HD25-1

音質
 ややドンシャリ。低域はローエンドがやや弱め。締まりのある非常に良質な低域で、量も適度に豊か。中域は低域に埋もれずはっきり聴こえるし、変な癖もない。高域はしっかり出ているがシャリつかないしあまり痛くない印象。
 分解能は価格分の価値があるかは微妙だが、悪くはない。小型のわりには非常に音場感が良く、立体感があり楽しめる。原音忠実性は基本的には悪くないが、原音の粗や微細な違いが聴き取れるかという点になるといまいち。エッジはややきつめだが、それほど聴き疲れしないレベル。
 明瞭さはそれなりといった感じだが、密閉型で低域が出るわりにはかなり明瞭なレベルだろう。その割には音の鮮やかさはいまいち。厚みはかなりある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはそれなりにあるが、決して柔らかい音ではないし、ソースが本来持っている以上の温かみや艶は出さない。軽快さや元気の良さと言う意味ではいまいちだが、非常にノリが良い。厚み、切れ、音圧といった点が優れているためだろう。響きは適度。こもり感はあるものの、音に力があり、こもり感を苦にしていないと感じさせる。基本的には地味な音作りだが、相性の良いソースと合わさると非常に魅力的な音楽を聴かせてくれる。
 弦楽器は繊細さが足りずあまり良くないが、濃い音でチェロ等を心地よく聴きたいなら意外と悪くない。金管楽器は高域がしっかり出る割にはやや鮮やかさに欠ける。打ち込み系の音の表現はかなりうまい。地味な表現だが、破綻がなくソースの良さはしっかり感じられる。
 一般的な見方をするならコストパフォーマンスが良いとは言えないが、ロックやポップスをメインに聴く人がアウトドア用に使うなら非常に良い機種。合う人には合うが、合わない人にはどこが良いのかまったく分からない可能性はあると思われる。特にクラシックしか聴かない人にはコストパフォーマンスが悪いと思われるが、一部で言われている通りロックをノリ良く楽しみたいならこれ以上の機種はあるまい。

装着感
 悪い。側圧は強めだが、耳のせでいまいち安定しないため、側圧が強いわりにはずれやすい。ヘッドバンドにはしっかりクッションが入っている上、軽量なので頭頂部はあまり痛くならない。
 イヤーパッドは耳のせサイズ、上下左右に角度調節ができる。材質は安っぽい人工皮革。また、使い込むとかなり側圧が弱くなる。

その他
 遮音性及び音漏れ防止は耳のせサイズとは思えないほど良い。アウトドアで大音量でも安心して使える。
 デザインはいまいちだが、地味なのでアウトドアでは逆に向いているかもしれない。作りは価格のわりにはかなり安っぽい。ヘッドバンドが二つに分かれる独特の構造で、しかもハウジングを支えるアームの根元から角度が変えられるので、好みに合わせて色々な装着方法が可能なようだ。ただし、一般的な意味で「折りたたみ可能」とは言えないので、アウトドア用なのに携帯性はいまいち。また、コードの出し方は片出しだが、普通とは逆の右出し。
 プラグはL型ミニプラグ。コードは幅約4.5mm・厚さ約2mm、やや硬めだが癖が付きにくく扱いやすい。イヤーパッドのサイズは、外周70mm×70mm、内周28mm×28mm、深さ8mm。

付属品
ミニ→標準変換プラグ




参考
不定期コラム『第35回 HD25-1のケーブル交換』
不定期コラム『第36回 周波数特性のグラフと実際』
不定期コラム『第55回 価格別favorite headphones 4回目』

投稿レビュー『HD25-1』

周波数特性グラフ


比較メモ
ATH-ES7
どちらもややドンシャリだが、ATH-ES7の方がやや低音よりか。低域はATH-ES7の方が一段低い音を鳴らす。ただし、厚みはHD25-1の方があるように感じる。中域はHD25-1の方がしっかり聴こえてくる。中高域はATH-ES7の方が明るく鳴らすし、高域も基本的にはATH-ES7の方が出るようだが、一部の高域はHD25-1の方が出るようにも感じる。ただ、基本的にATH-ES7の方が派手な鳴らし方なので、大抵の場合ATH-ES7の方が高音が強いように感じるだろう。分解能、音場感、原音忠実性すべてHD25-1の方がやや上。HD25-1の方が聴き疲れしにくい。明瞭さ、音の鮮やかさはATH-ES7の方が上。厚み、温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはHD25-1の方が上。どちらもノリが良いが、ATH-ES7は明るく華のある感じ、HD25-1は地味ながら圧力・迫力があり安定した感じ。響きはHD25-1の方がやや豊か。弦楽器はHD25-1の方が繊細かつ心地よい。金管楽器はATH-ES7の方が鮮やかで楽しめる。打ち込み系の音の表現はどちらもうまい。重低音や派手な明るさを楽しみたいならATH-ES7、そうでないならHD25-1といった感じか。得意分野はATH-ES7がポップス、HD25-1がロック。使い分けるなら、ポップスやブラスメインの曲はATH-ES7、それ以外はHD25-1。

