HFI-780
音質
ややドンシャリ。低域は、中低域が凹んでいて100Hz以下が妙に目立つ感じはするものの、重心が低く厚みや締まりがある。中域は、中低域から中域にかけて凹んでいる上、やや高めの音ではっきり聴こえてくる。高域はしっかり高い音を鳴らすし、明るい表現で粗もない。
分解能はかなり良い。特に音の分離は十分なものを持っている。一つ一つの音の微細な描写はあまり細かくはしてくれないが、正確で余計な音は鳴らさないという印象。音場感はULTRASONE独特の癖はあるが、慣れればかなり広く非常に明確であることが分かる。この点は旧HFIシリーズより進歩している。原音忠実性はそれなり。周波数特性的には多少癖があるが全体のバランスは悪くないし、原音の粗や生っぽさはある程度感じられる。エッジは多少きつめだが、刺激として楽しめるレベル。
明瞭さ、音の鮮やかさは非常に良い。曇りや不明瞭な印象を受けることがほとんどない。厚みはしっかりある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはいまいち。音が硬くタイトで付帯音が少なく、温かみに欠けると言うよりは冷たい音。音の厚みやスピード感がありかなりノリが良いが、それでいて粗のなさという意味では繊細さも十分。響きはややあっさりで、こもり感はあまり気にならない。
弦楽器はもう少しウォームさや柔らかさが欲しかったところ。ただ、ヴァイオリン等を澄んだ音で聴きたいなら合う。金管楽器はかなり鮮やかで楽しめる。打ち込み系の音の表現はかなりうまい。低域は締まりがあり量も十分、中域から高域の鮮やかさも文句のないレベル。
元々ULTRASONEのHFIシリーズは硬質で打ち込み系の音との相性が良かったが、本機は更にその傾向が強くなっている。明るく硬質な音を好むならかなり良い機種。
装着感
良好。側圧はやや強めだが、ほとんど耳が触れないので長時間使用しても耳が痛くなることはない。頭頂部にはきちんとクッションがあるのだが、それでも長時間使用すると少し痛い。多少動いてもずれない安心感が良い。
イヤーパッドは耳を覆うサイズで、上下左右に角度調節ができる。材質はレザータイプの人工皮革で、硬さは普通。
その他
遮音性及び音漏れ防止は良好。
作りはなかなか良いが、デザインは人を選びそう。単品で見るなら、ロゴ以外の点はなかなか格好良い。折りたたみ可能でスイーベル機構。
プラグは金メッキのミニプラグ。コードの太さは約4mm、硬くて癖が付きやすく扱いづらい。イヤーパッドのサイズは、外周102mm×88mm、内周58mm×46mm、深さ18mm。
付属品
ミニ→標準変換プラグ
キャリングポーチ
デモCD
参考
メーカー製品ページ
代理店製品ページ
不定期コラム『第49回 イヤーパッドの交換と音質の変化 3回目』
周波数特性グラフ
比較メモ
ATH-ES7
どちらもややドンシャリ。低域はATH-ES7の方がやや量が多い。HFI-780の方が締まっていて若干重心が低い。中低域はATH-ES7の方がかなりしっかり出る。HFI-780は中低域が凹んでいるため、ソースによってはスカスカに感じることがあるが、ATH-ES7はそんなことはない。中域はHFI-780の方がやや高い音で、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域はHFI-780の方が若干量が多い。硬く明るい質で、粗がない。分解能はHFI-780の方がやや上。特に音の分離に差がある。音場感はHFI-780の方が広い。ATH-ES7の方が耳の近くで音を鳴らす感じが気になる。原音忠実性は微妙。ATH-ES7の方が周波数特性上の癖が小さく、一聴して違和感も小さい。原音の粗や生っぽさはHFI-780の方がやや感じられる。エッジはHFI-780の方がややきつく、聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろHFI-780の方がやや鋭く刺さる。明瞭さ、音の鮮やかさはHFI-780の方がやや上。厚みはHFI-780の方がややあるように感じられるが、それよりもHFI-780の方が硬く締まった音である点に目が行く。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはATH-ES7の方がやや上。どちらもノリが良いが、ATH-ES7の方が低域の量に基づく迫力があり、HFI-780の方が切れが良い。響きはATH-ES7の方がやや豊かでこもり感が気になる。HFI-780の方が付帯音や無駄が少ない。弦楽器はATH-ES7の方が柔らかく心地よい。HFI-780は硬く締まりすぎているように感じることが多い。金管楽器はHFI-780の方が明るく鮮やかで楽しめる。打ち込み系の音の表現はHFI-780の方がややうまい。音の質感の相性や切れで勝っている。使い分けるなら、低域の量や癖のなさ重視ならATH-ES7、切れや音場の広さ重視ならHFI-780。
