RP-21

音質
 ややドンシャリ。低域は適度。多すぎず少なすぎず、しかもある程度の締まりが感じられる。中域は変な癖はなくはっきり聴こえてくる。高域は高めの音でやや尖っている感じ。
 分解能は良好。一つ一つの音の微細な描写はあまり深くえぐりだすようなことはしないが、音の分離はかなり良い。音場感は多少癖があるしあまり広くはないが、独特の明確さがある。原音忠実性は高域に多少癖があることを除けばかなり良い。原音の粗や生っぽさがある程度感じられる。エッジはややきつめだがそれほど聴き疲れしないレベル。
 明瞭さ、音の鮮やかさはなかなか良い。厚みはやや厚め。温かみはあまり感じられない。ヴォーカルの艶っぽさはそれなり。基本的にモニター的で冷静な鳴らし方だが、切れやスピード感があるためそういう意味でのノリの良さは感じられる。響きはややあっさり。
 弦楽器はやや硬めに感じることもあるが、基本的には癖がないと言って良いレベルだろう。金管楽器はそれなり。しっかり高い音を鳴らしてくれるし、鮮やかさもあるのだが、もう少し派手に主張しても良かったように思う。このあたりもモニター的と感じる原因になっているのだろう。打ち込み系の音の表現はなかなかうまい。音の質感、切れ、低域の量等、どれも特別優れているわけではないが、悪いと感じる点もない。
 基本的な性能にしろ、音楽を楽しむにしろ、なかなかコストパフォーマンスの良い機種。

装着感
 普通。側圧はやや強め。ヘッドバンドはほとんどクッションが入っておらず、やや痛い。重量は重めだが、さほどずれやすくはない。
 イヤーパッドはかろうじて耳を覆うサイズ、深さがあまりないため耳に当たる。上下左右に角度調節ができる。材質はレザータイプの人工皮革で、やや硬め。

その他
 遮音性及び音漏れ防止は良好。
 作りは悪くないが、デザインはかなり個性的で良いとは言い難い。ヘッドホン本体側でもコードの着脱が可能で、スイーベル機構。
 プラグは金メッキのL型ミニプラグ。コードの太さは約4mm、硬くて癖が付きやすくやや扱いづらい。イヤーパッドのサイズは、外周98mm×98mm、内周60mm×60mm、深さ14mm。

付属品
ミニ→標準変換プラグ



参考
不定期コラム『第56回 ヘッドホンの破損と経年劣化』
不定期コラム『第67回 価格別favorite headphones 5回目』

周波数特性グラフ


比較メモ
DJX-1
DJX-1は低音よりのドンシャリ、RP-21はややドンシャリ。低域はDJX-1の方がやや低い音で量も多い。DJX-1の低域の方が柔らかくぼやけている感じ。中域はRP-21の方がやや高い音で、低域に負けずはっきり聴こえてくる。高域はRP-21の方が高い音で量も多い。この2機種を比べるとRP-21の方が高音よりと言える。分解能はRP-21の方が上。音の分離に差がある。音場感はRP-21の方がやや広く明確。原音忠実性はRP-21の方が上。周波数特性的には低域に癖があるDJX-1、高域に癖があるRP-21という感じだが、原音の粗や生っぽさはRP-21の方が感じられる。RP-21の方がエッジがきつく聴き疲れする。明瞭さ、音の鮮やかさはRP-21の方が上。厚みはDJX-1の方がある。温かみはDJX-1の方が感じられる。これは、低域が多い上に音の質そのものも柔らかいため。ヴォーカルの艶っぽさは基本的には同等レベルだが、DJX-1の方が柔らかい音で艶っぽく感じられることもある。どちらもノリが良い傾向だが、DJX-1が低域の量で押す感じなのに対してRP-21は切れやスピード感がある感じ。響きはDJX-1の方が豊か。弦楽器はDJX-1の方が柔らかい音で心地よいと言えば心地よいのだが、RP-21の方が繊細で生っぽい感じも出してくれる。金管楽器はRP-21の方が高く鮮やか。打ち込み系の音の表現は、低域の量だけ求めるならDJX-1の方が良いが、切れや中高域の鮮やかさではRP-21の方が良く、一般的にはRP-21の方がうまいと言えるだろう。使い分けるなら、低域の量が欲しいときにはDJX-1、それ以外はRP-21。あるいは、柔らかい音が良いときにはDJX-1、硬い音が良いときにはRP-21。

