K181DJ
音質
低音よりのドンシャリ。低域はかなり量が多く、しっかり低い音を鳴らしてくれるし厚みや圧力も十分。ただ、締まりにはやや欠ける。中域は、低域の量が多い割には驚くほど埋もれずに聴こえてくるし、それでいてうわずったりするようなこともない。高域はそれほど目立たないが、シャリついたりしないし、十分な質と量。
分解能は価格なりのものは持っているし、微細な表現もDJ用とは思えないほどうまくこなしてくれる。音場感はそれなり。あまり良くはない。原音忠実性は、低域の量が多すぎる点を除けばなかなか良い。エッジはきつくないが、低域の量が多いため、ソースによっては聴き疲れする。
低域の量が多い割には非常に明瞭だし、音の鮮やかさも不満のないレベル。厚みは非常に厚く、密閉型特有の圧力も強く感じられる。温かみやヴォーカルの艶っぽさは特に良くはないが、ソースの持っているものは出してくれるし、DJ用としてはかなり良い方だろう。非常にノリが良いが、AKGらしい繊細さも持ち合わせている。響きは適度からやや豊かでこもり感が気になるが、それ以上の魅力を多く持っているためあまり気にならない。
弦楽器、金管楽器の表現ともに無難だが、この点もDJ用として見るならかなり優れていると言えよう。打ち込み系の音の表現は非常にうまい。低域の量、厚み、音の圧力が素晴らしい。ただし、あまり軽快でスピード感のある鳴らし方ではない。
Bass boost switchで低域の量を切り替えられるが、デフォルトは低域の量が多いLARGE側なので、上記の内容はLARGEでのもの。SMALLにするとかなり低域の量が減ってほぼフラットな印象になるが、それ以外の全体的な印象は変わらないし、低域が少ないソースではあまり差が感じられない。DJ用らしくポップスやロックが得意だが、それ以外のジャンルもそつなくこなす稀有な機種。
装着感
悪い。側圧はかなり強め。ヘッドバンドのクッションは薄いが、側圧が強いため頭頂部への負担はあまり大きくない。側圧が強いだけでなく重量もDJ用にしては軽めだが、イヤーパッドが耳を覆わないため、ずれにくさとしてはいまひとつ。ただし、ずれやすいということはない。
イヤーパッドは耳のせサイズ、外周が大きい割には内周が小さく、耳が押し潰されるし、かなり蒸れる。また、上下方向の角度調節ができない。材質はレザータイプの人工皮革。
その他
遮音性及び音漏れ防止はかなり良い。
作り、デザインともに悪くない。ヘッドホン本体側でもコードの着脱が可能、スイーベル機構、折りたたみ可能。スイーベル機構はイヤーパッドが奥に回る方向に90度+イヤーパッドが手前に回る方向に180度で、計270度回るため、くねくねして慣れるまで扱いづらい。折りたたみ方法はK24P等と同様の特殊なもの。コードがストレートで短いため、アウトドアでの使用に向いている。Bass
boost switchなるものがハウジングの両側に付いていて低域の量をLARGEとSMALLから選べる。また左側のハウジングにはStereo/mono
selectorが付いている。
プラグは金メッキのミニプラグ。コードの太さは約3mm、柔らかく扱いやすい。イヤーパッドのサイズは、外周90mm×90mm、内周34mm×34mm、深さ10mm。
付属品
ミニ→標準変換プラグ
キャリングポーチ
参考
メーカー製品ページ
代理店製品ページ
不定期コラム『第56回 ヘッドホンの破損と経年劣化』
不定期コラム『第60回 DJ用ヘッドホンの大音量での音質』
周波数特性グラフ
赤:LARGE 青:SMALL
比較メモ
AH-P372
AH-P372はやや低音より、K181DJは低音よりのドンシャリ。低域はK181DJの方が重心が低く厚みもあるため、存在感にかなりの差がある。量もK181DJの方がやや多い。中域はK181DJの方がやや高い音で、低域の曇りに覆われずはっきり聴こえてくる。高域はK181DJの方が明るく目立つし、量も多い。分解能はK181DJの方が上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ多少差がある。音場感はK181DJの方がやや広く明確。原音忠実性はK181DJの方が上。原音の粗や生っぽさが感じられる度合いに差がある。ただし、低域の多いソースではK181DJは低域の存在感が強すぎる点はマイナス。