SRH1840

音質
 かなりフラット。低域は中域とほぼ同量。あまり癖はないが、どちらかと言うと薄く曇ったような質。重心の低さは普通。中域は低域に邪魔されず普通に聴こえてくるし、変な癖もない。音色は明るくも暗くもない。高域は中域とほぼ同量。あまり癖のない質。粗は気にならない。
 分解能はかなり良い。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ十分なものを持っている。音の分離よりは一つ一つの音の微細な描写の方が良い。音の分離はくっきりはっきり分離するタイプではなく、自然な分離感。一つ一つの音の微細な描写は粗なく丁寧にこなしてくれる。音場感はなかなか広く明確。音が近すぎたり遠すぎたりせず癖がなく把握しやすいし、奥行きも感じられる。原音忠実性はかなり良い。周波数特性上の癖が小さく、一聴して違和感がない。原音の粗や生っぽさはそれなりに感じられる。エッジはあまりきつくなく、それほど聴き疲れしない。高域にしろヴォーカルのサ行にしろあまり痛くない。
 明瞭さ、音の鮮やかさはそれなりと評価すべきかなかなか良いと評価すべきか迷うところ。厚みは普通。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはなかなか良い。ヴォーカルは癖がなくソースを選ばないが、芯が通っていると言うよりは透明感がある。ノリの良さと繊細さをある程度両立している。切れやスピード感、低域に基づく迫力や力強さ、いずれも悪くない。適度に肩の力が抜けているような印象。響きは適度からやや豊かで、質的な意味も含めて響きを楽しむのに比較的向いている。響きが消える様子を丁寧に表現してくれる。
 弦楽器は繊細かつ心地よいし、音色も自然。チェロやコントラバスを滑らかに鳴らして欲しい場合にもヴァイオリン等を澄んだ感じで聴きたい場合にも同じくらい向いている。金管楽器は弦楽器同様癖がない。それなりに鮮やかで金属的な質感も出してくれる。打ち込み系の音の表現はそれなり。音の質感の相性にしろ切れにしろ普通。
 癖が小さく完成度の高い機種。音楽を楽しむという面から考えてもなかなかのもので、特にヴォーカルものや響きを大切にしたい曲に向いている。

装着感
 良好。側圧は普通で、特にずれやすくはない。ヘッドバンドのクッションはしっかり入っているが、二股になっていて接触面積が小さいため、長時間使用すると頭頂部にやや負担がかかる印象。ヘッドバンドの長さ調節の目盛がないため左右同じ長さに揃えるのが面倒と言えば面倒。
 イヤーパッドは耳を覆うサイズ、左右方向の角度調節ができないが装着感にはあまり影響ない。材質は心地よい布製。
 ヘッドバンドが短いため頭の大きい人は装着できない可能性が高い。

その他
 遮音性及び音漏れ防止は悪い。普通の開放型レベル。
 作りはなかなか良い。デザインはあまり癖がなく良い。ヘッドホン本体側でもコードの着脱が可能。
 プラグは金メッキのミニプラグ。コードの太さは合流前は約3mm、合流後は幅約5.5mm・厚さ約3mm、硬さは普通からやや硬めで特に扱いづらくはない。イヤーパッドのサイズは、外周116mm×94mm、内周64mm×40mm、深さ20mm。

