AH-P372
音質
やや低音より。低域は量的にはやや多めという程度。過剰ではない。質的にはあまり癖はないが、どちらかと言うと重心が低め。特別ぼやけたり曇ったりはしない。中域は特に癖はなく、低域に邪魔されたりせずに普通に聴こえてくる。やや低めの落ち着いた音。高域は質的にも量的にも低域よりは控え目だが、基本的に必要量は出る。
分解能は価格なりからやや良いレベル。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ最低限はこなしてくれる。音場感は耳のせなのであまり良くはないが、耳のせとしてはそれなりに広く明確。原音忠実性はそれなり。価格を考えればなかなか良いと言える。一聴して大きな違和感はないし、原音の粗や生っぽさも最低限は感じられる。エッジはきつくなく、あまり聴き疲れしない。高域にしろヴォーカルのサ行にしろあまり痛くないが、それ以外の音がやや粗っぽいと感じることはある。
明瞭さ、音の鮮やかさはそれなり。低域の量が多い割にはかなり明瞭と言える。厚みは普通からやや厚め。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはいまいち。ヴォーカルはうわずったり張り出したりするような大きな欠点はないが、あまり魅力は感じない。どちらかと言うと明るくノリが良い傾向だが、基本的にはニュートラル。響きはややあっさり。
弦楽器はいまいち。普通に聴けることは聴けるのだが、ソースによっては多少癖が気になるし、繊細さや生楽器らしさが不満。金管楽器はいまいちと評価すべきかそれなりと評価すべきか迷うところ。質的にも量的にも大きな癖はないが、どちらかと言うと地味で目立たない傾向。打ち込み系の音の表現はそれなり。音の質感の相性、低域の量感、切れ、音の厚み等、様々な点からみて悪くはない。
ポータブル用ヘッドホンとしてはなかなかバランス良くまとまっている機種。
装着感
普通。耳のせサイズの密閉型としては良好と言える。側圧は適度で、ずれにくさと耳への圧迫のなさをある程度両立している。ヘッドバンドのクッションが二つに分かれているので、頭頂部が痛くなりにくいのも良い。
イヤーパッドは耳のせサイズで、上下左右に角度調節できる。材質はシワが気になる安っぽい人工皮革。
その他
遮音性及び音漏れ防止は良好。
作りは基本的には価格なりか良いくらいなのだが、プラスチックの質感はツヤツヤで安っぽく感じる。デザインはあまり癖がなく良い。折りたたみ方法が多少変わっているが特に問題はなく、普通の折りたたみ方法と同じくらいにコンパクトに折りたたむことができる。
プラグは金メッキのミニプラグ。コードの太さは合流前は約1.5mm、合流後は幅約3mm・厚さ約1.5mm、硬さは普通からやや硬め、短いこともあって特に扱いづらくはない。イヤーパッドのサイズは、外周68mm×68mm、内周34mm×34mm、深さ12mm。
付属品
0.8m延長コード
キャリングポーチ
参考
メーカー製品ページ
周波数特性グラフ
比較メモ
AH-G500
AH-G500は高音より、AH-P372はやや低音より。低域はAH-P372の方が若干量が多い。AH-G500の方が柔らかく自然な質。AH-P372の方が塊のような質。中域はどちらも低域に負けたりせず聴こえてくるが、AH-G500の方がやや高い音で目立つ。ただし、音場的にはAH-P372の方が前に出る感じで目立つ。高域はAH-G500の方が高く鋭い音でかなり目立つ。量も多い。分解能はAH-G500の方が上。一つ一つの音の微細な描写に差がある。音場感はAH-G500の方が広く明確。耳覆いと耳のせの差が明確に出る。原音忠実性は微妙。AH-P372の方が癖のない音ではあるが、原音の粗や生っぽさはAH-G500の方がかなり感じられる。エッジはAH-G500の方がかなりきつく、聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろ鋭く刺さる感じ。明瞭さ、音の鮮やかさはAH-G500の方が若干上。厚みはAH-P372の方がやや上。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはAH-G500の方が上。この点にはかなり明白な差がある。この点と高域の質・量の違い、エッジのきつさの3点が、この2機種の主な違いと言って良いだろう。AH-G500の方が繊細。響きはAH-G500の方がやや豊か。AH-G500の方がザラザラした音。逆に言えば、AH-P372の方が塗りつぶしたような音。AH-G500の方がドラムや破裂音が目立つ。弦楽器はAH-G500の方が繊細かつ自然で生楽器らしさも感じられる。金管楽器はAH-G500の方が高く鮮やかで楽しめる。打ち込み系の音の表現はAH-P372の方がややうまい。音の質感の相性で勝っている。ただし、中高域から高域の明るさが欲しいのであればAH-G500の方が良い。使い分けるなら、生楽器やヴォーカルものを聴くならAH-G500、打ち込み系やロックを聴くならAH-P372。あるいは、高域が欲しいならAH-G500、それよりも聴き疲れを押さえたいならAH-P372。