エッジはK181DJの方がややきつく、低域の量や音の圧力もあるため聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろK181DJの方が若干痛い。明瞭さ、音の鮮やかさはK181DJの方がやや上。K181DJと比べると、AH-P372は薄く曇っているように感じる。厚みはK181DJの方がある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはK181DJの方がやや上。AH-P372の方が薄く曇っているために温かみがあるように感じられる面もあるが、人声や生楽器のリアルな温かみという点ではK181DJの方が上。K181DJの方がノリが良くかつ繊細。特にノリの良さについては、低域の量感、音の厚み、圧力、ダイナミックな鳴らし方、切れ等、様々な点で勝っている。響きはK181DJの方がやや豊か。弦楽器はK181DJの方がうまい。繊細で生楽器らしさが感じられる。金管楽器はK181DJの方が鮮やかで力強く楽しめる。打ち込み系の音の表現はK181DJの方がうまい。音の質感の相性、音の厚み、切れ等、様々な点で勝っている。使い分けるなら、基本的にはK181DJ、K181DJでは聴き疲れが気になるとか低域の存在感がありすぎるという不満があるならAH-P372。ただし、上記の内容はK181DJのBass boost switchがデフォルトのLARGEでのものなので、SMALLにすればある程度不満が解消されるだろう(SMALLではAH-P372よりやや低音が少なくなる印象)。
Bose on-ear headphones
どちらも低音よりのドンシャリ。低域はBose on-ear headphonesの方がぼやけていてやや量が多い。Bose on-ear headphonesは少しでも低域が多いソースだと低域が支配的になってしまうが、K181DJはそんなことはない。中域はK181DJの方が低域に埋もれずはっきり聴こえてくる。高域はBose on-ear headphonesの方が金属的でやや目立つ。K181DJの方が繊細な鳴らし方。分解能はK181DJの方が上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ勝っている。音場感は広さ・明確さともにほぼ同レベル。原音忠実性はK181DJの方が上。原音の粗や生っぽさが感じられる度合いが違う。エッジのきつさはほぼ同レベルだが、Bose on-ear headphonesの方がこもり感が酷く聴き疲れしやすい。明瞭さはK181DJの方が上、音の鮮やかさはほぼ同等。厚みはK181DJの方がある。温かみはBose on-ear headphonesの方が柔らかい低域のおかげで感じられる。ヴォーカルの艶っぽさはほぼ同等。どちらもノリが良い傾向だが、K181DJの方が切れがある。響きはBose on-ear headphonesの方が豊かでこもり感が気になる。Bose on-ear headphonesの方が柔らかくぼやけた音。弦楽器は心地よさだけならBose on-ear headphonesの方が上だが、生楽器らしさが感じられないため、普通に聴くならK181DJの方が良いだろう。金管楽器はBose on-ear headphonesの方がやや明るく楽しめる。打ち込み系の音の表現はK181DJの方がうまい。低域の質感や切れで勝っている。使い分けるなら、分解能や原音忠実性が欲しいならK181DJ、不要ならBose on-ear headphones。あるいは、低域の量や温かみが欲しいならBose on-ear headphones、そうでないならK181DJ。
DJ1 PRO
DJ1
PROは高音よりのドンシャリ、K181DJは低音よりのドンシャリ。低域はK181DJの方がかなり量が多い。中域はどちらもはっきり聴こえてくるが、流石に低域の量が多いソースになるとK181DJは低域に邪魔されるのに対して、DJ1
PROはほとんど低域に邪魔される感じはしない。高域はDJ1 PROの方がやや高く、量も多くて目立つ。分解能及び音場感はDJ1
PROの方がやや上。ただし、細部の描写はK181DJの方が粗がなくしっかりこなしてくれる。原音忠実性はK181DJの方が上だが、低域が出すぎるし、原音の実体感だけならのDJ1
PROの方が良いだろう。DJ1 PROの方がエッジがきつく聴き疲れする。明瞭さ、音の鮮やかさはDJ1
