HPS3000
音質
低音より。低域は厚みはそれなりだが、量がかなり出る。ソースによっては中域はかなり低域に埋もれる。高域は聴こえないことはないが、かなり控え目。
分解能、音場感はいまいちだが、価格なりではあるだろう。とにかく低域が邪魔をする感じ。原音忠実性は悪い。エッジはきつくないが、低域が強すぎて聴き疲れすることが多い。
明瞭さ、音の鮮やかさは悪い。厚みはそれなり。低域が強いため温かみはそれなりにあるように感じるが、それ以上のものはない。ヴォーカルの艶っぽさはいまいち。特に良いところがないという印象。低域が強いため、それなりにノリが良いように感じるが、軽快さやスピード感はなく、むしろ鈍重。響きはやや豊かで、こもり感がかなり気になるし、低域が強いソースでは振動や歪みが気になる。
弦楽器は繊細さが全く足りないし、曇りが気になる。金管楽器は鮮やかさが全く足りない。打ち込み系の音の表現はいまいち。低域は量だけで締まりがないし、中域から高域は鮮やかさが足りない。
装着感
普通。側圧は普通。ヘッドバンドはやや硬いが、それほど痛くはならない。かなりずれにくい。
イヤーパッドは耳を覆うサイズ、上下左右に角度調節ができる。材質はシワが気になる安っぽい人工皮革。
その他
遮音性は良好、音漏れ防止は密閉型にしてはやや悪い。
デザインは一見して悪くないが、近くで見ると非常に安っぽい。安価なのでいたしかたないところか。作りは価格なり。一応DJ用のようだが、スイーベル機構ではないし、折りたたみも片耳モニターもできない。音の傾向やデザインはともかく、構造的には普通の音楽鑑賞用ヘッドホン。
プラグは金メッキの標準プラグ。コードの太さは約3mm、硬くはないがやや癖が付きやすい。イヤーパッドのサイズは、外周104mm×88mm、内周56mm×42mm、深さ14mm。
付属品
無し
参考
メーカー製品ページ
周波数特性グラフ
比較メモ
AHP-505
どちらも低音よりだが、HPS3000の方がドンシャリ。低域はかなり鳴らし方が違うが、AHP-505は薄く曇っている感じ、HPS3000はぼわつき気味なものの薄くはない。高域はHPS3000の方が一段高く量も多い。分解能、音場感、原音忠実性すべてHPS3000の方が上。どちらもそれほどエッジはきつくないが、どちらかと言えばHPS3000の方がきつい。ただし、AHP-505はエッジはきつくないのだが曇りで疲れる。明瞭さ、音の鮮やかさ、厚み、温かみ、ヴォーカルの艶っぽさすべてHPS3000の方が上。HPS3000の方がノリが良くしかも繊細。響きはどちらも適度。最大の違いはこもり感や曇り。AHP-505はそのせいで聴けたものではない。その上、HPS3000の方がスピード感がある。弦楽器、金管楽器、打ち込み系の音の表現すべてHPS3000の方がうまい。得意分野はAHP-505はロック、HPS3000はポップス。ほとんど何を聴くにしてもHPS3000の方が良いように感じる。
ATH-T44
ATH-T44はドンシャリ、HPS3000は低音より。低域は量ほぼ同量だが、厚みはHPS3000の方がある。高域は量はATH-T44の方がやや出るが、HPS3000の方がやや高い音を鳴らす。してみると、HPS3000もそれほど低音よりではないのかもしれない。分解能、原音忠実性はHPS3000の方がやや上。音場感はATH-T44の方がやや上。ATH-T44の方がエッジがきつく聴き疲れする。明瞭さ、音の鮮やかさ、厚みはHPS3000の方が上。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはほぼ互角。HPS3000の方が繊細。ATH-T44の方が勢いがあり、バランス無視のドンシャリ加減がマッチするソースも、ポップスやロックには多い。無難さを求めるならHPS3000だろう。響きはどちらも適度。ATH-T44の方が曇りやこもり感が気になる。弦楽器、金管楽器はHPS3000の方がややうまい。打ち込み系の音の表現はATH-T44の方がうまいようにも感じるが、曇った感じとこもり感が致命的。得意分野はATH-T44がロック、HPS3000はポップス。ほとんど何を聴くにしてもHPS3000の方が良いように感じるが、曇りが気にならない人はポップスやロックはATH-T44、クラシックやジャズはHPS3000と使い分けはできるかもしれない。ただし、どちらもクラシックには向かない機種であることは確か。
EH-95
EH-95はややかまぼこ、HPS3000は低音より。低域はHPS3000の方が圧倒的に出る。高域は、量はほぼ同量なのだが、HPS3000の方がやや高い音を鳴らしてくれる。分解能、音場感、原音忠実性すべてHPS3000の方が上。どちらもそれほど聴き疲れしないが、どちらかと言えばHPS3000の方が疲れる。明瞭さ、音の鮮やかさ、厚み、温かみ、ヴォーカルの艶っぽさすべてHPS3000の方が上。HPS3000の方がノリが良くしかも繊細。弦楽器、金管楽器、打ち込み系の音の表現すべてHPS3000の方が上。得意分野はどちらもポップスだが、ほとんど何を聴くにしてもHPS3000の方が良い。
HN110