HD25-1
どちらもややドンシャリ。低域はHD25-1の方が重心が低く量もやや多い。ソースによってはRP-21の方がやや弾力があるように感じる。中域から中高域はRP-21の方がやや高い音ではっきり聴こえてくる。高域はそれなりに似た音だが、RP-21の方が量が多く明るい表現。この2機種を比べると、HD25-1の方が低音よりと言える。分解能はほぼ同レベルだが、どちらかと言えばRP-21の方が上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ大差ない。音場感はRP-21の方が広い。原音忠実性はHD25-1の方がやや上。周波数特性上の癖のなさで若干勝っているし、一聴して違和感のない音。原音の粗や生っぽさが感じられる度合いはほぼ同レベル。エッジはRP-21の方がややきついが、HD25-1は音の圧力で疲れる面があり、総合的な聴き疲れはソースや聴く人によって変わってくるだろう。明瞭さ、音の鮮やかさはRP-21の方がやや上。厚みはHD25-1の方がややある。温かみは低域が出る分HD25-1の方がやや良いように感じるが、それを除けば大差ない。ヴォーカルの艶っぽさはほぼ互角。RP-21の方が明るく元気でノリが良い。HD25-1の方が音の圧力や迫力がある。響きはHD25-1の方がやや豊かで、こもり感が気になる。HD25-1の方が地味で古臭い音。弦楽器はHD25-1の方がやや心地よく安心して聴ける。金管楽器はRP-21の方が鮮やかで楽しめる。打ち込み系の音の表現はRP-21の方がうまい。音の質感の相性や明るい鳴らし方で勝っている。ロックとの相性はHD25-1の方がやや良い。例えばバスドラの表現はHD25-1の方がややうまい。重心が低く迫力がある。アタック感はほぼ互角か、若干HD25-1の方が良いくらい。ただし、少しでも明るさや派手さを求めるならRP-21の方が良い。使い分けるなら、癖のなさ重視ならHD25-1、明るさ重視ならRP-21。あるいは、低域重視ならHD25-1、高域重視ならRP-21。

HFI-650
どちらもややドンシャリ。低域はRP-21の方がやや量が多い。質的にはHFI-650の方が締まっている。中域はHFI-650の方がやや高い音ではっきり聴こえてくる。高域はどちらも尖っている感じだが、HFI-650の方が高い音で量も多い。この2機種を比べると、HFI-650の方が高音よりと言えよう。分解能はほぼ互角。音の分離はHFI-650の方が若干良いが、一つ一つの音の微細な描写はRP-21の方が若干良い。音場感は、HFI-650の方が立体的だが、RP-21も独特の明確さがあり、どちらが良いかは好みが分かれるだろう。原音忠実性はRP-21の方がやや上。RP-21の方が周波数特性的に癖がなく、細かいノイズまでしっかり拾う感じ。HFI-650の方がエッジがきつくやや聴き疲れしやすい。明瞭さ、音の鮮やかさはHFI-650の方が上。厚みはHFI-650の方がある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはRP-21の方が上。HFI-650の方が切れが良くノリの良い鳴らし方。響きはどちらもややあっさりだが、比較すると低域はRP-21の方が豊か、高域はHFI-650の方が豊か。弦楽器はRP-21の方がうまい。HFI-650では硬く感じるようなことが多いが、RP-21はほどほどに柔らかい表現をしてくれる。金管楽器はHFI-650の方が高く鮮やか。打ち込み系の音の表現はHFI-650の方がうまい。音の質感や切れで勝っている。使い分けるなら、高音よりが良いならHFI-650、低音よりが良いならRP-21。あるいは、明瞭さや切れを重視するならHFI-650、温かみや全体的なバランスを重視するならRP-21。