ATH-ON3
ATH-ON3は高音よりのかまぼこ、HD25-1はややドンシャリ。低域はHD25-1の方がかなり量が多い。中域はATH-ON3の方が低域に邪魔されない上、癖のある音ではっきり聴こえてくる。高域は意外と似た音を鳴らすが、ATH-ON3の方がやや金属的、HD25-1の方がやや量が多い。分解能、音場感、原音忠実性すべてHD25-1の方がかなり上。一つ一つの音の微細な描写に差がある。ATH-ON3はあまりに低域が少なすぎる。HD25-1の方が若干エッジがきつく、圧力のある音で聴き疲れする。明瞭さは低域が出ない分ATH-ON3の方が良いように感じるが、音の鮮やかさはほぼ互角。厚みはHD25-1の方がかなりある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはHD25-1の方がかなり上。HD25-1の方がノリが良くかつ繊細。響きはHD25-1の方がやや豊か。弦楽器はHD25-1の方が繊細かつ心地よい。金管楽器はHD25-1の方が力強く魅力的。打ち込み系の音の表現はHD25-1の方がうまい。音の質感としてはATH-ON3の方が良いくらいだが、音の厚みや低域の量感でHD25-1の方がかなり勝っている。使い分けるなら、基本的にはHD25-1、HD25-1では余程低域の量が多いと感じるときだけATH-ON3。

Beats Solo HD
Beats Solo HDは低音より、HD25-1はややドンシャリ。低域はBeats Solo HDの方がある程度量が多い。Beats Solo HDの方がぼやけたり曇ったりする質。重心はBeats Solo HDの方が若干低い。中域はHD25-1の方が低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。ソースによってはBeats Solo HDの方が不要な芯が通っている感じが気になることがある。高域はHD25-1の方がある程度量が多い。細く明るい質で目立つ。HD25-1の方が伸びが良い。分解能はHD25-1の方が上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ勝っている。音場感はHD25-1の方がやや広く、かなり明確。Beats Solo HDの方がやや頭内定位が気になりやすい。原音忠実性はHD25-1の方が上。周波数特性上の癖のなさで勝っているし、一聴して違和感がない。原音の粗や生っぽさはHD25-1の方が感じられる。エッジはHD25-1の方がややきついが、Beats Solo HDは低域の量やこもり感で疲れる面があるため、総合的な聴き疲れはソースや聴く人によって変わってくるだろう。高域にしろヴォーカルのサ行にしろHD25-1の方が細く刺さる。明瞭さ、音の鮮やかさはHD25-1の方が上。厚みはBeats Solo HDの方がややある。温かみは曇っている分Beats Solo HDの方が感じられる面もあるが、人声や生楽器のリアルな温かみという意味ではHD25-1の方が上。ヴォーカルの艶っぽさはHD25-1の方が感じられる。Beats Solo HDの方がスモーキー、HD25-1の方が癖がなくソースを選ばない。HD25-1の方が明るくノリが良い。HD25-1の方が切れやスピード感がある。Beats Solo HDの方が低域に基づく迫力や力強さがある。響きは、低域はBeats Solo HDの方が豊か、高域はHD25-1の方が豊か。Beats Solo HDの方がこもり感が気になる。弦楽器はHD25-1の方が生楽器らしさが感じられるし、音色も自然。金管楽器は、Beats Solo HDの方が太く力強い、HD25-1の方が細く鮮やか。打ち込み系の音の表現はHD25-1の方がうまい。音の質感の相性や切れで勝っている。使い分けるなら、基本的にはHD25-1、HD25-1では低域の量が足りないとかエッジがきついという不満があるならBeats Solo HD。

DJ PRO 60
DJ PRO 60は低音よりのドンシャリ、HD25-1はややドンシャリ。低域はHD25-1の方が重心が低く圧力があるため存在感がある。DJ PRO 60の方が薄く曇ったような質。量はDJ PRO 60の方が若干多い。中域はHD25-1の方が低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域はDJ PRO 60の方が太く金属的で粗がある。量はHD25-1の方が若干多い。分解能はHD25-1の方が上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろある程度の差がある。音場感はHD25-1の方が明確。広さは大差ない。原音忠実性はHD25-1の方が上。DJ PRO 60は低域の癖が気になるし、原音の粗や生っぽさもHD25-1の方が感じられる。エッジはHD25-1の方がややきつく、圧力があることもあって聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろHD25-1の方がやや鋭く刺さる。ただし、DJ PRO 60の方が粗っぽい痛さがあるので、人によってはDJ PRO 60の方が気になるかもしれない。明瞭さはHD25-1の方が上、音の鮮やかさはほぼ同レベル。厚みはHD25-1の方がややあるが、それよりもDJ PRO 60の方が柔らかくぼやけた音である点に目が行く。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはDJ PRO 60の方がやや上だが、これはDJ PRO 60の方が曇っているためで、その点を除けば大差ない。HD25-1の方がノリが良い。スピード感があり、迫力でも勝っている。すべての音をしっかりと制御して鳴らしてくれる感じ。HD25-1と比べるとDJ PRO 60は散漫で何となく鳴らしているような印象。響きはDJ PRO 60の方が豊かでこもり感が気になる。弦楽器はHD25-1の方が癖がなく生楽器らしさも感じられて良いが、締まった音なので、柔らかく心地よい音を聴きたいならDJ PRO 60の方が良い。金管楽器は好みの差だろう。HD25-1の方がやや癖がなく、DJ PRO 60の方がやや金属的。打ち込み系の音の表現はHD25-1の方がうまい。音の質感の相性や切れで勝っている。使い分けるなら、基本的にはHD25-1、HD25-1では締まりすぎとか圧力がありすぎるという不満があるならDJ PRO 60。

