HA-FX3X

音質
 ドンシャリ。低域はある程度量が多い。量が多い割には締まりや制動が感じられる上、厚みや圧力もしっかりあるため、ソースによってはかなり存在感がある。特に大きめの音量でバスドラにガツンと頭を殴られるような低域を求めている人には合うと思われる。重心はやや低め。中域は低域の量が多い割にははっきり聴こえてくるが、ソースによってはうわずるような癖が気になることがある。中高域はしっかり出る。高域はやや多め。硬く明るい質で目立つ。多少粗が気になる。
 分解能は価格の割にやや良い。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろそれなりにこなしてくれる。音場感はやや広く明確。原音忠実性はそれなり。低域・高域ともに主張してくるが、それを除けばそれほど大きな違和感はない。原音の粗や生っぽさはある程度感じられる。エッジはややきつく、多少聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろやや痛いと感じることはあるが、特に酷くはない。ホワイトノイズはやや大きい。
 明瞭さ、音の鮮やかさはなかなか良い。厚みはやや厚め。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはそれなり。ヴォーカルは擦れやリップノイズを出してくれる傾向。どちらかと言うと、柔らかくしっとりと鳴らして欲しい場合よりも明るく鳴らして欲しい場合に合う。明るくノリが良い。切れやスピード感、低域に基づく迫力や力強さ、いずれもある程度のものを持っている。響きは適度からややあっさりで、こもり感はあまり気にならない。
 弦楽器は生楽器らしさが感じられる傾向。ヴァイオリン等を澄んだ感じで聴きたいなら良い。金管楽器はなかなか鮮やかで、金属的な質感を出してくれる。やや芯が通っていて力強さも十分。打ち込み系の音の表現はなかなかうまい。音の質感の相性、切れ、厚み等、様々な点から見てある程度のレベルに達している。
 ポップス・ロックをメリハリ、迫力、明るさ重視で楽しみたい人にとってはかなりコストパフォーマンスが良いと思われる。

装着感
 良好。カナル型だが、イヤーピースを耳の奥に押し込むタイプではないので装着しやすいし、耳の穴が痛くなりにくい。ずれやすい、重い、コードが顔に当たりやすい等の不満もない。ただし、本体がやや大きいので合わない人もいるかもしれない。
 イヤーピースの材質はシリコン。3サイズ付属している。

その他
 遮音性及び音漏れ防止は良好。カナル型としては普通。
 作りは価格なりからやや良いレベル。デザインはやや個性的。
 プラグは金メッキのミニプラグ。コードの太さは合流前は約2mm、合流後は約2.5mm、硬さは普通で特に扱いづらさは感じない。

付属品
イヤーピース3種類
キャリングケース
コードキーパー



参考
メーカー製品ページ

周波数特性グラフ


比較メモ
AH-C260
AH-C260は低音よりのドンシャリ、HA-FX3Xはドンシャリ。低域はAH-C260の方が若干量が多い。HA-FX3Xの方が若干締まりや制動が感じられる。重心はAH-C260の方が若干低い。中域はHA-FX3Xの方が若干明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域はほぼ同量。質的にも似ているが、AH-C260の方が若干粗がない。分解能はほぼ同レベル。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ大差ない。音場感は、HA-FX3Xの方が若干広い、明確さはほぼ同レベル。AH-C260の方がやや横に間延びしたような音場。原音忠実性は微妙。周波数特性上の癖のなさは大差ない。原音の粗や生っぽさはHA-FX3Xの方が若干感じられる。エッジはHA-FX3Xの方が若干きつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろ大差ない痛さ。明瞭さ、音の鮮やかさはHA-FX3Xの方が若干上。厚みはHA-FX3Xの方が若干ある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはAH-C260の方が若干感じられる。ヴォーカルはAH-C260の方が若干柔らかく聴きやすい。HA-FX3Xの方が若干ノリが良い。切れやスピード感がある。響きはAH-C260の方が若干豊か。HA-FX3Xの方が全体的に若干硬く締まった音。弦楽器はAH-C260の方が若干繊細かつ心地よい。金管楽器はどちらもなかなか鮮やかだが、HA-FX3Xの方が若干力強く癖がない。打ち込み系の音の表現はHA-FX3Xの方が若干うまい。切れで若干勝っている。あまり使い分けには向かないが、あえて使い分けるなら、低域の量感や温かみを求めるならAH-C260、明瞭さや切れを求めるならHA-FX3X。

