HP-CN40

音質
 かなりフラットだが、どちらかと言うと低音よりか。低域は質的にも量的にも普通。厚み、締まり、重心の低さ等、様々な点から見て大きな偏りはないが、若干柔らかめで厚みや重心の低さに欠ける傾向。中域は低域に邪魔されず聴こえてくるし、変な癖がなく落ち着いた音で好印象。中高域はやや控え目。高域はやや線が細く粗がない傾向。明るさや派手さのない、やや地味な質。量は普通からやや少なめといったところ。
 分解能、音場感、原音忠実性すべて価格の割に良い。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろある程度の能力を持っている。音場感は形状由来の癖はあるが、それなりに広く明確。一聴して違和感を感じにくい音で周波数特性上の癖も小さいが、原音の粗や生っぽさはあまり感じられる傾向ではない。エッジはきつくなく、聴き疲れしにくい。
 明瞭さはそれなり、音の鮮やかさいまいち。ただ、鮮やかさについては派手さがないと言った方が正しいかもしれない。厚みは普通からやや薄め。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはなかなか良い。ややおとなしい傾向でノリの良さや迫力には欠けるが、これはこれで良いと感じさせる魅力がある。響きは適度。ややのっぺりとした音ではあるが、歪み、濁り、粗といったものが少ない印象。
 弦楽器は滑らかで心地よく聴ける。金管楽器は鮮やかさや力強さといった点では多少不満が残るが、綺麗に鳴らしてくれる。打ち込み系の音の表現はそれなり。音の質感の相性や切れがもう少し欲しかった。
 明るく楽しみたいときには向かないが、フラットで聴き疲れしにくい優れた機種。

装着感
 良好。一応カナル型だが、イヤーピースを耳の奥に押し込むタイプではないので装着しやすいし、耳の穴が痛くなりにくい。ずれやすい、コードが顔に当たりやすい等の不満もない。ただし、外耳に当たるパーツがあまり丸みを帯びていないため、長時間使用すると多少痛くなりやすい印象。
 イヤーピースの材質はシリコンのようだ。銀イオンによる抗菌処理を施してある。4サイズ付属している。

その他
 遮音性は良好だが、カナル型にしては良くない。音漏れ防止は普通。カナル型にしてはかなり悪いが、開放型ほどではない。
 作り、デザインともになかなか良いが、光沢のある外観が多少人を選ぶかもしれない。コードの長さは0.5mだが、Y字分岐部からプラグ部までは約10cmしかないので、かなり短く感じる。
 プラグは金メッキのミニプラグ。コードの太さは合流前は約1.5mm、合流後は約2mm、硬さはやや柔らかめで扱いやすい。

付属品
イヤーピース4種類
0.7m延長コード
携帯電話用平型変換プラグ



参考
不定期コラム『第65回 価格別favorite headphones インナーイヤー版 2回目』

周波数特性グラフ


比較メモ
ATH-CKM50
ATH-CKM50は低音よりのドンシャリ、HP-CN40はかなりフラット。低域はATH-CKM50の方がやや量が多く、重心が低く厚みもあるため存在感にかなり差が出る。中域は、ATH-CKM50は低域が多いソースだと低域の量に負ける感じだが、HP-CN40はそんなことはない。質的にはATH-CKM50の方がやや高い音。高域はATH-CKM50の方が太く金属的で粗がある。量は大差ないが、ATH-CKM50の方が目立つことが多い。分解能はほぼ同レベルだが、どちらかと言うとATH-CKM50の方が上。ただし、HP-CN40の方が一つ一つの音の微細な描写を丁寧に粗なくこなしてくれる。音場感はHP-CN40の方が広い。音の広がりが良い。原音忠実性はHP-CN40の方がやや上。ATH-CKM50は低域の量が多すぎるし、癖がある。ただし、原音の粗や生っぽさはATH-CKM50の方が若干感じられる。エッジはATH-CKM50の方がきつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろATH-CKM50の方が痛いことが多い。明瞭さはほぼ同レベル、音の鮮やかさはATH-CKM50の方がやや上。厚みはATH-CKM50の方がやや上。温かみはHP-CN40の方が感じられる。ヴォーカルの艶っぽさは微妙。ATH-CKM50の方が艶が乗ることは乗るのだが、HP-CN40の方が繊細かつ心地よいので、HP-CN40の方が良いと言う人が多そう。ATH-CKM50の方がノリが良く、HP-CN40の方が繊細。響きは質が違うので判断が難しいが、基本的には大差ない。ATH-CKM50の方がこもり感が気になる。弦楽器はHP-CN40の方が繊細かつ心地よい。金管楽器は意外と似ている。ソースによっては非常に似ていると感じることもあるが、それなりに違いが出ることもある。違いが出る場合には、ATH-CKM50の方が芯が通っていて力強い傾向。打ち込み系の音の表現はATH-CKM50の方がうまい。低域の量感、音の厚み、ダイナミックな鳴らし方等、様々な点で勝っている。使い分けるなら、低域の量感やノリの良さ重視ならATH-CKM50、繊細さや聴き疲れのなさ重視ならHP-CN40。

