HP-AURVN-LV

音質
 かなりフラットだが、細かいことを言うならややドンシャリか。低域は質的にも量的にもそれなりにしっかり出るが、全体のバランスを崩さない程度におさまっている。質的にはやや柔らかめだが、極端にぼやけたり曇ったりはしていない。中域は低域に邪魔されたりせずはっきり聴こえてくるし、変な癖もない。高域はしっかり高い音を鳴らしてくれる。質感はやや金属的で明るい。全音域がはっきり聴こえてくるし、自然。
 分解能は価格の割に良い。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ、十分なものを持っている。音場感は特別良くはないが小型の割には良いし、癖がなく把握しやすい。原音忠実性は、癖のなさという点ではかなりのもの。特に粗や生っぽさを感じさせる風合いではないが、少なくとも必要なだけの力は持っているし、とにかく自然。エッジはきつくなくあまり聴き疲れしないが、ヴォーカルのサ行等は多少痛い。
 明瞭さはそれなり、音の鮮やかさはなかなか良い。厚みは普通。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはなかなか良い。響きは適度からやや豊かで、こもり感はあまり気にならない。どちらかと言えば上品でおとなしい鳴らし方だが、ノリの良さもそれなりに感じられる。
 弦楽器は繊細かつ心地よいし、生楽器らしさも適度に感じられる。金管楽器はかなり鮮やかで良いが、もう少し力強さがあればなお良かったかもしれない。打ち込み系の音の表現はそれなり。基本的な音の質感の相性や中高域の明るさは良いが、音の圧力や切れがやや足りない。
 非常にバランスが良く、音楽のジャンルを選ばない。かなりコストパフォーマンスの良い機種。

装着感
 良好。側圧はやや弱めだが、特にずれやすいということはない。普通に使うには問題ないレベル。ヘッドバンドのクッションは薄いが、軽量なので頭頂部が痛くなったりすることはない。
 イヤーパッドは耳を覆うサイズだが、上下方向の長さが微妙で、耳の上下が当たる人も多いだろう。ただ、あまり痛くなったりはしない。上下左右に角度調節ができる。材質はレザータイプの人工皮革で心地よい。
 ヘッドバンドが短いため頭の大きい人は装着できない可能性が高い。

その他
 遮音性は良好、音漏れ防止は普通だが密閉型にしてはやや悪い。
 作りはヘッドバンドの調節機構等がやや安っぽさを感じるが、基本的には価格なり。デザインは光沢のあるハウジングが好みが分かれるところだろうが、基本的には悪くない。別名Aurvana Live!。アウトドアでの使用を考えた機種だと思われるが、折りたたみができずスイーベル機構でもない点が残念。
 プラグは金メッキのミニプラグ。コードの太さは合流前は約2.5mm、合流後は幅約4.5mm・厚さ約2.5mm、硬さはやや硬めだが扱いづらくはない。イヤーパッドのサイズは、外周88mm×80mm、内周50mm×40mm、深さ16mm。