PROの方が上。厚みはどちらもかなりある。厚みだけならDJ1
PROの方があるかもしれないが、圧力や低域の量でK181DJの方が勝っているため判断が難しいし、それほど差があるとも思えない。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはK181DJの方が上。どちらも非常にノリが良いが、DJ1
PROの方が軽快、K181DJの方が圧力がある。響きはK181DJの方が豊か。弦楽器はK181DJの方が繊細かつ心地よい。金管楽器はDJ1
PROの方が高く鮮やかだが、K181DJと比べると作ったような感じがあるのは否めない。打ち込み系の音の表現はDJ1
PROの方がうまいが、低域が不足に感じられたり、密閉型特有の圧力が欲しいときにはK181DJの方が良いだろう。得意分野はどちらもポップス。使い分けるなら、明瞭さや鮮やかさを求めるならDJ1
PRO、無難な表現・低域の量・圧力を求めるならK181DJ。
DJX-1
どちらも低音よりのドンシャリ。低域はK181DJの方が低い音で量も多い。K181DJの低域に比べるとDJX-1は厚みが薄く、曇っているように感じられる。中域はどちらも癖がなく好印象だが、K181DJの方が低域の曇りに邪魔されずはっきり聴こえてくる感じ。高域はどちらも良質でシャリついたりしないし、量も十分。質的にもかなり似ている。分解能はほぼ互角。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ、大きな差はない。音場はDJX-1の方が広く明確。原音忠実性はK181DJの低域が低く量も多い点を除けばほぼ互角。エッジのきつさ、聴き疲れはほぼ同等。明瞭さはK181DJの方がやや上、音の鮮やかさはほぼ互角。厚みはK181DJの方が多少あるように感じられる。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはDJX-1の方がやや上。DJX-1の方がやや曇っているように感じられるが、それが温かみやヴォーカルの艶っぽさに繋がっているのだろう。K181DJの方が付帯音が少なくあっさりした鳴らし方。どちらもかなりノリが良い傾向。響きは、低域はK181DJの方が豊か、高域はほぼ同等。弦楽器はどちらもDJ用とは思えない能力を発揮してくれる。多少の違いはあるが、基本的には好みの差だろう。ただし、低域にはかなり違いがある。K181DJの方が過剰なくらい低い音で量も多い。DJX-1の方が素直。金管楽器はかなり近い鳴らし方だが、K181DJの方がやや鮮やか。打ち込み系の音の表現はK181DJの方が良い。DJX-1はどうも低域の薄い感じや中域の目立たない感じが良くない。使い分けるなら、低域の質・量を重視するならK181DJ、それほどでもないならDJX-1。
HD25-1
HD25-1はややドンシャリ、K181DJは低音よりのドンシャリ。低域はK181DJの方がかなり量が多いし、低い音を鳴らす。中域はどちらも癖がなくはっきり聴こえてくる。K181DJの方がかなり低域の量が多い割には、低域に邪魔されず聴こえてくるのはある意味凄い。中高域はHD25-1の方が若干量が多いが、高域はK181DJの方がやや高い音を鳴らすし目立つ。分解能及び音場感はいずれもほぼ互角だが、どちらかと言えばHD25-1の方が良いか。原音忠実性はHD25-1の方が上。K181DJは低域が出すぎる。ただし、その点を除けば大差ないし、K181DJは低域の量が切り替えられるので、そうなると判断は微妙。K181DJの方が若干エッジがきつい上、低域の量が多く聴き疲れするが、低域の量が少ないソースならほとんど差はない。明瞭さ、音の鮮やかさはK181DJの方が上。厚みはどちらもかなりある。単純に厚みだけならHD25-1の方が上かもしれないが、音の圧力や低域の量でK181DJの方が勝っているため判断が難しいし、それほど差があるとは感じない。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはほぼ互角。どちらもこのタイプの機種にしてはかなりうまいと言って良いだろう。どちらも非常にノリが良い上、必要なだけの繊細さは持っている点は似ている。響きはK181DJの方がやや豊か。弦楽器はほぼ互角。それなりに心地よいが、繊細さにはやや欠ける。