EHP-EIN110
EHP-EIN110はやや低音より、HP-CN40はかなりフラット。低域はEHP-EIN110の方がやや量が多い。質的にはEHP-EIN110の方がソースによって印象が変わりやすいが、基本的にはHP-CN40の方が癖がなくぼやけたり曇ったりしない。重心の低さはほぼ同レベル。中域は、EHP-EIN110の方が張り出したり不要な芯が通っていたりするためにはっきり聴こえてくるのに対して、HP-CN40の方が低域が少ない分はっきり聴こえてくる。中高域はEHP-EIN110の方がしっかり出る。高域はHP-CN40の方が若干量が多い。線が細く明るい質で目立つ。分解能はHP-CN40の方がやや上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ若干勝っている。音場感は、HP-CN40の方がやや広い、明確さは大差ない。EHP-EIN110の方が近くで音を鳴らす感じで頭内定位が気になりやすい。原音忠実性はHP-CN40の方が上。周波数特性上の癖のなさで勝っているし、一聴して違和感がない。EHP-EIN110の方が低域・中域・高域すべての帯域で癖がある。原音の粗や生っぽさが感じられる度合いはほぼ同レベル。エッジのきつさは大差ないが、EHP-EIN110の方が中域の張り出しで疲れる面がある。高域にしろヴォーカルのサ行にしろHP-CN40の方が若干細く刺さる。明瞭さ、音の鮮やかさはHP-CN40の方がやや上。厚みはほぼ同レベル。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはHP-CN40の方がやや感じられる。ヴォーカルはEHP-EIN110の方が癖が強くまともに聴けないことが多い。HP-CN40の方がおとなしい。EHP-EIN110の方が低域に基づく迫力や力強さがある。響きはほぼ同レベル。HP-CN40の方が響きが綺麗。EHP-EIN110の方がこもり感が気になる。ソースによってはEHP-EIN110の方が歪みが気になることがある。弦楽器はHP-CN40の方が繊細かつ心地よいし、音色も自然。金管楽器は、量的にはEHP-EIN110の方が目立つが、質的にはHP-CN40の方がやや鮮やか。打ち込み系の音の表現はHP-CN40の方が若干うまい。音の質感の相性でやや勝っている。使い分けるなら、基本的にはHP-CN40、HP-CN40では低域の量が足りないとか無難すぎるという不満があるならEHP-EIN110。

HP-CN45
HP-CN40はかなりフラット、HP-CN45はやや低音より。低域はHP-CN45の方がやや量が多い。HP-CN45の方が厚みや圧力があるため存在感がある。重心はHP-CN45の方がやや低い。中域はHP-CN40の方が低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。質的には、HP-CN40の方が癖がない、HP-CN45の方が若干太い芯が通っている感じ。高域はほぼ同量。質的にも似ているが、HP-CN40の方が若干線が細い印象。分解能はほぼ同レベル。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ大差ない。音場感は、HP-CN40の方がやや広い、明確さはほぼ同レベル。HP-CN45の方が近くで音を鳴らす感じで頭内定位が気になりやすい。原音忠実性はHP-CN40の方がやや上。周波数特性上の癖のなさで勝っているし、一聴して違和感がない。原音の粗や生っぽさが感じられる度合いはほぼ同レベル。エッジのきつさは大差ないが、HP-CN45の方が低域の量や音の圧力で疲れる面がある。高域にしろヴォーカルのサ行にしろ大差ない痛さ。明瞭さはHP-CN40の方が若干上、音の鮮やかさはほぼ同レベル。厚みはHP-CN45の方が若干ある。温かみは低域の量が多い分HP-CN45の方が感じられる面はあるが、それを除けばほぼ同レベル。ヴォーカルの艶っぽさはほぼ同レベル。HP-CN45の方がややノリが良い。低域に基づく迫力や力強さがある。響きはHP-CN45の方が若干豊かでこもり感が気になる。弦楽器はHP-CN40の方が音色が自然。チェロやコントラバスを濃厚に鳴らして欲しいならHP-CN45の方が良い。金管楽器は微妙。どちらかと言うと、HP-CN40の方が細く綺麗、HP-CN45の方が太く力強い。打ち込み系の音の表現はほぼ同レベル。音の質感の相性にしろ切れにしろ大差ない。使い分けるなら、原音忠実性や音場の広さを求めるならHP-CN40、低域の量やノリの良さを求めるならHP-CN45。