どちらも低音より。低域は、量はそれほど差はないのだが、HPS3000の方が低く厚みのある低域。中域はHN110が低域の曇りに覆われて聴こえてこないのに対して、HPS3000は低域に覆われたりはしないが、低域の豊かなソースでは量的に負ける。高域はHPS3000の方が硬く高くしっかり聴こえてくる。分解能、音場感、原音忠実性すべてHPS3000の方が上。HPS3000の方がエッジがきつく聴き疲れする。明瞭さ、音の鮮やかさ、厚み、温かみ、ヴォーカルの艶っぽさすべてHPS3000の方が上。ただし、塗りつぶしたような感触と薄い低域により、HN110の方がぬるい温かみはあるように感じられることもある。HPS3000の方がノリが良くかつ繊細。響きはHN110の方が豊か。弦楽器はHPS3000は一応聴けるレベルなのに対してHN110は聴けないレベル。繊細さがまったく足りない。金管楽器はHPS3000の方が鮮やか。打ち込み系の音の表現もHPS3000の方がうまい。ほとんど何を聴くにしてもHPS3000の方が良いように感じる。
HN-505
どちらも低音よりだが、HPS3000の方が低域が若干弱い上、高域も聴こえる。HN-505は低域の量が凄いだけで、中域〜高域はまったく聴こえてこない。分解能、音場感、原音忠実性すべてHPS3000の方が上。どちらもそれほど聴き疲れしないが、HPS3000の方がややエッジがきつく高域も出るのでやや疲れる。明瞭さ、音の鮮やかさはHPS3000の方が圧倒的に上。温かみはほぼ互角だが、ヴォーカルの艶っぽさはHPS3000の方がかなり上。ノリの良さにしろ繊細さにしろHPS3000の方が上。響きはどちらも適度。HN-505はとにかく曇っている。弦楽器、金管楽器、打ち込み系の音の表現すべてHPS3000の方がうまい。得意分野はどちらもポップス。ほとんど何を聴くにしてもHPS3000の方が良いと思われる。
HP-D7
どちらもやや低音より。低域はHPS3000の方が若干強く、高域はHP-D7の方が強い。分解能、原音忠実性はHP-D7の方が上。音場感はほぼ互角。どちらもエッジはきつくなく聴き疲れしない。明瞭さ、音の鮮やかさ、温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはHP-D7の方が上。ノリの良さならHPS3000、繊細さならHP-D7。響きはどちらも適度。弦楽器はどちらもあまりうまくない。金管楽器はHP-D7の方が鮮やか。打ち込み系の音の表現はどちらもそれなりにうまいが、どちらかと言えばHP-D7の方が良い。得意分野はどちらもポップス。ほとんど何を聴くにしてもHP-D7の方が良いような気がするが、ややウォームな部分があるので、ロック等で低音をきかせたい場合などはHPS3000の方が良いかもしれない。
HPS5000
HPS3000はやや低音より、HPS5000はドンシャリ。低域はHPS3000の方がかなり量があるが、厚みはほぼ互角かHPS5000の方がある。HPS5000の方がロック向きの、締まった良質な低音。高域はHPS5000の方がやや強い。分解能、原音忠実性はHPS5000の方がやや上。音場感はほぼ互角。HPS5000の方がエッジがきつく聴き疲れするが、ヴォーカルのサ行の音等はHPS3000の方が痛く感じる。明瞭さ、音の鮮やかさはHPS5000の方が上。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはほぼ互角だが、温かみはHPS3000、ヴォーカルの艶っぽさはHPS5000の方が若干良いようだ。どちらもノリが良いが、HPS5000は低音が不足に感じられるかもしれない。HPS5000はその構造上、頭の幅によって低音の量の感じ方にかなり個人差が出るため一概には言えないが。響きはHPS3000の方がやや豊か。弦楽器、金管楽器、打ち込み系の音の表現すべてHPS5000の方がややうまいように感じる。得意分野はどちらもポップス。使い分け以前の問題として、HPS5000はかなり装着感が悪いため使用不能な可能性が高い。もし装着感が同レベルだと仮定して使い分けするなら、低音の量が欲しいときはHPS3000、それ以外はHPS5000。
HP-X122
HPS3000は低音よりHP-X122はドンシャリ。低音はHPS3000の方が全体的に出るし、高音はHP-X122の方が出る。分解能、音場感、原音忠実性はすべてほぼ互角。HP-X122の方がややエッジがきつく聴き疲れする。明瞭さ、音の鮮やかさはHP-X122の方が上。厚み、密度、情報量、温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはほぼ互角。どちらも基本的にはノリが良いが、HP-X122の方が全音域聴こえてくること、スピード感があることから、よりノリが良いように感じる。響きはHPS3000の方がやや豊か。弦楽器、金管楽器、打ち込み系の音の表現いずれもHP-X122の方がややうまい。得意分野はどちらもポップス。ほとんど何を聴くにしてもHP-X122の方が楽しめる。HPS3000の方が低音よりなこともあり、ややおとなしい印象。
サイン波応答
位相+高周波歪み
インパルス応答(CSD)
インパルス応答(録音波形)
100Hz・1kHz・10kHzサイン波の再生
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スペック
駆動方式 | 構造 | 周波数帯域 | 音圧感度 | インピーダンス |
ダイナミック | 密閉型 | 20Hz〜20kHz | 110dB | 64Ω |
重量 | ドライバー直径 | コードの長さ | コードの出し方 | 備考 |
280g | 40mm | 2m | 片出し | - |
評点
音質 | 装着感 | 遮音性 | 音漏れ | デザイン | 携帯性 | 音の傾向 | 参考最安価格 |
2 | 3 | 4 | 3 | 3 | 1 | 低 | 3800円 |
公開日:2005.5.6