第95回 Capone/the band apart「Eric.W」より

 the band apartは日本のロックバンドです。メンバーはヴォーカル、ギター、ベース、ドラムスとオーソドックスです。
 今回取り上げるのは、2002年発表の「Eric.W」のシークレットトラックである6曲目です。ゲストとして女性ヴォーカルが参加しています。ロックとしてはおとなしめで、センスの良いポップスという印象を受ける曲です。
 ヘッドホンとしては、ヴォーカルをしっかり鳴らしてくれるものが良いと思います。ジャンルとしてはロックですが、ロックの中ではヴォーカルに重点が置かれている曲だと思いますので。


・1台目 RP-21(Equation Audio)
 ヴォーカルの表現、各楽器の存在感、切れ、低域の質感等が総合的に良かったので選びました。非常に相性が良いと言えると思います。
 他にはRH-300、DJX-1、K181DJ、MUSIC SERIES ONE、DR150等で聴いてみました。どれも悪くはなかったのですが、あえて不満点を挙げるならRH-300は切れが足りない点、DJX-1は低域がぼやけて量がやや多すぎる点、K181DJは低域と中域が繋がっていないような感じやヴォーカルが硬い点、MUSIC SERIES ONEはどこか薄く迫力や説得力に欠ける点、DR150はハイハット等のエッジがきつく疲れる点です。この中ではDR150がかなり魅力的に感じました。意外に思う人もいるかもしれませんが、DR150はロックの中でも今回の曲のような感じのものには良く合います。
 それから、中盤女性ヴォーカルから男性ヴォーカルに切り替わるところの表現に違いが出ます。例えばMUSIC SERIES ONEはスルスルとそのままメリハリなく繋がるような印象なのですが、RP-21ではかなり明確に区切りがついているように感じます。これは人によって違ってくると思いますが、この区切りがあると非常に魅力的に聴こえることがあります。
 不満点は特にありませんが、もう少し明瞭で各楽器の細かいところまで表現してくれるとなお良いかもしれません。

・2台目 RS-1(GRADO)
 1台目の不満点を踏まえて選びました。
 SR-325iと迷ったのですが、どちらが良いかは好みだと思います。SR-325iの方が硬くストレートなロックっぽい表現で、ギターやベース重視ならこちらが合います。RS-1の方が柔らかくどこかセンスの良さを感じさせる表現で、声や全体の雰囲気が良いです。SR-325iは後半ガチャガチャとうるさい感じで、それはそれでこの曲の楽しみ方の一つなのは確かですが、個人的にはRS-1のまとめ方の方がうまいと感じました。
 不満点は特にありませんが、1台目と比べると多少軽い鳴らし方のようにも感じるので、そのあたりの良いとこ取りができるとなお良いと思います。

・3台目 DT880(beyerdynamic)
 3台目は難航しました。1、2台目がどちらもかなり良かったので、予想はしていたのですが・・・・・・
 いくつか聴いてみたものの不満点を挙げると、PROline750は違和感が強く聴き疲れも酷い点、DT660 Edition 2007はRS-1とやや似ていてRS-1の方が良いところが目立つ点、AH-D5000は切れが足りずもったりした感じになってしまう点、ATH-AD2000は声の表現がいまいちな点です。
 最終的にDT880にしたのは、上記のような欠点があまり気にならなかったためです。特別どこが良いと言うわけではなく、強いて言うなら「普通に良い」といった印象です。声の表現や全体のバランスが良いですし、違和感や聴き疲れが少ないです。SR-325iのような鳴らし方を好む人には合わないでしょうが、DR150は好きだけど聴き疲れが気になるという人には比較的合いそうです。


 今回はRP-21、DR150、RS-1、SR-325i、DT880どれも良かったように思います。客観的にも主観的にも、どれが一番かは正直選べません。
 今回の内容を参考に、好みに合わせて選んでください。













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