ATH-W1000
ATH-W1000はやや高音より、HFI-780はややドンシャリ。低域はHFI-780の方が低い音で厚みがある。ただし、中低域についてはHFI-780は減衰していてATH-W1000の方が出る。中域は、HFI-780の方が中低域が少ない上、やや高い音ではっきり聴こえてくる。中高域から高域はHFI-780の方が細く高い音で、味付けがなくシンプル。ATH-W1000の方が積極的に味付けをしているようにも感じる。分解能はHFI-780の方がやや上。音場感はHFI-780の方が広く明確。ATH-W1000の方が耳の近くで音を鳴らしている感じが気になるものの、平面的な広さはある。原音忠実性は微妙。ATH-W1000は中高域から高域に味付けがあるし、HFI-780は中低域が露骨に減衰している。原音の粗や生っぽさはHFI-780の方が多少感じられる。HFI-780の方がエッジがきつくやや聴き疲れしやすい。明瞭さはHFI-780の方がやや上、音の鮮やかさはATH-W1000の方がやや上。厚みはHFI-780の方がある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはATH-W1000の方が上。HFI-780の方がノリが良い。響きはATH-W1000の方がやや豊か。HFI-780の方がタイトで味付けがない。弦楽器はATH-W1000の方がうまい。柔らかく余裕のある鳴らし方。金管楽器はどちらがうまいと言うよりは味付けの問題。ATH-W1000の方が味付けがあり、その味付け含めてかなり魅力的。HFI-780は鮮やかで楽しめるのだが味付けは少ない。打ち込み系の音の表現はどちらもうまいが、HFI-780の方が低域の量感や音の厚み等で勝っている分うまいように感じる。使い分けるなら、ATH-W1000の味付けを好むならATH-W1000、そうでないならHFI-780。あるいは、温かみやヴォーカルの艶っぽさ重視ならATH-W1000、明瞭さやノリの良さ重視ならHFI-780。
ATH-WS70
ATH-WS70は低音よりのドンシャリ、HFI-780はややドンシャリ。低域はATH-WS70の方がやや量が多い。HFI-780の方が硬く締まっている。重心はHFI-780の方が若干低い。中低域はHFI-780の方が凹んでいる印象。中域はHFI-780の方がやや明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。言い換えると、ATH-WS70の方が低く落ち着いていて聴きやすい。高域はHFI-780の方が若干量が多い。やや細く明るい質で目立つ。分解能はHFI-780の方がやや上。特に音の分離に差がある。音場感はHFI-780の方がある程度広い。ATH-WS70の方が耳の近くで音を鳴らす感じが気になる。原音忠実性は微妙。ATH-WS70は低域の量が多すぎる点が気になるのに対して、HFI-780は中低域の凹みが気になる。原音の粗や生っぽさはHFI-780の方が若干感じられる。エッジはHFI-780の方が若干きついが、ATH-WS70は低域の量やこもり感で疲れる面があるため、総合的な聴き疲れはソースや聴く人によって変わってくるだろう。高域にしろヴォーカルのサ行にしろHFI-780の方が若干細く刺さる。明瞭さ、音の鮮やかさはHFI-780の方が上。厚みはHFI-780の方がややあるように感じられるが、それよりもHFI-780の方が硬く締まった音である点に目が行く。温かみはATH-WS70の方がやや感じられる。ヴォーカルの艶っぽさはほぼ同レベルだが、ATH-WS70の方がやや柔らかくスモーキー。低い男性ヴォーカルはATH-WS70の方がしっかり鳴らしてくれる。HFI-780の方が明るく切れが良い。低域に基づく迫力や力強さはATH-WS70の方がある。響きはATH-WS70の方がやや豊かでこもり感が気になる。どちらも付帯音が少なく硬い音である点は似ている。弦楽器はどちらもヴァイオリン等を澄んだ感じで聴きたいときに向いている点は似ているが、ATH-WS70の方がチェロやコントラバスを柔らかく滑らかに鳴らしてくれる。金管楽器はどちらも金属的で鮮やかだが、HFI-780の方がやや細く明るい。打ち込み系の音の表現はHFI-780の方がややうまい。音の質感の相性や切れで若干勝っている。使い分けるなら、基本的にはHFI-780、HFI-780では中低域の凹みが気になるとか音が硬すぎるという不満があるならATH-WS70。