MHP-EP3
HP-CN40はかなりフラット、MHP-EP3はやや低音より。低域はMHP-EP3の方がかなり薄く曇ったような質。HP-CN40の方が重心が低く厚みもあるため、存在感がある。中域はHP-CN40の方が低域の曇りに覆われずはっきり聴こえてくるし、変な癖もない。高域はMHP-EP3の方が金属的で目立つ。HP-CN40の方が線が細く粗がない。分解能はHP-CN40の方がやや上。一つ一つの音の微細な描写を丁寧にこなしてくれる。音場感はHP-CN40の方が広く明確。原音忠実性はHP-CN40の方が上。一聴して違和感が小さいし、周波数特性上の癖のなさでも勝っている。エッジはMHP-EP3の方がややきつく、聴き疲れしやすい。明瞭さ、音の鮮やかさはHP-CN40の方が上やや。ただし、MHP-EP3の方が中高域から高域が派手なので鮮やかに感じがち。厚みはHP-CN40の方がある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはHP-CN40の方が上。どちらかと言えばMHP-EP3の方がノリが良い。HP-CN40の方がおとなしく、癖や粗がないため安心して聴ける。響きはMHP-EP3の方がやや豊か。弦楽器はHP-CN40の方が滑らかで心地よい。金管楽器はHP-CN40の方が綺麗で聴きやすい。ただ、MHP-EP3の方が金属的で目立つことは目立つ。打ち込み系の音の表現はHP-CN40の方がややうまい。音の厚みや低域の質で勝っている。使い分けるなら、基本的にはHP-CN40、HP-CN40ではおとなしいところが合わないならMHP-EP3。

MDR-EX90SL
HP-CN40はかなりフラット、MDR-EX90SLはややドンシャリ。低域はMDR-EX90SLの方がやや重心が低く厚みもある。全体的な量は大差ない。中域はMDR-EX90SLの方がややうわずったり張り出したりして目立つ。高域はMDR-EX90SLの方がやや太く金属的。HP-CN40の方が繊細で粗がない。分解能はMDR-EX90SLの方が若干上。音場感は広さ・明確さともにほぼ同等。原音忠実性はほぼ同レベル。周波数特性上の癖のなさはHP-CN40の方がやや上、原音の粗や生っぽさが感じられる度合いはMDR-EX90SLの方がやや上。エッジはMDR-EX90SLの方がややきつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろMDR-EX90SLの方がやや痛い。MDR-EX90SLは中域が張り出したりする点、音の圧力が強いように感じられる点も聴き疲れしやすい要因になっている。明瞭さはほぼ同レベル、音の鮮やかさはMDR-EX90SLの方がやや上。厚みはMDR-EX90SLの方がややある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはHP-CN40の方がやや上。MDR-EX90SLはHP-CN40と比べるとヴォーカルがうわずったり張り出したりすることが多く、安心して心地よく聴きたいのならHP-CN40の方がかなり良い。MDR-EX90SLの方がノリが良い。メリハリや迫力がある。ただ、曲によってはHP-CN40のおとなしさや繊細さの方が魅力的に感じられる。響きはMDR-EX90SLの方がやや豊か。MDR-EX90SLの方がドラムや破裂音が目立つ。HP-CN40の方が全体的にのっぺりしている印象。弦楽器はHP-CN40の方が滑らかで心地よいが、生楽器らしさが欲しいならMDR-EX90SLの方が良い。金管楽器はMDR-EX90SLの方が鮮やかかつ力強いが、HP-CN40の方が綺麗に感じる。MDR-EX90SLの方が荒々しいとも言える。打ち込み系の音の表現はMDR-EX90SLの方がややうまい。音の質感の相性、音の厚み、ダイナミックな鳴らし方等、様々な点で少しずつ勝っている感じ。使い分けるなら、まったり聴きたいならHP-CN40、明るくノリ良く聴きたいならMDR-EX90SL。