DJ1 PRO
どちらもややドンシャリ。低域はDJ1 PROの方が低く弾力のある鳴らし方をする。中域はどちらもドンシャリの割にははっきり聴こえてくるが、どちらかと言えばDJ1 PROの方が高い音ではっきり聴こえてくる。高域はDJ1 PROの方がかなり量が多い。分解能はほぼ互角だが、HD25-1の方が若干良いか。音の分離はDJ1 PROの方が良いように感じるが、微細な表現はHD25-1の方がうまい。音場感はDJ1 PROの方が広く明確。HD25-1も耳のせサイズの割には立体感があるが、やはりDJ1 PROには及ばない。原音忠実性はHD25-1の方が上。ただし、原音の実体感のようなものはDJ1 PROの方が感じられる。DJ1 PROの方がエッジがきつく聴き疲れする。明瞭さ、音の鮮やかさはDJ1 PROの方がかなり上。厚みはどちらもかなりあるが、どちらかと言えばDJ1 PROの方が上か。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはHD25-1の方が上。DJ1 PROのヴォーカルは艶っぽいと言うよりは瑞々しいと言う表現がふさわしいように思う。どちらもノリが良いが、DJ1 PROの方が明るくテンションが高い。HD25-1のノリの良さは音の立ち上がりの良さや厚みからくるもので、音そのものの明るさや刺激はあまり感じられず、ある意味地味なノリの良さだろう。響きはHD25-1の方がやや豊かに感じるが、これはこもり感の影響でそう感じやすいだけで、実際にはほぼ同等なのかもしれない。弦楽器はHD25-1の方が繊細かつ心地よい。金管楽器はDJ1 PROの方が鮮やかで楽しめる。打ち込み系の音の表現はどちらもうまいが、総合的に見るとDJ1 PROの方が上だろう。とにかく明るく楽しめる。得意分野はDJ1 PROはポップス、HD25-1はロック。使い分けるなら、ポップスやブラスメインの曲はDJ1 PRO、ロックや弦楽器メインの曲はHD25-1。あるいは、明るさや音場感の良さを求めるならDJ1 PRO、粗がなく地味な良質さを求めるならHD25-1というような使い分けもありだろう。

DT770PRO
どちらもドンシャリだが、DT770PROの方が低域も高域も出る。特に超低域と超高域の量はかなり違う。HD25-1は締まりがあるが、DT770PROは良く伸びている印象。分解能や原音忠実性はDT770PROの方が上。音場感はほぼ互角だが、HD25-1の小型さを考えれば驚異的と言えよう。DT770PROの方がエッジがきつく音が割れるような感じで聴き疲れする。サ行の音等も痛い。明瞭さ、音の鮮やかさはDT770PROの方が上だが、ウォームさがあるためどちらが明るい音調かという問題ならHD25-1の方が明るいだろう。厚みはHD25-1の方がかなりある。温かみやヴォーカルの艶っぽさはDT770PROの方が上だが、サ行の痛さやかすれが気になる人からすると評価は逆転するだろう。ノリの良さならHD25-1、繊細さならDT770PRO。響きはHD25-1の方が豊か。こもり感はHD25-1の方が気になるし、曇っているようにも感じる。弦楽器はDT770PROの方が繊細だが、まったり聴きたいならHD25-1の方が良いときもあるかもしれない。金管楽器はDT770PROの方がかなり高く鮮やか。打ち込み系の音の表現はHD25-1の方がうまい。DT770PROはどうしてもウォームに感じる。得意分野は、HD25-1はロック、DT770PROはジャズ。使い分けるならポップスやロックはHD25-1、クラシックやジャズはDT770PRO。これほど見事に使い分けができる2機種も珍しい。そういう意味では両方買っても損はしない。

HD280Pro
HD25-1はややドンシャリ、HD280Proはややかまぼこ。個別に見るとそうなのだが、2台並べて比較するとHD25-1の方が全体的にやや低音よりなだけにも感じる。低域はHD25-1の方が量も厚みもある。高域はHD280Proの方がやや線が細く高い音を鳴らすように感じるが、量はほぼ互角。分解能、音場感、原音忠実性すべてHD280Proの方が若干上。HD280Proの方がエッジがきつく聴き疲れする。HD25-1の方が音が太く、ストレートに伝わってくる感じ。明瞭さはHD280Proの方が若干上、音の鮮やかさはほぼ互角、厚みや密度はHD25-1の方がやや上。温かみはHD25-1の方がやや上、ヴォーカルの艶っぽさはHD280Proの方がやや上。HD25-1の方がノリが良い。HD280Proは若干低域が不足に感じるし、モニター的な鳴らし方をする。響きはHD25-1の方が豊か。弦楽器はHD25-1の方が心地よい。金管楽器はHD280Proの方がやや高く鮮やか。打ち込み系の音の表現はどちらもなかなかうまく、好みで分かれるところだろうが、低域が欲しいならHD25-1、明瞭さが欲しいならHD280Proだろう。使い分けるなら屋内と屋外が本来の姿なのだろうが、無理やりジャンルで使い分けるならロックはHD25-1、それ以外はHD280Pro。