HP-170
HP-170は低音より、RP-21はややドンシャリ。低域はHP-170の方がやや量が多い。柔らかくぼやけた質。重心の低さはほぼ同レベル。どちらも比較的しっかりした低域である点は似ている。中域はRP-21の方がやや高い音で、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域はRP-21の方がやや量が多い。明るく鋭い質でかなり目立つ。分解能はRP-21の方がかなり上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろある程度の差がある。音場感はRP-21の方が広く明確。HP-170の方が耳の近くで音を鳴らす感じが気になる。原音忠実性はRP-21の方が上。HP-170は高域があまり聴こえてこない点がマイナスだが、RP-21はそこまで気になるような点はない。原音の粗や生っぽさが感じられる度合いはRP-21の方が上。エッジはRP-21の方がきついが、HP-170は低域の量やこもり感で疲れる面があるため、総合的な聴き疲れはソースや聴く人によって変わってくるだろう。高域にしろヴォーカルのサ行にしろRP-21の方が鋭く刺さる。明瞭さ、音の鮮やかさはRP-21の方が上。厚みはほぼ同レベルだが、それよりもRP-21の方が締まった音である点に目が行く。温かみは曇っている分HP-170の方が感じられる面もあるが、人声や生楽器のリアルな温かみという意味ではRP-21の方がかなり上。ヴォーカルの艶っぽさはRP-21の方が上だが、スモーキーな感じを好むならHP-170の方が良いと感じることもあるだろう。RP-21の方がノリが良くかつ繊細。RP-21の方が切れやスピード感がある。響きは、低域はHP-170の方がやや豊か、高域はRP-21の方がやや豊か。RP-21の方がドラムや破裂音が目立つ。弦楽器はRP-21の方が繊細で生楽器らしさが感じられる。基本的にはRP-21の方が数枚上手の表現力を持っているが、チェロ等を柔らかく心地よく聴きたいならHP-170の方が良いと感じることもある。金管楽器はRP-21の方がかなり鮮やかで、しかも力強い。打ち込み系の音の表現はRP-21の方がうまい。音の質感の相性、切れ、ダイナミックな鳴らし方等、様々な点で勝っている。使い分けるなら、基本的にはRP-21、RP-21ではどうしてもエッジがきついならHP-170。

HP-AURVN-LV
HP-AURVN-LVはかなりフラット、RP-21はややドンシャリ。低域はHP-AURVN-LVの方が柔らかくぼやけている感じ。中域はRP-21の方が低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。中高域は、RP-21が少なめなのに対して、HP-AURVN-LVはしっかり出る。高域はRP-21の方がやや硬く鋭い感じ。分解能はRP-21の方がやや上。音場感はRP-21の方が癖がある。HP-AURVN-LVの方が立体的で分かりやすい。RP-21の方が耳の近くで音を鳴らす感じが気になる。原音忠実性は微妙。周波数特性上の癖のなさはHP-AURVN-LVの方が良いが、原音の粗や生っぽさはRP-21の方が感じられる。エッジはRP-21の方がややきついが、サ行の音等はHP-AURVN-LVの方が痛い。全体的な聴き疲れとしては、RP-21の方が圧力のある音で疲れやすい。明瞭さはRP-21の方が上、音の鮮やかさはほぼ互角。厚みはRP-21の方がややある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはHP-AURVN-LVの方が上。ノリの良さならRP-21、繊細さならHP-AURVN-LV。響きはHP-AURVN-LVの方が豊か。HP-AURVN-LVの方が自然、RP-21の方がダイナミック。弦楽器はHP-AURVN-LVの方が心地よいが、生楽器らしさが欲しいならRP-21の方が良いかもしれない。金管楽器はどちらも高く鮮やか。量的には、トランペット等の中高域はHP-AURVN-LVの方が多く、シンバル等の高域はほぼ同量。RP-21の方が力強い。打ち込み系の音の表現はRP-21の方がうまい。低域の質や切れで勝っている。使い分けるなら、自然さや温かみを重視するならHP-AURVN-LV、ダイナミックさや明瞭さを重視するならRP-21。

