iPod付属イヤホン

音質
 かなりフラットだが、低域も高域もあまり伸びない感じ。低域は質的にも量的にもごく普通に鳴らす。中域は低域に邪魔されず聴こえてくるし、変な癖もない。高域はあまり目立たないが、必要量は出る。
 分解能はいまいち。一つ一つの音の微細な描写に不満が残る。音場感は広さ・明確さいずれも普通からあまり良くないレベル。原音忠実性はそれなり。周波数特性上の癖のなさは良いのだが、原音の粗や生っぽさが感じられない。エッジはきつくなく聴きやすい。
 明瞭さ、音の鮮やかさはそれなり。厚みは普通。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはそれなり。ノリが良いわけでも繊細なわけでもない。ただ何となく鳴らしている感じで、どこか無味乾燥に感じる。響きは適度。
 弦楽器は繊細さや生楽器を鳴らしている感じが不足。金管楽器はそれなりに明るい感じは良いが、力強さには欠ける。打ち込み系の音の表現はもう少し元気の良さが欲しかったところ。
 バランスは悪くないし大きな欠点もないが、長所や魅力に欠ける機種。

装着感
 良好。一般的なインナーイヤーヘッドホンなので、装着しにくい等の問題はないし、長時間装着してもまったく疲れない。ずれやすさは普通のインナーイヤーヘッドホンなみで、コードを引っ掛けたりしない限り問題ないレベル。重い、コードが顔に当たりやすい等の不満もない。

その他
 遮音性は悪い。音漏れ防止は普通。
 作り、デザインともに安っぽいことを除けばこれといって特徴はない。2006年のモデルチェンジ後のiPodに付属しているもの。単品販売の型番はMA662G/A。
 プラグはミニプラグ。コードの太さは合流前は約1.5mm、合流後は約2mm、硬さは普通で特に扱いづらさは感じない。

付属品
無し



参考
メーカー製品ページ

比較メモ
iriverイヤホン
iPod付属イヤホンはかなりフラット、iriverイヤホンはやや低音より。低域はiriverイヤホンの方がしっかり低い音を鳴らしてくれるし、量も多い。中域はどちらも癖なくはっきり聴こえてくる。高域は質的にも量的にも多少近いものがあるが、iriverイヤホンの方が線が細く上まで伸びている感じ。分解能はiriverイヤホンの方がやや上。音場感はほぼ同レベル。原音忠実性はiriverイヤホンの方がやや上。iriverイヤホンの方がややエッジがきつく聴き疲れする。明瞭さはほぼ同レベル、音の鮮やかさはiriverイヤホンの方がやや上。厚み、温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはiriverイヤホンの方がやや上。どちらもノリが良いわけでも繊細なわけでもない感じだが、iriverイヤホンの方がやや生気が感じられる。響きはiriverイヤホンの方がやや豊か。弦楽器はiriverイヤホンの方が繊細かつ心地よい。金管楽器はiriverイヤホンの方がやや鮮やかで楽しめる。打ち込み系の音の表現はiriverイヤホンの方がややうまい。低域がしっかり出る点が良い。使い分けるなら、基本的にはiriverイヤホン、低域の量が少ない方が良い場合やよほど聴き疲れを避けたいときだけiPod付属イヤホン。

MD827FE/A
iPod付属イヤホンはかなりフラット、MD827FE/Aはややドンシャリ。低域はMD827FE/Aの方がやや量が多い。MD827FE/Aの方が厚みや量感のあるしっかりした質。iPod付属イヤホンの方がやや薄く曇ったような質。重心はMD827FE/Aの方がやや低い。中域は、iPod付属イヤホンの方が低域の量が少ない分はっきり聴こえてくるのに対して、MD827FE/Aの方が音色が明るい分はっきり聴こえてくる。高域はMD827FE/Aの方が若干量が多い。やや線が細く明るい質。分解能はMD827FE/Aの方がやや上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ若干勝っている。音場感はMD827FE/Aの方が若干広く明確。原音忠実性はMD827FE/Aの方が若干上。周波数特性上の癖のなさはほぼ同レベル。原音の粗や生っぽさはMD827FE/Aの方がやや感じられる。エッジはMD827FE/Aの方が若干きつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろMD827FE/Aの方がやや細く刺さる。明瞭さ、音の鮮やかさはMD827FE/Aの方がやや上。厚みはほぼ同レベル。温かみはほぼ同レベル、ヴォーカルの艶っぽさはMD827FE/Aの方がやや感じられる。ヴォーカルはMD827FE/Aの方が明るく透明感がある。MD827FE/Aの方がノリが良くかつ繊細。MD827FE/Aの方がややメリハリがある。iPod付属イヤホンの方がただ何となく鳴らしている感じ。響きはほぼ同レベル。弦楽器はMD827FE/Aの方が繊細で、生楽器らしさが感じられる。金管楽器はMD827FE/Aの方がやや鮮やか。打ち込み系の音の表現はMD827FE/Aの方がややうまい。音の質感の相性で勝っている。使い分けるなら、基本的にはMD827FE/A、MD827FE/Aでは低域の量が多すぎるとか聴き疲れしやすいという不満があるならiPod付属イヤホン。