ATH-SJ11
AH-P372はやや低音より、ATH-SJ11は低音より。低域はATH-SJ11の方がある程度量が多い。ATH-SJ11の方が弾力のある質。重心はATH-SJ11の方がやや低い。中域はAH-P372の方が若干明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域は微妙。ソースによって印象が変わりやすい。AH-P372の方がやや線の細い質。分解能はAH-P372の方がやや上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ若干勝っている。音場感は、AH-P372の方が若干広い、明確さはほぼ同レベル。原音忠実性はAH-P372の方が若干上。ATH-SJ11は低域の量が多すぎる。原音の粗や生っぽさが感じられる度合いはほぼ同レベル。エッジのきつさは大差ないが、ATH-SJ11の方が低域の量やこもり感で疲れる面がある。高域にしろヴォーカルのサ行にしろ大差ない痛さ。明瞭さ、音の鮮やかさはAH-P372の方が若干上。厚みはATH-SJ11の方が若干ある。温かみは低域の量が多い分ATH-SJ11の方が感じられる。ヴォーカルの艶っぽさはほぼ同レベル。ノリの良さは微妙。AH-P372の方が軽快、ATH-SJ11の方が低域に基づく迫力や力強さがある。響きはATH-SJ11の方がやや豊かでこもり感が気になる。弦楽器は、AH-P372の方が若干繊細、ATH-SJ11の方が若干心地よい。金管楽器はATH-SJ11の方が若干太く力強い。打ち込み系の音の表現はAH-P372の方が若干うまい。切れで若干勝っている。使い分けるなら、バランスや繊細さを求めるならAH-P372、厚みや低域の量を求めるならATH-SJ11。
DJ PRO 60
AH-P372はやや低音より、DJ PRO 60は低音よりのドンシャリ。低域はAH-P372の方が重心が低い。DJ PRO 60の方が薄く曇ったり柔らかくぼやけたりする質。中低域はDJ PRO 60の方がしっかり出る。低域トータルの量はDJ PRO 60の方がやや多いが、質的な問題でソースによってはAH-P372の方が存在感があるように感じられることも多い。中域はAH-P372の方が低域に邪魔されずはっきり聴こえてくるが、DJ PRO 60の方がやや癖がない印象。高域はDJ PRO 60の方がやや量が多く、明るく目立つ。DJ PRO 60の方がやや粗がある。分解能はほぼ同レベル。音の分離はAH-P372の方が若干上、一つ一つの音の微細な描写はDJ PRO 60の方が若干上。音場感はAH-P372の方がやや広く明確で、見晴らしも良い。原音忠実性は微妙。低域はDJ PRO 60の方が癖があり、中域はAH-P372の方が癖がある。原音の粗や生っぽさはAH-P372の方が多少感じられる。エッジはDJ PRO 60の方がややきつく聴き疲れしやすい。高域はDJ PRO 60の方が粗っぽく痛いが、ヴォーカルのサ行の痛さは大差ない。明瞭さはAH-P372の方がやや上、音の鮮やかさはDJ PRO 60の方がやや上。厚みはほぼ同レベルだが、どちらかと言うとDJ PRO 60の方がある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはDJ PRO 60の方がやや上。AH-P372の方が明るくポップス向きのノリの良さがある。DJ PRO 60の方が低域の量に基づく迫力がありロック向き。響きはDJ PRO 60の方が豊かでこもり感が気になる。弦楽器はDJ PRO 60の方が心地よいし、癖もない。金管楽器はDJ PRO 60の方がやや金属的で鮮やか。打ち込み系の音の表現はAH-P372の方がうまい。音の質感の相性や切れで勝っている。使い分けるなら、明瞭さや切れ重視ならAH-P372、温かみや迫力重視ならDJ PRO 60。ただし、使い分けと言うよりも好みによって評価が割れるように感じられる。AH-P372が好きな人にとってはDJ PRO 60はこもり感や曇りが酷くて使えないだろうし、逆にDJ PRO 60が好きな人にとってはAH-P372はスカスカで使えないだろう。