HFI-780
どちらもややドンシャリ。低域はどちらも締まっているが、かなり違う音を鳴らす。所謂重低音はHFI-780の方がやや量が多いが、中低域はHD25-1の方がかなりしっかり出る。HFI-780は中低域が凹んでいるため、ソースによってはスカスカに感じることがあるが、HD25-1はそんなことはない。中域は、HFI-780の方が中低域が凹んでいる上やや高い音を鳴らすためはっきり聴こえてくる。高域はHFI-780の方が高く鋭い音で量も多い。分解能はHFI-780の方がやや上。音の分離に差がある。音場感はHFI-780の方が広く見晴らしが良い。HD25-1の方が耳の近くで音を鳴らす感じが気になる。原音忠実性はHD25-1の方が上。周波数特性上の癖が少ないし、一聴したときの違和感のなさでも勝っている。エッジはHFI-780の方がきつく聴き疲れしやすい。明瞭さ、音の鮮やかさはHFI-780の方が上。ただ、これはHFI-780に作ったような明るさがあるためで、HD25-1も特に不明瞭ということはない。厚みはHD25-1の方がややあるように感じるが、これはHFI-780の中低域が凹んでいる上に硬く締まった音である影響が大きい。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはHD25-1の方が上。どちらもノリが良いが、HFI-780の方が明るく派手。音の圧力はどちらもしっかりある。響きはHD25-1の方がやや豊かで、こもり感が気になる。弦楽器はHD25-1の方がうまい。癖がなく安心して聴ける。ただし、ヴァイオリン等を澄んだ音で聴きたいならHFI-780の方が良いこともある。金管楽器はHFI-780の方が高く鮮やかで楽しめる。打ち込み系の音の表現はHFI-780の方がうまい。音の質感の相性で勝っている。ロックとの相性はHD25-1の方が良い。例えばバスドラの表現はHD25-1の方がうまい。HFI-780はかなり癖があるし、量が物足りない感じ(ここでも中低域不足が影響している模様)。アタック感はほぼ同レベルだが、どちらかと言えばHFI-780の方がある。使い分けるなら、癖のなさや中低域の量重視ならHD25-1、音場や明瞭さ重視ならHFI-780。あるいは、ロックや弦楽器はHD25-1、ポップス(打ち込み系)や金管楽器はHFI-780。

HP-NC80
どちらもややドンシャリ。低域は、量的にはHP-NC80の方がやや多いが、HD25-1の方がしっかり低い音を鳴らしてくれるし厚みもかなりある。中域は、HP-NC80が低域の曇りに覆われるのに対して、HD25-1はそんなことはない。高域はHD25-1の方が金属的でやや高い音。分解能はHD25-1の方が上。音場感はHD25-1の方が明確。原音忠実性はHD25-1の方がかなり上。HD25-1の方が原音の粗や生っぽさをかなり感じさせる。HP-NC80の方がややエッジがきつく聴き疲れする。明瞭さ、音の鮮やかさはHD25-1の方がやや上。厚みはHD25-1の方がかなりある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさは、低域の曇りと味付けのせいでHP-NC80の方がやや上に感じられる。HD25-1の方がノリが良い。響きはHP-NC80の方が豊か。弦楽器はHD25-1の方がかなり原音の生っぽさを感じさせる傾向。HP-NC80の方が塗りつぶしたような質感のせいで心地よさを感じる面もあるが、原音とはかなり異なる。金管楽器はHD25-1の方がかなり力強い。打ち込み系の音の表現はHD25-1の方がうまい。低域の質感や音の厚みに差がある。使い分けるなら、基本的にはHD25-1、余程HD25-1の原音忠実的な面を避けたいときだけHP-NC80。

K181DJ
HD25-1はややドンシャリ、K181DJは低音よりのドンシャリ。低域はK181DJの方がかなり量が多いし、低い音を鳴らす。中域はどちらも癖がなくはっきり聴こえてくる。K181DJの方がかなり低域の量が多い割には、低域に邪魔されず聴こえてくるのはある意味凄い。中高域はHD25-1の方が若干量が多いが、高域はK181DJの方がやや高い音を鳴らすし目立つ。分解能及び音場感はいずれもほぼ互角だが、どちらかと言えばHD25-1の方が良いか。原音忠実性はHD25-1の方が上。K181DJは低域が出すぎる。ただし、その点を除けば大差ないし、K181DJは低域の量が切り替えられるので、そうなると判断は微妙。K181DJの方が若干エッジがきつい上、低域の量が多く聴き疲れするが、低域の量が少ないソースならほとんど差はない。明瞭さ、音の鮮やかさはK181DJの方が上。厚みはどちらもかなりある。単純に厚みだけならHD25-1の方が上かもしれないが、音の圧力や低域の量でK181DJの方が勝っているため判断が難しいし、それほど差があるとは感じない。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはほぼ互角。どちらもこのタイプの機種にしてはかなりうまいと言って良いだろう。どちらも非常にノリが良い上、必要なだけの繊細さは持っている点は似ている。響きはK181DJの方がやや豊か。弦楽器はほぼ互角。それなりに心地よいが、繊細さにはやや欠ける。ただ、低域はK181DJがかなり過剰なため、基本的にはHD25-1の方が良いだろう。ただし、前述のとおりK181DJは低域の量が切り替えられるので、そうなると分からない。金管楽器はどちらも力強く聴きごたえがあるが、敢えて優劣をつけるならK181DJの方がやや鮮やかで良いだろう。打ち込み系の音の表現はどちらも非常にうまいが、低域の量が欲しいときはK181DJ、そうでもないときにはHD25-1だろう。基本的にはK181DJの方がやや派手で楽しめる。得意分野はHD25-1がロック、K181DJがポップス。ただし、どちらもロック、ポップスともに非常にうまいと言って良い。使い分けるなら、低域の量が欲しいときはK181DJ、そうでもないときにはHD25-1。或いは地味で無難な表現が欲しいときにはHD25-1、明るさや鮮やかさが欲しいときはK181DJという使い分けもありだろう。