付属品
ミニ→標準変換プラグ
1.5m延長コード
キャリングポーチ



参考
メーカー製品ページ

周波数特性グラフ


比較メモ
AH-D1100
AH-D1100は低音よりのドンシャリ、HP-AURVN-LVはかなりフラット。低域はAH-D1100の方がやや量が多い。ただし、ローエンドはHP-AURVN-LVの方がしっかり出る。AH-D1100の方がややぼやけていてかつ芯が通っている感じ、HP-AURVN-LVの方が自然な柔らかさがある感じ。重心はHP-AURVN-LVの方が若干低い。中域はHP-AURVN-LVの方が低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。質的には、AH-D1100の方が不要な芯が通っている感じ、HP-AURVN-LVの方が癖がない。AH-D1100は低域と中域が繋がっていないような印象を受けることがあるが、HP-AURVN-LVはそういうことはない。高域はほぼ同量。HP-AURVN-LVの方が線の細い質。分解能はHP-AURVN-LVの方が若干上。音の分離は大差ない。一つ一つの音の微細な描写はHP-AURVN-LVの方がやや勝っている。音場感はAH-D1100の方がやや広く明確。原音忠実性はHP-AURVN-LVの方が上。周波数特性上の癖のなさで勝っているし、一聴して違和感がない。原音の粗や生っぽさが感じられる度合いはほぼ同レベル。エッジのきつさは大差ないが、AH-D1100の方が音の圧力で疲れる面がある。高域にしろヴォーカルのサ行にしろ大差ない痛さだが、質的にはHP-AURVN-LVの方が若干細く刺さる感じ。明瞭さ、音の鮮やかさはHP-AURVN-LVの方が若干上。厚みはAH-D1100の方がややある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはHP-AURVN-LVの方がやや感じられる。ヴォーカルはHP-AURVN-LVの方が自然に伸び伸び鳴らしてくれる印象。AH-D1100の方がノリが良い、HP-AURVN-LVの方が繊細。AH-D1100の方がメリハリがある、HP-AURVN-LVの方が適度に肩の力が抜けているような印象。AH-D1100の方が低域に基づく迫力や力強さがある。響きはHP-AURVN-LVの方が若干豊かだが、低域の量が多いソースではAH-D1100の方がこもり感が気になる。弦楽器はHP-AURVN-LVの方が繊細かつ心地よいし、音色も自然。金管楽器はAH-D1100の方が若干太く力強い。打ち込み系の音の表現はAH-D1100の方が若干うまい。音の質感の相性で勝っている。使い分けるなら、音の圧力やメリハリを求めるならAH-D1100、原音忠実性や繊細さを求めるならHP-AURVN-LV。

AH-D5000
どちらもかなりフラット。全体的にかなり似た音。低域はAH-D5000の方がやや重心が低く柔らかめ。中域はどちらも癖なくはっきり聴こえてくる。高域はHP-AURVN-LVの方がやや細く高い音。分解能はほぼ同等だが、どちらかと言えばAH-D5000の方が良い。音場感はHP-AURVN-LVの方が立体感がある。原音忠実性はほぼ同レベル。エッジのきつさはほぼ同等で、どちらもあまり聴き疲れしない。明瞭さ、音の鮮やかさはほぼ同等。厚みはAH-D5000の方がややある。温かみはAH-D5000の方が感じられる。ヴォーカルの艶っぽさはほぼ同等。繊細さならAH-D5000、ノリの良さならHP-AURVN-LV。HP-AURVN-LVの方が明るく軽快なノリの良さがある。ただし、基本的にはかなり近い鳴らし方。響きはAH-D5000の方が若干豊かか。HP-AURVN-LVの方が軽い音。AH-D5000の方が迫力や説得力がある。ただ、価格ほどの差はないように感じられる。弦楽器はAH-D5000の方が心地よい。金管楽器はHP-AURVN-LVの方がやや明るいが、AH-D5000の方が迫力がある。打ち込み系の音の表現は、明るさ重視ならHP-AURVN-LVの方が良いが、AH-D5000の方が厚みがある点は良い。かなり似た音なのでどちらか片方持っていれば良さそうだが、HP-AURVN-LVを気に入っている人が少しでも上の音が欲しいならAH-D5000は良い選択肢だろう。

ATH-SQ5
ATH-SQ5はややドンシャリ、HP-AURVN-LVはかなりフラット。低域はATH-SQ5の方が弾力がある。ATH-SQ5は中低域が少ないのに対して、HP-AURVN-LVはそんなことはない。中域はどちらも癖なく聴こえてくる。高域はHP-AURVN-LVの方が高い音を鳴らす。全体を見渡すと、ATH-SQ5は周波数特性に癖があるが、HP-AURVN-LVはほとんど癖を感じない。分解能はHP-AURVN-LVの方が上。一つ一つの音の微細な描写に差がある。音場感はHP-AURVN-LVの方が広く明確。原音忠実性はHP-AURVN-LVの方が上。周波数特性上の癖のなさに差がある。エッジはHP-AURVN-LVの方がややきつい。明瞭さ、音の鮮やかさはほぼ互角だが、どちらかと言えばHP-AURVN-LVの方が良い。厚みはHP-AURVN-LVの方がやや厚め。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはHP-AURVN-LVの方が上。HP-AURVN-LVの方がノリが良くかつ繊細。響きはほぼ同等。弦楽器はHP-AURVN-LVの方が繊細かつ心地よい。金管楽器はHP-AURVN-LVの方が高く鮮やか。打ち込み系の音の表現はほぼ同レベル。低域の質感はATH-SQ5の方が良いのだが、全体的な能力ではHP-AURVN-LVが勝っている。使い分けるなら、基本的にはHP-AURVN-LV、低域の質感がATH-SQ5の方が好ましい場合のみATH-SQ5。