MDR-E931LP
iPod付属イヤホンはフラット、MDR-E931LPはややドンシャリ。低域はMDR-E931LPの方がやや低い音で量も多い。中域はどちらも低域に邪魔されずはっきり聴こえてくるし、変な癖もない。高域は比較的似た鳴らし方だが、iPod付属イヤホンの方がやや明るい感じ。分解能、音場感、原音忠実性すべて大きな差はないがどちらかと言えばMDR-E931LPの方が上。エッジのきつさはほぼ同等。明瞭さ、音の鮮やかさ、厚みはほぼ互角。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはMDR-E931LPの方がやや上。MDR-E931LPの方がノリが良い。iPod付属イヤホンはただ何となく鳴らしている感じで、無味乾燥に感じる。響きはほぼ同等。弦楽器はMDR-E931LPの方が生楽器らしい質感が出る。金管楽器はほぼ互角。打ち込み系の音の表現はMDR-E931LPの方が元気があって良い。それなりに似た機種で、MDR-E931Pの方がやや優れているので、基本的にMDR-E931LPがあればiPod付属イヤホンは不要だろう。

MX500
iPod付属イヤホンはフラット、MX500はやや高音より。低域はiPod付属イヤホンの方が低い音で量も多い。中域はMX500の方がやや高い音で目立つ。高域はMX500の方が細く高い音を鳴らす。分解能はMX500の方がやや上。音場感はどちらもごく普通でほぼ互角。原音忠実性もほぼ同等。周波数特性の癖のなさではiPod付属イヤホンの方が上だが、原音の粗や生っぽさはMX500の方が感じられる。MX500の方がエッジがきつくやや聴き疲れする。明瞭さ、音の鮮やかさはMX500の方が上。厚みはiPod付属イヤホンの方がやや上。温かみはiPod付属イヤホンの方が感じられる。ヴォーカルの艶っぽさはほぼ互角。MX500の方が明るくメリハリのある感じ。響きはiPod付属イヤホンの方がやや豊か。弦楽器はiPod付属イヤホンの方が心地よいが、ヴァイオリン等の澄んだ感じを楽しみたいときはMX500の方が良い。金管楽器はMX500の方が高く鮮やか。打ち込み系の音の表現は低域が出る点ではiPod付属イヤホンの方が良いが、中域から高域の明るい表現はMX500の方が魅力的。使い分けるなら、低音が欲しいときはiPod付属イヤホン、低音は控え目でも良いときはMX500。

RSEP01
iPod付属イヤホンはかなりフラット、RSEP01はやや低音より。低域はRSEP01の方がかなりぼやけて量が多い。中域はiPod付属イヤホンの方が低域の曇りに覆われずはっきり聴こえてくる。高域はiPod付属イヤホンの方が高く明るい音で量も多い。分解能はiPod付属イヤホンの方が上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ差がある。音場感はRSEP01は癖があるので単純に比較はできないが、iPod付属イヤホンの方が明確で見晴らしが良い。原音忠実性はiPod付属イヤホンの方が上。一聴して違和感を感じにくいし、原音の粗や生っぽさが感じらる度合いでも勝っている。RSEP01の方がエッジがきつくなく聴き疲れしにくい。明瞭さ、音の鮮やかさはiPod付属イヤホンの方が上。厚みはほぼ同レベルだが、RSEP01の方がぼやけた音で厚みがあるように感じることがある。温かみは、低域の薄い曇りのおかげでRSEP01の方が上。ヴォーカルの艶っぽさは微妙。スモーキーな感じが良ければRSEP01の方が良いかもしれないが、表現力としてはiPod付属イヤホンの方が上。iPod付属イヤホンの方が明るく元気な感じ。響きはRSEP01の方が豊か。弦楽器は心地よさだけならRSEP01の方が良いと感じる面もあるが、普通に聴くならiPod付属イヤホンの方が生楽器らしさが感じられて良い。金管楽器はiPod付属イヤホンの方が明るく鮮やかで楽しめる。打ち込み系の音の表現はiPod付属イヤホンの方がうまい。音の質感の相性や明るい鳴らし方で勝っている。使い分けるなら、基本的にはiPod付属イヤホン、低域の量が欲しいときや聴き疲れを避けたいときはRSEP01。