K27i
HD25-1はややドンシャリ、K27iはかなり低音よりのドンシャリ。低域はK27iの方がかなり量が多いし、低い音を鳴らす。HD25-1はかなり締まった低域であるのに対して、K27iは締まりが感じられない。ただし、特別ぼやけているわけではない。中域はHD25-1の方が低域に邪魔されずはっきり聴こえてくるし、音の高さもK27iよりやや高い。これは、どちらかと言えばK27iが低めの音を鳴らすと言った方が適切かもしれない。高域は、HD25-1の方が若干高い音で、量も多い。分解能、音場感、原音忠実性すべてHD25-1の方がかなり上。どちらもエッジはきつくないが、低域の量が多くこもり感が気になる分K27iの方が聴き疲れする。明瞭さ、音の鮮やかさはHD25-1の方が上。厚みはHD25-1の方がある。温かみはどちらもそれなりでほぼ互角。ヴォーカルの艶っぽさはHD25-1の方がやや良い。HD25-1の方がノリが良くかつ繊細。ただし、低域の量で押すという意味での迫力のようなものはK27iの方がある。響きはどちらも適度。弦楽器はHD25-1の方が繊細。金管楽器はHD25-1の方が力強い鳴らし方。打ち込み系の音の表現はHD25-1の方がうまい。音の厚み、低域の締まり、スピード感すべて上なのが効いている。得意分野はどちらもロック。ほとんど何を聴くにしてもHD25-1の方が良いだろう。

K404
HD25-1はややドンシャリ、K404は低音より。低域はK404の方が若干量が多い。HD25-1の方が締まりや制動が感じられる。重心はK404の方が若干低い。中域はHD25-1の方が若干明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域はHD25-1の方がやや量が多い。線が細く粗がない。分解能はHD25-1の方が上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろやや勝っている。音場感はHD25-1の方がやや広く明確。K404の方が近くで音を鳴らす感じで頭内定位が気になりやすい。原音忠実性はHD25-1の方が上。周波数特性上の癖のなさで勝っているし、一聴して違和感がない。原音の粗や生っぽさはHD25-1の方が感じられる。エッジはHD25-1の方がややきつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろHD25-1の方がやや細く刺さる。明瞭さ、音の鮮やかさはHD25-1の方が上。厚みはHD25-1の方がややある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはほぼ同レベル。ヴォーカルは、HD25-1の方が擦れやリップノイズを出してくれる、K404の方がスモーキー。HD25-1の方がノリが良い。HD25-1の方が切れやスピード感がある。響きはK404の方がやや豊か。弦楽器はHD25-1の方がやや繊細で、生楽器らしさが感じられる。金管楽器はHD25-1の方がやや鮮やかで、金属的な質感を出してくれる。打ち込み系の音の表現はHD25-1の方がややうまい。音の質感の相性や切れで勝っている。使い分けるなら、基本的にはHD25-1、HD25-1では音の圧力が気になるとか聴き疲れしやすいという不満があるならK404。

MDR-Z900
どちらもややドンシャリだが、MDR-Z900の方が低音より。低域はHD25-1は超低域がやや弱めの締まった低音、MDR-Z900は超低域まで容赦なく大音量で鳴らす物凄い低音。高域は、量はほぼ同量だが、MDR-Z900の方が一段高く細く硬い尖った音を鳴らす。HD25-1の方が中域が埋もれずに聴こえてくる。分解能、音場感はMDR-Z900の方がやや上。原音忠実性はHD25-1の方がやや上。MDR-Z900の方が尖った高域と物凄い低域で聴き疲れする。明瞭さ、音の鮮やかさ、厚みはHD25-1の方がやや上。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはMDR-Z900の方が上。どちらもかなりノリが良い。響きはMDR-Z900の方がかなり豊か。どちらもこもり感が気になるが、HD25-1の方が超低域が弱めの上、切れが良いのでまだ気にならない。弦楽器、金管楽器ともにMDR-Z900の方がややうまい。ただしソースによってはかなり過剰な低域が気なる上、低域は低い音を鳴らす。打ち込み系の音の表現はHD25-1の方がうまい。得意分野はどちらもロック。ただし、そのわりにはかなり違う音を鳴らしてくれるので、ロックが好きな人は両方持っていても損はないと思われる。ロックで使い分けるなら、締まった低域が欲しいならHD25-1、とにかく量が欲しいならMDR-Z900。ロック以外の曲を聴くのに使い分けるなら、打ち込み系の曲はHD25-1、それ以外はMDR-Z900か。ただし、MDR-Z900は低域が出すぎでNGという場合も多そうなので、ケースバイケース。全体的なバランスを考えれば、HD25-1の方がバランスが良い。

