K374

音質
 低音よりのドンシャリ。低域はある程度量が多い。特に所謂重低音がしっかり出る。特に締まっているわけでもぼやけているわけでもないが、どちらかと言うと柔らかい質。重心はやや低め。中域は低域の量が多い割にははっきり聴こえてくるし、変な癖もない。高域は若干多め。どちらかと言うと硬く明るい質。
 分解能は価格なり。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろそれなり。音場感は、広さは普通、明確さはやや良い。原音忠実性はそれなり。低域の量が多すぎる点は気になるが、それを除けばあまり違和感はない。原音の粗や生っぽさはそれなりに感じられる。エッジはあまりきつくなく、それほど聴き疲れしない。高域にしろヴォーカルのサ行にしろやや痛いと感じることはあるが、特に酷くはない。
 明瞭さはそれなり、音の鮮やかさはそれなりと評価すべきかなかなか良いと評価すべきか迷うところ。厚みは普通からやや厚め。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはそれなりと評価すべきかなかなか良いと評価すべきか迷うところ。ヴォーカルは癖がなくソースを選ばない。ノリの良さと繊細さをある程度両立しているが、どちらかと言うとノリが良い傾向。低域に基づく迫力や力強さがあるし、切れやスピード感もそれほど悪くない。響きは適度で、こもり感は多少気になる。
 弦楽器はそれなりに繊細かつ心地よい。チェロやコントラバスを心地よく聴きたい場合にもヴァイオリンを瑞々しく聴きたい場合にも同じくらい向いている。金管楽器はなかなか鮮やかかつ力強い。打ち込み系の音の表現はなかなかうまい。音の質感の相性、切れ、厚み等、様々な点から見てやや良い。
 低域の量を除けばあまり癖がなく聴きやすい機種。

装着感
 良好。カナル型だが、イヤーピースを耳の奥に押し込むタイプではないので装着しやすい。ただし、イヤーピースが大きめなので、多少耳への負担が大きい(この点はイヤーピースが合う人には問題にならないだろうが、付属のイヤーピースはすべて大きめなので要注意)。円筒形をしている本体の径が大きく耳に当たりやすい点もやや気になる。ずれやすい、重い、コードが顔に当たりやすい等の不満はない。
 イヤーピースの材質はシリコン。3サイズ付属している。

その他
 遮音性及び音漏れ防止は良好。カナル型としては普通。
 作りは価格なり。デザインは色を除けば特に癖はない。タッチノイズがやや大きめ。
 プラグは金メッキのミニプラグ。コードの太さは合流前は約2mm、合流後は約2.5mm、やや硬く反発するような感じで多少扱いづらい。

付属品
イヤーピース3種類
キャリングポーチ



参考
代理店製品ページ

周波数特性グラフ


比較メモ
ATH-CKS90
どちらも低音よりのドンシャリ。メーカーが違う割には似た音を鳴らす。低域はK374の方が若干量が多い。特に所謂重低音はK374の方がしっかり出る。ATH-CKS90の方が若干締まりや制動が感じられる。重心はK374の方が若干低い。中域はどちらも低域に邪魔されず普通に聴こえてくる。質的にも似ている。高域はほぼ同量。ATH-CKS90の方が若干線の細い質。分解能はほぼ同レベル。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ大差ない。音場感はATH-CKS90の方が若干広く明確。原音忠実性はATH-CKS90の方が若干上。周波数特性上の癖のなさで若干勝っている。原音の粗や生っぽさが感じられる度合いはほぼ同レベル。エッジのきつさや聴き疲れはほぼ同レベル。高域にしろヴォーカルのサ行にしろ大差ない痛さ。明瞭さ、音の鮮やかさ、厚み、温かみ、ヴォーカルの艶っぽさすべてほぼ同レベル。K374の方が若干ノリが良い、ATH-CKS90の方が若干繊細。K374の方が若干低域に基づく迫力や力強さがある。響きはK374の方が若干豊か。弦楽器はATH-CKS90の方が若干繊細。金管楽器はK374の方が若干力強い。打ち込み系の音の表現はほぼ同レベル。音の質感の相性にしろ切れにしろ大差ない。使い分けるなら、癖のなさや音場の広さを求めるならATH-CKS90、重低音の量や力強さを求めるならK374。

HA-FX3X
HA-FX3Xはドンシャリ、K374は低音よりのドンシャリ。低域はほぼ同量。HA-FX3Xの方が若干圧力がある感じ、K374の方が若干柔らかい質。重心の低さはほぼ同レベル。中域はHA-FX3Xの方がやや明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域はHA-FX3Xの方が若干量が多い。K374の方が若干粗がない。分解能はHA-FX3Xの方が若干上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ大差ないが、どちらかと言うとHA-FX3Xの方が勝っている。音場感はHA-FX3Xの方が若干広く明確。原音忠実性は微妙。周波数特性上の癖のなさはK374の方が若干上。原音の粗や生っぽさはHA-FX3Xの方が若干感じられる。エッジはHA-FX3Xの方が若干きつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろHA-FX3Xの方が若干痛い。明瞭さ、音の鮮やかさはHA-FX3Xの方が若干上。厚みはHA-FX3Xの方が若干ある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはK374の方が若干感じられる。ヴォーカルは、HA-FX3Xの方が若干擦れやリップノイズを出してくれる、K374の方が若干スモーキーで聴きやすい。HA-FX3Xの方が若干明るくノリが良い。切れやメリハリがある。響きはK374の方が若干豊か。弦楽器は、HA-FX3Xの方が若干生楽器らしさが感じられる、K374の方が若干滑らかで心地よい。金管楽器はHA-FX3Xの方が若干鮮やか。打ち込み系の音の表現はHA-FX3Xの方が若干うまい。音の質感の相性や切れで若干勝っている。使い分けるなら、生楽器らしさやメリハリを求めるならHA-FX3X、聴き疲れのなさや温かみを求めるならK374。