Crossfade M-100
Crossfade M-100は低音よりのドンシャリ、HFI-780はややドンシャリ。低域はCrossfade M-100の方がやや量が多い。HFI-780の方が締まりや制動が感じられる。Crossfade M-100の方が全体的にしっかり出る印象。重心はHFI-780の方がやや低い。中低域はCrossfade M-100の方がしっかり出る。中域はHFI-780の方がやや明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域はHFI-780の方が若干量が多い。硬く明るい質で目立つ。分解能はHFI-780の方がやや上。特に音の分離に差がある。音場感はHFI-780の方がやや広く明確。Crossfade M-100の方が近くで音を鳴らす感じで頭内定位が気になりやすい。原音忠実性は微妙。Crossfade M-100は低域の量が多すぎる点が気になるのに対して、HFI-780は全体の周波数特性上の癖が気になる。原音の粗はHFI-780の方がやや感じられるが、生っぽさはCrossfade M-100の方がやや感じられる。エッジはHFI-780の方がややきつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろHFI-780の方がやや痛い。明瞭さ、音の鮮やかさはHFI-780の方がやや上。厚みはほぼ同レベル。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはCrossfade M-100の方がやや感じられる。ヴォーカルはCrossfade M-100の方が癖がなくソースを選ばない。ノリの良さは微妙。HFI-780の方が切れやメリハリがある。Crossfade M-100の方が低域に基づく迫力や力強さがある。響きはCrossfade M-100の方がやや豊かでこもり感が気になる。弦楽器はCrossfade M-100の方が心地よいし、音色も自然。金管楽器は、Crossfade M-100の方が癖がない、HFI-780の方がやや鮮やか。打ち込み系の音の表現はHFI-780の方がややうまい。音の質感の相性や切れで勝っている。使い分けるなら、癖のなさや迫力を求めるならCrossfade M-100、音の分離や音場の広さを求めるならHFI-780。
DJ1 PRO
どちらもややドンシャリ。低域はどちらも中低域が少ない点等、多少似ているところがある。DJ1 PROの方がやや柔らかく、若干量が多い。ただ、HFI-780の方が圧力があり、ソースによってはHFI-780の方が低域の存在感があるように感じることがある。中域はどちらかと言うとHFI-780の方が前に出る感じではっきり聴こえる。高域はHFI-780の方が粗がない。細く高い音。分解能はHFI-780の方がやや上。音の分離に差がある。音場感はDJ1 PROの方がやや広い。原音忠実性はHFI-780の方が上。DJ1 PROと比べて一聴して違和感を感じにくい音だし、原音の粗や生っぽさの感じられる度合いでも勝っている。エッジのきつさは微妙。DJ1 PROの方が粗があり、HFI-780の方がサ行や高域が鋭い。聴き疲れは、HFI-780の方が圧力がある分やや酷い印象。明瞭さ、音の鮮やかさはどちらも非常に良いが、どちらかと言えばHFI-780の方が良いか。厚みは微妙。基本的にはDJ1 PROの方があるように感じるが、HFI-780の方が凝縮されて密度が高いような感じ。温かみはどちらも感じられないが、DJ1 PROの方がまだ温かみがあるように感じる。どちらもヴォーカルの艶っぽさはいまいちだが、自然な音という意味ではHFI-780の方が良い。どちらもノリが良いが、DJ1 PROの方が自由奔放な感じ、HFI-780の方がしっかり制御されている感じ。どちらもあまり繊細という印象は受けないが、粗のなさという意味ではHFI-780の方が繊細。