K181DJ
AH-P372はやや低音より、K181DJは低音よりのドンシャリ。低域はK181DJの方が重心が低く厚みもあるため、存在感にかなりの差がある。量もK181DJの方がやや多い。中域はK181DJの方がやや高い音で、低域の曇りに覆われずはっきり聴こえてくる。高域はK181DJの方が明るく目立つし、量も多い。分解能はK181DJの方が上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ多少差がある。音場感はK181DJの方がやや広く明確。原音忠実性はK181DJの方が上。原音の粗や生っぽさが感じられる度合いに差がある。ただし、低域の多いソースではK181DJは低域の存在感が強すぎる点はマイナス。エッジはK181DJの方がややきつく、低域の量や音の圧力もあるため聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろK181DJの方が若干痛い。明瞭さ、音の鮮やかさはK181DJの方がやや上。K181DJと比べると、AH-P372は薄く曇っているように感じる。厚みはK181DJの方がある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはK181DJの方がやや上。AH-P372の方が薄く曇っているために温かみがあるように感じられる面もあるが、人声や生楽器のリアルな温かみという点ではK181DJの方が上。K181DJの方がノリが良くかつ繊細。特にノリの良さについては、低域の量感、音の厚み、圧力、ダイナミックな鳴らし方、切れ等、様々な点で勝っている。響きはK181DJの方がやや豊か。弦楽器はK181DJの方がうまい。繊細で生楽器らしさが感じられる。金管楽器はK181DJの方が鮮やかで力強く楽しめる。打ち込み系の音の表現はK181DJの方がうまい。音の質感の相性、音の厚み、切れ等、様々な点で勝っている。使い分けるなら、基本的にはK181DJ、K181DJでは聴き疲れが気になるとか低域の存在感がありすぎるという不満があるならAH-P372。ただし、上記の内容はK181DJのBass boost switchがデフォルトのLARGEでのものなので、SMALLにすればある程度不満が解消されるだろう(SMALLではAH-P372よりやや低音が少なくなる印象)。
MDR-570LP
AH-P372はやや低音より、MDR-570LPはややドンシャリ。低域はMDR-570LPの方がやや量が多いが、ローエンドはAH-P372の方がしっかり出る。重心はAH-P372の方が低い。MDR-570LPの方が薄く曇ったような質。中域はAH-P372の方が明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域はMDR-570LPの方が若干量が多い。ソースによって印象が変わりやすいが、基本的にはMDR-570LPの方が若干明るく金属的。分解能はAH-P372の方が若干上。一つ一つの音の微細な描写は大差ないが、音の分離はAH-P372の方がやや上。音場感は、広さは大差ないが、AH-P372の方が明確。MDR-570LPの方が耳の近くで音を鳴らす感じが気になる。原音忠実性は微妙。MDR-570LPの方が周波数特性上の癖が小さく、一聴して違和感がない。原音の粗や生っぽさはAH-P372の方がやや感じられる。エッジはAH-P372の方がややきつく聴き疲れしやすい。高域はMDR-570LPの方が若干痛く、ヴォーカルのサ行はAH-P372の方が若干痛い。明瞭さ、音の鮮やかさはAH-P372の方が上。厚みはAH-P372の方がややある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはMDR-570LPの方が感じられる。AH-P372の方が明るくメリハリがあってノリが良い。響きはMDR-570LPの方が豊かでこもり感が気になる。弦楽器はAH-P372の方が生楽器らしさが感じられ、MDR-570LPの方が滑らかで心地よい。金管楽器はソースによって印象が変わりやすいが、基本的にはAH-P372の方が太く、MDR-570LPの方が癖がない。打ち込み系の音の表現はAH-P372の方がうまい。切れや低域の質で勝っている。使い分けるなら、明瞭さや切れを求めるならAH-P372、温かみや癖のなさを求めるならMDR-570LP。
RD-A310