SHE2630
どちらもかなりフラット。低域は質的にも量的にもそれなりに似ているが、SHE2630の方が若干柔らかく量が多い。中域はiPod付属イヤホンの方がやや高い音ではっきり聴こえてくるが、ソースによっては張り出すような癖が気になる。高域はiPod付属イヤホンの方が細く高い音で量も若干多い。この2機種を比べると、iPod付属イヤホンの方が高音よりと言える。分解能はほぼ同レベル。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ大差ない。音場感はSHE2630の方がやや広く前方定位する。iPod付属イヤホンの方が癖がない。原音忠実性はiPod付属イヤホンの方がやや上。一聴して違和感が小さい。原音の粗や生っぽさが感じられる度合いは大差ない。エッジのきつさや聴き疲れは微妙。高域にしろヴォーカルのサ行にしろiPod付属イヤホンの方が若干痛いが、それ以外の音はSHE2630の方がやや粗っぽい傾向。明瞭さ、音の鮮やかさはほぼ同レベル。厚みはSHE2630の方がややある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはほぼ同レベル。どちらも基本的にはニュートラルだが、SHE2630の方がややノリが良い。音の圧力があり、ダイナミックな鳴らし方。響きはほぼ同レベル。弦楽器はiPod付属イヤホンの方がやや癖が小さく安心して聴ける。繊細さや心地よさは大差ない。金管楽器はiPod付属イヤホンの方が高く綺麗、SHE2630の方が太く力強い。打ち込み系の音の表現はほぼ同レベル。音の質感の相性や切れはiPod付属イヤホンの方が若干上だが、SHE2630は音の厚みやダイナミックな鳴らし方で挽回する印象。あまり使い分けには向かないが、あえて使い分けるなら、癖のなさ重視ならiPod付属イヤホン、ノリの良さ重視ならSHE2630。

UHP301
iPod付属イヤホンはフラット、UHP301は低音よりのかまぼこ。低域はUHP301の方が若干量が多い。UHP301の方が詰まったような音でボスボスと鳴らす感じ。iPod付属イヤホンの方が自然。中域から中高域はUHP301の方がうわずったり張り出したりするような感じで悪い意味で目立つ。高域はiPod付属イヤホンの方が細く高い音で量も多い。分解能はiPod付属イヤホンの方が上。一つ一つの音の微細な描写に差がある。音場感は広さや明確さの違いよりも質の違いが大きい。iPod付属イヤホンの方が自然で、普通のイヤホンの音場。UHP301はやや前方に音が集まる感じの癖のある音場。原音忠実性はiPod付属イヤホンの方が上。UHP301の方が一聴して違和感がある。エッジはUHP301の方がきつく聴き疲れしやすい。ただし、ヴォーカルのサ行の音はiPod付属イヤホンの方が鋭い。明瞭さ、音の鮮やかさはiPod付属イヤホンの方がやや上。厚みはUHP301の方がやや上。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはiPod付属イヤホンの方が感じられる。iPod付属イヤホンの方が繊細。響きはiPod付属イヤホンの方が豊か。弦楽器はiPod付属イヤホンの方が繊細かつ心地よい。金管楽器はiPod付属イヤホンの方が高い音でかつ自然。打ち込み系の音の表現は低域の量や音の厚みという要素を見ればUHP301の方が良いのだが、あまりに変な音を鳴らすため普通はiPod付属イヤホンの方がうまいと感じるだろう。ほとんど何を聴くにしてもiPod付属イヤホンの方が良いだろう。UHP301はiPod付属イヤホンと比べると違和感がありすぎるし、聴き疲れも酷い。

サウンド-ヘッドホン-2
iPod付属イヤホンはフラット、サウンド-ヘッドホン-2はやや高音より。低域はiPod付属イヤホンの方が量が多いが、サウンド-ヘッドホン-2の方が存在感があるように感じることも多い。中域はサウンド-ヘッドホン-2の方が目立つ。低域に邪魔されない上、音そのものもやや高め。高域はサウンド-ヘッドホン-2の方が量が多く、明るい感じ。分解能はサウンド-ヘッドホン-2の方が良い。微細な描写に差がある。音場感はサウンド-ヘッドホン-2の方が広く音の広がりが感じられる。原音忠実性は、周波数特性の癖のなさではiPod付属イヤホンの方が上だが、原音の粗や生っぽさはサウンド-ヘッドホン-2の方が感じられる。サウンド-ヘッドホン-2の方がエッジがきつくやや聴き疲れする。明瞭さ、音の鮮やかさはサウンド-ヘッドホン-2の方がかなり上。厚みはほぼ互角。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはiPod付属イヤホンの方が感じられる。サウンド-ヘッドホン-2の方がかなりノリが良い。響きはiPod付属イヤホンの方がやや豊か。弦楽器はiPod付属イヤホンの方が安心して聴けるが、ヴァイオリン等の澄んだ感じを出したいならサウンド-ヘッドホン-2の方が良い。金管楽器はサウンド-ヘッドホン-2の方が鮮やかで良い。打ち込み系の音の表現は、低域の量が多く音に粗のないiPod付属イヤホンの方が無難な鳴らし方だが、サウンド-ヘッドホン-2の方がノリが良く楽しめる鳴らし方。使い分けるなら、地味で退屈でも癖がなく無難な鳴らし方を望むならiPod付属イヤホン、多少癖があっても明るく楽しめる鳴らし方を望むならサウンド-ヘッドホン-2。





※MA662G/Aは生産終了。後継機はMA662G/B。











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スペック

駆動方式 構造 周波数帯域 音圧感度 インピーダンス
ダイナミック - - - -
重量 ドライバー直径 コードの長さ コードの出し方 備考
5g - 1.1m 両出し(Y型) -

評点

音質 装着感 遮音性 音漏れ デザイン 携帯性 音の傾向 参考最安価格
2.5 5 2 3 4 5 2800円
※MA662G/Aは生産終了。後継機はMA662G/B。

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公開日:2007.7.8