MDR-NWNC33
K374は低音よりのドンシャリ、MDR-NWNC33は低音より。低域はMDR-NWNC33の方が若干量が多い。特に所謂重低音より下はMDR-NWNC33の方がしっかり出る。MDR-NWNC33の方が若干柔らかい質。重心はMDR-NWNC33の方が若干低い。中域はどちらかと言うとK374の方が低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。質的にはどちらも大きな癖はない。高域はK374の方が若干量が多い。若干硬く明るい質。分解能はK374の方がやや上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ若干勝っている。音場感はK374の方が若干広く明確。MDR-NWNC33の方が近くで音を鳴らす感じで頭内定位が気になりやすい。原音忠実性はK374の方が若干上。周波数特性上の癖のなさは大差ない。原音の粗や生っぽさはK374の方が若干感じられる。エッジはK374の方が若干きつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろK374の方が若干痛い。明瞭さ、音の鮮やかさはK374の方が若干上。厚みはほぼ同レベル。温かみはほぼ同レベル、ヴォーカルの艶っぽさはK374の方が若干感じられる。ヴォーカルはK374の方がやや擦れやリップノイズを出してくれる。K374の方が若干ノリが良い。切れやスピード感がある。響きはMDR-NWNC33の方が若干豊か。弦楽器は、K374の方が若干生楽器らしさが感じられる、MDR-NWNC33の方が若干滑らかで心地よい。金管楽器はK374の方が若干鮮やか。打ち込み系の音の表現はK374の方がややうまい。音の質感の相性や切れで勝っている。使い分けるなら、高域の量やノリの良さを求めるならK374、重低音の量や粗のなさを求めるならMDR-NWNC33。

MXH-DBA700
K374は低音よりのドンシャリ、MXH-DBA700は低音より。低域はK374の方が若干量が多い。所謂重低音はK374の方がしっかり出る。MXH-DBA700の方が薄く曇ったような質。重心はK374の方が低い。中域はK374の方がやや明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域はK374の方がある程度量が多い。硬く明るい質で目立つ。分解能はK374の方が上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろやや勝っている。音場感は、MXH-DBA700の方が若干広い、明確さはK374の方がやや上。原音忠実性はK374の方が上。周波数特性上の癖のなさで勝っているし、一聴して違和感がない。原音の粗や生っぽさはK374の方が感じられる。エッジはK374の方がややきついが、MXH-DBA700は音の圧力やこもり感で疲れる面があるため、総合的な聴き疲れはソースや聴く人によって変わってくるだろう。高域はK374の方がやや痛い、ヴォーカルのサ行は大差ない痛さ。明瞭さ、音の鮮やかさはK374の方がやや上。厚みはK374の方が若干ある。温かみは薄く曇っている分MXH-DBA700の方が感じられる面もあるが、人声や生楽器のリアルな温かみという意味ではK374の方が感じられる。ヴォーカルの艶っぽさはK374の方が若干感じられる。K374の方が癖がなくソースを選ばない、MXH-DBA700の方がスモーキー。K374の方が明るくノリが良い。切れやメリハリがある。響きはMXH-DBA700の方がやや豊かでこもり感が気になる。K374の方がドラムや破裂音が目立つ。弦楽器は、K374の方が生楽器らしさが感じられる、MXH-DBA700の方が滑らか。金管楽器はK374の方が鮮やかで、金属的な質感を出してくれる。打ち込み系の音の表現はK374の方がうまい。音の質感の相性や切れで勝っている。使い分けるなら、基本的にはK374、K374では重低音の量が多すぎるとか粗が気になるという不満があるならMXH-DBA700。