P5
HD25-1はややドンシャリ、P5はかなりフラット。低域はHD25-1の方が若干量が多い。所謂重低音より下の多いソースではHD25-1の方がかなり存在感がある。重心はHD25-1の方が低い。中低域はP5の方がややしっかり出る。中域はどちらも低域に邪魔されず聴こえてくるが、どちらかと言うと中低域が少ない分HD25-1の方がはっきり聴こえてくる。中高域はP5の方がややしっかり出る。高域はほぼ同量。HD25-1の方が線が細い。P5の方がややざらつく感じ。分解能はHD25-1の方がやや上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ若干勝っている。音場感はHD25-1の方がやや広く明確。原音忠実性はHD25-1の方がやや上。周波数特性上の癖のなさは大差ないが、P5は余計な音を鳴らすのが気になる。原音の粗や生っぽさはHD25-1の方が若干感じられる。エッジのきつさや聴き疲れは微妙。HD25-1の方が細く刺さる感じ、P5の方が粗っぽく痛い感じ。HD25-1の方が音の圧力で疲れる面はある。高域にしろヴォーカルのサ行にしろ大差ない痛さ。明瞭さはHD25-1の方がやや上、音の鮮やかさはP5の方が若干上。厚みはHD25-1の方がややある。温かみはほぼ同レベル。ヴォーカルの艶っぽさは微妙。艶っぽさよりも他の質的な違いが大きい。HD25-1の方が素のまま、P5の方がざらつく。そのざらつきが艶のように感じられることもあるが、きめ細かさや響きの美しさには欠ける。HD25-1の方がノリが良い。切れやスピード感があるし、何より圧力が違う。それでいて音色や質感としては堅実でモニター的。響きはP5の方がやや豊か。P5の方が全体的に付帯音が多い。弦楽器はHD25-1の方が繊細で素のまま、P5の方が中低域が出る分チェロやコントラバスがリアルに感じられることがある。金管楽器はHD25-1の方が細くシンプル、P5の方が太く金属的。打ち込み系の音の表現はHD25-1の方がややうまい。音の質感の相性や切れで若干勝っている。使い分けるなら、基本的にはHD25-1、音の圧力やモニター的な音を嫌うならP5。

PX200
HD25-1はややドンシャリ、PX200はやや高音よりのかまぼこ。低域はHD25-1の方がかなり出る。中域はどちらも低域に埋もれたりはしないが、PX200の方がやや目立つ。高域は、量にはそれほど違いを感じないが、HD25-1の方がやや高い音。分解能、音場感、原音忠実性すべてHD25-1の方が上。特に音場はHD25-1の方が立体的で明確。音の実体感も段違い。エッジのきつさはほぼ同等だが、HD25-1の方が音に圧力があり聴き疲れする。明瞭さは低域が弱いことと線が細いことからPX200の方がやや上のように感じる。音の鮮やかさはHD25-1の方が上。厚みや密度はHD25-1の方がかなり上。温かみは低域がしっかり出る分HD25-1の方が感じられる。ヴォーカルの艶っぽさはどちらかと言えばHD25-1の方が上。HD25-1の方がかなりノリが良い。PX200の方が線が細いのだが、密度が薄く粗も感じられるため、総合的な繊細さと言う意味ではHD25-1の方が良いように感じる。ただし、HD25-1単体で見るなら繊細ではなく圧倒的にノリの良さが全面に出てくる。響きはPX200の方が豊か。弦楽器はHD25-1の方が濃密で心地よい。金管楽器はHD25-1の方が鮮やかかつ力強い。打ち込み系の音の表現はHD25-1の方がかなりうまい。低域で質・量ともに勝っているし、厚みや圧力も素晴らしい。得意分野はHD25-1はロック、PX200はクラシック。使い分けるなら、基本的にはHD25-1、HD25-1では低域が多すぎる場合や音の圧力を嫌う場合にはPX200。

RP-21
どちらもややドンシャリ。低域はHD25-1の方が重心が低く量もやや多い。ソースによってはRP-21の方がやや弾力があるように感じる。中域から中高域はRP-21の方がやや高い音ではっきり聴こえてくる。高域はそれなりに似た音だが、RP-21の方が量が多く明るい表現。この2機種を比べると、HD25-1の方が低音よりと言える。分解能はほぼ同レベルだが、どちらかと言えばRP-21の方が上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ大差ない。音場感はRP-21の方が広い。原音忠実性はHD25-1の方がやや上。周波数特性上の癖のなさで若干勝っているし、一聴して違和感のない音。原音の粗や生っぽさが感じられる度合いはほぼ同レベル。エッジはRP-21の方がややきついが、HD25-1は音の圧力で疲れる面があり、総合的な聴き疲れはソースや聴く人によって変わってくるだろう。明瞭さ、音の鮮やかさはRP-21の方がやや上。厚みはHD25-1の方がややある。温かみは低域が出る分HD25-1の方がやや良いように感じるが、それを除けば大差ない。ヴォーカルの艶っぽさはほぼ互角。RP-21の方が明るく元気でノリが良い。HD25-1の方が音の圧力や迫力がある。響きはHD25-1の方がやや豊かで、こもり感が気になる。HD25-1の方が地味で古臭い音。弦楽器はHD25-1の方がやや心地よく安心して聴ける。金管楽器はRP-21の方が鮮やかで楽しめる。打ち込み系の音の表現はRP-21の方がうまい。音の質感の相性や明るい鳴らし方で勝っている。ロックとの相性はHD25-1の方がやや良い。例えばバスドラの表現はHD25-1の方がややうまい。重心が低く迫力がある。アタック感はほぼ互角か、若干HD25-1の方が良いくらい。ただし、少しでも明るさや派手さを求めるならRP-21の方が良い。使い分けるなら、癖のなさ重視ならHD25-1、明るさ重視ならRP-21。あるいは、低域重視ならHD25-1、高域重視ならRP-21。

SHL9600
HD25-1はややドンシャリ、SHL9600はやや低音よりのかまぼこ。低域は質的にも量的にも近いが、HD25-1の方がやや量が多く厚みがある。中域はSHL9600の方が張り出すような感じで目立つ。高域はHD25-1の方が高く鋭い音で量も多い。分解能はHD25-1の方がやや上。一つ一つの音の微細な描写に差がある。音場感はHD25-1の方がやや立体的。原音忠実性はHD25-1の方が上。周波数特性的にはSHL9600のような中域の癖や高域の不足がないし、原音の粗や生っぽさが感じられる度合いでも勝っている。HD25-1の方がエッジがきつくやや聴き疲れしやすい。明瞭さはSHL9600の方がやや上、音の鮮やかさはHD25-1の方がやや上。厚みはHD25-1の方がやや上。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはHD25-1の方がやや上。どちらも音そのものは地味でありながら切れやダイナミックな鳴らし方でノリの良さが感じられる点が似ている。響きはHD25-1の方がやや豊か。弦楽器はHD25-1の方がややうまい。細部の描写をしっかりしてくれる。金管楽器はHD25-1の方が高く鮮やかで楽しめる。打ち込み系の音の表現はHD25-1の方がややうまい。低域の量感や音の厚みで勝っている。使い分けるなら、基本的にはHD25-1、聴き疲れや高域の量を減らしたいならSHL9600。