NE-8
どちらもかなりフラット。低域はHP-CN40の方がやや量が多い。重心が低く厚みもあるため、存在感にある程度の差がある。中域はNE-8の方が低域に邪魔されずにはっきり聴こえてくる。質的にはどちらも癖がなく落ち着いている点が似ている。高域はNE-8の方が若干量が多い。太く明るい質。分解能はNE-8の方がやや上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ若干勝っている。音場感はHP-CN40の方がやや広い。明確さはほぼ同レベル。原音忠実性はHP-CN40の方がやや上。周波数特性上の癖のなさで若干勝っているし、一聴して違和感も小さい。原音の粗や生っぽさが感じられる度合いはほぼ同レベル。エッジはNE-8の方が若干きつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろNE-8の方がやや痛い。明瞭さ、音の鮮やかさはNE-8の方がやや上。厚みはHP-CN40の方がある。温かみはHP-CN40の方がやや感じられる。ヴォーカルの艶っぽさはほぼ同レベルだが、質的には違いがある。HP-CN40の方が実体感があるような感じ、NE-8の方が向こう側が透けて見えるような透明感がある感じ。HP-CN40の方が低域に基づく迫力や力強さがあり、NE-8の方が繊細。響きはHP-CN40の方がやや豊か。弦楽器はHP-CN40の方が柔らかく、NE-8の方が線が細く澄んでいる。ヴァイオリン等を澄んだ感じで聴きたいならNE-8の方が良いが、チェロやコントラバスを心地よく聴きたいならHP-CN40の方が良い。金管楽器はHP-CN40の方が太く力強く、NE-8の方が若干明るく綺麗。打ち込み系の音の表現はHP-CN40の方がややうまい。音の厚みや低域の質で勝っている。使い分けるなら、低域の量や柔らかさが欲しいならHP-CN40、高域の量や透明感が欲しいならNE-8。

SHE9700
HP-CN40はかなりフラット、SHE9700は低音よりのドンシャリ。低域はSHE9700の方が重心が低く量も多い。存在感にかなりの差がある。中域はどちらも癖なくはっきり聴こえてくるが、HP-CN40の方がやや低く落ち着いた音。高域はSHE9700の方がやや金属的で目立つ。HP-CN40の方がやや線が細く粗がない。分解能はSHE9700の方が若干上。音場感はHP-CN40の方がやや広く明確。原音忠実性はHP-CN40の方が上。周波数特性上の癖のなさに差がある。原音の粗や生っぽさはSHE9700の方がやや感じられる。エッジはSHE9700の方がややきつく聴き疲れしやすい。明瞭さはほぼ同レベル、音の鮮やかさはSHE9700の方がやや上。厚みはSHE9700の方がややある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはHP-CN40の方がやや上。SHE9700の方がノリが良い。メリハリや迫力がある。ただ、曲によってはHP-CN40のおとなしさや繊細さの方が魅力的に感じられる。響きはSHE9700の方がやや豊か。弦楽器はHP-CN40の方が滑らかで心地よいが、生楽器らしさが欲しいならSHE9700の方が良い。金管楽器はHP-CN40の方が綺麗、SHE9700の方が鮮やか。打ち込み系の音の表現はSHE9700の方がややうまい。音の質感の相性、音の厚み、ダイナミックな鳴らし方等、様々な点で少しずつ勝っている感じ。使い分けるなら、まったり聴きたいならHP-CN40、明るくノリ良く聴きたいならSHE9700。あるいは、低域が欲しいならSHE9700、それほどでもないならHP-CN40。