ただ、低域はK181DJがかなり過剰なため、基本的にはHD25-1の方が良いだろう。ただし、前述のとおりK181DJは低域の量が切り替えられるので、そうなると分からない。金管楽器はどちらも力強く聴きごたえがあるが、敢えて優劣をつけるならK181DJの方がやや鮮やかで良いだろう。打ち込み系の音の表現はどちらも非常にうまいが、低域の量が欲しいときはK181DJ、そうでもないときにはHD25-1だろう。基本的にはK181DJの方がやや派手で楽しめる。得意分野はHD25-1がロック、K181DJがポップス。ただし、どちらもロック、ポップスともに非常にうまいと言って良い。使い分けるなら、低域の量が欲しいときはK181DJ、そうでもないときにはHD25-1。或いは地味で無難な表現が欲しいときにはHD25-1、明るさや鮮やかさが欲しいときはK181DJという使い分けもありだろう。
K271studio
K181DJは低音よりのドンシャリ、K271studioはやや高音より。低域は全体的にK181DJの方が量が多いし、厚みがありしっかり低い音を鳴らしてくれる。中域はK181DJの方がはっきり聴こえてくる。これは、K271studioの方が低域の薄い曇りが気になるのと、K181DJの方が輪郭がしっかりしているため。高域は意外と似た鳴らし方だが、K181DJの方がやや量が多い。分解能はK181DJの方がやや上。ただし、K271studioの方が線が細く微細な表現はうまい。音場感及び原音忠実性はK271studioの方がやや上。どちらもエッジはきつくないが、低域の量が多いせいでソースによってはK181DJの方がやや聴き疲れする。明瞭さ、音の鮮やかさ、厚みはK181DJの方が上。特に厚みはかなり差がある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはK271studioの方が上だが、それほど差は感じない。ノリの良さならK181DJ、繊細さならK271studio。響きはほぼ同等。K271studioの方が線が細く柔らかい音で、音に圧力や勢いがない。弦楽器はK271studioの方が線が細く心地よいが、K181DJも意外と悪くない鳴らし方をしてくれる。低域の量感が欲しいならむしろK181DJの方が好ましいと感じる人も多いだろう。金管楽器はそれほど大きな差はないが、K181DJの方が力強い鳴らし方。音そのものもやや高く鮮やかに感じる。打ち込み系の音の表現はK181DJの方がかなりうまい。低域の量、厚み、圧力等で勝っている。得意分野はK181DJはポップス、K271studioはクラシック。使い分けるなら、ポップスやロックはK181DJ、クラシックやジャズはK271studio。
K27i
どちらも低音よりのドンシャリ。低域はK181DJの方が重心が低く厚みがある。K27iの方が薄く曇っている感じ。中域はK181DJの方が低域の曇りに覆われず、やや高い音ではっきり聴こえてくる。高域はK181DJの方がやや高い音で量も多い。分解能はK181DJの方が上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ勝っている。音場感はK181DJの方が広く明確。原音忠実性はK181DJの方が上。原音の粗や生っぽさが感じられる度合いに差がある。エッジはK181DJの方がややきつく、音の圧力もあるので多少聴き疲れしやすい。明瞭さ、音の鮮やかさはK181DJの方が上。厚みはK181DJの方がある。温かみは、低域の薄い曇りと中域のおとなしさのおかげでK27iの方が感じられる。ヴォーカルの艶っぽさはK181DJの方が上。K181DJの方がノリが良くかつ繊細。K181DJの方がかなり迫力がある。響きは、低域はK27iの方が豊か、高域はK181DJの方が豊か。K27iの方がこもり感が気になる。弦楽器はK181DJの方がうまい。K27iは生楽器らしさが不足。金管楽器はK181DJの方が明るく鮮やかで楽しめる。打ち込み系の音の表現はK181DJの方がうまい。音の厚みや低域の質感で勝っている。使い分けるなら、基本的にはK181DJ、よほど聴き疲れを避けたいときだけK27i。
MDR-Z700DJ
