある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはHP-M1000の方が上。どちらもノリが良いが、HP-M1000はとにかく楽しく聴かせる音作りになっているのに対して、MDR-7506は楽しく聴かせながらもモニター的な部分がしっかり感じられる。響きはどちらも適度だが、どちらかと言えばHP-M1000の方がやや豊かか。弦楽器はMDR-7506の方が繊細。金管楽器はMDR-7506の方が鮮やかで楽しめるし原音に近い。打ち込み系の音の表現はどちらもかなりうまい。HP-M1000では切れが足りないようならMDR-7506の方が合うだろうし、MDR-7506では低域の絶対量が不足に感じるならHP-M1000の方が合うだろう。使い分けるなら、基本的にはMDR-7506で、温かみやヴォーカルの艶っぽさが欲しいときにはHP-M1000。

K271studio
K271studioはやや高音より、MDR-7506はややドンシャリ。低域はMDR-7506の方がしっかり低い音を鳴らすし、量もやや多い。K271studioはMDR-7506と比べると曇っているように感じられる。中域はMDR-7506の方がしっかり聴こえてくるが、これはMDR-7506の中域がややうわずり気味であること、K271studioが曇り気味であることの両方が理由だろう。高域は量はそれほど差が無いが、K271studioの方がやや線の細い鳴らし方。分解能及び原音忠実性はMDR-7506の方がやや上。音場感はほぼ互角。エッジのきつさはほぼ互角で、どちらもそれほど聴き疲れしない。明瞭さ、音の鮮やかさはMDR-7506の方がやや上。厚みはMDR-7506の方がある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはK271studioの方が感じられる。ノリの良さならMDR-7506、繊細さならK271studio。響きはK271studioの方がやや豊か。弦楽器はK271studioの方が繊細かつ心地よい。金管楽器はMDR-7506の方が鮮やかで力強い。打ち込み系の音の表現はMDR-7506の方がうまい。低域の量感や音の厚みが合う。使い分けるなら、室内楽等の繊細さが欲しい場合やヴォーカルものはK271studio、それ以外はMDR-7506。

MDR-7509HD
MDR-7506はややドンシャリ、MDR-7509HDはやや低音より。低域はMDR-7506の方がしっかり低い音を鳴らすし量もやや多い。何より厚みが段違い。中域はMDR-7506の方がやや高い音で、低域の曇りに覆われずはっきり聴こえてくる。高域はMDR-7506の方が量が多いし、明るい。分解能は微妙。音の分離はMDR-7506の方が良いが、一つ一つの音の微細な描写はMDR-7509HDの方がしっかりこなしてくれる。音場感はMDR-7509HDの方が広く明確。原音忠実性は微妙。周波数特性上の癖のなさはMDR-7509HDの方がやや良いように感じるが、原音の粗や生っぽさはMDR-7506の方がはるかに感じられる。MDR-7506の方がエッジがきつく、耳の近くで圧力のある音を鳴らすため聴き疲れしやすい。明瞭さ、音の鮮やかさはMDR-7506の方がかなり上。厚みはMDR-7506の方がかなりある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはMDR-7509HDの方が上。MDR-7506の方がノリが良い。響きはMDR-7509HDの方がやや豊か。弦楽器はMDR-7509HDの方が繊細で心地よいが、生っぽさが足りない。金管楽器はMDR-7506の方が鮮やかで楽しめる。打ち込み系の音の表現はMDR-7506の方がうまい。低域の量感や音の厚み等で勝っている。使い分けるなら、明瞭さや原音らしさ重視ならMDR-7506、心地よさや癖のなさ重視ならMDR-7509HD。