HP-M1000
どちらもややドンシャリ。低域はHP-M1000の方がややぼやけていて量が多く、RP-21の方がやや重心が低く締まっている。中域はRP-21の方が低域に邪魔されない上、やや高い音ではっきり聴きこえてくる。高域はそれなりに似た鳴らし方だが、RP-21の方がやや高い音で粗が少ない。分解能はRP-21の方が上。特に音の分離に差がある。音場感は、どちらも多少癖があり耳の近くで音を鳴らす感じは共通しているが、RP-21の方が明確。原音忠実性はRP-21の方が上。原音の粗や生っぽさが感じられる。エッジのきつさはほぼ同等レベル。明瞭さはRP-21の方がやや上、音の鮮やかさは大きな差はないがどちらかと言えばRP-21の方が良い。厚みはほぼ同等レベル。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはHP-M1000の方があるように感じられるが、これは付帯音が多く余計な音を鳴らすためにそう感じる部分が大きい。どちらもノリが良い傾向だが、HP-M1000の方が元気が良い感じ、RP-21の方がしっかり統制が取れている感じ。響きはHP-M1000の方が豊か。HP-M1000の方が大味で無駄な音を沢山鳴らす感じ、RP-21の方が多少モニター的で硬い感じ。弦楽器はRP-21の方が澄んでいる。HP-M1000は適当に気持ち良く鳴らしてくれる面もあるのだが、かなり脚色されている。そのあたりは金管楽器も同様。RP-21の方が無駄な音を鳴らさずにストレート。打ち込み系の音の表現はどちらもうまい。低音の量や元気の良さを求めるならHP-M1000、締まりやをスピード感を求めるならRP-21。使い分けるなら、基本的にはRP-21、原音と違っても良いから楽しく元気に鳴らして欲しいならHP-M1000。

HX-5000
HX-5000は低音よりのドンシャリ、RP-21はややドンシャリ。低域はHX-5000の方がやや低い音で量も多め。中域はRP-21の方が癖なくはっきり聴こえてくる。高域はRP-21の方が量が多く、質的にもやや高い音を鳴らす。この2機種を比べた場合、HX-5000の方がやや低音よりと言える。分解能はRP-21の方が上。一つ一つの音の微細な描写に差がある。音場感はRP-21の方がやや広く明確。原音忠実性はRP-21の方が上。周波数特性上の癖のなさにしろ、原音の粗や生っぽさが感じられる度合いにしろ勝っている。エッジはRP-21の方がややきついが、HX-5000は低域が出すぎで疲れることがあるので、総合的な聴き疲れはソースや聴く人によって変わってきそう。明瞭さ、音の鮮やかさはRP-21の方が上。厚みはほぼ互角。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはRP-21の方がやや上。どちらもノリが良い傾向だが、RP-21の方が切れやスピード感がある。響きは、低域はHX-5000の方が豊か、高域はRP-21の方が豊か。弦楽器はRP-21の方がうまい。HX-5000は生楽器らしさが足りない。金管楽器はRP-21の方が明るく鮮やか。打ち込み系の音の表現はどちらもうまい。低域の量重視ならHX-5000の方が良いかもしれないが、そうでなければRP-21の方が良いと感じることが多いだろう。使い分けるなら、基本的にはRP-21、よほど低域の量重視の場合のみHX-5000。

MDR-CD900ST
MDR-CD900STはかなりフラット、RP-21はややドンシャリ。低域は量的にはあまり差はない。MDR-CD900STの方が柔らかくぼやけている感じ、RP-21の方がタイトでパンチがある感じ。中域はRP-21の方が低域の曇りに覆われずはっきり聴こえてくる。高域はRP-21の方が高く鋭い音で目立つ。分解能はRP-21の方が若干上。一つ一つの音の微細な描写にはあまり差がないが、音の分離はRP-21の方が良い。音場感はRP-21の方が広く明確。原音忠実性はどちらも良いが、原音の粗はMDR-CD900STの方が感じられる。エッジは基本的にはMDR-CD900STの方がきついが、サ行の音はRP-21の方が痛い。明瞭さ、音の鮮やかさはRP-21の方が上。厚みはRP-21の方がある。温かみはMDR-CD900STの方が感じられる。これは、MDR-CD900STの方が低域が柔らかくぼやけていることと、RP-21の方がやや硬くて冷たい質感であることが原因。ヴォーカルの艶っぽさはほぼ互角。RP-21の方がメリハリがある鳴らし方で、ノリが良い。響きは、低域はMDR-CD900STの方が豊か、高域はRP-21の方が豊か。MDR-CD900STの方がかなりこもり感が気になる。弦楽器は好みの差だろう。RP-21では硬く冷たいと感じるならMDR-CD900STが良いだろうし、MDR-CD900STではベースがぼやけていたりヴァイオリンの澄んだ感じが出ないと感じるならRP-21の方が良いだろう。金管楽器はRP-21の方が高く鮮やか。打ち込み系の音の表現はRP-21の方がうまい。音の質感や切れで勝っている。使い分けるなら、基本的にはRP-21、高域の癖を避けたいときや低域の柔らかい感じが欲しいときはMDR-CD900ST。