響きはどちらもあっさりだが、低域はDJ1 PROの方が豊か、高域はHFI-780の方が豊か。HFI-780の方が硬質でギスギスしている印象。ただ、これはDJ1 PROが自由すぎるという見方もできる。弦楽器はどちらもあまりうまくないが、HFI-780の方が自然で良いし、ヴァイオリン等を澄んだ音で聴きたいならHFI-780の方がかなり良い。金管楽器はどちらも鮮やかで力強く魅力的。HFI-780の方が粗がなくシンプルな鳴らし方。打ち込み系の音の表現はどちらも非常にうまい。どちらが良いかは好みの差だろう。DJ1 PROの方が元気が良く、HFI-780の方が硬く締まっている。使い分けるなら、分解能や原音忠実性を重視するならHFI-780、それよりも元気の良さや個性を求めるならDJ1 PRO。あるいは、基本的にはHFI-780、HFI-780では音が硬いとか楽しくないという不満があるならDJ1 PRO。得意な音楽や不得意な音楽が似ているので、そういう意味ではあまり使い分けには向かない。
edition7
どちらもややドンシャリ。低域はedition7の方がローエンドまで素直に出る感じ。HFI-780の方が中低域が凹んでいて100Hz以下が妙に目立つ感じ。全体的な低域の量はedition7の方が多いが、100Hz以下はほぼ同量。中域は、HFI-780の方が中低域から中域にかけても減衰している上、やや高い音ではっきり聴こえてくる。高域は質的にも量的にもそれなりに似ているが、HFI-780の方が細くて明るい鳴らし方。分解能はedition7の方がやや上。音の分離はさほど差を感じないが、一つ一つの音の微細な描写で勝っている。音場感はHFI-780の方が広いが、明確さという意味ではさほど差を感じない。HFI-780はedition7と比べると空間の広さの割に音が足りていないような印象を受ける。原音忠実性はedition7の方が上。周波数特性上の癖のなさで勝っているし、原音の実体感が感じられる度合いが違う。ただ、原音の粗や生っぽさが感じられる度合いには大きな差はない。エッジのきつさや聴き疲れはほぼ同レベル。明瞭さはHFI-780の方がやや上、音の鮮やかさはedition7の方がやや上。厚みはedition7の方がある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはedition7の方が上。どちらもノリが良い傾向だが、edition7の方が迫力や力強さがあり、HFI-780の方が明るく軽快。響きはほぼ同レベルだが、どちらかと言えばedition7の方が豊か。HFI-780の方が硬くタイト。HFI-780はedition7と比べて、中低域が減衰していること、音場の広さの割に音が足りてないように感じること、厚みが薄いこと等の理由からスカスカな音に感じる。弦楽器はedition7の方が繊細かつ心地よい。金管楽器はHFI-780の方が明るいことは明るいが、edition7の方が力強さや細かい表現で勝っている。打ち込み系の音の表現は微妙。edition7の方が厚みや低域の量感で勝っているが、HFI-780の方がスッキリしていて明るいのでそれを好む人もいるだろう。使い分けるなら、基本的にはedition7、音場の広さや明瞭さを重視するならHFI-780。
HA-MX10-B
HA-MX10-Bはかなりフラット、HFI-780はややドンシャリ。低域はHFI-780の方が若干量が多い。特に所謂重低音より下はHFI-780の方がしっかり出る。HFI-780の方がかなり存在感がある。重心はHFI-780の方が低い。中域はHFI-780の方が若干明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域はHFI-780の方が若干量が多い。やや硬く明るい質で目立つ。分解能はHFI-780の方が若干上。音の分離に差がある。音場感はHFI-780の方がやや広く明確で、見晴らしが良く把握しやすい。原音忠実性はHA-MX10-Bの方が上。周波数特性上の癖が小さく、一聴して違和感がない。原音の粗や生っぽさが感じられる度合いはほぼ同レベル。エッジはHFI-780の方がややきつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろHFI-780の方がやや鋭く刺さる。明瞭さ、音の鮮やかさはHFI-780の方がやや上。HFI-780の方が作ったような明るさがある。