第94回 Our Town/Radio 4「Gotham!」より

 Radio 4はアメリカのパンクバンドです。メンバーはヴォーカル、ギター、ベース、ドラムス、パーカッションに加え、ゲストとしてキーボードが参加しています。
 今回取り上げるのは、2002年発表のアルバム「Gotham!」の1曲目です。歪んだ音とかすれたヴォーカルで、いかにもパンクといった印象です。
 ヘッドホンとしては、パンクらしいカッコ良さを出してくれるものが望ましいと思います。こう言うと漠然としているのでもう少し具体的に表現すると、切れが良く低域がしっかり出るものが良いと思います。


・1台目 K181DJ(AKG)
 今回も色々聴いてみましたが、最終的にはこれになりました。
 最初、MDR-7506が合いそうだと思って聴いてみたのですが、あまりに粗っぽく、音が割れているように感じることも多かったので、もう少し粗がないものが良いと思いました。これを受けてHP-M1000やRP-21で聴いてみたのですが、今度は少し切れが足りないように感じます。この間くらいの音がちょうど良いと思って探したところ、K181DJが当てはまりました。
 K181DJで聴くと、切れが良くそれでいて余計な粗はなく、適度に明るくノリ良く鳴らしてくれるのが好印象です。K181DJの低域は量が多いためにややぼやけ気味に感じることも多いですが、今回の曲では特に気になりませんでした。むしろHP-M1000やRP-21より制動が利いていて良いように感じました。
 不満点は、低域の量がもう少し控え目でも良い点、切れや爽やかさがもう少し欲しい点です。

・2台目 SR-225(GRADO)
 1台目の不満点を踏まえて素直に選びました。
 SR-325iでも聴いてみたのですが、SR-225と比べると若干重く野暮ったい印象でした。SR-225の方が爽やかで粗っぽい感じが今回の曲に合うように感じます。もちろん、あまり大きな違いはありませんし、SR-325iもかなり良いと思います。
 SR-225と今回の曲の相性は非常に良く、これ以上のものはそうないと思うのですが、1台目と比べると密閉型特有の圧迫感がないために多少物足りないように感じる人もいるかもしれません。ちなみに、SR-225はどちらかと言うとK181DJよりもMDR-7506に似た傾向のように感じました。
 不満点は特にありません。次は色々聴いてみて選ぶしかないと思います。

・3台目 PFR-V1(SONY)
 色々聴いてみた結果、これになりました。
 とにかく開放感が良いです。パンクを聴くのに何が重要かは人それぞれ意見があるでしょうが、開放感というのもその一つとして挙げられると思います。2台目もそういった意味で素晴らしい鳴らし方でしたが、PFR-V1はある意味でそれを上回ります。また、PFR-V1は高域の量が多くシャリつくため、まったり聴きたいときや粗のない表現を求めるときには致命的に合わないのですが、今回の曲では逆に魅力的にさえ感じました。
 基本的に2台目と同傾向の音ですし、どちらがバランスの良く万人受けするかと言えば2台目なのでしょうが、もっとはじけたものが欲しいならPFR-V1は良い選択肢になると思います。


 今回はSR-225が最も良かったように思いますが、前述の通り密閉型の方が好みという人もいると思います。その場合にはK181DJやMDR-7506、あるいは大抵のDJ用ヘッドホンはそれなりに鳴らしてくれます。
 好みに合わせて選んでください。


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