HA-S800
HA-S800は低音よりのドンシャリ、HP-AURVN-LVはかなりフラット。低域はHA-S800の方がある程度量が多い。HA-S800の方が柔らかくぼやけた質。重心はHP-AURVN-LVの方がやや低い。中低域はHA-S800の方がしっかり出る。中域はHP-AURVN-LVの方がやや明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域はほぼ同量。HA-S800の方がややざらつく感じ。HP-AURVN-LVの方が細く明るい質。分解能はHP-AURVN-LVの方が上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろやや勝っている。音場感はHP-AURVN-LVの方がやや広く明確で見晴らしが良く把握しやすい。HA-S800の方が頭内定位が気になりやすい。原音忠実性はHP-AURVN-LVの方が上。周波数特性上の癖のなさで勝っているし、原音の粗や生っぽさも感じられる。エッジはHP-AURVN-LVの方が若干きついが、HA-S800は低域の量やこもり感で疲れる面があるため、総合的な聴き疲れはソースや聴く人によって変わってくるだろう。高域にしろヴォーカルのサ行にしろHP-AURVN-LVの方がやや細く刺さる。明瞭さ、音の鮮やかさはHP-AURVN-LVの方が上。厚みはHA-S800の方がややある。温かみは曇っている分HA-S800の方が感じられる面もあるが、人声や生楽器のリアルな温かみという意味ではHP-AURVN-LVの方が上。ヴォーカルの艶っぽさはHP-AURVN-LVの方がやや上。HA-S800の方がスモーキー、HP-AURVN-LVの方が線が細く澄んでいる。HA-S800の方が低域に基づく迫力や力強さがある。HP-AURVN-LVの方が切れやスピード感がある。響きは、低域はHA-S800の方が豊か、高域はHP-AURVN-LVの方がやや豊か。HA-S800の方がかなりこもり感が気になる。弦楽器はHP-AURVN-LVの方が繊細で生楽器らしさが感じられるし、音色も自然。金管楽器はHA-S800の方が太く力強い、HP-AURVN-LVの方が細く明るい。打ち込み系の音の表現はHP-AURVN-LVの方がうまい。音の質感の相性や切れで勝っている。使い分けるなら、基本的にはHP-AURVN-LV、HP-AURVN-LVでは低域の量が足りないとか線が細すぎるという不満があるならHA-S800。

HS-AVNLV2
どちらもかなりフラット。全体的に良く似た音。低域はほぼ同量だが、どちらかと言うとHS-AVNLV2の方が多い。質的にも似ている。重心の低さはほぼ同レベル。中域はHP-AURVN-LVの方が若干明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域はほぼ同量。質的にも似ている。分解能はHP-AURVN-LVの方が若干上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ大差ないが、どちらかと言うとHP-AURVN-LVの方が勝っている。音場感は、HS-AVNLV2の方が若干広い、明確さはほぼ同レベル。原音忠実性は微妙。周波数特性上の癖のなさはほぼ同レベル。原音の粗や生っぽさはHP-AURVN-LVの方が若干感じられる。エッジのきつさや聴き疲れは大差ないが、どちらかと言うとHP-AURVN-LVの方が聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろ大差ない痛さ。明瞭さ、音の鮮やかさは大差ないが、どちらかと言うとHP-AURVN-LVの方が上。厚みはほぼ同レベル。温かみはHS-AVNLV2の方が若干感じられる、ヴォーカルの艶っぽさはほぼ同レベル。ヴォーカルは、HP-AURVN-LVの方が若干擦れやリップノイズを出してくれる、HS-AVNLV2の方が若干スモーキー。HS-AVNLV2の方が若干おとなしい。響きはほぼ同レベル。弦楽器は、HP-AURVN-LVの方が若干生楽器らしさが感じられる、HS-AVNLV2の方が若干滑らかで心地よい。金管楽器はHP-AURVN-LVの方が若干鮮やか。打ち込み系の音の表現はHP-AURVN-LVの方が若干うまい。音の質感の相性で勝っている。あまり使い分けには向かないが、あえて使い分けるなら、中域の明るさや生楽器らしさを求めるならHP-AURVN-LV、音場の広さや聴きやすさを求めるならHS-AVNLV2。