厚みはHFI-780の方が若干あるが、それよりもHFI-780の方が硬く締まった音である点に目が行く。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはHA-MX10-Bの方が感じられる。ヴォーカルはHA-MX10-Bの方が癖がなく聴きやすい。どちらもノリが良い傾向だが、HA-MX10-Bの方がニュートラル。HFI-780の方が切れやメリハリがある。響きはHA-MX10-Bの方がやや豊か。弦楽器はHA-MX10-Bの方が心地よいし、音色も自然。金管楽器は、HA-MX10-Bの方が癖がない、HFI-780の方が若干明るい。打ち込み系の音の表現はHFI-780の方がややうまい。音の質感の相性や切れで勝っている。使い分けるなら、原音忠実性や聴きやすさを求めるならHA-MX10-B、音場の広さや明瞭さを求めるならHFI-780。
HD25-1
どちらもややドンシャリ。低域はどちらも締まっているが、かなり違う音を鳴らす。所謂重低音はHFI-780の方がやや量が多いが、中低域はHD25-1の方がかなりしっかり出る。HFI-780は中低域が凹んでいるため、ソースによってはスカスカに感じることがあるが、HD25-1はそんなことはない。中域は、HFI-780の方が中低域が凹んでいる上やや高い音を鳴らすためはっきり聴こえてくる。高域はHFI-780の方が高く鋭い音で量も多い。分解能はHFI-780の方がやや上。音の分離に差がある。音場感はHFI-780の方が広く見晴らしが良い。HD25-1の方が耳の近くで音を鳴らす感じが気になる。原音忠実性はHD25-1の方が上。周波数特性上の癖が少ないし、一聴したときの違和感のなさでも勝っている。エッジはHFI-780の方がきつく聴き疲れしやすい。明瞭さ、音の鮮やかさはHFI-780の方が上。ただ、これはHFI-780に作ったような明るさがあるためで、HD25-1も特に不明瞭ということはない。厚みはHD25-1の方がややあるように感じるが、これはHFI-780の中低域が凹んでいる上に硬く締まった音である影響が大きい。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはHD25-1の方が上。どちらもノリが良いが、HFI-780の方が明るく派手。音の圧力はどちらもしっかりある。響きはHD25-1の方がやや豊かで、こもり感が気になる。弦楽器はHD25-1の方がうまい。癖がなく安心して聴ける。ただし、ヴァイオリン等を澄んだ音で聴きたいならHFI-780の方が良いこともある。金管楽器はHFI-780の方が高く鮮やかで楽しめる。打ち込み系の音の表現はHFI-780の方がうまい。音の質感の相性で勝っている。ロックとの相性はHD25-1の方が良い。例えばバスドラの表現はHD25-1の方がうまい。HFI-780はかなり癖があるし、量が物足りない感じ(ここでも中低域不足が影響している模様)。アタック感はほぼ同レベルだが、どちらかと言えばHFI-780の方がある。使い分けるなら、癖のなさや中低域の量重視ならHD25-1、音場や明瞭さ重視ならHFI-780。あるいは、ロックや弦楽器はHD25-1、ポップス(打ち込み系)や金管楽器はHFI-780。
HFI-650
広い目で見るとそれなりに似ている機種。どちらもややドンシャリ。低域はHFI-780の方が低い音で厚みがある。中域はどちらも低域に負けたりせずはっきり聴こえてくる。中高域はHFI-780の方が凹んでいる感じで、HFI-650の方が量が多い。高域は量的にはほぼ同量だが、HFI-780の方がやや高い音。分解能はHFI-780の方がやや上。音の分離に差がある。音場感はHFI-780の方が広く明確。原音忠実性は微妙。周波数特性的にはHFI-650の方が若干癖がないように感じるが、原音の粗や生っぽさはHFI-780の方が感じられる。エッジのきつさはほぼ同レベルだが、どちらかと言えばHFI-780の方がきついし、HFI-780の方が圧力があり多少聴き疲れしやすい。明瞭さ、音の鮮やかさはHFI-780の方がやや上。厚みはほぼ互角。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはHFI-650の方がやや上。どちらもノリが良いが、HFI-780の方がよりダイナミック。響きはほぼ同等だが、HFI-650の方が若干豊かか。HFI-780の方がシャープでメリハリがある。弦楽器はHFI-650の方が心地よく聴ける。HFI-780は音が硬すぎる。金管楽器はほぼ互角。中高域はHFI-780の方が凹んでいるので、量的にはHFI-650の方が多く、癖がない。ただ、HFI-780の方が高い音で鮮やかに感じる面もある。打ち込み系の音の表現はHFI-780の方がうまい。低域の量感や迫力で勝っている。使い分けるなら、温かみや癖のなさ重視ならHFI-650、明瞭さや基本性能重視ならHFI-780。