付属品
ミニ→標準変換プラグ
2.1m交換用コード
収納ケース
交換用イヤーパッド



参考
メーカー製品ページ
代理店製品ページ

周波数特性グラフ


比較メモ
DT860
DT860はややドンシャリ、SRH1840はかなりフラット。低域はDT860の方が若干量が多い。DT860の方が締まりや制動が感じられる。SRH1840の方が薄く曇ったような質。重心はDT860の方がやや低い。中域はDT860の方がやや明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域はDT860の方が若干量が多い。明るい質で目立つ。SRH1840の方が粗がない。分解能はSRH1840の方がやや上。音の分離は大差ない。一つ一つの音の微細な描写はSRH1840の方が粗なく丁寧にこなしてくれる。音場感はSRH1840の方がやや広く明確。DT860の方が近くで音を鳴らす感じが気になる。原音忠実性はSRH1840の方がやや上。周波数特性上の癖のなさで勝っているし、一聴して違和感がない。原音の粗や生っぽさはDT860の方がやや感じられる。エッジはDT860の方がきつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろDT860の方がやや痛い。明瞭さ、音の鮮やかさはDT860の方がやや上。厚みはDT860の方がややある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはSRH1840の方が感じられる。ヴォーカルは、DT860の方が擦れやリップノイズを出してくれる、SRH1840の方が透明感がある。DT860の方が明るくノリが良い。切れやメリハリがある。響きはSRH1840の方が若干豊か。弦楽器は、DT860の方が生楽器らしさが感じられる、SRH1840の方が滑らかで心地よい。金管楽器は、DT860の方がやや鮮やかかつ力強い、SRH1840の方が癖がない。打ち込み系の音の表現はDT860の方がややうまい。音の質感の相性や切れで勝っている。使い分けるなら、音の鮮やかさやメリハリを求めるならDT860、癖のなさや聴き疲れのなさを求めるならSRH1840。

FA-002
どちらもかなりフラット。低域はほぼ同量だが、どちらかと言うとSRH1840の方が多い。FA-002の方が個性的な質。重心はSRH1840の方が若干低い。中低域はFA-002の方がしっかり出る。中域はSRH1840の方がやや明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。ソースによってはFA-002の方が不要な芯が通っている感じが気になることがある。高域はほぼ同量。FA-002の方がややざらつく感じ。SRH1840の方が癖がない。分解能はSRH1840の方がやや上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ若干勝っている。音場感はSRH1840の方が若干広く明確。原音忠実性はSRH1840の方がやや上。一聴して違和感がない。原音の粗や生っぽさはSRH1840の方が若干感じられる。エッジはFA-002の方が若干きつく、聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろFA-002の方が若干痛い。明瞭さ、音の鮮やかさはSRH1840の方がやや上。厚みはSRH1840の方が若干ある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはSRH1840の方がやや感じられる。ヴォーカルはSRH1840の方が透明感がある。ノリの良さは微妙。FA-002の方が若干スピード感がある、SRH1840の方が若干音色が明るい。響きはほぼ同レベル。FA-002の方が地味で無機質。弦楽器はSRH1840の方が繊細かつ心地よいし、音色も自然。金管楽器はSRH1840の方が若干鮮やか。打ち込み系の音の表現は微妙。音の質感の相性はFA-002の方が若干良い印象だが、地味さや低域の質が合わないように感じられることがある。使い分けるなら、基本的にはSRH1840、SRH1840では芯が足りないとか質感が合わないという不満があるならFA-002。

HD650
HD650はやや低音より、SRH1840はかなりフラット。低域はHD650の方が若干量が多い。SRH1840の方が若干締まりや制動が感じられる。重心はHD650の方がやや低い。中域はSRH1840の方がやや明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域はSRH1840の方が若干量が多い。若干線が細く明るい質。分解能は大差ないが、どちらかと言うとSRH1840の方が上。音の分離はSRH1840の方が若干上。一つ一つの音の微細な描写はSRH1840の方が若干良いように感じられることもあるが、HD650の方が粗なく丁寧にこなしてくれる。音場感は、HD650の方が若干広い、SRH1840の方が若干明確。HD650の方がやや広がりが感じられる。SRH1840の方がやや見晴らしが良い。原音忠実性はSRH1840の方が若干上。周波数特性上の癖のなさで若干勝っている。原音の粗や生っぽさはSRH1840の方が若干感じられる。エッジはSRH1840の方が若干きつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろ大差ない痛さだが、どちらかと言うとSRH1840の方が痛い。明瞭さ、音の鮮やかさはSRH1840の方が若干上。厚みはHD650の方がややある。温かみはHD650の方が感じられる。ヴォーカルの艶っぽさはHD650の方が若干感じられる。HD650の方がややスモーキー、SRH1840の方がやや明るく硬質。SRH1840の方がやや明るくノリが良い、HD650の方がややどっしりとした安定感がある。SRH1840の方が切れやスピード感がある。HD650の方が低域に基づく迫力や力強さがある。響きはHD650の方が若干豊か。弦楽器は、HD650の方がやや心地よい、SRH1840の方がやや繊細。チェロやコントラバスを濃厚に鳴らして欲しいならHD650の方がやや良いが、ヴァイオリン等を澄んだ感じで聴きたいならSRH1840の方がやや良い。金管楽器はSRH1840の方が若干細く鮮やか。打ち込み系の音の表現はSRH1840の方が若干うまい。音の質感の相性や切れで若干勝っている。使い分けるなら、低域の量や粗のなさを求めるならHD650、明瞭さや切れを求めるならSRH1840。