MDR-CD900ST
MDR-7506はややドンシャリ、MDR-CD900STはかなりフラット。低域は、量はそれほど差がないように感じるが、MDR-7506の方が低く厚みのある音を鳴らす。中域はMDR-7506の方が曇りなくはっきり聴こえてくる。これは、MDR-7506の方が中域がやや高めの音を鳴らすのと、MDR-CD900STは低域の薄い曇りが気になるせいだろう。高域はかなり似ているが、MDR-7506の方が若干量が多い。分解能はほぼ互角だが、どちらかと言えば曇りに邪魔されない分MDR-7506の方が良いか。音場感はMDR-7506の方がやや良い。原音忠実性はMDR-CD900STの方が上。MDR-CD900STの方がエッジがきつい上、こもり感が気になるため聴き疲れする。明瞭さ、音の鮮やかさはMDR-7506の方が上。厚みはMDR-7506の方がある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはどちらもソースの持っているもの以上は出さない感じだが、MDR-CD900STの方がやや良いように感じる。どちらもモニターライクな鳴らし方ではあるが、MDR-7506の方がノリが良く楽しめる。響きはMDR-CD900STの方がやや豊か。弦楽器はMDR-CD900STの方が原音に近く、繊細さや心地よさでもMDR-7506にも負けていない。金管楽器はMDR-7506の方が鮮やか。打ち込み系の音の表現はMDR-7506の方がかなりうまい。音の厚みとドンシャリ具合がマッチする。使い分けるなら、聴き疲れしても良いから原音忠実性を保ちたいときにはMDR-CD900ST、それ以外はMDR-7506。

MDR-V6
どちらもややドンシャリ。非常に良く似た音。低域はほぼ同量。質的にも良く似ている。重心はMDR-7506の方が若干低い。中低域はMDR-V6の方が若干しっかり出る。中域はMDR-7506の方が若干明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。中高域はMDR-7506の方が若干しっかり出る。高域は大差ないが、どちらかと言うとMDR-7506の方が多い。質的には非常に良く似ている。分解能はほぼ同レベル。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ大差ない。音場感は広さ・明確さともにほぼ同レベル。原音忠実性は微妙。周波数特性上の癖のなさは大差ないが、どちらかと言うとMDR-V6の方が上。原音の粗や生っぽさが感じられる度合いは大差ないが、どちらかと言うとMDR-7506の方が上。エッジのきつさや聴き疲れはほぼ同レベル。高域にしろヴォーカルのサ行にしろ大差ない痛さ。明瞭さ、音の鮮やかさはMDR-7506の方が若干上。厚みはほぼ同レベル。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはMDR-V6の方が若干感じられる。ヴォーカルはMDR-V6の方が若干スモーキー。MDR-7506の方が若干ノリが良い。メリハリがある。響きは大差ないが、どちらかと言うとMDR-V6の方が豊か。弦楽器は大差ないが、どちらかと言うとMDR-V6の方が心地よい。金管楽器は大差ないが、どちらかと言うとMDR-7506の方が鮮やか。打ち込み系の音の表現は大差ないが、どちらかと言うとMDR-7506の方がうまい。切れで若干勝っている。使い分けにはまったく向かないが、あえて使い分けるなら、明瞭さやメリハリを求めるならMDR-7506、中低域の量や温かみを求めるならMDR-V6。

PRO DJ100
MDR-7506はややドンシャリ、PRO DJ100はやや高音より。低域はMDR-7506の方がある程度量が多い。厚みや弾力のある質。重心はMDR-7506の方が低い。中域は、MDR-7506の方が音色が明るい分はっきり聴こえてくるのに対して、PRO DJ100の方が低域の量が少ない分はっきり聴こえてくる。MDR-7506はソースによってはうわずるような癖が気になることがあるが、PRO DJ100はそういうことはない。中高域はMDR-7506の方がしっかり出る。高域はMDR-7506の方が若干量が多い。PRO DJ100の方がやや線が細く粗がない。分解能はMDR-7506の方が若干上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ大差ないが、どちらかと言うとMDR-7506の方が勝っている。音場感は、PRO DJ100の方がやや広く、MDR-7506の方が若干明確。原音忠実性は微妙。PRO DJ100の方が一聴して違和感がない。原音の粗や生っぽさはMDR-7506の方が若干感じられる。エッジはMDR-7506の方が若干きつく聴き疲れしやすい。高域は大差ない痛さ、ヴォーカルのサ行はMDR-7506の方がやや粗っぽく痛い。明瞭さ、音の鮮やかさはほぼ同レベル。厚みはMDR-7506の方がややある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはPRO DJ100の方が若干感じられる。ヴォーカルはPRO DJ100の方が癖がなく聴きやすい。MDR-7506の方がノリが良い、PRO DJ100の方が繊細。MDR-7506の方がメリハリがある。PRO DJ100の方が軽快。MDR-7506の方が低域に基づく迫力や力強さがある。響きはほぼ同レベル。切れの良さや粗っぽさがハードロックに合う点が似ているが、そういう点を求めるならMDR-7506の方が上。PRO DJ100は低域不足が気になることも多い。弦楽器はPRO DJ100の方が繊細で、音色も自然。金管楽器は、MDR-7506の方がやや太く力強い、PRO DJ100の方がやや細く綺麗。打ち込み系の音の表現はMDR-7506の方がややうまい。低域の質や厚みで勝っている。使い分けるなら、低域の量や迫力を求めるならMDR-7506、癖のなさや繊細さを求めるならPRO DJ100。