MDR-7506
どちらもややドンシャリ。低域はMDR-7506の方が柔らかく弾力があり、量もやや多い。どちらも中低域が凹んでいる点が似ている。中域はどちらも低域に埋もれたりせずはっきり聴こえてくる。音の高さとしてはHFI-780の方が高いくらいなのだが、MDR-7506の方が張り出したりして嫌味が出ることが多い。高域はHFI-780の方が細く高く、量もやや多い。この2機種を比べると、HFI-780の方が高音よりと言える。分解能はHFI-780の方がやや上。音の分離に差がある。音場感はHFI-780の方が広く明確。原音忠実性は微妙。どちらも周波数特性にやや癖があり一聴して違和感を感じやすいのが難点だが、どちらかと言えばHFI-780の方がましか。原音の粗や生っぽさは、MDR-7506の方が感じられる。エッジはHFI-780の方が鋭い感じでやや聴き疲れしやすい。ただ、MDR-7506の方が音に粗があり、そういう意味で疲れることもある。明瞭さ、音の鮮やかさはHFI-780の方が上。厚みは微妙。厚みがどうこうと言うより、HFI-780の方が締まっているのが印象的。温かみはどちらも感じられないが、HFI-780の方が硬く冷たい音。ヴォーカルの艶っぽさはどちらもあまり感じられないが、MDR-7506の方が嫌味が出る点がマイナス。HFI-780は硬いという点を除けば悪くない。どちらもノリが良いが、切れやスピード感はHFI-780の方が上。粗がないという意味で、HFI-780の方が繊細。響きは、低域はMDR-7506の方がやや豊か、高域はHFI-780の方がやや豊か。MDR-7506の方が古っぽい音で生気に欠けるが、そこがモニター用らしいとも言える。弦楽器はどちらもあまり心地よく楽しめるタイプではない。ヴァイオリン等を澄んだ音で聴きたいならHFI-780、チェロやコントラバスを柔らかい音で聴きたいならMDR-7506。生楽器らしさが欲しいならMDR-7506の方が良いだろうが、それで音楽として楽しめるようになるかは微妙なところ。金管楽器はHFI-780の方が高く鮮やかで楽しめる。打ち込み系の音の表現はどちらもうまい。音の質感の相性や切れ等、基本的にはHFI-780の方が良いが、低域の量感が足りないならMDR-7506の方が良いだろう。使い分けるなら、基本的にはHFI-780、HFI-780では音が硬すぎるとか高域が痛いという不満があるならMDR-7506。
MDR-V6
どちらもややドンシャリ。低域はMDR-V6の方がやや量が多い。HFI-780の方がやや硬く締まった質、MDR-V6の方がやや柔らかく弾力のある質。重心の低さはほぼ同レベル。中域はHFI-780の方が低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域はHFI-780の方がやや量が多い。硬く明るい質で目立つ。この2機種を比べると、HFI-780の方が高音よりと言える。分解能はHFI-780の方がやや上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ若干勝っている。音場感はHFI-780の方がやや広く明確。MDR-V6の方が近くで音を鳴らす感じで頭内定位が気になりやすい。原音忠実性は微妙。どちらかと言うとMDR-V6の方が違和感が小さいが、低域の量が多い点はやや気になる。原音の粗や生っぽさはMDR-V6の方が若干感じられる。エッジはHFI-780の方がややきつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろHFI-780の方が若干細く刺さる。明瞭さ、音の鮮やかさはHFI-780の方がやや上。厚みはほぼ同レベルだが、それよりもHFI-780の方が硬く締まった音である点に目が行く。温かみはMDR-V6の方が若干感じられる。ヴォーカルの艶っぽさはほぼ同レベル。HFI-780の方が若干明るくノリが良い。HFI-780の方が切れやメリハリがある。響きはMDR-V6の方がやや豊かでこもり感が気になる。弦楽器はHFI-780の方がやや繊細。ヴァイオリン等を澄んだ感じで聴きたいならHFI-780の方がやや良いが、チェロやコントラバスを濃厚に鳴らして欲しいならMDR-V6の方がやや良い。金管楽器はHFI-780の方がやや鮮やかで、金属的な質感を出してくれる。打ち込み系の音の表現はHFI-780の方がややうまい。音の質感の相性や切れで勝っている。使い分けるなら、基本的にはHFI-780、HFI-780では音が硬すぎるとか高域が痛いという不満があるならMDR-V6。