SRH840
どちらもややドンシャリ。低域はHD25-1の方が若干量が多い。HD25-1の方が制動が良い。SRH840の方が柔らかい質。重心はHD25-1の方が若干低い。中域はどちらかと言うとHD25-1の方が低域と繋がっていないような感じではっきり聴こえてくることが多い。質的にはSRH840の方が癖がなく聴きやすい印象。高域はSRH840の方が若干量が多い。SRH840の方が粗や癖がない。分解能はほぼ同レベル。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ大差ない。音場感はSRH840の方がやや広い。明確さは大差ない。HD25-1の方が近くで音を鳴らす感じで頭内定位が気になりやすい。原音忠実性は微妙。SRH840の方が周波数特性上の癖のなさでやや勝っている。原音の粗や生っぽさはHD25-1の方がやや感じられる。エッジはHD25-1の方がややきつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろHD25-1の方がやや痛い。明瞭さはHD25-1の方が若干上、音の鮮やかさはSRH840の方が若干上。厚みはほぼ同レベル。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはSRH840の方がやや感じられる。ヴォーカルはSRH840の方が柔らかくしっとり鳴らして欲しい場合に向いている。HD25-1の方がノリが良い。HD25-1の方が圧力やスピード感があるし、低域に基づく迫力や力強さでも若干勝っている。響きはSRH840の方がやや豊か。HD25-1の方が無骨で飾り気がない、SRH840の方が柔らかくマイルド。弦楽器は、HD25-1の方が生楽器らしさが感じられる、SRH840の方が滑らかで心地よい。金管楽器はSRH840の方が若干鮮やか。打ち込み系の音の表現はHD25-1の方がややうまい。音の質感の相性は大差ないが、切れで勝っている。ロックとの相性は基本的にHD25-1の方がやや良いが、迫力やスピード感よりギターの美しさを楽しむような曲ではSRH840の方が良い。使い分けるなら、圧力や生楽器らしさを求めるならHD25-1、柔らかさや聴き疲れのなさを求めるならSRH840。

ST-90
HD25-1はややドンシャリ。ST-90はかまぼこ。低域は厚み・量ともにHD25-1の方が圧倒的に上。それでいて中域もはっきり聴こえてくる。逆に、ST-90は低域の厚み・量ともにないのに、曇っているのが気になる。高域もHD25-1の方が出る。分解能、音場感、原音忠実性すべてHD25-1の方がかなり上。HD25-1の方がエッジがきつくやや聴き疲れする。明瞭さ、音の鮮やかさ、厚み、温かみ、ヴォーカルの艶っぽさ、ノリの良さ、繊細さすべてHD25-1の方が上。響きはどちらも適度だがHD25-1の方がやや豊かか。弦楽器はHD25-1の方が繊細かつ心地よい。金管楽器もHD25-1の方が一段高く鮮やかで力強い。打ち込み系の音の表現は、低域の量だけでなく、厚み・切れ等どんな見方をしてもHD25-1の方が上のように感じる。ほとんど何を聴くにしてもHD25-1の方が良いように感じる。

TriPort
どちらもややドンシャリだが、HD25-1の方がフラット。超低域はTriPortの方がかなり出るが、低域はHD25-1の方がかなり出る。HD25-1の方が締まった低音。高域はTriPortの方がやや高く強い。TriPortの方が曇っているように感じる。HD25-1は曇りは感じられず、ストレートに音が届く感じ。分解能、原音忠実性はHD25-1の方がやや上。音場感はTriPortの方がやや上。ただし癖はある。どちらもそれほど聴き疲れしない。明瞭さ、音の鮮やかさ、厚みはHD25-1の方がやや上。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはTriPortの方が上。どちらもかなりノリが良い。響きはTriPortの方がかなり豊か。どちらもこもり感が気になるが、HD25-1の方が超低域が弱めの上、切れが良いのでまだ気にならない。弦楽器、金管楽器ともにTriPortの方が楽しめるが、原音に近いのはHD25-1だろう。打ち込み系の音の表現はHD25-1の方がうまい。得意分野はどちらもロックだが、ロックを聴くなら基本的にはHD25-1の方が良いように思う。HD25-1の装着感の悪さが苦にならない人は大抵の場合HD25-1の方がバランスよく聴けると思われるが、TriPortの方がかなり装着感が良い上に独特の音場感や豊かな低音等、HD25-1とは違った魅力があるのは確か。どちらもポップスやロック以外を聴くのには余り向かない。