HD800
どちらもかなりフラット。低域はほぼ同量だが、どちらかと言うとSRH1840の方が多い。HD800の方が締まりや制動が感じられる。SRH1840の方が薄く曇ったような質。重心はHD800の方が若干低い。中域は微妙。どちらかと言うとHD800の方が低域に邪魔されずはっきり聴こえてくることが多い。質的には、HD800の方が若干硬く芯が通っているような印象、SRH1840の方が若干音色が明るい印象。聴こえやすさは別にしてHD800の方が引っ込んでいるように感じられることがある。高域はHD800の方が若干量が多い。やや硬く明るい質で目立つ。分解能はHD800の方がやや上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ若干勝っている。音場感はHD800の方がやや広く明確。原音忠実性は微妙。周波数特性上の癖のなさはSRH1840の方が若干上。原音の粗や生っぽさはHD800の方が若干感じられる。エッジはHD800の方が若干きつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろHD800の方が若干痛い。明瞭さ、音の鮮やかさはHD800の方がやや上。厚みはHD800の方が若干ある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはSRH1840の方がやや感じられる。ヴォーカルは、HD800の方がやや硬い、SRH1840の方が透明感がある。HD800の方が明るくノリが良い。HD800の方が切れやスピード感がある。SRH1840の方が適度に肩の力が抜けているような印象。響きはSRH1840の方がやや豊か。弦楽器は、HD800の方が若干生楽器らしさが感じられる、SRH1840の方が若干心地よい。金管楽器はHD800の方がやや鮮やかで、金属的な質感を出してくれる。打ち込み系の音の表現はHD800の方がややうまい。音の質感の相性や切れで勝っている。使い分けるなら、音場の広さや切れを求めるならHD800、癖のなさや響きを求めるならSRH1840。

K701
どちらもかなりフラット。低域はほぼ同量。SRH1840の方が若干薄く曇ったような質。重心の低さはほぼ同レベル。中域は微妙。どちらかと言うと、K701の方が低域の曇りがない分はっきり聴こえてくるのに対して、SRH1840の方が若干音色が明るい分はっきり聴こえてくる。中高域はSRH1840の方が若干しっかり出る。高域はほぼ同量。SRH1840の方が若干線の細い質。分解能はSRH1840の方が若干上。音の分離はほぼ同レベル、一つ一つの音の微細な描写はSRH1840の方が若干上。音場感は、K701の方が若干広い、明確さはほぼ同レベル。SRH1840の方が近くで音を鳴らす感じ。原音忠実性はSRH1840の方が若干上。周波数特性上の癖のなさはSRH1840の方が若干上。原音の粗や生っぽさはSRH1840の方が若干感じられる。エッジのきつさや聴き疲れは微妙。ソースによって簡単に逆転する印象。高域はSRH1840の方が若干細く刺さる、ヴォーカルのサ行はK701の方が若干粗っぽく痛い。明瞭さはほぼ同レベル、音の鮮やかさはSRH1840の方が若干上。厚みはK701の方が若干ある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはSRH1840の方が若干感じられる。ヴォーカルはSRH1840の方が若干透明感があり聴きやすい。ノリの良さは微妙。基本的には大差ないが、K701の方が芯が通っていてメリハリがある分ノリが良いように感じられることがある。響きはSRH1840の方が若干豊か。弦楽器は微妙。どちらかと言うと、K701の方が若干独特の滑らかさがあり上品、SRH1840の方が若干繊細。金管楽器は、K701の方が若干芯が通っている感じで力強い、SRH1840の方が若干細く鮮やか。打ち込み系の音の表現は微妙。音の質感の相性はSRH1840の方が若干上、切れはK701の方が若干上。あまり使い分けには向かないが、あえて使い分けるなら、音の遠さや芯の通っている感じを求めるならK701、音の近さや響きを求めるならSRH1840。

