SE-F3
音質
高音よりのかまぼこ。耳のせサイズでしかも側圧が弱めなため、頭の幅や装着の仕方によってかなり低域の量が変わってくるが、基本的に必要量は出る。ただし、頭の幅が狭い人はかなり低域の抜けが良すぎるように感じると思われる。低域はローエンドがかなり不足に感じるし、厚みや量もそれほどない。その割には曇っているように感じるが、中域はしっかり聴こえてくる。高域は十分量出るし、それほどシャリつかない。
分解能、音場感ともにいまいちだが、価格の割に原音忠実。エッジは多少きつめかもしれないが、それほど聴き疲れしないレベル。サ行の音等はやや痛い。
明瞭さ、音の鮮やかさはなかなか良いが、密度が薄く粗があるように感じる。温かみやヴォーカルの艶っぽさはそれなり。最低限のノリの良さと繊細さは持ち合わせているし、癖がなくなかなかバランスが良い。響きはやや豊か。
弦楽器はやや粗が気になるし、チェロ等は低域が足りないが、価格を考えれば悪くない。比較的すっきりした鳴らし方。金管楽器はなかなか鮮やかだが力強さには欠ける。打ち込み系の音の表現はそれなりにうまいが、締まりのある低域や切れを求める人には向かない。
装着感
良好。側圧は非常に弱い。PX100やAU-618と比べても弱いように感じる。その分ずれやすいが、一応実用レベルではある。頭を激しく左右に振ったりするとずれるレベル。ヘッドバンドは剥き出しのプラスチックだが、長時間使用してもまったく痛くならない。
イヤーパッドは耳のせサイズ、角度調節はできないが、装着感にはそれほど影響ない。材質は普通のスポンジで、肌触りは悪くないし、蒸れない。
その他
遮音性及び音漏れ防止は悪い。
作りは安っぽいが価格なりのものではあるし、デザインはなかなか良い。
音質といい装着感といい、AU-618と良く似ている。
プラグは金メッキのミニプラグ。コードの太さは合流前は約1.5mm、合流後は幅約3.5mm・厚さ約1.5mm、硬さは普通で特に扱いづらさは感じない。イヤーパッドのサイズは、外周60mm×52mm。
付属品
ミニ→標準変換プラグ
1m延長コード
参考
メーカー製品ページ
周波数特性グラフ
比較メモ
AU-618
どちらもややかまぼこ。低域は抜けが良いせいかどちらもかなり迫力不足に感じるが、どちらかと言えばAU-618の方が出るようだ。高域も量はかなり近いが、SE-F3の方がやや高い音を鳴らす。分解能、原音忠実性はSE-F3の方がやや上。音場感はどちらもいまいちで、ほぼ互角。どちらもエッジはきつくなく聴き疲れしないが、どちらかと言えばSE-F3の方が疲れる。サ行の音等も痛い。明瞭さ、音の鮮やかさ、厚みすべてSE-F3の方がやや上。AU-618の方が密度が薄くスカスカに感じる。SE-F3の方がスピード感がある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさもSE-F3の方が上。SE-F3の方がノリが良くしかも繊細。響きはどちらも適度。弦楽器、金管楽器、打ち込み系の音の表現すべてSE-F3の方がややうまい。弦楽器はSE-F3の方が線が細く曇りがない。金管楽器はSE-F3の方が一段高く鮮やかで、価格のわりには安っぽさを感じさせない音。得意分野はどちらもポップス。ほとんど何を聴くにしてもSE-F3の方が良いと思われる。どちらもロックをノリ良く聴きたいならかなり合わないので要注意。
c-JAYS
c-JAYSは低音より、SE-F3はややかまぼこ。低域はc-JAYSの方がかなり量が多い。柔らかい質でかつ重心が低い。中域はSE-F3の方がやや高い音で、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。SE-F3はソースによってはうわずりが気になるが、c-JAYSはそんなことはない。高域はSE-F3の方がやや量が多い。明るい質で、粗がある。分解能はほぼ同レベルのように感じられるが、かなり違う音なので人によって評価が割れるかもしれない。音の分離はc-JAYSの方が若干良いが、低域の多いソースでは流石に厳しい。一つ一つの音の微細な描写はSE-F3の方が若干良いが、c-JAYSの方が粗なく丁寧にこなしてくれる。音場感はどちらも耳の近くで音を鳴らす点は共通しているが、SE-F3の方がやや遠く見晴らしが良い。c-JAYSの方がやや明確。原音忠実性は微妙。c-JAYSは低域の量が多すぎる点がマイナス、SE-F3は中域の癖がマイナス。どちらかと言うとc-JAYSの方が一聴して違和感が小さい。原音の粗や生っぽさはSE-F3の方が感じられる。エッジはSE-F3の方がきつく、中域のうわずりもあって聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろSE-F3の方がやや痛い。明瞭さ、音の鮮やかさはSE-F3の方が上。厚みはc-JAYSの方がある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはc-JAYSの方が感じられる。SE-F3の方が明るく爽やか。c-JAYSの方が濃密で安定感がある。響きは、低域はc-JAYSの方が豊か、高域はSE-F3の方がやや豊か。弦楽器はc-JAYSの方が繊細かつ心地よい。滑らかで粗がなく安心して聴ける。ただし、生楽器らしさが欲しいならSE-F3の方が良いし、ヴァイオリン等の澄んだ感じや瑞々しい感じが欲しい場合もSE-F3の方が良いことが多い。金管楽器はc-JAYSの方が太く安定感があり、SE-F3の方が明るく鮮やか。打ち込み系の音の表現はSE-F3の方がややうまい。音の質感の相性や明るさで勝っている。使い分けるなら、低域の量や温かみ重視ならc-JAYS、高域の量や明るさ重視ならSE-F3。
