NO.17100
音質
やや低音より。低域はローエンドはあまり出ないが、全体的な量はやや多め。ややぼやけていて歪みや癖が気になる。中域はやや低域の曇りに覆われるが、低域と比べれば癖がなく好印象。とは言え、ソースによっては中域から中高域にかけてやや太く芯が通っているような感じが気になる。高域は多少粗はあるものの、質的にも量的にも普通。
分解能、音場感、原音忠実性全ていまいちだが、価格の割には良い。音場は通常のヘッドホンと比べて下の方から音が鳴る癖が気になる。エッジはそれほどきつくないが、どこか粗があり不安定な鳴らし方で疲れる面がある。
明瞭さは低域の曇りのせいでいまいち、音の鮮やかさはそれなり。厚みはやや薄め。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはそれなり。どちらかと言えばノリが良い傾向だが、基本的にはただ何となく鳴らしているような印象。粗があるという意味で繊細さに欠ける。響きは適度。
弦楽器は粗や癖が気になって安心して聴けない。金管楽器はそれなりに太く鮮やか。打ち込み系の音の表現は悪くはないのだが、音の質感の相性や厚みがいまいち。
色々と不満はあるものの、価格が価格だけにコストパフォーマンスは良い。
装着感
普通。側圧は普通で、軽量なためずれにくい。ヘッドバンドは剥き出しのプラスチックだが、長時間使用してもまったく痛くならない。イヤーパッドだけでなくイヤーパッドを支えるアーム部までもが頭部に接触する点が負担に感じる(個人差はあると思われる)。少しゴテゴテしていてあまりフィットしない感じ。
イヤーパッドは耳のせサイズ、角度調節はできない。材質は普通のスポンジで、肌触りは悪くないし、蒸れない。
その他
遮音性及び音漏れ防止は悪い。密閉型か開放型か明記されていないが、外観や音漏れからセミオープンと考えて良いと思われる。
作りは安っぽいが、十分価格なりではあるだろう。デザインは独特の色が人を選ぶように感じる。パッケージにコードは右出しと書いてあるが、実際は左出し。スペックから予想されるより音量が取りづらい。また、100円ショップcan★DO以外では入手できないようだ。
プラグはL型ミニプラグ。コードの太さは約2.5mm、硬さは普通で特に扱いづらさは感じない。イヤーパッドのサイズは、外周54mm×54mm。
付属品
無し
参考
不定期コラム『第58回 追加測定ピックアップと注意点』
周波数特性グラフ
比較メモ
AU-618
AU-618はややかまぼこ、NO.17100はやや低音より。低域はNO.17100の方がやや量が多く、ぼやけていて歪みや癖が気になる。中域はAU-618の方が低域に邪魔されず、ややうわずり気味ではっきり聴こえてくる。高域は、量は大差ないがNO.17100の方がやや金属的で粗があり目立つ。分解能はほぼ同レベルだが、どちらかと言えばNO.17100の方が上。音場感はAU-618の方が広く明確で癖がない。NO.17100は通常のヘッドホンと比べて下の方から音が鳴る。原音忠実性は微妙。AU-618の方が癖がないが、NO.17100の方が原音の粗や生っぽさが多少感じられる。エッジはNO.17100の方がきつく聴き疲れしやすい。明瞭さはAU-618の方が上、音の鮮やかさはNO.17100の方がやや上。厚みはほぼ同レベル。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはNO.17100の方が感じられる。ヴォーカルはNO.17100の方が艶っぽいだけでなく、うわずったりしない点も良い。AU-618の方がおとなしく、粗がないぶん繊細。響きはNO.17100の方がやや豊か。弦楽器はAU-618の方が粗や癖がなく安心して聴けるが、NO.17100の方が生楽器らしさが感じられて良いこともある。金管楽器はNO.17100の方がやや鮮やか。打ち込み系の音の表現はほぼ同レベル。音の質感の相性は同レベル、低域の量感はNO.17100の方が上、切れはAU-618の方が上といった感じ。使い分けるなら、癖や聴き疲れを嫌うならAU-618、癖や聴き疲れがあっても良いから生楽器らしさやヴォーカルの艶っぽさが欲しいならNO.17100。
FH-40
どちらもやや低音より。比較的似た音。低域はFH-40の方がやや量が多く、重心が低く厚みもある。中域はNO.17100の方が癖がない。高域はNO.17100の方がやや細く高い音で、粗がない。分解能はNO.17100の方がやや上。一つ一つの音の微細な描写をより丁寧にこなしてくれる。音場感は広さはほぼ同レベル、NO.17100の方がやや明確。原音忠実性とエッジのきつさはほぼ同レベルだが、FH-40の方が中域がうわずったりする上、どこか粗があり不安定な鳴らし方で疲れる面がある。明瞭さ、音の鮮やかさ、厚み、温かみすべてほぼ同レベル。ヴォーカルの艶っぽさはNO.17100の方がやや上。うわずったりしない点も良い。NO.17100の方が粗がないという意味で繊細。ノリの良さという点は基本的に大差ないが、NO.17100の方が安定感がありしっかりと鳴らしてくれるぶん好印象。響きはほぼ同等。弦楽器はNO.17100の方が癖がなく安心して聴ける。金管楽器はある程度似ているが、NO.17100の方が変な癖や粗がなく普通に楽しめる。打ち込み系の音の表現はほぼ同レベル。低域の量感はFH-40の方が上、安定感はNO.17100の方が上。あまり使い分けには向かないが、あえて使い分けるなら低域が欲しいならFH-40、そうでないならNO.17100。
MUSIC SERIES ONE
