K612PRO

音質
 かなりフラット。低域は中域とほぼ同量。特に締まっているわけでもぼやけているわけでもないが、厳しく見るとやや薄く曇ったような質に感じられることはある。重心の低さは普通。中域は低域に邪魔されずはっきり聴こえてくるし、変な癖もない。高域は中域と同量から若干多め。やや線が細く粗がない。
 分解能は価格の割に良い。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ十分なものを持っている。音場感はなかなか広く明確。癖がなく把握しやすい。原音忠実性はかなり良い。周波数特性上の癖が小さく、一聴して違和感がない。原音の粗や生っぽさは必要量といった感じ。エッジはきつくなく聴きやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろあまり痛くない。
 明瞭さ、音の鮮やかさはなかなか良い。厚みは普通。温かみはそれなりと評価すべきかなかなか良いと評価すべきか迷うところ、ヴォーカルの艶っぽさはなかなか良い。ヴォーカルはどちらかと言うと透明感があり聴きやすい。男性ヴォーカルよりは女性ヴォーカルに向いている印象。繊細な傾向。低域に基づく迫力や力強さよりは切れやスピード感の方がある。響きは適度。
 弦楽器は繊細かつ心地よいし、音色も自然。金管楽器は細く綺麗な傾向。力強さには欠ける。打ち込み系の音の表現はいまいちと評価すべきかそれなりと評価すべきか迷うところ。音の質感の相性が若干不満で、線の細さが合わない面がある。
 上品で繊細な音を鳴らす機種。コストパフォーマンスはかなり良い。

装着感
 良好。側圧は普通で、特にずれやすくはない。フリーアジャストのヘッドバンドが頭頂部を圧迫するのがやや気になる。
 イヤーパッドは耳をすっぽり覆うサイズで、自由に角度調節ができる。材質は心地よい布製。
 ハウジングが大きく、やや視界に入る。

その他
 遮音性及び音漏れ防止は悪い。普通の開放型レベル。
 作りは価格の割にやや良い。デザインは地味めだが悪くはないだろう。音量が取りづらい。
 プラグは金メッキのミニプラグ。コードの太さは約3.5mm、柔らかく扱いやすい。イヤーパッドのサイズは、外周110mm×110mm、内周60mm×60mm、深さ20mm。

付属品
ミニ→標準変換プラグ



参考
メーカー製品ページ
代理店製品ページ

周波数特性グラフ


比較メモ
HD595
HD595はやや低音より、K612PROはかなりフラット。低域はHD595の方が若干量が多い。やや柔らかい質。重心の低さはほぼ同レベル。中域はK612PROの方がやや明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域はK612PROの方が若干量が多い。若干線の細い質で目立つ。分解能はK612PROの方がやや上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ若干勝っている。音場感はK612PROの方がやや広く明確。HD595の方が近くで音を鳴らす感じ。原音忠実性はK612PROの方が若干上。周波数特性上の癖のなさで若干勝っている。原音の粗や生っぽさはK612PROの方が若干感じられる。エッジはK612PROの方が若干きつく聴き疲れしやすい。高域はK612PROの方が若干細く刺さる、ヴォーカルのサ行は大差ない痛さ。明瞭さ、音の鮮やかさはK612PROの方が若干上。厚みはHD595の方が若干ある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはHD595の方がやや感じられる。ヴォーカルはHD595の方がややスモーキー。ノリの良さは微妙。K612PROの方がやや繊細。K612PROの方がやや切れがある。HD595の方が低域に基づく迫力や力強さがある。響きはHD595の方がやや豊か。弦楽器は、HD595の方がやや心地よい、K612PROの方がやや繊細。金管楽器は、HD595の方が若干太く力強い、K612PROの方が若干細く綺麗。打ち込み系の音の表現は微妙。音の質感の相性は大差ない。切れはK612PROの方が若干上だが、線の細さが合わない面がある。使い分けるなら、温かみや聴き疲れのなさを求めるならHD595、繊細さや明瞭さを求めるならK612PRO。

K240monitor
K240monitorはやや高音より、K612PROはかなりフラット。低域はK612PROの方が若干量が多い。K240monitorの方が薄く曇ったような質。重心はK612PROの方がやや低い。中域はK612PROの方がやや明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域はほぼ同量。K612PROの方がやや線の細い質。分解能はK612PROの方が上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろやや勝っている。音場感はK612PROの方がやや広く明確。K240monitorの方が近くで音を鳴らす感じ。原音忠実性はK612PROの方がやや上。周波数特性上の癖のなさで若干勝っている。原音の粗や生っぽさはK612PROの方が若干感じられる。エッジはK612PROの方が若干きつく聴き疲れしやすい。高域は大差ない痛さ、ヴォーカルのサ行はK612PROの方が若干痛い。明瞭さ、音の鮮やかさはK612PROの方がやや上。厚みはほぼ同レベル。温かみは薄く曇っている分K240monitorの方が感じられる面もあるが、人声や生楽器のリアルな温かみという意味ではK612PROの方が感じられる。ヴォーカルの艶っぽさはK612PROの方が若干感じられる。K240monitorの方がややスモーキー、K612PROの方が擦れやリップノイズを出してくれる。K612PROの方がノリが良くかつ繊細。メリハリがある。響きはK240monitorの方が若干豊か。弦楽器は、K240monitorの方が若干心地よい、K612PROの方が若干生楽器らしさが感じられる。金管楽器はK612PROの方が若干鮮やか。打ち込み系の音の表現はK612PROの方が若干うまい。音の質感の相性は大差ないが、切れで若干勝っている。使い分けるなら、音の近さや聴き疲れのなさを求めるならK240monitor、音の遠さやメリハリを求めるならK612PRO。

