第58回 悪魔を憐れむ歌/ローリング・ストーンズ「ベガーズ・バンケット」より

 ローリング・ストーンズ (The Rolling Stones) は、1963年にレコードデビューして現在に至るまで活動を続けている非常に有名なイギリスのロックバンドです。
 今回取り上げる曲は、1968年にリリースされたアルバム「ベガーズ・バンケット」の1曲目で、彼らの代表曲と言っても良いでしょう。
 録音が古いので、古いが故の独特の渋みを楽しみたいか、それとも現代風に明るく聴かせてくれるのが良いかによって、選択するヘッドホンがまったく変わってくると思います。


・1台目 RP-21(Equation Audio)
 今回の曲は1台目に何を選ぶのか非常に悩みました。前述の通り、どういう風に聴きたいかによって選ぶヘッドホンがまったく変わってくるように感じたからです。古い感じを大事にするならDR150やK240monitorが良い感じでしたし、現代風に聴きたいならDJ1 PROやMDR-7506が良かったです。TR-HP03Bはそういうことを抜きにして、単純に魅力的だと感じました。
 そうやって色々聴いていく中で、RP-21で聴いたとき「これだ」と思いました。モニター的でソースを忠実に再現してくれるように感じること、古いが故の魅力が感じられること、それでいてヴォーカルやギターを細部まで明瞭に表現してくれること、そういったものをすべて内包したバランスの良さと魅力があります。
 不満点は、もう少し匂うような生っぽさを感じさせてくれる方が良いというところでしょうか。

・2台目 DT880(beyerdynamic)
 1台目の不満点とバランスの良さを兼ね備えているということで選びました。
 実際聴いてみると、確かに古いが故の魅力や匂うような生っぽさは感じられるのですが、RP-21と比べてバランス的にはやや古くさい側にシフトしたように感じます。RP-21の方がこの曲をうまく鳴らすための条件を多くクリアーしているような感じです。ただ、DT880の方が良い点もあるので、どちらが良いかは好みだと思います。
 不満点は、もう少しニュートラルな鳴らし方の方が良いという点です。

・3台目 AH-D5000(DENON)
 RP-21とDT880の良いとこ取りはできないか、と考えてこれを選びました。
 実際に聴いてみると、確かにバランス的にはRP-21とDT880の間くらいで、RP-21の明瞭さとDT880の味わいをある程度兼ね備えたような感じです。しかもなかなか心地よい鳴らし方です。ただ、それで3機種のうち最も魅力的かと言うと、一概にそうは言えないと感じます。バランスの悪い機種を魅力的であると感じることがあるように、バランスの良い機種を魅力に欠けると感じることもあります。今回のはまさにそういう感じです。ただ、これはハイレベルな話で、基本的には悪くないと思います。


 今回はどういう鳴らし方が良いのか模索しながらのヘッドホン探索でしたが、いかがでしたでしょうか。
 RP-21のようにモニター的で締まった音、DT880のように渋みのある音、AH-D5000のようにバランスに優れてかつ心地よい音、個人的にはどれもそれぞれの魅力があり、どれか一つは選べないように思います。今回は選びませんでしたが、SR-225のようなスカッとした音で聴いてもなかなか楽しめます。
 人それぞれの好みや気分の問題もありますので、今回の内容を参考に選んでみてください。


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