第82回 桜の栞/AKB48

 AKB48は日本の女性アイドルグループです。説明の必要はないでしょう。
 今回取り上げるのは2010年発表のシングル「桜の栞」です。アイドルソングと言うより、主に女性ヴォーカルとピアノで構成されているシンプルな合唱曲という印象です。実際、一部の音楽教科書に採用されていて、学校で歌われることも多いようです。
 「どういう風に聴きたいか」「どういう点を重視するか」については、「コーラスの透明感を重視した上で、繊細に、しみいるように」とのことです。あまり理屈で考えずフィーリングで探索したいと思います。


・1台目 UR/40(KOSS)
 フィーリングで選びました。声にあまり芯が通っていない感じで、音色も落ち着いていて、全体的に聴きやすい感じです。透明感や繊細さも悪くありませんが、それよりもしみいるような感じがしっかり出る印象です。
 他にはAPHN-AC30、ATH-TAD500、HI2050、PRO DJ100等で聴いてみました。APHN-AC30は悪くないのですが、UR/40と比べるとしみいるような感じが出ません。ATH-TAD500も悪くないのですが、声が全体的に若干明るめなせいか、UR/40と比べるとしみいるような感じが出ません。HI2050は繊細なことは繊細なのですが、擦れが目立ったりするせいかややギスギスした感じが気になります。PRO DJ100も繊細なことは繊細なのですが、密度が薄いようなスカスカした感じが気になります。
 不満点は、透明感や繊細さがもう少し欲しい点です。

・2台目 K612PRO(AKG)
 1台目の不満点を踏まえて選びました。この点についてはしっかり改善されます。1台目と比べると声が明るく、しみいるような感じより繊細さにバランスがよっている印象です。音場が広く頭内定位が気になりにくいという意味では1台目よりもかなり聴きやすいです。
 他にはES-HF300、HP-AURVN-LV、MDR-MA900、MUSIC SERIES ONE等で聴いてみました。ES-HF300は声が若干明るい感じで違和感があります。HP-AURVN-LVはなかなか良いのですが、1台目の不満点改善という意味ではK612PROの方が適していると思います。MDR-MA900はしみいるような感じがあまり出ません。MUSIC SERIES ONEは声が若干粗っぽい感じで違和感があります。
 不満点は特にありません。全体的に少しずつ改善できれば良いのではないかと思います。

・3台目 SRS-4040(STAX)
 フィーリングで選びました。透明感と繊細さは文句のつけようがありません。それでいて柔らかく聴きやすい点も魅力です。しみいるような感じが出るかは個人差がありそうですが、ここまでの透明感と繊細さがあるとそれだけで十分しみいるような感じが出るという気もします。2台目と比べると声の質感が独特ですが、その点さえ問題なければ3台目の方がかなり良いのではないかと思います。
 不満点は特にありません。次は色々聴いてみて選ぶしかないと思います。

・4台目 SRH1840(SHURE)
 色々聴いてみた結果これになりました。3台目よりは2台目に近い感じです。2台目と比べると若干細部の表現をこなしてくれます。癖が小さく不満も出にくいという意味でお薦めしやすい印象です。
 他にはATH-A2000X、K701、RS-1、T1等で聴いてみました。ATH-A2000Xは透明感や繊細さは良いのですが、声の音色に癖がありしみいるような感じが出ません。K701はなかなか良いのですが、2台目と大差ない印象なので外しました。RS-1は声が明るめなせいかしみいるような感じが出ません。T1は悪くないのですが、音が硬く締まりすぎているせいかややギスギスした感じが気になります。

・5台目 e-Q7(ortofon)
 フィーリングで選びました。透明感、繊細さ、しみいるような感じの合計点という見方をしてもこれが選ばれたような気もしますが、特に透明感が良いです。色々と聴いてみたのですが、ER-4Sはしみいるような感じがあまり出ない、GR8はなかなか良いもののe-Q7と比べるとやや透明感に欠ける、Image X10はしみいるような感じが出るもののe-Q7と比べると透明感や繊細さに欠ける等の不満がありました。
 他にはMA850G/AとXBA-1SLが良かったです。透明感、繊細さ、しみいるような感じの合計点がなかなか良いです。


 今回聴いたものは(選ばれなかったものも含め)どれもなかなか良かったように思います。ちょっとした好みの違いで違う結果になる可能性は十分あるでしょう。
 ヘッドホンアンプはhpa200b(ハイエンド仕様)が良いと思います。透明感や繊細さを出してくれます。
 今回の内容を参考に、好みに合わせて選んでください。


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