RH-300
どちらもややドンシャリ。低域は、MDR-7506が低く塊のような鳴らし方であるのに対して、RH-300は自然な鳴らし方。中低域はRH-300の方が出る。中域はMDR-7506がややうわずっているのに対して、RH-300はかなりおとなしい。中高域から高域はRH-300の方が細く高い鳴らし方。分解能は微妙。音の分離はMDR-7506の方が良いように感じるが、微細な表現はRH-300の方がこなしてくれる。音場感はRH-300の方が広く明確で良い。原音忠実性は方向性が違う。原音の粗はMDR-7506の方が感じられるが、不自然さがないのはRH-300の方だろう。RH-300の方がエッジがきつくやや聴き疲れする。明瞭さはほぼ互角、音の鮮やかさはRH-300の方が上。厚みはMDR-7506の方がややあるように感じられる。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはRH-300の方が上。どちらも基本的にはノリが良いが、ノリの良さならMDR-7506、繊細さならRH-300の方が上。響きはRH-300の方がやや豊か。弦楽器はRH-300の方が繊細かつ心地よい。金管楽器はどちらもなかなかうまいが、RH-300の方がやや高く金属的で楽しめる。打ち込み系の音の表現はどちらもかなりうまい。好みで評価が分かれるだろう。MDR-7506の方が圧力がありメリハリのある鳴らし方、RH-300の方が癖がなくて聴きやすくそれでいて鮮やかな鳴らし方。使い分けるなら、原音の粗や厚み重視ならMDR-7506、温かみやヴォーカルの艶っぽさ重視ならRH-300。

RP-HTX7
MDR-7506はやや低音よりのドンシャリ、RP-HTX7はやや高音よりのドンシャリ。低域はRP-HTX7の方がやや低い音を鳴らすが、全体的な量はMDR-7506の方がかなり多いし、厚みや弾力のある鳴らし方。中域はRP-HTX7の方がややはっきり聴こえてくるが、これは低域の量云々よりもうわずっているためだろう。中高域から高域はRP-HTX7の方が細く硬く高い音を鳴らすが、全体的な量はMDR-7506の方がやや多いように感じる。分解能及び原音忠実性はMDR-7506の方がかなり上。音場感はほぼ互角。RP-HTX7の方がエッジがきつく聴き疲れする。明瞭さは低域の量がかなり少ない分RP-HTX7の方がやや良いように感じるが、音の鮮やかさはほぼ互角。厚みはMDR-7506の方がある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはMDR-7506の方が上。MDR-7506の方がノリが良い。響きはMDR-7506の方が豊か。RP-HTX7の方がタイトで付帯音が無い。あまりにも飾り気の無い音。弦楽器はMDR-7506の方が原音に近い上、心地よい。金管楽器はRP-HTX7の方が高い音を鳴らすがソースによってはチープに感じる。MDR-7506の方が力強く原音に近い。打ち込み系の音の表現はどちらもうまいが、RP-HTX7は低域がタイトすぎて量が足りない気がする。使い分けるなら、基本的にはMDR-7506、よほど低域のタイトさが欲しいときや付帯音の無さが欲しいときだけRP-HTX7。