K701
どちらもかなりフラット。全体的に良く似た音。低域はK612PROの方が若干量が多い。K612PROの方が若干柔らかい質。重心はK612PROの方が若干低い。中域は微妙だが、どちらかと言うとK701の方が低域の量が少なく芯が通っている分はっきり聴こえてくる。高域はほぼ同量だが、どちらかと言うとK612PROの方が多い。K612PROの方が若干線の細い質。分解能は大差ないが、どちらかと言うとK701の方が上。音の分離はK701の方が若干上、一つ一つの音の微細な描写はほぼ同レベル。音場感はK701の方が若干広く明確。K612PROの方が近くで音を鳴らす感じ。原音忠実性は大差ないが、どちらかと言うとK701の方が上。周波数特性上の癖のなさは大差ない。原音の粗や生っぽさはK701の方が若干感じられる。エッジのきつさや聴き疲れはほぼ同レベル。高域にしろヴォーカルのサ行にしろ大差ない痛さ。明瞭さはK701の方が若干上、音の鮮やかさはほぼ同レベル。厚みはほぼ同レベル。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはK612PROの方が若干感じられる。ヴォーカルはK612PROの方が若干透明感があり聴きやすい。K701の方が若干ノリが良い。切れやメリハリがある。響きはK612PROの方が若干豊か。K701の方が全体的に芯が通っている印象。弦楽器は、K612PROの方が若干心地よい、K701の方が若干生楽器らしさが感じられる。金管楽器は、K612PROの方が若干細く綺麗、K701の方が若干太く力強い。打ち込み系の音の表現はK701の方が若干うまい。音の質感の相性は大差ないが、切れで若干勝っている。あまり使い分けには向かないが、あえて使い分けるなら、音の近さや響きを求めるならK612PRO、音の遠さや芯の通っている感じを求めるならK701。

T1
K612PROはかなりフラット、T1はやや高音より。低域はK612PROの方が若干量が多い。T1の方がやや締まりや制動が感じられる。重心の低さはほぼ同レベル。中域はT1の方が若干明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域はT1の方が若干量が多い。硬く鋭い質で目立つ。分解能はT1の方がやや上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ若干勝っている。音場感は、K612PROの方が若干広い、T1の方が若干明確。原音忠実性は微妙。周波数特性上の癖のなさはK612PROの方が若干上。原音の粗や生っぽさはT1の方がやや感じられる。エッジはT1の方がややきつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろT1の方が若干鋭く刺さる。明瞭さ、音の鮮やかさはT1の方がやや上。厚みはT1の方が若干ある。温かみはK612PROの方がやや感じられる、ヴォーカルの艶っぽさは微妙。ヴォーカルは、K612PROの方が若干スモーキー、T1の方が若干擦れやリップノイズを出してくれる。T1の方が若干ノリが良い。切れやスピード感がある。響きはK612PROの方がやや豊か。弦楽器は、K612PROの方がやや心地よい、T1の方がやや生楽器らしさが感じられる。金管楽器はT1の方がやや鮮やかで、金属的な質感を出してくれる。打ち込み系の音の表現はT1の方が若干うまい。音の質感の相性や切れで若干勝っている。使い分けるなら、温かみや聴き疲れのなさを求めるならK612PRO、切れや生楽器らしさを求めるならT1。

サイン波応答


位相+高周波歪み


インパルス応答(CSD)


インパルス応答(録音波形)


100Hz・1kHz・10kHzサイン波の再生


曲別HP探索2
第82回 桜の栞/AKB48
第91回 ヴァイオリン協奏曲/ブラームス













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スペック

駆動方式 構造 周波数帯域 音圧感度 インピーダンス
ダイナミック 開放型 12Hz〜39.5kHz 101dB 120Ω
重量 ドライバー直径 コードの長さ コードの出し方 備考
235g - 3m 片出し -

評点

音質 装着感 遮音性 音漏れ デザイン 携帯性 音の傾向 参考最安価格
4.5 4 2 2 4 1 13300円

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公開日:2014.12.13