第55回 聖少女領域/ALI PROJECT

 ALI PROJECTは、宝野アリカ(ヴォーカル・作詞担当)と片倉三起也(作曲・編曲担当)による、日本の音楽ユニットです。ジャンルとしてはポップスのように感じますが、プログレに分類されることもあります。曲といいヴォーカルの歌い方といい、かなり個性的です。
 今回取り上げる曲はALI PROJECTの代表的な楽曲の一つで、テレビアニメ『ローゼンメイデントロイメント』のオープニング主題歌として使われていました。
 ヘッドホンとしては、女性ヴォーカルを明るく鳴らしてくれるもので、音の厚みや低音の量感があるものが良いでしょう。


・1台目 DJ1 PRO(ULTRASONE)
 音の厚みや低音の量感があるということで選びました。聴く前はヴォーカルが少し問題があるかもしれないと思いましたが、実際に聴いてみるとこれくらい明るめな方が良いように感じます。ノリが良く、音の質感としてもマッチしているように感じます。
 他にはRH-300やHP-M1000も良かったのですが、RH-300は低音の量感やヴォーカルが暗めな点が不満、HP-M1000は曇っていて一つ一つの音があまり聴こえてこないのが不満です。
 DJ1 PROの不満点は、低域も高域も癖があり別々に主張してくるために音がバラバラでまとまりがないように感じる点です。

・2台目 ATH-W1000(audio-technica)
 ポップス向きの音でDJ1 PROよりまとまりのある機種ということで選びました。実際聴いてみると確かにまとまりがありますし、ヴォーカルの表現や音の質感の相性もなかなか良いです。
 不満点は、低域の量がややもの足りない点でしょうか。必要量は出ている感じなのですが、人によっては不足に感じるかもしれないという程度です。

・3台目 edition7(ULTRASONE)
 ATH-W1000より低音が出て、ポップス向きで音の厚みもある機種というのはほとんどないように思います。私の手持ちの中ではedition7くらいしかありません。
 実際に聴いてみると1台目と2台目の良いとこ取りという感じで、バランスが良く且つ魅力的です。ただ、この曲を鳴らすのにedition7というのはオーバースペックと言うか、もう少し分解能が低いものの方が楽しく聴けるというような印象も受けました。


 今回は最良の機種を探すうちにATH-W1000やedition7を選んでしまいましたが、正直な話RH-300やHP-M1000でも十分な気がします。言い換えれば、大抵のソースと比べて今回の曲は性能の良い高価なヘッドホンを使う必要性が感じられないとも言えます。性能ではなく相性の方が重要で、その意味では今回機種名をあげたものはどれもかなり良いと言えます。そういう見方で自分に合うヘッドホンを選んでみてください。


試聴はこちら(違うCDですが同一の曲です)。













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