BI-RACKEAR
BI-RACKEARは低音よりのドンシャリ、HA-FX3Xはドンシャリ。低域はBI-RACKEARの方が若干量が多い。特に所謂重低音はBI-RACKEARの方がしっかり出る。HA-FX3Xの方が癖がない。BI-RACKEARの方がやや圧力がある。重心はBI-RACKEARの方がやや低い。中域はどちらもやや明るく低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域はHA-FX3Xの方が若干量が多い。若干線の細い質。分解能はほぼ同レベル。音の分離はBI-RACKEARの方が若干上、一つ一つの音の微細な描写はHA-FX3Xの方が若干上。音場感は、HA-FX3Xの方がやや広い、BI-RACKEARの方が若干明確。原音忠実性はHA-FX3Xの方がやや上。一聴して違和感がない。原音の粗や生っぽさはHA-FX3Xの方が若干感じられる。エッジのきつさは大差ないが、BI-RACKEARの方が低域の量や音の圧力で疲れる面がある。高域にしろヴォーカルのサ行にしろ大差ない痛さ。明瞭さ、音の鮮やかさはHA-FX3Xの方が若干上。厚みはBI-RACKEARの方が若干ある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはHA-FX3Xの方が若干感じられる。ヴォーカルはHA-FX3Xの方が癖がなくソースを選ばない。BI-RACKEARの方が若干ノリが良い。切れやメリハリ、低域に基づく迫力や力強さ、いずれも若干勝っている。響きはHA-FX3Xの方が若干豊か。弦楽器はHA-FX3Xの方が若干繊細で、音色も自然。金管楽器は、BI-RACKEARの方がやや芯が通っている、HA-FX3Xの方が癖がない。打ち込み系の音の表現はBI-RACKEARの方が若干うまい。音の質感の相性や切れで若干勝っている。使い分けるなら、重低音の量やメリハリを求めるならBI-RACKEAR、音場の広さや原音忠実性を求めるならHA-FX3X。

Ceramique
Ceramiqueはややドンシャリ、HA-FX3Xはドンシャリ。低域はHA-FX3Xの方がやや量が多い。量が少ない分Ceramiqueの方が締まりや制動が感じられる印象。HA-FX3Xの方がやや圧力がある。重心はHA-FX3Xの方がやや低い。中域は、Ceramiqueの方が低域の量が少ない分はっきり聴こえてくるのに対して、HA-FX3Xの方が質的にやや明るい分はっきり聴こえてくる。中高域はHA-FX3Xの方がしっかり出る。高域はHA-FX3Xの方が若干量が多い。Ceramiqueの方が粗がない。分解能はCeramiqueの方が若干上。音の分離はCeramiqueの方が若干上。一つ一つの音の微細な描写はCeramiqueの方が粗なく丁寧にこなしてくれる。音場感はHA-FX3Xの方がやや広く明確。Ceramiqueの方が近くで音を鳴らす感じで頭内定位が気になりやすい。原音忠実性はCeramiqueの方が若干上。周波数特性上の癖のなさでやや勝っている。原音の粗や生っぽさはHA-FX3Xの方が若干感じられる。エッジはHA-FX3Xの方がややきつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろHA-FX3Xの方が若干痛い。明瞭さ、音の鮮やかさはHA-FX3Xの方が若干上。厚みはHA-FX3Xの方が若干ある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはほぼ同レベル。ヴォーカルはCeramiqueの方が癖がなくソースを選ばない。HA-FX3Xの方がややノリが良い。鳴りっぷりが良い。Ceramiqueの方が粗がないという意味で繊細。HA-FX3Xの方が低域に基づく迫力や力強さがある。響きはHA-FX3Xの方が若干豊か。Ceramiqueの方が付帯音が少ない。弦楽器はCeramiqueの方がやや心地よく、音色も自然。金管楽器はどちらもなかなか鮮やかだが、Ceramiqueの方が癖がない。打ち込み系の音の表現は微妙。Ceramiqueの方が付帯音のなさが合う、HA-FX3Xの方が厚みや低域の質が合う。使い分けるなら、癖のなさや粗のなさを求めるならCeramique、低域の量やノリの良さを求めるならHA-FX3X。