どちらも低音よりのドンシャリ。低域はK181DJの方が低い音を鳴らすし、量も多い。中域はどちらも低域の量にやや負け気味だが、K181DJの方が低域の量が多い割には低域に埋もれない。高域はK181DJの方がやや高い音を鳴らす。分解能はK181DJの方が上。音場感はほぼ互角だが、どちらかと言えばK181DJの方が良いか。原音忠実性はどちらもあまり良くない。癖が無くフラットと言う意味ではMDR-Z700DJの方が上だが、原音の実体感はK181DJの方がある。K181DJの方がややエッジがきつい上に低域が過剰で聴き疲れする。明瞭さ、音の鮮やかさはK181DJの方が上。厚みはK181DJの方がかなりある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはMDR-Z700DJの方が若干上。どちらもノリが良いが、ことノリの良さに限ればK181DJの方に圧倒的に分がある。響きはどちらも適度。K181DJの方が低域が多い上、完全に耳のせ型で密封度が高いため、こもり感が気になる。弦楽器はK181DJの方が繊細かつ心地よいが、どちらにせよ弦楽器を聴くのに使う機種ではないだろう。金管楽器はK181DJの方が高く鮮やかで力強い。打ち込み系の音の表現はK181DJの方がうまい。低域の量感、音の厚み、鮮やかさ、圧力、どれをとっても勝っている。得意分野はどちらもポップス。使い分けるなら基本的にはK181DJで、低域が過剰に感じるときやヴォーカルを聴きたいときだけMDR-Z700DJか。ただし、K181DJはBass
boost switchで低域の量を減らせるため、低域が過剰に感じるときにはこれを使えば良いだろう。
RP-DJ500
どちらも低音よりのドンシャリ。低域は、全体的な量はあまり差はないが、K181DJの方が重心が低く腹に響くような低域。RP-DJ500の低域はただ量が多いだけだが、K181DJはそんなことはない。中域はK181DJの方がやや高い音で、低域に埋もれずはっきり聴こえてくる。高域はK181DJの方が繊細で、やや量が多い。RP-DJ500の方がやや金属的。分解能はK181DJの方が上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ差がある。音場感はほぼ同レベルだが、どちらかと言えばK181DJの方が広く明確。原音忠実性はK181DJの方が上。原音の粗や生っぽさが感じられる度合いに差がある。エッジのきつさや聴き疲れはほぼ同レベル。明瞭さ、音の鮮やかさはK181DJの方が上。厚みはK181DJの方がある。温かみは、曇っていて不明瞭なためにRP-DJ500の方が良いように感じる面もあるが、人声や生楽器のリアルな温かみという意味では間違いなくK181DJの方が上。ヴォーカルの艶っぽさはK181DJの方がやや上。ただ、低く落ち着いてスモーキーな感じを好むならRP-DJ500もありかもしれない。K181DJの方がノリが良くかつ繊細。響きはRP-DJ500の方がやや豊かでこもり感が気になる。弦楽器はK181DJの方がうまい。RP-DJ500は生楽器らしさが不満。金管楽器は、一聴した感じ極端な差はないが、K181DJの方が綺麗。打ち込み系の音の表現はK181DJの方がうまい。音の厚みやダイナミックな鳴らし方で勝っている。使い分けるなら、基本的にはK181DJ、中域をできるだけ低く落ち着いた音で鳴らしたいときだけRP-DJ500。
Studiophile Q40
K181DJは低音よりのドンシャリ、Studiophile Q40は低音より。低域はどちらもかなり量が多く重心が低く厚みもある点が似ている。K181DJの方がやや弾力がある感じ、Studiophile Q40の方がやや薄く曇るような感じ。中域はK181DJの方がやや高い音で、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。K181DJは低域と中域が繋がっていないような感じだが、Studiophile Q40はしっかり繋がっている。高域はK181DJの方がやや明るく目立つ。分解能はK181DJの方がやや上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ若干勝っている印象。音場感はStudiophile Q40の方がやや広いが、耳のせと耳覆いという違いがある割には差はかなり小さい。原音忠実性はほぼ同レベル。Studiophile Q40の方が周波数特性上の癖がなく一聴して違和感が小さいが、原音の粗や生っぽさはK181DJの方が感じられる。