AH-P372はやや低音より、RD-A310はかなりフラット。低域はAH-P372の方が若干量が多い。AH-P372の方が濃く中身が詰まったような質、RD-A310の方がやや弾力のある質。重心はAH-P372の方がやや低い。中域はRD-A310の方がやや明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域はRD-A310の方が若干量が多い。やや明るい質で目立つ。分解能はRD-A310の方がやや上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ若干勝っている。音場感は、RD-A310の方がやや広く、AH-P372の方が若干明確。RD-A310の方が頭内定位が気になりやすい。原音忠実性は微妙。周波数特性上の癖のなさは大差ないが、違和感はAH-P372の方が小さい。原音の粗や生っぽさはRD-A310の方がやや感じられる。エッジはRD-A310の方が若干きつく聴き疲れしやすい。高域はRD-A310の方がやや痛い、ヴォーカルのサ行は大差ない痛さ。明瞭さ、音の鮮やかさはRD-A310の方がやや上。厚みはAH-P372の方がややある。温かみはAH-P372の方がやや感じられる。ヴォーカルの艶っぽさはRD-A310の方がやや感じられる。RD-A310の方が透明感がある。RD-A310の方が明るく爽やか、AH-P372の方がどっしりとした安定感がある。響きはRD-A310の方がやや豊か。弦楽器は、AH-P372の方が心地よい、RD-A310の方が生楽器らしさが感じられる。ヴァイオリン等を澄んだ感じで聴きたいならRD-A310の方がやや良い。金管楽器はRD-A310の方がやや鮮やか、AH-P372の方がやや力強い。打ち込み系の音の表現はRD-A310の方がややうまい。音の質感の相性で勝っている。使い分けるなら、低域の量や安定感を求めるならAH-P372、明るさや透明感を求めるならRD-A310。
RP-DJ500
AH-P372はやや低音より、RP-DJ500は低音よりのドンシャリ。低域はRP-DJ500の方がやや量が多い。RP-DJ500の方が薄く曇ったような質。ソースによってはAH-P372の方が存在感があるように感じられる。中域はAH-P372の方が低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域はRP-DJ500の方が金属的で目立つ。量もやや多い。分解能はAH-P372の方がやや上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろAH-P372の方が若干上。音場感は広さ・明確さともにほぼ同レベル。原音忠実性はAH-P372の方が上。一聴して違和感が小さいし、原音の粗や生っぽさが感じられる度合いでも勝っている。エッジはRP-DJ500の方がややきつく、聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろRP-DJ500の方がやや痛い。明瞭さ、音の鮮やかさはAH-P372の方がやや上。RP-DJ500はAH-P372と比べるとかなり曇っているように感じる。厚みはほぼ同レベル。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはほぼ同レベルだが、RP-DJ500の方が薄く曇っていてスモーキーな感じなので、そういう表現を好むならRP-DJ500の方が良いと感じるだろう。どちらもノリが良い傾向ではあるが、AH-P372の方が明るくポップス向きの音調。響きはRP-DJ500の方が豊かで、こもり感が気になる。弦楽器はAH-P372の方がややうまい。多少繊細で生楽器らしさも感じられる。金管楽器はソースによってはあまり差を感じないが、基本的にはRP-DJ500の方が鮮やか。打ち込み系の音の表現は、AH-P372の方が若干うまい。明瞭で明るく切れが良い点に差がある。使い分けるなら、ロックはRP-DJ500、それ以外はAH-P372。あるいは、基本的にはAH-P372、高域の量が欲しいときはRP-DJ500。
SHL9600