RH-300
どちらもややドンシャリ。低域はRP-21の方がやや量が多く厚みもあるため、存在感がある。中域はどちらも癖なくはっきり聴こえてくる。高域はRH-300の方が線が細く高い音。量は大差ないが、どちらかと言うとRH-300の方が多い。この2機種を比べるとRH-300の方が高音よりと言える。分解能はRH-300の方が若干上。一つ一つの音の微細な描写で勝っている。音場感はRP-21の方が広いが、多少癖がある。原音忠実性はほぼ同レベル。どちらかと言うとRH-300の方が周波数特性上の癖がなく、一聴して違和感が小さい。原音の粗や生っぽさはどちらかと言うとRP-21の方が感じられる。エッジのきつさや聴き疲れは微妙。高域やヴォーカルのサ行はRH-300の方が細く鋭く刺さるが、それ以外の音はRP-21の方が粗っぽく疲れる。明瞭さはほぼ同レベル、音の鮮やかさはRH-300の方が若干上。ただし、RH-300はソースによっては薄く曇っているように感じられることがあるので、そういうソースではRP-21の方が明瞭。厚みはほぼ同レベル。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはRH-300の方がやや上。RH-300の方が繊細、RP-21の方がノリが良い。響きはRH-300の方がやや豊か。RH-300の方が滑らかで上品、RP-21の方が無骨で鳴らしっぷりが良い。弦楽器はRH-300の方が繊細かつ心地よいが、生楽器の粗っぽさを出して欲しい場合にはRP-21の方が良いこともある。金管楽器はRH-300の方が高く明るいのに対して、RP-21の方が太く力強い。打ち込み系の音の表現はRH-300の方がややうまい。音の質感の相性で勝っている。ただし、力強さが欲しいようなソースではRP-21の方が良いことも多い。また、ロック系のソースはRP-21の方がうまい。ロック系と言っても幅広いが、ほとんどの場合RP-21の方がうまいように感じる。これは低域の質の相性が良く力強さがあることに加え、雰囲気や空気のようなものを出してくれることも影響していると思われる。そのためジャズもRP-21の方がうまいと感じることが多い。使い分けるなら、繊細さ重視ならRH-300、力強さ重視ならRP-21。あるいは、ポップスやクラシックはRH-300、ロックやジャズはRP-21。

SE-M870
どちらもややドンシャリ。低域は質的にも量的にも似ているが、RP-21の方がやや締まっている感じ。中域はどちらもあまり癖がなくしっかり聴こえてくるが、どちらかと言えばSE-M870の方が低域に負ける。高域はSE-M870の方が高く鋭い音。分解能はほぼ同等レベル。音場感はどちらも耳の近くで鳴らしている感じがあるが、明確さという意味ではRP-21の方が上。原音忠実性はRP-21の方が良い。周波数特性の癖のなさで勝っているし、原音らしさが感じられるという意味でも上。SE-M870の方がエッジがきつくやや聴き疲れする。明瞭さ、音の鮮やかさはほぼ互角だが、鮮やかさはSE-M870の方がやや上のように感じられる。厚みはSE-M870の方がやや厚い。温かみはSE-M870の方がやや上、ヴォーカルの艶っぽさはほぼ互角。どちらもノリが良い傾向だが、RP-21の方がやや冷静。響きはSE-M870の方がやや豊か。弦楽器は原音忠実性を求めるならRP-21だが、SE-M870の方が柔らかくて心地よいと感じることも多い。金管楽器はSE-M870の方が高く鮮やかだが、これは少しやりすぎな感があり、むしろRP-21ぐらいの方が適度。打ち込み系の音の表現はどちらもうまい。RP-21の方がバランスが良いが、SE-M870の方が楽しめる。使い分けるなら、高域の量や刺激を求めるならSE-M870、そうでないならRP-21。あるいは、バランスの良さを求めるならRP-21、突き抜けたものを求めるならSE-M870。