Z headphones
どちらもややドンシャリだが、HD25-1の方が高音より。低域はZ headphonesの方が全体的にかなり出る。何を鳴らしても低めの音に感じる。高域はHD25-1の方が出る。分解能、音場感、原音忠実性すべてHD25-1の方が上。どちらもエッジはきつくないのだが、Z headphonesは低域が強すぎて疲れるのに対してHD25-1はそれほどでもない。明瞭さ、音の鮮やかさ、厚み、温かみ、ヴォーカルの艶っぽさすべてHD25-1の方が上。HD25-1の方がノリが良い。特にスピード感は雲泥の差。響きはZ headphonesの方が豊か。どちらもこもり感はあるが、HD25-1の方がまだまし。弦楽器、金管楽器、打ち込み系の音の表現すべてHD25-1の方がうまい。得意分野はどちらもロック。ほとんど何を聴くにしてもHD25-1の方が良いと思われる。

ZM-DS4F
HD25-1はややドンシャリ、ZM-DS4Fはやや低音より。低域はHD25-1の方が重心が低く締まっている。量はHD25-1の方が若干多いという程度。中域はHD25-1の方が低域の曇りに覆われずはっきり聴こえてくる。ZM-DS4Fはソースによっては張り出すような癖が気になるが、HD25-1はそういうことはない。高域はHD25-1の方が高く鋭い音で、量もかなり多く目立つ。分解能はHD25-1の方が上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろある程度の差がある。音場感は広さは大差ないが、HD25-1の方が明確。原音忠実性はHD25-1の方が上。HD25-1の方が一聴して違和感が小さいし、原音の粗や生っぽさが感じられる度合いでも勝っている。エッジのきつさや聴き疲れは微妙。高域にしろヴォーカルのサ行にしろHD25-1の方がやや痛いが、ZM-DS4Fの方が全体的に音が粗いため疲れる面がある。また、HD25-1は音の圧力で疲れる面があるのに対して、ZM-DS4Fは中域の張り出すような感じで疲れることがある。明瞭さ、音の鮮やかさはHD25-1の方がやや上。厚みはHD25-1の方がある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはHD25-1の方がやや上。HD25-1の方がノリが良くかつ繊細。どちらもあまり派手さはない点が似ている。HD25-1の方がしっかりとした安定感のある音。響きはZM-DS4Fの方がやや豊か。弦楽器はHD25-1の方が癖がなく、生楽器らしさも感じられて良い。金管楽器はHD25-1の方が力強く、弦楽器同様癖がない。打ち込み系の音の表現はHD25-1の方がうまい。音の厚みやダイナミックな鳴らし方で勝っている。使い分けるなら、基本的にはHD25-1、HD25-1では高域や音の圧力で疲れる場合にはZM-DS4F。

サイン波応答


位相+高周波歪み


インパルス応答(CSD)


インパルス応答(録音波形)


100Hz・1kHz・10kHzサイン波の再生


曲別HP探索
第2回 BILLIE JEAN/Michael Jackson「NUMBER ONES」より
第5回 I ON U/Neal Schon「I ON U」より
第9回 FantasMic/Nightwish「Wishmaster」より
第20回 Everywhere/Michelle Branch「The Spirit Room」より
第26回 WOLF&RAVEN/SONATA ARCTICA「Silence」より
第38回 ルシファー・サム/ピンク・フロイド「夜明けの口笛吹き」より
第48回 Continuum/Jaco Pastorius「Jaco Pastorius」より
第61回 勇者王誕生!/遠藤正明「勇者王ガオガイガー ― ソング・コレクション」より
第66回 Achilles Last Stand/LED ZEPPELIN「PRESENCE」より
第76回 The Wizard's Last Rhymes/Rhapsody「Rain of a Thousand Flames」より
第86回 PHASE3/THA BLUE HERB「PHASE3」より
第87回 My Plague/Slipknot「IOWA」より
第91回 What's up,people?!/マキシマムザホルモン「ざわ・・・ざわ・・・ざ・・ざわ・・・・・・ざわ」より

曲別HP探索2
第3回 DODGE THE DODO/e.s.t.「SOMEWHERE ELSE BEFORE」より
第8回 BATTERY/Metallica「S&M」より
第20回 大迷惑/ユニコーン「THE VERY BEST OF UNICORN」より
第24回 Rock Me Baby/B. B. King「Rock Me Baby 14 Great Hits」より
第26回 european son/velvet underground「velvet underground & nico」より
第32回 AGHARTHA/SUNN O)))「MONOLITHS & DIMENSIONS」より
第41回 Move Me/「R4 -RIDGE RACER TYPE4- DIRECT AUDIO」より
第60回 Dragon Rises/「医龍 Team Medical Dragon 2 オリジナル・サウンドトラック」より
第66回 Fudge Pudge/Organized Konfusion「Best of Organized Konfusion」より
第75回 Split Kick/Art Blakey「A Night at Birdland, Vol.1」より
第83回 Let’s go!スマイルプリキュア!
第95回 大地讃頌(カンタータ「土の歌」から)(混4)/「あの日教室で歌った 思い出の合唱曲 あの素晴らしい愛をもう一度」より





※生産終了。後継機はHD25-1 II。変更点は下記の通り。音質に大きな変化はない模様。
・付属品としてソフトケースとソフトイヤーパッドが追加。
・ケーブルの耐久性向上。
・プラグが金メッキに変更。
・ミニ→標準変換プラグの接続がねじ込みに変更。











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スペック

駆動方式 構造 周波数帯域 音圧感度 インピーダンス
ダイナミック 密閉型 16Hz〜22kHz 105dB 70Ω
重量 ドライバー直径 コードの長さ コードの出し方 備考
140g - 1.5m 片出し -

評点

音質 装着感 遮音性 音漏れ デザイン 携帯性 音の傾向 参考最安価格
4 2 4 4 3 2 均(低、高) 23800円
※生産終了。後継機はHD25-1 II。

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公開日:2005.5.20