AH-P372はやや低音より、SHL9600はやや低音よりのかまぼこ。低域はSHL9600の方がやや重心が低く、厚みや圧力がある。量は大差ない。中域はAH-P372の方が癖がない。SHL9600の方が張り出すような感じで目立つことがある。中高域はAH-P372の方が明るく目立つ。高域はSHL9600の方がやや細く粗がない。どちらも高域よりは低域が目立つ印象だが、AH-P372の方が高域がしっかり出る。分解能はほぼ同レベルだが、どちらかと言うとSHL9600の方が若干上か。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ大差ないが、一つ一つの音の微細な描写はSHL9600の方が粗なく丁寧にこなしてくれる。音場感はAH-P372の方がやや広い。原音忠実性はSHL9600の方が若干上。周波数特性上の癖のなさにしろ原音の粗や生っぽさが感じられる度合いにしろ大きな差はないが、SHL9600の方が味付けされていない素の音に近い。AH-P372は音楽鑑賞用、SHL9600はモニター用とでも言うような違い。エッジはAH-P372の方がややきついが、SHL9600は音の圧力で疲れる面があるので、総合的な聴き疲れはソースや聴く人によって変わってくるだろう。明瞭さはほぼ同レベル、音の鮮やかさはAH-P372の方がやや上。厚みはSHL9600の方がやや上だが、厚みよりもSHL9600の方が締まっていることに目が行く。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはほぼ同レベル。AH-P372の方が明るくポップス向きな音調、SHL9600の方が地味で堅実な音。ただし、音の圧力や低域の質から見てロックをガンガン聴きたいようなときにはSHL9600の方が合う。響きはほぼ同レベル。弦楽器は好みによって評価が割れそう。明るく瑞々しく聴きたいならAH-P372の方が良いが、味付けの少ない音を聴きたいならSHL9600の方が良い。金管楽器はAH-P372の方が明るく楽しめる。打ち込み系の音の表現は基本的にはSHL9600の方がややうまいが、中高域から高域の明るさが欲しいならAH-P372の方が良い。使い分けるなら、高域が欲しいならAH-P372、そうでもないならSHL9600。あるいは、明るめの音楽鑑賞用ヘッドホンを求めているならAH-P372、味付けの少ないモニター用ヘッドホンを求めているならSHL9600。
ZM-DS4F
どちらもやや低音より。低域はAH-P372の方が重心が低くしっかりした低域。中低域はZM-DS4Fの方がやや多い。トータルの量はほぼ同等。中域はZM-DS4Fの方が張り出すような感じで目立つことが多い。高域はAH-P372の方がやや高く明るい音で量も多い。分解能はAH-P372の方がやや上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ若干勝っている。音場感はAH-P372の方がやや広い。原音忠実性はAH-P372の方が上。周波数特性上の癖が小さいし、原音の粗や生っぽさが感じられる度合いでも勝っている。エッジはAH-P372の方が若干きついが、ZM-DS4Fは中域が張り出すような感じで疲れることが多く、総合的な聴き疲れはソースや聴く人によって変わってくるだろう。明瞭さ、音の鮮やかさはAH-P372の方がやや上。厚みはAH-P372の方がややある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさは大差ないが、どちらかと言うとAH-P372の方が上。AH-P372の方が明るく元気でノリが良い。響きは、低域はZM-DS4Fの方が豊か、高域はAH-P372の方が豊か。AH-P372の方がドラムや破裂音が目立つ。弦楽器はAH-P372の方が生楽器らしさが感じられるし、癖も小さい。金管楽器はAH-P372の方がやや明るいが、ソースによってはあまり差が出ない。打ち込み系の音の表現はAH-P372の方がうまい。音の質感の相性や明るい鳴らし方で勝っている。使い分けるなら、基本的にはAH-P372、AH-P372ではエッジのきつさや明るい感じが合わないときはZM-DS4F。
サイン波応答
位相+高周波歪み
インパルス応答(CSD)
インパルス応答(録音波形)
100Hz・1kHz・10kHzサイン波の再生
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スペック
駆動方式 | 構造 | 周波数帯域 | 音圧感度 | インピーダンス |
ダイナミック | 密閉型 | 10Hz〜22kHz | 100dB | 35Ω |
重量 | ドライバー直径 | コードの長さ | コードの出し方 | 備考 |
140g | 38mm | 0.5m | 両出し | 折りたたみ可能 |
評点
音質 | 装着感 | 遮音性 | 音漏れ | デザイン | 携帯性 | 音の傾向 | 参考最安価格 |
2.5 | 3 | 4 | 4 | 4 | 3 | 均(低) | 3400円 |
公開日:2009.2.3