SRH840
どちらもややドンシャリ。低域はほぼ同量。ローエンドはRP-21の方が多く、中低域はSRH840の方が多い。SRH840の方が柔らかい質。重心はRP-21の方がやや低い。中域はRP-21の方が低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。どちらもあまり癖がない点は似ている。高域はRP-21の方が若干量が多い。RP-21の方がやや明るく、SRH840の方が粗がない。分解能はRP-21の方が若干上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろRP-21の方が若干上。ただし、音場的な意味でSRH840の方が分離が良い面はある。音場感はRP-21の方がやや広く、SRH840の方がやや明確。原音忠実性はほぼ同レベル。周波数特性上の癖のなさはSRH840の方がやや上。原音の粗や生っぽさはRP-21の方がやや感じられる。エッジはRP-21の方がややきつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろRP-21の方がやや痛い。明瞭さ、音の鮮やかさはRP-21の方がやや上。厚みはどちらかと言うとSRH840の方があるが、それよりもRP-21の方が締まっている点に目が行く。温かみはSRH840の方がやや感じられる。ヴォーカルの艶っぽさはほぼ同レベルだが、質的な違いはある。RP-21の方が擦れやリップノイズをしっかり出してくれる感じ、SRH840の方がしっとりと落ち着いている感じ。RP-21の方が明るくノリが良い。RP-21の方が切れやスピード感がある。響きは、低域はSRH840の方がやや豊か、高域はRP-21の方がやや豊か。SRH840の方が濃密で重苦しい感じ。弦楽器はRP-21の方が生楽器らしさが感じられ、SRH840の方が滑らかで心地よい。金管楽器はRP-21の方が明るく鮮やか。打ち込み系の音の表現はRP-21の方がややうまい。音の質感の相性は大差ないが、切れや低域の質で勝っている。使い分けるなら、明瞭さや生楽器らしさを求めるならRP-21、温かみや周波数特性上の癖のなさを求めるならSRH840。

サイン波応答


位相+高周波歪み


インパルス応答(CSD)


インパルス応答(録音波形)


100Hz・1kHz・10kHzサイン波の再生


曲別HP探索
第58回 悪魔を憐れむ歌/ローリング・ストーンズ「ベガーズ・バンケット」より
第72回 パガニーニによる大練習曲「ラ・カンパネラ」/フジ子・ヘミング「フジ子・ヘミングの奇蹟〜リスト&ショパン名演集〜」より
第73回 I know you/the pillows「ペナルティーライフ」より
第95回 Capone/the band apart「Eric.W」より
第100回 toi et moi/安室奈美恵「ポケットモンスター映画主題歌ソング集」より

曲別HP探索2
第13回 トッカータとフーガニ短調/バッハ
第16回 Parachute/トクマルシューゴ「EXIT」より
第19回 ピアノ協奏曲第5番「皇帝」/ベートーヴェン
第21回 A Moment So Close/Bela Fleck & The Flecktones「Live at the Quick」より
第30回 情熱大陸(live imageヴァージョン)/葉加瀬太郎「情熱大陸 葉加瀬太郎セレクション」より
第39回 Bright Moments/John Swana「Bright Moments」より





※生産終了










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スペック

駆動方式 構造 周波数帯域 音圧感度 インピーダンス
ダイナミック 密閉型 10Hz〜22kHz 100dB 32Ω
重量 ドライバー直径 コードの長さ コードの出し方 備考
278g 50mm 3m 片出し -

評点

音質 装着感 遮音性 音漏れ デザイン 携帯性 音の傾向 参考最安価格
4 3 4 4 2 1 均(低、高) 12400円

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公開日:2007.9.23

※生産終了