JHF350
HP-AURVN-LVはかなりフラット、JHF350はややドンシャリ。低域はJHF350の方が薄く曇ったような質。HP-AURVN-LVの方がしっかり低い音を鳴らしてくれるし厚みもある。中域はHP-AURVN-LVの方が低域の曇りに覆われずはっきり聴こえてくる。高域はそれなりに違う音を鳴らすが、ソースによってどう違うかがかなり変わってくるので表現が難しい。量的には大差ない。JHF350の方が鋭く粗がある。分解能はHP-AURVN-LVの方がかなり上。音の分離に差がある。音場感はHP-AURVN-LVの方が明確で自然だが、JHF350は音がセンターに集まり妙な前方定位感があるため、それが良いと感じる人もいるだろう。原音忠実性はHP-AURVN-LVの方が上。周波数特性上の癖のなさだけでなく、原音の粗や生っぽさが感じられる度合いでも勝っている。エッジのきつさは微妙。ヴォーカルのサ行はHP-AURVN-LVの方が若干痛いが、高域はJHF350の方が痛い。総合的な聴き疲れは大差ない。明瞭さ、音の鮮やかさはHP-AURVN-LVの方が上。厚みはHP-AURVN-LVの方がある。温かみは、薄く曇っている分JHF350の方が良いと感じる面もあるが、生楽器や人声のリアルな温かみという意味ではHP-AURVN-LVの方が良い。ヴォーカルの艶っぽさはサラサラした質感が好みならJHF350の方が良いかもしれないが、そうでないならHP-AURVN-LVの方がリアルで良いだろう。HP-AURVN-LVの方がノリが良い。響きはJHF350の方が豊か。弦楽器は心地よさだけならJHF350も良い線を行っているが、生楽器らしさまで含めるとHP-AURVN-LVの方がかなり良い。金管楽器は明るさだけは同レベルだが、癖のなさや力強さはHP-AURVN-LVの方が上。打ち込み系の音の表現はHP-AURVN-LVの方がかなりうまい。音の質感の相性や低域の量感で勝っている。使い分けるなら、基本的にはHP-AURVN-LV、おとなしい鳴らし方やサラサラした質感が欲しいときだけJHF350。

RE-575
どちらもかなりフラット。低域はHP-AURVN-LVの方が重心が低く厚みがあり、存在感にかなり差がある。量もHP-AURVN-LVの方がやや多い。中域はHP-AURVN-LVの方が癖がない。RE-575はソースによっては張り出すような感じが気になるが、HP-AURVN-LVにはそういう癖はない。高域はHP-AURVN-LVの方が高い音で量もやや多い。分解能はHP-AURVN-LVの方が上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ差がある。音場感は、広さは大差ないが、HP-AURVN-LVの方が明確。原音忠実性はHP-AURVN-LVの方が上。周波数特性上の癖のなさで勝っているし、原音の粗や生っぽさが感じられる度合いでも上。エッジはHP-AURVN-LVの方がややきついが、RE-575は中域が張り出すような感じで疲れることがあり、総合的な聴き疲れはソースや聴く人によって変わってくるだろう。明瞭さ、音の鮮やかさはHP-AURVN-LVの方が上。RE-575の方が薄く曇っているような感じ。厚みはHP-AURVN-LVの方がある。温かみはHP-AURVN-LVの方が感じられる。ヴォーカルの艶っぽさはそれほど差はないが、声の表現力全般という意味ではHP-AURVN-LVの方がかなり上。RE-575の方が好みに合うことがあるとしたら、ソースによってはスモーキーな点くらいだろう。HP-AURVN-LVの方がかなりノリが良く、それでいて繊細さでも上。HP-AURVN-LVに比べるとRE-575は生気がない。響きはRE-575の方がやや豊か。弦楽器はHP-AURVN-LVの方がうまい。RE-575は生楽器らしさが不足。金管楽器はHP-AURVN-LVの方が高く鮮やかでしかも力強い。打ち込み系の音の表現はHP-AURVN-LVの方がうまい。音の質感の相性、低域の量感、音の厚み、切れ等、様々な点で勝っている。使い分けるなら、基本的にはHP-AURVN-LV、HP-AURVN-LVではエッジのきつさが気になるときだけRE-575。