SE-MONITOR 10R
どちらもややドンシャリ。低域はMDR-7506の方が厚みや弾力があり、量も多い。中域はどちらもはっきり聴こえてくるが、SE-MONITOR 10Rの方が癖がない点が良い。高域はSE-MONITOR 10Rの方が高く鋭い音を鳴らす。分解能はほぼ同レベルだが、どちらかと言えばSE-MONITOR 10Rの方が上。音場感はSE-MONITOR 10Rの方が広く明確。原音忠実性はSE-MONITOR 10Rの方がやや上。原音の粗や生っぽさが感じられる度合いはほぼ同レベルだが、周波数特性上の癖のなさでSE-MONITOR 10Rが勝っている。SE-MONITOR 10Rの方がエッジがきつくやや聴き疲れしやすい。明瞭さはほぼ同レベル、音の鮮やかさはSE-MONITOR 10Rの方がやや上。厚みはMDR-7506の方がある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはSE-MONITOR 10Rの方が上。MDR-7506の方がノリが良く、SE-MONITOR 10Rの方が繊細。響きは、低域はMDR-7506の方が豊か、高域はSE-MONITOR 10Rの方が豊か。弦楽器はSE-MONITOR 10Rの方が心地よく癖がない。金管楽器はSE-MONITOR 10Rの方が高く明るい鳴らし方だが、力強さという点ではMDR-7506の方が勝っている。打ち込み系の音の表現はどちらもうまいが、MDR-7506の方がやや良い。音の厚み、圧力、低域の量で勝っている。使い分けるなら、癖のなさ重視ならSE-MONITOR 10R、音の厚みや低域の量感重視ならMDR-7506。

SP-K300
MDR-7506はややドンシャリ、SP-K300は低音よりのドンシャリ。低域はMDR-7506の方が低い音を鳴らすが、量はSP-K300の方がかなり多い。中域はMDR-7506の方が低域に埋もれずはっきり聴こえてくる。高域はSP-K300の方がややとがった鳴らし方。分解能、音場感、原音忠実性すべてMDR-7506の方が良い。SP-K300の方がエッジがきつい上、こもり感が気になるため聴き疲れする。明瞭さ、音の鮮やかさはMDR-7506の方が上。厚みはMDR-7506の方がある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはどちらもいまいちだが、どちらかと言えば低域の曇りがあるSP-K300の方が良いように感じてしまう。MDR-7506はノリが良いながらもモニター的であるのに対して、SP-K300は低域で押してくる単純にノリが良い機種。響きはSP-K300の方が豊か。弦楽器はMDR-7506の方が繊細。金管楽器はSP-K300の方がやや高い音を鳴らすが、作ったような感じがする。原音忠実を求めるならMDR-7506の方が良いだろう。打ち込み系の音の表現はMDR-7506の方がうまい。音の厚みと低域の締まりが合う。使い分けるなら、基本的にはMDR-7506、聴き疲れや低域の曇りがあっても良いから温かみやヴォーカルの艶っぽさを求めるならSP-K300。

サイン波応答


位相+高周波歪み


インパルス応答(CSD)


インパルス応答(録音波形)


100Hz・1kHz・10kHzサイン波の再生


曲別HP探索
第19回 爆音ドロップ/THE PREDATORS「Hunting!!!!」より
第33回 メトロノーム/toe「The Book About My Idle Plot On A Vague Anxiety」より
第48回 Continuum/Jaco Pastorius「Jaco Pastorius」より
第56回 Remembering J.P./Lee Ritenour、Larry Carlton「Larry&Lee」より
第76回 The Wizard's Last Rhymes/Rhapsody「Rain of a Thousand Flames」より
第83回 平俗宇宙に不滅の皇帝/「少女革命ウテナサウンドトラックvol.3 体内時計都市オルロイ」より
第87回 My Plague/Slipknot「IOWA」より
第98回 21世紀の精神異常者/キング・クリムゾン「クリムゾン・キングの宮殿」より

曲別HP探索2
第4回 Go West/Pet Shop Boys「PopArt」より





※本機は海外仕様(サマリウムコバルトドライバ、透明な外箱)と国内仕様(ネオジウムマグネットドライバ、白い外箱)が存在し、音質が異なる。本レビューは海外仕様でのもの。MDR-7506は元々海外向け製品であり、国内仕様は最近追加されたもの。世界中で使用されているMDR-7506のほとんどは海外仕様のものである。
  なお、現在は海外仕様のものもネオジウムマグネットになっている模様(パッケージは国内仕様と異なる)。流通在庫があるうちはサマリウムコバルトとネオジウムマグネットが混在することになるので、要注意。










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スペック

駆動方式 構造 周波数帯域 音圧感度 インピーダンス
ダイナミック 密閉型 10Hz〜20kHz 106dB 63Ω
重量 ドライバー直径 コードの長さ コードの出し方 備考
230g 40mm 3m(カール) 片出し 折りたたみ可能

評点

音質 装着感 遮音性 音漏れ デザイン 携帯性 音の傾向 参考最安価格
4 4 4 4 3 3 均(低、高) 12800円

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公開日:2006.5.14