エッジのきつさは大差ないが、どちらかと言うとK181DJの方がきつい。ただし、どちらもエッジのきつさではなく低域の量や音の圧力で聴き疲れすることが多い。明瞭さ、音の鮮やかさはK181DJの方がやや上。厚みはどちらもしっかりあるが、どちらかと言うとK181DJの方が上。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはK181DJの方がやや上。ただし、スモーキーな感じを好むならStudiophile Q40の方が良いと感じるかもしれない。どちらも低域の量や音の圧力で押すような迫力やノリの良さがある。その点については甲乙つけがたい。繊細さはK181DJの方が感じられる。響きはStudiophile Q40の方がやや豊かで、こもり感が気になる。K181DJの方が生気があり生き生きとした音楽を奏でてくれる。Studiophile Q40の方がどこか古臭く地味で堅実なモニター用の音。弦楽器はK181DJの方が繊細で生楽器らしさも感じられて良いが、モニター的に鳴らして欲しいならStudiophile Q40の方が良い。金管楽器はそれなりに似ているが、K181DJの方がやや明るい。打ち込み系の音の表現はK181DJの方がうまい。音の質感の相性や切れで勝っている。使い分けるなら、基本的にはK181DJ、K181DJでは違和感があるとか明るすぎるという不満があるならStudiophile Q40。
ZUMREED PORTABLE HEADPHONE
K181DJは低音よりのドンシャリ、ZUMREED PORTABLE HEADPHONEは低音より。低域はソースによってはZUMREED PORTABLE HEADPHONEの方が重心が低いように感じられることもあるが、厚みや量感はK181DJの方がかなりある。中域はK181DJの方がやや高い音で、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域はZUMREED PORTABLE HEADPHONEの方がやや硬質で明るい。K181DJの方が量が多く繊細で粗がない。分解能はK181DJの方が上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ差がある。音場感はK181DJの方が癖がなく明確。ZUMREED PORTABLE HEADPHONEの方が頭内定位がかなり気になる。原音忠実性はK181DJの方が上。一聴して違和感がないし、原音の粗や生っぽさが感じられる度合いにも差がある。エッジのきつさはほぼ同レベルだが、ZUMREED PORTABLE HEADPHONEの方が中域が張り出すような感じや妙なハウリングのような感じで疲れることが多い。明瞭さ、音の鮮やかさはK181DJの方が上。厚みはK181DJの方がある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさは、曇っているためにZUMREED PORTABLE HEADPHONEの方が良いと感じる面もあるが、生楽器や人声のリアルな温かみや艶っぽさという意味ではK181DJの方が良い。K181DJの方がかなりノリが良く、かつ繊細。響きはほぼ同レベル。ZUMREED PORTABLE HEADPHONEの方が歪みが気になる。弦楽器はK181DJの方が繊細で生楽器らしさが感じられて良い。金管楽器は、明るさはそれほど差を感じないが、K181DJの方がかなり力強く、変な癖もない。打ち込み系の音の表現はK181DJの方がうまい。音の質感の相性にはさほど差を感じないが、低域の量感や音の厚みに差がある。ほとんど何を聴くにしてもK181DJの方が良いだろう。
スペック
駆動方式 | 構造 | 周波数帯域 | 音圧感度 | インピーダンス |
ダイナミック | 密閉型 | 5Hz〜30kHz | 120dB | 42Ω |
重量 | ドライバー直径 | コードの長さ | コードの出し方 | 備考 |
280g | - | 1.8m | 片出し | 折りたたみ可能 |
評点
音質 | 装着感 | 遮音性 | 音漏れ | デザイン | 携帯性 | 音の傾向 | 参考最安価格 |
4 | 2 | 5 | 4 | 4 | 3 | 低(高) | 17800円 |
公開日:2006.6.30