第70回 Turn Off The Light/三浦大知

 三浦大知は歌手としてだけでなくダンサーや振付師としても活躍するアーティストです。
 今回取り上げるのは2011年発表のシングル「Turn Off The Light」です。ヴォーカルと打ち込みだけで構成されています。テンポは特に速くも遅くもなく、曲調としてはダンスミュージック的な面があります。
 「どういう風に聴きたいか」「どういう点を重視するか」については、「ボーカルが前面に出るものを探しています。重低音は好みではありません」とのことです。重低音が少なくヴォーカルが目立つもので、後はヴォーカルの質と曲のセンスが感じられることも加味して選びたいと思います。


・1台目 HD449(SENNHEISER)
 前述の条件を最も満たしているように感じたので選びました。重低音はそれほど出ませんし、ヴォーカルもしっかり聴こえてきます。ヴォーカル以外の音が目立ってそちらに意識が向いてしまうということもありません。ヴォーカル含め全体的に癖がなく聴きやすい点も魅力です。
 他にはATH-TAD500、CPH7000、HI2050、PRO DJ100等で聴いてみました。ATH-TAD500は悪くないのですが、若干曇ったような感じでヴォーカルが目立つと言うよりは伴奏に溶け込むような印象です。CPH7000は重低音が少なくヴォーカルが目立つという条件だけを見るならこれ以上ないほど満たしているのですが、ヴォーカルがキンキンする等あらゆる音に強い癖があって大抵の人は許容できないと思われます。HI2050はヴォーカル以外の音が目立ちすぎます。PRO DJ100はなかなか良いのですが、HD449と比べるとヴォーカル以外の音がやや目立ちますし、ヴォーカルの質も硬さが若干気になります。
 不満点は、ただ何となく鳴らしている感じで今回の曲のセンスがあまり感じられない点です。

・2台目 MDR-CD900ST(SONY)
 1台目の不満点を踏まえて選びました。この点についてはそれなりに改善されます。最初に書いた点についてもある程度満たしています。ヴォーカルに癖がない点も魅力です。
 他にはATH-SX1、HA-MX10-B、K240monitor、MUSIC SERIES ONE等で聴いてみました。ATH-SX1は最初に書いた条件については良いのですが、1台目の不満点は改善されません。HA-MX10-Bは1台目の不満点は改善されますが、ヴォーカルの質は硬さが若干気になります。K240monitorは悪くないのですが、ヴォーカルが目立つと言うよりは伴奏に溶け込むような印象です。MUSIC SERIES ONEは悪くないのですが、MDR-CD900STと比べるとヴォーカル以外の音がやや目立ちますし、ヴォーカルの質も若干癖があります。
 不満点は特にありません。全体的に少しずつ改善できれば良いのではないかと思います。

・3台目 SRH1840(SHURE)
 最初に書いた条件を最も満たしているように感じたので選びました。重低音はそれほど出ませんし、ヴォーカルもしっかり聴こえてきます。ヴォーカル含め全体的に癖がなく聴きやすい点も魅力です。それでいて1台目のような不満は感じません。2台目と比べると音場が広く遠くから音を鳴らすため音場的な意味ではヴォーカルが前に出てきませんが、音色的な意味では3台目の方がやや前に出てくる印象です。
 不満点は特にありません。次は色々聴いてみて選ぶしかないと思います。

・4台目 DT860(beyerdynamic)
 色々聴いてみた結果これになりました。3台目と比べるとヴォーカルの音色が明るいぶん前に出てくるような印象です。ノリが良い反面、癖のなさという意味では3台目には及びません。ヴォーカル以外の音がやや目立つ点も気になりますが、これは3台目と比べたらの話で、今回聴いた他の機種と比べると比較的問題ない方だと思います。
 他にはATH-A2000X、DT660 Edition 2007、HD595、SR-325i等で聴いてみました。ATH-A2000XとDT660 Edition 2007はやや癖が強く、ヴォーカル以外の音が目立つ点が気になります。HD595は悪くないのですが、ヴォーカルが目立つと言うよりは伴奏に溶け込むような印象です。SR-325iは1台目とは真逆のようなセンスに溢れる面は魅力的なのですが、ヴォーカル以外の音が目立ちますし、ヴォーカルの質も硬さが気になります。

・5台目 MDR-EX1000(SONY)
 最初に書いた条件を最も満たしているように感じたので選びました。重低音はそれほど出ませんし、ヴォーカルもしっかり聴こえてきます。ヴォーカル含め全体的に癖がなく聴きやすい点も魅力です。今回の曲のセンスもストレートに感じられる印象です。色々と聴いてみたのですが、ATH-CK100PROはヴォーカル以外の音がやや目立つ、ER-4Sは重低音が少なくヴォーカルが目立つという条件だけを見るなら非常に良いもののヴォーカルの質は硬さが気になる、SE535は若干曇ったような感じでヴォーカルが目立つと言うよりは伴奏に溶け込むような印象等の不満がありました。
 他にはMA850G/AとXBA-1SLが良かったです。どちらも最初に書いた条件をある程度満たしています。


 今回は主にヴォーカルにスポットを当てて探索しましたが、曲全体を見て考えていくともう少しドンシャリでノリの良いヘッドホンが選ばれる傾向になるのではないかと思います。
 ヘッドホンアンプはhpa200b(ハイエンド仕様)が良いと思います。重低音が目立たず、今回の曲のセンスも感じられる傾向です。
 今回の内容を参考に、好みに合わせて選んでください。


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