Form2
どちらもややかまぼこだが、Form2の方がやや低音より。低域は抜けが良いせいかどちらもやや迫力不足に感じるが、Form2の方が出る。高域はSE-F3の方がやや高い音を鳴らすし量も多い。分解能、原音忠実性はForm2の方がやや上。音場感はどちらもいまいちだが、Form2の方が立体感がある。どちらもエッジはきつくなく聴き疲れしないが、どちらかと言えばSE-F3の方が疲れる。サ行の音等も痛い。明瞭さ、音の鮮やかさはSE-F3の方がやや上。ただし、これはSE-F3の方が高音よりのためにそう感じる部分が大きいと思われる。厚みや密度はどちらかと言えばForm2の方が上。Form2の方が上品でおとなしい鳴り。SE-F3の方がスピード感がある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはいい勝負だが、若干Form2の方が上か。ノリの良さならSE-F3、繊細さならForm2。響きはSE-F3の方がやや豊か。Form2の方が音に粗がない。弦楽器は好みの差程度だろう。個人的にはForm2の方が好印象。金管楽器はSE-F3の方が一段高く鮮やかで、価格のわりには安っぽさを感じさせない音。打ち込み径の音はSE-F3の方がややうまい。使い分けるなら、クラシックやジャズはForm2、ポップスやロックはSE-F3。全体的に見て、価格ほどの差は感じない。どちらもロックをノリ良く聴きたいならかなり合わないので要注意。
HDS-701
どちらもかまぼこだが、低域・高域ともにHDS-701の方が若干強い。分解能、音場感、原音忠実性すべてHDS-701の方が若干上。HDS-701の方がエッジがきつくやや聴き疲れする。明瞭さ、音の鮮やかさはほぼ互角。厚み、密度はHDS-701の方がやや上。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはほぼ互角。響きはどちらもややあっさり。HDS-701の方が芯の通った圧力のある音。SE-F3の方が粗が気になる。弦楽器はHDS-701の方が繊細で且つ心地よい。金管楽器、打ち込み系の音の表現はほぼ互角。得意分野はどちらもポップス。使い分けは微妙だが、基本的にはHDS-701の方が良いだろう。
サウンド-ヘッドホンNo.1
SE-F3はややかまぼこ、サウンド-ヘッドホンNo.1はやや低音より。低域はサウンド-ヘッドホンNo.1の方がやや量が多い。それなりに似た質だが、サウンド-ヘッドホンNo.1の方がやや柔らかい。中域はSE-F3の方がやや高い音で、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。SE-F3はソースによってはうわずる点が気になることがあるが、それに対してサウンド-ヘッドホンNo.1は高い音ではないのだが張り出す点が気になることがある。高域はSE-F3の方がやや量が多く、細く明るい質で目立つ。分解能はSE-F3の方が上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろやや勝っている。音場感はSE-F3の方がやや広く明確。サウンド-ヘッドホンNo.1の方が頭内定位が気になりやすい。原音忠実性はSE-F3の方がやや上。一聴して違和感が小さいし、原音の粗や生っぽさが感じられる度合いでも勝っている。エッジはSE-F3の方がややきついが、サウンド-ヘッドホンNo.1は癖や頭内定位で疲れる面があるため、総合的な聴き疲れはソースや聴く人によって変わってくるだろう。高域にしろヴォーカルのサ行にしろSE-F3の方が痛い。明瞭さ、音の鮮やかさはSE-F3の方が上。厚みはほぼ同レベル。温かみは低域が出る分サウンド-ヘッドホンNo.1の方が感じられるが、その点を除けば同程度だろう。ヴォーカルの艶っぽさはSE-F3の方が上。SE-F3の方が明るく爽やかでノリが良い。響きは、低域はサウンド-ヘッドホンNo.1の方がやや豊か、高域はSE-F3の方がやや豊か。サウンド-ヘッドホンNo.1はどこか不安定な鳴らし方をするところがあるが、SE-F3はそういうことはない。弦楽器はSE-F3の方が繊細で生楽器らしさが感じられて良い。金管楽器はSE-F3の方が高く鮮やかで楽しめる。打ち込み系の音の表現はSE-F3の方がややうまい。音の質感の相性や切れでやや勝っている。使い分けるなら、基本的にはSE-F3、SE-F3ではエッジがきついとか低域の量が足りないという不満があるならサウンド-ヘッドホンNo.1。
サイン波応答
位相+高周波歪み
インパルス応答(CSD)
インパルス応答(録音波形)
100Hz・1kHz・10kHzサイン波の再生
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スペック
駆動方式 | 構造 | 周波数帯域 | 音圧感度 | インピーダンス |
ダイナミック | 開放型 | 20Hz〜20kHz | 104dB | 32Ω |
重量 | ドライバー直径 | コードの長さ | コードの出し方 | 備考 |
45g | 30mm | 1m | 両出し | 折りたたみ可能 |
評点
音質 | 装着感 | 遮音性 | 音漏れ | デザイン | 携帯性 | 音の傾向 | 参考最安価格 |
2.5 | 4 | 2 | 2 | 4 | 4 | 均(中、高) | 1400円 |
公開日:2005.7.16