TH-ECMA600
どちらもかなりフラット。低域はHP-CN40の方が若干量が多い。TH-ECMA600の方が締まりや制動が感じられる。重心はHP-CN40の方が若干低い。中域はTH-ECMA600の方が明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。言い換えると、HP-CN40の方が落ち着いていて聴きやすい。高域はほぼ同量。TH-ECMA600の方がやや線の細い質。分解能はTH-ECMA600の方が上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろやや勝っている。音場感は、HP-CN40の方がやや広い、TH-ECMA600の方がやや明確。原音忠実性はHP-CN40の方が若干上。周波数特性上の癖のなさで勝っているし、一聴して違和感がない。原音の粗や生っぽさはTH-ECMA600の方が若干感じられる。エッジはTH-ECMA600の方が若干きつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろTH-ECMA600の方が若干痛い。明瞭さ、音の鮮やかさはTH-ECMA600の方がやや上。厚みはHP-CN40の方が若干ある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはHP-CN40の方がやや感じられる。ヴォーカルは、HP-CN40の方がスモーキー、TH-ECMA600の方が透明感がある。HP-CN40の方がおとなしい、TH-ECMA600の方が繊細。TH-ECMA600の方が切れやスピード感がある。HP-CN40の方が低域に基づく迫力や力強さがある。響きはHP-CN40の方がやや豊か。弦楽器は、HP-CN40の方が心地よい、TH-ECMA600の方が繊細。金管楽器はTH-ECMA600の方がやや鮮やか。綺麗でシンプルな鳴り。打ち込み系の音の表現は微妙。音の質感の相性や切れはTH-ECMA600の方がやや上だが、厚みや低域の量感が足りないように感じられることも多い。使い分けるなら、低域の量や聴き疲れのなさを求めるならHP-CN40、分解能や明瞭さを求めるならTH-ECMA600。

thinksound rain
HP-CN40はかなりフラット、thinksound rainは低音より。低域はthinksound rainの方がある程度量が多い。thinksound rainの方がぼやけたり曇ったりする質。重心はthinksound rainの方が若干低い。中域はHP-CN40の方がやや明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域はほぼ同量だが、どちらかと言うとHP-CN40の方が多い。HP-CN40の方が若干線が細く明るい質。thinksound rainの方が粗がある。分解能はHP-CN40の方がやや上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ若干勝っている。音場感はHP-CN40の方がやや広く明確。原音忠実性はHP-CN40の方が上。周波数特性上の癖のなさで勝っているし、一聴して違和感がない。原音の粗や生っぽさはHP-CN40の方が若干感じられる。エッジのきつさは大差ないが、thinksound rainの方が低域の量やこもり感で疲れる面がある。高域にしろヴォーカルのサ行にしろ大差ない痛さ。明瞭さ、音の鮮やかさはHP-CN40の方がやや上。厚みはthinksound rainの方が若干ある。温かみは曇っている分thinksound rainの方が感じられる。ヴォーカルの艶っぽさはHP-CN40の方がやや感じられる。HP-CN40の方が癖がなくソースを選ばない、thinksound rainの方がスモーキー。HP-CN40の方が明るくノリが良い。HP-CN40の方が切れやメリハリがある。thinksound rainの方が低域に基づく迫力や力強さがある。響きはthinksound rainの方が豊かでこもり感が気になる。弦楽器はHP-CN40の方が繊細で、音色も自然。金管楽器は、HP-CN40の方が若干細く綺麗、thinksound rainの方が若干太く力強い。打ち込み系の音の表現はHP-CN40の方がややうまい。音の質感の相性や切れで勝っている。使い分けるなら、基本的にはHP-CN40、HP-CN40では低域の量が足りないとか明るすぎるという不満があるならthinksound rain。

サイン波応答


位相+高周波歪み


インパルス応答(CSD)


インパルス応答(録音波形)


100Hz・1kHz・10kHzサイン波の再生



 










戻る





スペック

駆動方式 構造 周波数帯域 音圧感度 インピーダンス
ダイナミック 密閉型 10Hz〜25kHz 105dB 16Ω
重量 ドライバー直径 コードの長さ コードの出し方 備考
6g 13mm 0.5m 両出し(Y型) -

評点

音質 装着感 遮音性 音漏れ デザイン 携帯性 音の傾向 参考最安価格
3.5 4 4 3 4 5 3500円

TOP > ヘッドホンレビュー > HP-CN40

公開日:2008.12.19