RZE-S70
K374は低音よりのドンシャリ、RZE-S70は低音より。低域はRZE-S70の方が若干量が多い。RZE-S70の方が濃く中身が詰まったような質。重心の低さはほぼ同レベル。中域はK374の方がやや明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域はK374の方が若干量が多い。やや硬く明るい質で目立つ。分解能はK374の方が若干上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ大差ないが、どちらかと言うとK374の方が勝っている。音場感は、RZE-S70の方が若干広い、K374の方が若干明確。原音忠実性は大差ないが、どちらかと言うとK374の方が上。周波数特性上の癖のなさはほぼ同レベル。原音の粗や生っぽさはK374の方が若干感じられる。エッジはK374の方が若干きついが、RZE-S70は低域の量やこもり感で疲れる面があるため、総合的な聴き疲れはソースや聴く人によって変わってくるだろう。高域にしろヴォーカルのサ行にしろK374の方が若干痛い。明瞭さ、音の鮮やかさはK374の方が若干上。厚みはRZE-S70の方が若干ある。温かみはRZE-S70の方がやや感じられる、ヴォーカルの艶っぽさは微妙。ヴォーカルは、K374の方がやや擦れやリップノイズを出してくれる、RZE-S70の方が男性ヴォーカル向き。K374の方がやや明るくノリが良い、RZE-S70の方がどっしりとした安定感がある。響きはRZE-S70の方が若干豊かでこもり感が気になる。弦楽器は、K374の方が若干生楽器らしさが感じられる、RZE-S70の方がやや滑らかで心地よい。金管楽器は、K374の方が若干鮮やか、RZE-S70の方がやや太く力強い。打ち込み系の音の表現はK374の方がややうまい。音の質感の相性や切れで勝っている。使い分けるなら、明るさやエッジを求めるならK374、温かみや濃密さを求めるならRZE-S70。

thinksound rain
K374は低音よりのドンシャリ、thinksound rainは低音より。低域はほぼ同量。thinksound rainの方がやや薄く曇ったような質。重心はK374の方が若干低い。中域はK374の方が若干明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域はK374の方が若干量が多い。やや硬く明るい質で目立つ。分解能はK374の方がやや上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ若干勝っている。音場感は、thinksound rainの方が若干広い、K374の方がやや明確。原音忠実性はK374の方が若干上。周波数特性上の癖のなさは大差ない。原音の粗や生っぽさはK374の方がやや感じられる。エッジはK374の方が若干きつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろK374の方が若干痛い。明瞭さ、音の鮮やかさはK374の方が若干上。厚みはK374の方が若干ある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはthinksound rainの方が若干感じられる。ヴォーカルはthinksound rainの方がスモーキー。K374の方がやや明るくノリが良い。切れやメリハリがある。響きはthinksound rainの方がやや豊かでこもり感が気になる。弦楽器は、K374の方がやや生楽器らしさが感じられる、thinksound rainの方がやや心地よい。金管楽器はK374の方がやや鮮やかで、金属的な質感を出してくれる。打ち込み系の音の表現はK374の方がややうまい。音の質感の相性や切れで勝っている。使い分けるなら、分解能やメリハリを求めるならK374、音場の広さや聴き疲れのなさを求めるならthinksound rain。

UE400VI
どちらも低音よりのドンシャリ。低域はK374の方が若干量が多い。ソースによってK374の方が曇っているように感じられたり芯が通っているように感じられたりする。重心はUE400VIの方が若干低い。中低域はK374の方がしっかり出る。中域はUE400VIの方が低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。質的にはK374の方が芯が通っている印象。高域はほぼ同量。UE400VIの方がやや線の細い質。分解能はUE400VIの方がやや上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ若干勝っている。音場感はUE400VIの方が若干広く明確で見晴らしが良く把握しやすい。原音忠実性はUE400VIの方が若干上。K374は低域の量が多すぎる。原音の粗や生っぽさが感じられる度合いはほぼ同レベル。エッジはUE400VIの方が若干きついが、K374は音の圧力やこもり感で疲れる面があるため、総合的な聴き疲れはソースや聴く人によって変わってくるだろう。高域にしろヴォーカルのサ行にしろ大差ない痛さだが、K374の方がやや粗っぽく痛い、UE400VIの方がやや細く刺さる。明瞭さ、音の鮮やかさはUE400VIの方が若干上。厚みはK374の方が若干ある。温かみはK374の方が若干感じられる、ヴォーカルの艶っぽさはUE400VIの方が若干感じられる。K374の方が若干ノリが良い、UE400VIの方が若干繊細。K374の方が低域に基づく迫力や力強さがある。響きはK374の方が若干豊かでこもり感が気になる。弦楽器はUE400VIの方がやや繊細。ヴァイオリン等を澄んだ感じで聴きたいならUE400VIの方が良い。金管楽器は、K374の方が若干太く力強い、UE400VIの方が若干細く綺麗。打ち込み系の音の表現はUE400VIの方が若干うまい。音の質感の相性で勝っている。使い分けるなら、厚みや迫力を求めるならK374、明瞭さや繊細さを求めるならUE400VI。

サイン波応答


位相+高周波歪み


インパルス応答(CSD)


インパルス応答(録音波形)


100Hz・1kHz・10kHzサイン波の再生



 










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スペック

駆動方式 構造 周波数帯域 音圧感度 インピーダンス
ダイナミック 密閉型 10Hz〜24kHz 104dB 28Ω
重量 ドライバー直径 コードの長さ コードの出し方 備考
6g 9mm 1.2m 両出し(Y型) -

評点

音質 装着感 遮音性 音漏れ デザイン 携帯性 音の傾向 参考最安価格
3.5 4 4 4 4 5 低(高) 5900円

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公開日:2012.12.22