MUSIC SERIES ONEは低音よりのドンシャリ、NO.17100はやや低音より。低域はMUSIC SERIES ONEの方がやや量が多く、重心が低く厚みもある。中域はMUSIC SERIES ONEの方が癖がない。NO.17100は、ソースによっては中域から中高域にかけてやや太く芯が通っているような感じが気になる。高域はそれなりに似た質だが、MUSIC SERIES ONEの方がやや量が多く粗がない。分解能はMUSIC SERIES ONEの方が上。一つ一つの音の微細な描写をより丁寧にこなしてくれる。音場感はMUSIC SERIES ONEの方が広く明確で癖がない。原音忠実性はMUSIC SERIES ONEの方が上。一聴して違和感が小さい。エッジはMUSIC SERIES ONEの方がややきついが、NO.17100はどこか粗があり不安定な鳴らし方で疲れる面があるため、総合的な聴き疲れはソースや聴く人によって変わってくるだろう。明瞭さ、音の鮮やかさ、厚み、温かみ、ヴォーカルの艶っぽさすべてMUSIC SERIES ONEの方がやや上。MUSIC SERIES ONEの方がノリが良くかつ繊細。響きはMUSIC SERIES ONEの方がやや豊か。弦楽器はMUSIC SERIES ONEの方が繊細かつ心地よい。金管楽器はそれなりに似ているが、MUSIC SERIES ONEの方が綺麗で粗がない。打ち込み系の音の表現はMUSIC SERIES ONEの方がうまい。低域の量感やダイナミックな鳴らし方で勝っている。ほとんど何を聴くにしてもMUSIC SERIES ONEの方が良いだろう。
PortaPro
NO.17100はやや低音より、PortaProは低音よりのドンシャリ。低域はPortaProの方が量が多いし、重心が低く厚みもある。存在感という意味ではかなり勝っている。中域は、NO.17100は低域の曇りにやや覆われる感じ、PortaProは低域の量に負ける感じ。低域の多いソースではNO.17100の方が低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。NO.17100の方が太く芯が通っているような印象。高域はPortaProの方がやや高く鋭い音で、量も多め。分解能はPortaProの方がやや上。一つ一つの音の微細な描写をより丁寧にこなしてくれる。音場感はPortaProの方が広く明確で癖がない。NO.17100は通常のヘッドホンと比べて下の方から音が鳴る。原音忠実性はPortaProの方がやや上。一聴して違和感が小さい。エッジはPortaProの方がややきついが、NO.17100はどこか粗があり不安定な鳴らし方で疲れる面があるため、総合的な聴き疲れはソースや聴く人によって変わってくるだろう。明瞭さはほぼ同レベル、音の鮮やかさはPortaProの方がやや上。厚みはPortaProの方がある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはPortaProの方が上。PortaProの方がかなりノリの良さや迫力が感じられるし、粗がないという意味で繊細。響きはPortaProの方が豊か。弦楽器はPortaProの方が繊細かつ心地よいし、癖がなく安心して聴ける。金管楽器はNO.17100の方が太く金属的。どちらが良いかは好みだろう。打ち込み系の音の表現はPortaProの方がうまい。低域の量感、音の厚み、ダイナミックな鳴らし方等で勝っている。使い分けるなら、基本的にはPortaPro、PortaProでは低音の量が多すぎる場合のみNO.17100。
サウンド-ヘッドホンNo.1
どちらもやや低音より。低域はほぼ同量だが、どちらかと言うとNO.17100の方が多い。NO.17100の方がやや柔らかく、サウンド-ヘッドホンNo.1の方がローエンドが出る。サウンド-ヘッドホンNo.1の方が癖がない。中域はどちらもやや張り出すような感じで目立つことがある点は似ているが、NO.17100の方がやや芯が通っていて高い音で目立つ。高域はNO.17100の方が若干量が多く、明るく金属的。分解能はNO.17100の方が若干上。音の分離は大差ないが、一つ一つの音の微細な描写で若干勝っている。音場感は広さ・明確さともにほぼ同レベル。原音忠実性はサウンド-ヘッドホンNo.1の方が若干上。どちらも一聴して違和感があるが、サウンド-ヘッドホンNo.1の方がやや違和感が小さい。原音の粗や生っぽさが感じられる度合いはほぼ同レベル。エッジはNO.17100の方がややきつく、聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろNO.17100の方がやや痛い。明瞭さはサウンド-ヘッドホンNo.1の方がやや上、音の鮮やかさはNO.17100の方がやや上。厚みはほぼ同レベル。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはNO.17100の方がやや上。どちらもノリが良いわけでも繊細なわけでもなく、ただ何となく鳴らしているような印象。響きはNO.17100の方がやや豊か。弦楽器はNO.17100の方が心地よいし、ヴァイオリン等を澄んだ感じで聴きたいときにも良い。金管楽器はNO.17100の方がやや鮮やかかつ力強い。打ち込み系の音の表現はサウンド-ヘッドホンNo.1の方がややうまい。切れで勝っている。使い分けるなら、温かみや高域の明るさ重視ならNO.17100、癖のなさや聴き疲れのなさ重視ならサウンド-ヘッドホンNo.1。
サイン波応答
位相+高周波歪み
インパルス応答(CSD)
インパルス応答(録音波形)
100Hz・1kHz・10kHzサイン波の再生
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スペック
駆動方式 | 構造 | 周波数帯域 | 音圧感度 | インピーダンス |
ダイナミック | - | 20Hz〜20kHz | 104dB | 32Ω |
重量 | ドライバー直径 | コードの長さ | コードの出し方 | 備考 |
45g | - | 1m | 片出し | - |
評点
音質 | 装着感 | 遮音性 | 音漏れ | デザイン | 携帯性 | 音の傾向 | 参考最安価格 |
2 | 3 | 2 | 2 | 2 | 3 | 均(低) | 100円 |
公開日:2008.11.14