MDR-MA900
MDR-MA900はややドンシャリ、SRH1840はかなりフラット。低域はMDR-MA900の方が若干量が多い。MDR-MA900の方が若干柔らかい質で、しっかりした量感がある。重心はMDR-MA900の方が若干低い。中域はSRH1840の方がやや明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。MDR-MA900の方が引っ込んでいるように感じられることがある。中高域はSRH1840の方がしっかり出る。高域はMDR-MA900の方が若干量が多い。SRH1840の方が若干線が細く粗がない。分解能はSRH1840の方がやや上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ若干勝っている。特に一つ一つの音の微細な描写はSRH1840の方が粗なく丁寧にこなしてくれる。音場感はSRH1840の方がやや広く明確。原音忠実性はSRH1840の方がやや上。周波数特性上の癖のなさで勝っている。原音の粗や生っぽさが感じられる度合いは大差ない。エッジはMDR-MA900の方が若干きつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろMDR-MA900の方が若干痛い。明瞭さ、音の鮮やかさはほぼ同レベル。厚みはほぼ同レベル。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはSRH1840の方がやや感じられる。ヴォーカルは、MDR-MA900の方が若干擦れやリップノイズを出してくれる、SRH1840の方が癖がなくソースを選ばない。MDR-MA900の方が若干ノリが良い、SRH1840の方が繊細。響きはSRH1840の方が若干豊か。弦楽器はSRH1840の方がやや繊細かつ心地よいし、音色も自然。金管楽器は鮮やかさという意味では大差ない。SRH1840の方が癖がなく聴きやすい。打ち込み系の音の表現はMDR-MA900の方が若干うまい。音の質感の相性や切れで若干勝っている。使い分けるなら、基本的にはSRH1840、SRH1840では低域の量が足りないとかおとなしすぎるという不満があるならMDR-MA900。

T1
SRH1840はかなりフラット、T1はやや高音より。低域はほぼ同量だが、どちらかと言うとSRH1840の方が多い。T1の方が圧力のある質。SRH1840の方が若干薄く曇ったような質。重心はT1の方が若干低い。中域はT1の方が若干明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域はT1の方が若干量が多い。硬く鋭い質で目立つ。分解能はT1の方がやや上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ若干勝っている。ただし、一つ一つの音の微細な描写はSRH1840の方が粗なく丁寧にこなしてくれる面はある。音場感は、広さはほぼ同レベル、明確さはT1の方が若干上。T1の方がやや前方定位する感じ。原音忠実性は微妙。周波数特性上の癖のなさは大差ないが、どちらかと言うとSRH1840の方が勝っている。原音の粗や生っぽさはT1の方が若干感じられる。エッジはT1の方が若干きつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろT1の方が若干鋭く刺さる。明瞭さ、音の鮮やかさはT1の方がやや上。厚みはT1の方が若干ある。温かみはSRH1840の方がやや感じられる、ヴォーカルの艶っぽさは微妙。ヴォーカルは、SRH1840の方が若干聴きやすい、T1の方が若干擦れやリップノイズを出してくれる。T1の方が若干明るくノリが良い。切れやメリハリがある。響きはSRH1840の方がやや豊か。T1の方がドラムや破裂音が目立つ。ソースによってはT1の方がきつめでギスギスした印象を受けることがある。弦楽器は、SRH1840の方が若干滑らかで心地よい、T1の方が若干生楽器らしさが感じられる。金管楽器はT1の方が若干鮮やかで、金属的な質感を出してくれる。打ち込み系の音の表現はT1の方が若干うまい。音の質感の相性は大差ないが、切れで勝っている。使い分けるなら、聴きやすさや響きを求めるならSRH1840、メリハリや生楽器らしさを求めるならT1。

サイン波応答


位相+高周波歪み


インパルス応答(CSD)


インパルス応答(録音波形)


100Hz・1kHz・10kHzサイン波の再生


曲別HP探索2
第53回 white's dream/「鉄コン筋クリート オリジナル・サウンドトラック」より
第58回 濃/ゆず
第70回 Turn Off The Light/三浦大知
第82回 桜の栞/AKB48













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スペック

駆動方式 構造 周波数帯域 音圧感度 インピーダンス
ダイナミック 開放型 10Hz〜30kHz 96dB 65Ω
重量 ドライバー直径 コードの長さ コードの出し方 備考
268g 40mm 2.1m 両出し 収納ケース付属

評点

音質 装着感 遮音性 音漏れ デザイン 携帯性 音の傾向 参考最安価格
5 4 2 2 4 1 46000円

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公開日:2012.7.18