HP-FX500
HA-FX3Xはドンシャリ、HP-FX500はややドンシャリ。全体的に良く似た音。低域はHA-FX3Xの方が若干量が多い。HA-FX3Xの方が若干圧力がある感じ、HP-FX500の方が若干粘りがある感じ。重心の低さはほぼ同レベル。中低域はHA-FX3Xの方がしっかり出る。中域はHP-FX500の方が低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。質的にはどちらも明るめな点が似ている。高域はほぼ同量。HP-FX500の方が若干線の細い質。分解能はHP-FX500の方が若干上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ大差ないが、どちらかと言うとHP-FX500の方が上。音場感は、HA-FX3Xの方が若干広い、HP-FX500の方が若干明確。原音忠実性はHP-FX500の方が若干上。HA-FX3Xは低域の量が多すぎる。原音の粗や生っぽさはHP-FX500の方が若干感じられる。エッジのきつさは大差ないが、HA-FX3Xの方が音の圧力で疲れる面がある。高域にしろヴォーカルのサ行にしろHP-FX500の方が若干痛い。明瞭さはHP-FX500の方が若干上、音の鮮やかさはほぼ同レベル。厚みはHA-FX3Xの方が若干ある。温かみは低域の量が多い分HA-FX3Xの方が若干感じられる。ヴォーカルの艶っぽさは微妙。どちらかと言うと、HA-FX3Xの方が男性ヴォーカルに合う、HP-FX500の方が線の細い女性ヴォーカルに合う。ノリの良さは微妙。HP-FX500の方が若干切れやスピード感がある。HA-FX3Xの方が若干低域に基づく迫力や力強さがある。響きはHA-FX3Xの方が若干豊か。弦楽器は、HA-FX3Xの方が若干心地よい、HP-FX500の方が若干生楽器らしさが感じられる。金管楽器は、HA-FX3Xの方が若干太く力強い、HP-FX500の方が若干細く明るい。打ち込み系の音の表現はHP-FX500の方が若干うまい。音の質感の相性は大差ないが、切れで若干勝っている。あまり使い分けには向かないが、あえて使い分けるなら、厚みや低域の量を求めるならHA-FX3X、原音忠実性や切れを求めるならHP-FX500。

K374
HA-FX3Xはドンシャリ、K374は低音よりのドンシャリ。低域はほぼ同量。HA-FX3Xの方が若干圧力がある感じ、K374の方が若干柔らかい質。重心の低さはほぼ同レベル。中域はHA-FX3Xの方がやや明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域はHA-FX3Xの方が若干量が多い。K374の方が若干粗がない。分解能はHA-FX3Xの方が若干上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ大差ないが、どちらかと言うとHA-FX3Xの方が勝っている。音場感はHA-FX3Xの方が若干広く明確。原音忠実性は微妙。周波数特性上の癖のなさはK374の方が若干上。原音の粗や生っぽさはHA-FX3Xの方が若干感じられる。エッジはHA-FX3Xの方が若干きつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろHA-FX3Xの方が若干痛い。明瞭さ、音の鮮やかさはHA-FX3Xの方が若干上。厚みはHA-FX3Xの方が若干ある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはK374の方が若干感じられる。ヴォーカルは、HA-FX3Xの方が若干擦れやリップノイズを出してくれる、K374の方が若干スモーキーで聴きやすい。HA-FX3Xの方が若干明るくノリが良い。切れやメリハリがある。響きはK374の方が若干豊か。弦楽器は、HA-FX3Xの方が若干生楽器らしさが感じられる、K374の方が若干滑らかで心地よい。金管楽器はHA-FX3Xの方が若干鮮やか。打ち込み系の音の表現はHA-FX3Xの方が若干うまい。音の質感の相性や切れで若干勝っている。使い分けるなら、生楽器らしさやメリハリを求めるならHA-FX3X、聴き疲れのなさや温かみを求めるならK374。