RP-21
HP-AURVN-LVはかなりフラット、RP-21はややドンシャリ。低域はHP-AURVN-LVの方が柔らかくぼやけている感じ。中域はRP-21の方が低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。中高域は、RP-21が少なめなのに対して、HP-AURVN-LVはしっかり出る。高域はRP-21の方がやや硬く鋭い感じ。分解能はRP-21の方がやや上。音場感はRP-21の方が癖がある。HP-AURVN-LVの方が立体的で分かりやすい。RP-21の方が耳の近くで音を鳴らす感じが気になる。原音忠実性は微妙。周波数特性上の癖のなさはHP-AURVN-LVの方が良いが、原音の粗や生っぽさはRP-21の方が感じられる。エッジはRP-21の方がややきついが、サ行の音等はHP-AURVN-LVの方が痛い。全体的な聴き疲れとしては、RP-21の方が圧力のある音で疲れやすい。明瞭さはRP-21の方が上、音の鮮やかさはほぼ互角。厚みはRP-21の方がややある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはHP-AURVN-LVの方が上。ノリの良さならRP-21、繊細さならHP-AURVN-LV。響きはHP-AURVN-LVの方が豊か。HP-AURVN-LVの方が自然、RP-21の方がダイナミック。弦楽器はHP-AURVN-LVの方が心地よいが、生楽器らしさが欲しいならRP-21の方が良いかもしれない。金管楽器はどちらも高く鮮やか。量的には、トランペット等の中高域はHP-AURVN-LVの方が多く、シンバル等の高域はほぼ同量。RP-21の方が力強い。打ち込み系の音の表現はRP-21の方がうまい。低域の質や切れで勝っている。使い分けるなら、自然さや温かみを重視するならHP-AURVN-LV、ダイナミックさや明瞭さを重視するならRP-21。

RP-HTX7
HP-AURVN-LVはかなりフラット、RP-HTX7はややドンシャリ。低域はRP-HTX7の方が重心が低く締まっている。HP-AURVN-LVの方が柔らかく自然な質感。RP-HTX7は中低域がすっぱり削られているが、HP-AURVN-LVはそんなことはない。中域はRP-HTX7の方がやや高い音ではっきり聴こえてくる。高域はRP-HTX7の方が高く鋭い音を鳴らす。低域の締まり、中域の明瞭さ、高域の高い音、これらすべては、RP-HTX7の周波数特性に癖があることが原因。HP-AURVN-LVの方が圧倒的に自然で周波数特性に癖がない。分解能はHP-AURVN-LVの方がやや上。音の分離はRP-HTX7の方がやや良いようにも感じるが、一つ一つの音の微細な描写ではHP-AURVN-LVの方がかなり勝っている。音場感はRP-HTX7の方が広く明確。原音忠実性はHP-AURVN-LVの方が上。周波数特性の癖のなさが圧倒的に違う。RP-HTX7の方がエッジがきつく聴き疲れする。明瞭さ、音の鮮やかさはRP-HTX7の方がやや上。厚みはHP-AURVN-LVの方がある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはHP-AURVN-LVの方が上。RP-HTX7の方が明るく元気が良い。HP-AURVN-LVの方が自然で繊細、心地よい。響きはHP-AURVN-LVの方がやや豊か。弦楽器はHP-AURVN-LVの方が繊細かつ心地よいし、原音に近い。金管楽器はRP-HTX7の方がやや鮮やかだが、不自然。HP-AURVN-LVの方が原音に近く、かつ十分な鮮やかさを保っている。打ち込み系の音の表現はRP-HTX7の方がうまい。音の質感、低域の締まり、切れで勝っている。使い分けるなら、原音忠実性や自然さ重視ならHP-AURVN-LV、不自然でも良いから低域の締まりや切れを重視するならRP-HTX7。

