第25回 Joy/本田雅人「Growin'」より
本田雅人はサックス奏者です。ソロでの活動のほかに、T-SQUAREの元メンバーとして有名です。他にもFOAK等のグループでも活動しています。ジャンル分けをするならフュージョンになるでしょうか。
今回取り上げる「Joy」は、ファーストソロアルバム「Growin'」の5曲目です。明るくポップで楽しく聴かせてくれます。
ヘッドホンとしては、サックスをしっかり鳴らしてくれるものが良いでしょう。低域は控え目で、できればタイトさがあるものが良いように感じます。
・1台目 HD280Pro(SENNHEISER)
とにかくサックスをしっかり鳴らしてくれます。人によっては明るさが足りないように感じるかもしれませんが、個人的にはソースが明るいので、ヘッドホンとしては多少地味でも力感のあるものが合うように感じました。また、ベースやハイハットが強めの録音のせいか、HD280Proのように低域の量が全体的に少なめで高域もそれほど出ない機種が合うようです。
ATH-A900もかなり良かったのですが、やや低域がぼやけて量が多いように感じますし、ハイハットも目立ちすぎです。ただ、迫力よりも明るさを求めるならATH-A900の方が良いでしょうし、この辺りは好みで変わってきそうです。
個人的にはHD280Proでかなり満足できましたが、この力強さを維持したままもう少し明るくても良いように感じました。
・2台目 edition7(ULTRASONE)
期待通りの鳴らし方です。全体的に密度が高く迫力があります。サックスは力強さ、明るさともに文句ないですし、低域は無駄にぼやけたりせずしっかりと制動のかかった鳴らし方です。
この曲をこれ以上うまく鳴らしてくれるヘッドホンはそう無いでしょう。
・3台目 SR-325i(GRADO)
2台目で満足してしまいましたが、ルールに従い3台目を別の方向性で選んでみました。
密閉型特有の圧力のある鳴らし方ではedition7以上のものは望めそうになかったので、開放型でスカッと抜けが良く明るい鳴らし方をしてくれる傾向のものです。
音の濃さやサックスの力強さではedition7に及ばない感はあるものの、明るさでは負けていません。低域もぼやけずしっかりと音楽を支えてくれます。しかも独特の近い音場が良い方向に作用して、臨場感がこの曲と良くマッチします。
これはこれで非常に魅力的に感じました。
今回は、1台選ぶならedition7ですが、他の2台もなかなか良かったです。HD280Proは渋めの音で力強くしっかり鳴らしてくれますし、SR-325iは反対に明るく爽快で非常に楽しく聴けます。また、見方を変えるとedition7はこの2台のいいとこ取りのような印象もあります。
また、MDR-7506、SE-900D、HFI-2200ULE、ATH-W1000等も試しに聴いてみましたが、今回取り上げた機種と比べると、どうも違和感があります。サックスが薄かったり、低域がスカスカだったり、音が上ずっていたり、理由は様々ですが。
ともあれ、今回取り上げた機種はどれも違和感が少なくしかも魅力的です。是非これらの機種で聴いてみることをおすすめします。
試聴はこちら。
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