第38回 ルシファー・サム/ピンク・フロイド「夜明けの口笛吹き」より

 ピンク・フロイドはイギリスのプログレッシブ・ロック・バンドです。そもそもこのプログレッシブ・ロック(プログレ)というジャンル自体が、ピンク・フロイドの形容しがたい音楽を表現するために生まれた言葉で、当然、のちのプログレと呼ばれる音楽に多大な影響を与えた偉大なアーティストです。
 今回取り上げるのはファーストアルバム「夜明けの口笛吹き」の2曲目です。ある意味ピンク・フロイドらしい気色の悪い不自然な曲です。流石に1960年代の作品だけあって録音は良くないです。
 ヘッドホンとしては、通常のロックに合うような音の厚みのある機種が良いでしょうが、あまり派手なものは合わないように思います。


・1台目 HD280Pro(SENNHEISER)
 色々試してみましたが、1万円台ではこれが一番好きでした。地味におもしろいという感じで、その感じがフロイドに合うのだと思います。HD280Proでこの曲を聴いていると、飾り気なく各楽器がしっかり聴こえるだけで十分な気がしてきます。
 不満点としては、もう少し低音よりの方が良かったというくらいです。

・2台目 HD25-1(SENNHEISER)
 珍しく同一メーカーが並びましたが、特に意図はありません。偶然と言えば偶然ですが、求める音に近い音を出すのが必然的に同一メーカーだったとも言えるでしょう。
 基本的に1台目を低音よりにしたような音です。飾り気なく地味な点は似ています。
 特に不満点はありません。これで駄目ならこの方向性の音は好みではないということでしょう。

・3台目 SR-225(GRADO)
 GRADOは派手でテンションが高く、今回のような曲には合わないようにも思われますが、例えばDJ1 PROのような作ったような明るさはなく、ある意味かなり自然体の鳴らし方です。そういった意味では、1台目、2台目と同様、地味におもしろいという面があります。
 低域の圧力が欲しければ2台目の方が良いでしょうが、もう少しすっきりした鳴らし方が良いならSR-225の方が良いでしょう。


 今回の曲ははいつにも増して好みの違いが出そうな気がします。そもそも今の普通の感覚で言うならこの曲自体決して万人受けするものではありませんし、受けるとしてもどこを良いと感じるのかは人それぞれで、当然その良さを引き出してくれるヘッドホンも違ってくるはずです。私は、音の厚みがあり、飾り気なく、各帯域をバランス良く鳴らしてくれるものが合うと感じましたので、その点を踏まえて考えてみてください。


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