TR-HP03B
どちらもややドンシャリ。低域はHFI-780の方が重心が低く厚みがある。HFI-780は中低域が凹んでいるが、TR-HP03Bはそんなことはなく、TR-HP03Bの方が全体的に自然に出る感じ。中域はHFI-780の方が低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。中高域はTR-HP03Bの方が量が多く、高域はHFI-780の方が量が多い。HFI-780の方が高く明るい音。分解能はHFI-780の方が上。音の分離に差がある。ただし、一つ一つの音の微細な描写は、HFI-780が細かいところは鳴らさないのに対してTR-HP03Bはしっかりこなしてくれる。音場感はHFI-780の方が広く明確。原音忠実性は微妙。一聴して違和感が少ないのはTR-HP03Bだが、原音の粗や生っぽさはHFI-780の方が感じられる。エッジはHFI-780の方がきつく聴き疲れしやすい。明瞭さ、音の鮮やかさはHFI-780の方が上。厚みはHFI-780の方がある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはTR-HP03Bの方が上。HFI-780の方がノリが良く、TR-HP03Bの方が穏やかで心地よい。響きはTR-HP03Bの方が豊か。シャープで無駄のないHFI-780、柔らかく良い意味で無駄のあるTR-HP03Bという感じで、ある意味対照的。弦楽器はTR-HP03Bの方が心地よい。金管楽器はHFI-780の方が明るく鮮やか。打ち込み系の音の表現はHFI-780の方がうまい。音の質感の相性やスピード感で勝っている。使い分けるなら、明瞭さや基本性能重視ならHFI-780、温かみや心地よさ重視ならTR-HP03B。
サイン波応答
位相+高周波歪み
インパルス応答(CSD)
インパルス応答(録音波形)
100Hz・1kHz・10kHzサイン波の再生
曲別HP探索
第83回 平俗宇宙に不滅の皇帝/「少女革命ウテナサウンドトラックvol.3
体内時計都市オルロイ」より
第84回 EROTICA(Radio Edit
Version)/Madonna「GHV2(Greatest Hits Volume 2)」より
第89回 New Wave/noodles「Fuzz hill」より
第96回 Kung-Fu World Champion/上原ひろみ「Brain」より
第99回 未来航路/La'cryma Christi/「Single Collection」より
曲別HP探索2
第4回 Go West/Pet Shop Boys「PopArt」より
第35回 Let Life Loose/Daishi Dance「the
P.I.A.N.O.set」より
第41回 Move Me/「R4 -RIDGE RACER TYPE4- DIRECT
AUDIO」より
第44回 Telecastic fake show/凛として時雨「just A
moment」より
第85回 12の練習曲/ショパン
※10年にマイナーチェンジ。同型番で、コードの長さ・付属品が変更。音質に大きな変化はない模様。
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スペック
駆動方式 | 構造 | 周波数帯域 | 音圧感度 | インピーダンス |
ダイナミック | 密閉型 | 10Hz〜26kHz | 96dB | 35Ω |
重量 | ドライバー直径 | コードの長さ | コードの出し方 | 備考 |
285g | 40mm | 3m | 片出し | 折りたたみ可能 |
評点
音質 | 装着感 | 遮音性 | 音漏れ | デザイン | 携帯性 | 音の傾向 | 参考最安価格 |
4.5 | 4 | 4 | 4 | 4 | 3 | 均(低、高) | 23800円 |
公開日:2008.3.1