第66回 Fudge Pudge/Organized Konfusion「Best of Organized Konfusion」より

 Organized Konfusionはアメリカのヒップホップデュオです。
 今回取り上げるのはベストアルバム「Best of Organized Konfusion」の17曲目で、元は1991年発表の1stアルバムに収録されていた曲です。ラップに加えてキーボード等が軽く入ってくるシンプルな構成です。テンポは特に速くも遅くもありません。
 「どういう風に聴きたいか」「どういう点を重視するか」については、「ラップが前に出てきて、ベースを強調して全体的にノリ良く鳴らしてくれるヘッドホンが欲しいです」とのことです。ラップが前に出てくることとベースを強調することは相反する面があるのですが、できる限り両立してくれるものを選んでいきたいと思います。


・1台目 ATH-WS70(audio-technica)
 前述の条件を最も満たしているように感じたので選びました。ベースはある程度強調されますし、その割にラップも前に出てきます。ノリという意味でもなかなか良いと思います。低域の量が多い音源に低域の量が多いヘッドホンを合わせるとどう考えても過剰という状態になることがありますが、今回の曲はそれほど低域の量が多いわけではないのでかなり低域の量が多いヘッドホンを使っても過剰というところまでは行かない印象です(ただし、当然ラップが前に出てきてくれなくなる傾向にはなります)。
 他にはATH-PRO5MK2、MDR-V6、PortaPro、SE-M390等で聴いてみました。ATH-PRO5MK2はベースは強調されますが、ラップはあまり前に出てきません。MDR-V6はなかなか良いのですが、ベースはもう少し強調されても良い印象です。PortaProは最後までATH-WS70と迷いましたが、ATH-WS70の方が若干ラップが前に出てくるように感じられたのでそちらにしました。SE-M390はベースは強調されますがラップはあまり前に出てきませんし、サ行や擦れが気になります。
 不満点は特にありません。全体的に少しずつ改善できれば良いのではないかと思います。

・2台目 K181DJ(AKG)
 最初に書いた条件を最も満たしているように感じたので選びました。1台目と比べるとベースの重心がやや低いのが最大の違いだと思います。それに加えて音の圧力があるおかげでノリの良さで若干勝っている印象です。
 他にはAH-D1100、Image ONE、MDR-1R、Studiophile Q40等で聴いてみました。AH-D1100は音色的な意味ではそれなりにラップが前に出てくるものの音場的な意味ではあまり前に出てきません。Image ONEは最後までK181DJと迷いましたが、K181DJの方がラップが前に出てくるように感じられたのでそちらにしました。MDR-1Rはベースは強調されますが、ラップはあまり前に出てきません。Studiophile Q40は悪くないのですが、K181DJと比べるとラップが前に出てきません。
 不満点は特にありません。次は色々聴いてみて選ぶしかないと思います。

・3台目 CUSTOM ONE PRO(beyerdynamic)
 色々聴いてみた結果これになりました。ベースはある程度強調されますし、音の圧力があることもプラスに働きノリ良く鳴らしてくれる印象です。単品で見るとラップが特別前に出てくる感じではありませんが、今回聴いた中では比較的前に出てくる方です。1、2台目と比べるとグルーヴ感がある印象です。全体的に違和感が小さく不満の出にくい傾向だと思いますが、1、2台目と比べると音場が広く遠くから音を鳴らす点が合わないと感じる人もいるかもしれません。
 不満点は特にありません。

・4台目 HD25-1(SENNHEISER)
 かなり迷いましたが、最終的にはこれになりました。どちらかと言うと消去法で選ばれた感じです。今回聴いた中では3台目に近い印象です。グルーヴ感がある点も似ています。違いはラップが前に出てくる反面ベースが強調されない点です。音場が狭く近くから音を鳴らすため、3台目が合わなかった人に合うかもしれません。
 他にはBeats Solo HD、H118、PRO900、PS500等で聴いてみました。Beats Solo HDは今回の曲でさえ低域が過剰という印象ですし、ラップも前に出てきません。H118はベースは強調されますが、ラップはあまり前に出てきません。PRO900は音色的な意味ではそれなりにラップが前に出てくるものの音場的な意味ではあまり前に出てきません。PS500はベースは強調されますがラップはあまり前に出てきませんし、サ行や擦れが気になります。

・5台目 m5(FUTURE SONICS)
 最初に書いた条件を最も満たしているように感じたので選びました。ベースはかなり強調されますし、その割にラップも前に出てきます。ノリという意味でもなかなか良いと思います。濃厚な低域がマッチしている印象です。色々と聴いてみたのですが、HP-TWF11RとIE8はベースは強調されるもののラップはあまり前に出てこない、Turbine Pro Copperはラップは前に出てくるもののベースはそれほど強調されない等の不満がありました。
 他にはK374とHA-FX3Xが良かったです。ベースはm5ほど強調されませんが、どちらも最初に書いた条件をある程度満たしていると思います。


 今回はラップが前に出てくることとベースを強調することの両立を目指して探索しましたが、どちらをどの程度重視するかの匙加減によって結果が変わってくるので、本文まで読んで自分に合ったヘッドホンを探してみてください。
 ヘッドホンアンプはHD-1L Limited Edition(RC1)が良いと思います。低域がしっかりしていて今回の曲のノリを出してくれます。
 今回の内容を参考に、好みに合わせて選んでください。


試聴はこちら。













戻る





TOP > 曲別HP探索2 > 第66回