SW-HP10
HP-AURVN-LVはかなりフラット、SW-HP10はやや低音より。低域はどちらもやや柔らかめでありながら極端にぼやけたり曇ったりしない点は似ているが、それなりに違う音を鳴らす。SW-HP10の方が所謂重低音がしっかり出る感じで、じっとりと重い。HP-AURVN-LVの方が癖がなく平らな感じ。中域はHP-AURVN-LVの方がやや高い音ではっきり聴こえてくる。高域はHP-AURVN-LVの方が細く高い音で量も多い。分解能はHP-AURVN-LVの方が上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ差がある。音場感はHP-AURVN-LVの方が広く明確。SW-HP10の方が耳の近くで音を鳴らす感じで、そういう意味で迫力がある。原音忠実性はHP-AURVN-LVの方が上。周波数特性上の癖のなさで勝っているだけでなく、原音の粗や生っぽさが感じられる度合いでも上。エッジはHP-AURVN-LVの方がきつく、聴き疲れしやすい。明瞭さ、音の鮮やかさはHP-AURVN-LVの方がやや上。厚みはSW-HP10の方がややあるように感じられるが、これは厚みと言うよりもSW-HP10の方が線の太い音と言った方がしっくりくる。温かみはSW-HP10の方が感じられる。ヴォーカルの艶っぽさはHP-AURVN-LVの方が感じられる。HP-AURVN-LVの方があっさりした爽やかなノリの良さがあるが、SW-HP10の方が鳴りっぷりの良い面もあり、どちらがノリが良いと感じるかはソースによって変わってくるように思う。響きは、高域はHP-AURVN-LVの方が豊か、それ以外はSW-HP10の方が豊か。ただし、響きの豊かさより質も違いの方が気になる。SW-HP10の方が特殊。弦楽器はSW-HP10の方が心地よいが、HP-AURVN-LVの方が繊細で生楽器らしさが感じられる。金管楽器はHP-AURVN-LVの方が高く明るいが、SW-HP10の方が太く力強い。打ち込み系の音の表現は微妙。音の質感の相性は大差ない。明るさという点ではHP-AURVN-LVの方がやや良く、音の圧力という点ではSW-HP10の方がやや良い。使い分けるなら、基本的にはHP-AURVN-LV、心地よく落ち着いた鳴らし方を求めるならSW-HP10。

TriPort
HP-AURVN-LVはかなりフラット、TriPortは低音よりのドンシャリ。低域はTriPortの方がやや量が多く、薄くぼやけている感じ。中域はHP-AURVN-LVの方がやや高い音で低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域はHP-AURVN-LVの方が細く高い音で量も多い。分解能はHP-AURVN-LVの方が上。特に一つ一つの音の微細な描写に差が出る。音場感はTriPortの方がやや広く明確。原音忠実性はHP-AURVN-LVの方が上。原音の粗や生っぽさが感じられる度合いに差がある。HP-AURVN-LVの方がエッジがきつくやや聴き疲れする。明瞭さ、音の鮮やかさ、厚み、温かみ、ヴォーカルの艶っぽさすべてHP-AURVN-LVの方が上。HP-AURVN-LVの方が繊細だが、ノリの良さという意味でもほとんど遜色ない。響きは、低域はTriPortの方がやや豊か、高域はHP-AURVN-LVの方がやや豊か。TriPortの方がこもり感が気になる。弦楽器はHP-AURVN-LVの方が繊細で、生楽器らしさも適度に感じられて良い。金管楽器はHP-AURVN-LVの方が鮮やかで楽しめる。打ち込み系の音の表現はHP-AURVN-LVの方がうまい。音の質感の相性が良く、中高域の明るさに差がある。使い分けるなら、基本的にはHP-AURVN-LV、よほど聴き疲れを避けたい場合や音場感を求める場合のみTriPort。

サイン波応答


位相+高周波歪み


インパルス応答(CSD)


インパルス応答(録音波形)


100Hz・1kHz・10kHzサイン波の再生


曲別HP探索
第77回 EXEC_PHANTASMAGORIA/./「月奏〜ツキカナデ〜 Artonelico Hymmnos concert side 紅」より

第92回 ASAYAKE/CASIOPEA「Asian Dreamer」より
第99回 未来航路/La'cryma Christi/「Single Collection」より


曲別HP探索2
第1回 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番ホ長調/バッハ
第12回 PILENZE PEE,GOVORI/「ブルガリアン・ポリフォニーI」より

第22回 唄の島/やなわらばー「歌ぐすい」より
第25回 フィガロの結婚/モーツァルト













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スペック

駆動方式 構造 周波数帯域 音圧感度 インピーダンス
ダイナミック 密閉型 10Hz〜30kHz 103dB 32Ω
重量 ドライバー直径 コードの長さ コードの出し方 備考
196g 40mm 1.2m 両出し -

評点

音質 装着感 遮音性 音漏れ デザイン 携帯性 音の傾向 参考最安価格
4 4 4 3 3 1 10600円

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公開日:2008.1.17