第87回 My Plague/Slipknot「IOWA」より
Slipknotはアメリカの9人組ヘヴィメタルバンドです。
今回取り上げるのは2001年発表の2ndアルバム「IOWA」の4曲目です。映画「バイオハザード」に使われたことでも有名です。彼ららしい、かなり激しい曲です。特に低域(バスドラ)は攻撃的です。それに対して、高域はほとんど鳴りません。
ヘッドホンとしては、低域の量感とアタック感があるものが良いでしょう。
・1台目 MDR-7506(SONY)
低域の量感と全体的な刺激が良かったので選びました。
MDR-7506の低域はやや弾力があります。この曲でもその点は多少気になりますが、それよりも量感があり重い低音であることの方が魅力に感じました。量感や重さより締まりや制動を重視するならまた変わってくると思いますが、今回の曲は量感や重さの方が重要だと思いますし、量感・重さ・締まり・制動の総合得点でMDR-7506に勝る機種はそうないです。
他には、K181DJとRP-21が良かったです。K181DJはかなり圧力があります。RP-21は特別どこが良いと言うよりは全体的なバランスが良い印象です。ただ、どちらもMDR-7506と比べると刺激に欠けてぬるいように感じます。
また、大抵のDJ用ヘッドホンはそれなりに鳴らしてくれます。特にMDR-Z700DJは最も無難で多くの人が違和感なく楽しめる音であるように思いました。ただ、低域の量感、アタック感、制動といったものを総合的に見ると、前述の機種には及ばない印象です。
不満点は、低域の締まりがもう少し欲しい点です。
・2台目 HD25-1(SENNHEISER)
ロックで低域の締まりや制動ならこれ、ということで選びました。
1台目と比べると低域の締まりや制動は勝っていますが、低域の量感や重さは1台目の方が上です。低域の表現トータルとしてはほぼ互角でしょうか。
1台目に慣れた耳だとやや刺激に欠けるように感じますが、これは1台目が粗っぽいからと言った方が妥当でしょう。その反面、2台目の方が違和感が少なく聴けるというメリットはあります。
不満点と言うか希望は、1台目と2台目の良いとこ取りをしたいということくらいです。
・3台目 edition7(ULTRASONE)
1台目と2台目の良いとこ取りをしようとするとこれしかないと思って選びました。
聴いてみると、1台目、2台目と比べてやや低域の重心が高いように感じます。制動やアタック感は文句ないので、この点だけが少し残念です。とは言え、低域の表現トータルとしては1台目、2台目と比べて特に劣っているわけではありません。
また、2台目より明るく刺激的なのは思った通りです。1台目と違って粗はないのですが、それでいて十分刺激的というのはやはり良いです。
ちなみに、HFI-780でも聴いてみたのですが、低域の表現はなかなか良いものの、音場が広いせいで迫力に欠け全体的にシャープで明るすぎるように感じました。やはり今回のような曲ではedition7には及ばない印象です。
今回はどれも良かったと思います。どれが一番良いと感じるかは、好みによる部分が大きいと思います。今回の内容を参考に、好みに合わせて選んでください。
余談ですが、今回の曲のイントロはヘッドホンによって違いが出やすいです。低域の重心の低さ、量、締まり、アタック感すべてヘッドホンによってかなり変わります。ヘッドホンの比較評価用に持っていてもおもしろいと思います。イントロなので、比較評価に使いやすいのもポイントです。
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