MDR-XB41EX
HA-FX3Xはドンシャリ、MDR-XB41EXは低音より。低域はMDR-XB41EXの方が若干量が多い。HA-FX3Xの方が若干圧力がある感じ、MDR-XB41EXの方が柔らかくぼやけた質。重心の低さはほぼ同レベル。中低域はMDR-XB41EXの方がしっかり出る。中域はHA-FX3Xの方が明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。中高域はHA-FX3Xの方がしっかり出る。高域はHA-FX3Xの方がやや量が多い。硬く明るい質で目立つ。分解能はHA-FX3Xの方がやや上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ若干勝っている。音場感はHA-FX3Xの方がやや広く明確。MDR-XB41EXの方が近くで音を鳴らす感じで頭内定位が気になりやすい。原音忠実性は微妙。周波数特性上の癖のなさはMDR-XB41EXの方が若干上。原音の粗や生っぽさはHA-FX3Xの方が感じられる。エッジはHA-FX3Xの方がきつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろHA-FX3Xの方がやや痛い。明瞭さ、音の鮮やかさはHA-FX3Xの方が上。厚みはほぼ同レベル。温かみはMDR-XB41EXの方がやや感じられる。ヴォーカルの艶っぽさは微妙。HA-FX3Xの方が擦れやリップノイズを出してくれる、MDR-XB41EXの方がスモーキー。HA-FX3Xの方が女性ヴォーカル向き、MDR-XB41EXの方が男性ヴォーカル向き。HA-FX3Xの方が明るくノリが良い、MDR-XB41EXの方がどっしりとした安定感がある。HA-FX3Xの方が切れやメリハリがある。響きは、低域はMDR-XB41EXの方が豊か、高域はHA-FX3Xの方がやや豊か。MDR-XB41EXの方がこもり感が気になる。弦楽器は、HA-FX3Xの方が生楽器らしさが感じられる、MDR-XB41EXの方が滑らかで心地よい。ヴァイオリン等を澄んだ感じで聴きたいならHA-FX3Xの方が良いが、チェロやコントラバスを柔らかく鳴らして欲しいならMDR-XB41EXの方が良い。金管楽器はHA-FX3Xの方が鮮やかで、金属的な質感を出してくれる。打ち込み系の音の表現はHA-FX3Xの方がうまい。音の質感の相性や切れで勝っている。使い分けるなら、高域の量やメリハリを求めるならHA-FX3X、温かみや聴き疲れのなさを求めるならMDR-XB41EX。あるいは、低域の圧力を求めるならHA-FX3X、低域の量感を求めるならMDR-XB41EX。

サイン波応答


位相+高周波歪み


インパルス応答(CSD)


インパルス応答(録音波形)


100Hz・1kHz・10kHzサイン波の再生














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スペック

駆動方式 構造 周波数帯域 音圧感度 インピーダンス
ダイナミック - 5Hz〜25kHz 104dB -
重量 ドライバー直径 コードの長さ コードの出し方 備考
6.2g 10mm 1.2m 両出し(Y型) -

評点

音質 装着感 遮音性 音漏れ デザイン 携帯性 音の傾向 参考最安価格
3.5 4 4 4 4 5 低、高 3300円

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公開日:2012.3.12