MGD-01
音質
高音よりのかまぼこ。低域はばっさり鳴らない。中域は低域に邪魔されない上、やや高い音ではっきり聴こえてくる。高域はある程度の量はあるが、良く伸びているとは言い難い。
分解能は、変わった音を鳴らすので判断が難しいが、粗や余計な音を鳴らしているような感じを除けば、最低限ものはあるのだろう。音場感は悪い。頭内定位が非常に気になるし、狭くて分かりづらい。原音忠実性は非常に悪い。この点が最大の欠点。一聴して非常に違和感がある音で、普通のヘッドホンではちょっとありえないくらいのレベル。粗のある音をエコーがかかったような感じで鳴らす。エッジはややきつめで、少し音量を上げると振動がもろに肌に伝わるので疲れる(普通の聴き疲れとは違うのかもしれないが)。
明瞭さ、音の鮮やかさはなかなか良い。厚みは普通。温かみはまったく感じられない。ヴォーカルの艶っぽさは一応聴けるレベルではあるが、あまり良いとは言えない。ノリが良いわけでも繊細なわけでもなく、ただ何となく鳴らしている感じ。響きは、低域はあっさり、高域は豊か。
弦楽器は繊細さにしろ心地よさにしろまったく感じられない。金管楽器は原音とは違い粗もあるものの、ある程度鮮やかで一応聴ける。打ち込み系の音の表現は、硬くて冷たい音の質感は合うのだが、低域がばっさり鳴らない上に粗があるので、うまいとは言いがたい。
非常に変わった音を鳴らすため、普通の意味では常用に耐えないと思われる機種。
なお、本機は装着位置によって著しく音が変わる。上記の内容は、一般的な装着位置である比較的耳に近い場所に装着した場合のもの。耳から離れるに従って高域が出なくなるように感じる。
装着感
悪い。側圧はやや強め。ネックバンドなので頭頂部がフリーになるし、骨伝導式のため耳もフリーになる点は良い。ただ、肌に当たる部分(普通のヘッドホンならイヤーパッドの部分)があまり柔らかくない材質のため、比較的短時間で肌に当たる部分が痛くなる。アームの根元から耳に対して水平方向に角度を変えて装着位置を変えることができるが、普通の意味では上下・左右とも角度調節ができないため、合わない人には合わないだろう。重量は軽く、ずれにくい。
その他
遮音性は、物理的に耳の穴を塞がない構造なので皆無。音漏れ防止も悪い。開放型レベルと考えて良いだろう。
作りは価格の割にはやや安っぽい。デザインはなかなか良い部類に入るだろう。MGD-02、MGD-03は色違い。
プラグは金メッキのミニプラグ。コードの太さは約2.5mm、やや硬めだが扱いづらさはそれほど感じない。
付属品
0.7m延長コード
参考
メーカー製品ページ
周波数特性グラフ
※本機は骨伝導式のため周波数特性の測定はまともにできないが、測定結果が実聴と近い結果だったので一応掲載しておく。
比較メモ
HDS-701
どちらも高音よりのかまぼこ。低域はHDS-701の方が出る。中域はMGD-01の方が低域に邪魔されないし、うわずった音ではっきり聴こえてくる。高域はMGD-01の方が量が多く金属的だが、かなり粗があるように感じる。分解能はHDS-701の方が上。音場感はHDS-701の方が広く明確。原音忠実性はHDS-701の方がかなり上。HDS-701はMGD-01のように違和感や粗のある音でははない。エッジのきつさはほぼ互角だが、MGD-01の方が粗のある音を耳のすぐ近くで鳴らす感じで疲れる。明瞭さ、音の鮮やかさはMGD-01の方が上。厚みはMGD-01の方がある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはHDS-701の方が上。HDS-701の方がノリが良くかつ繊細。響きはMDG-01の方が豊か。弦楽器はHDS-701の方がうまい。MGD-01は繊細さや心地よさがまったく感じられない。金管楽器はHDS-701の方が金属的で鮮やかだが、粗や違和感が気になることにかわりはない。打ち込み系の音の表現は音の質感はMGD-01の方が合うが、低域がまったく出ないことと粗が気になるため、普通はHDS-701の方が良いだろう。使い分けるなら、基本的にはHDS-701、粗や違和感があっても良いから明るく鳴らして欲しいならMGD-01。
iGrado
iGradoは低音より、MGD-01は高音よりのかまぼこ。低域はiGradoの方が圧倒的に量が多いし、しっかりと低い音を鳴らしてくれる。中域はMGD-01の方が低域に邪魔されずにはっきり聴こえてくるし、音そのものもやや高め。高域はMGD-01の方が量が多く、質的にも高い音を鳴らす。分解能は、MGD-01があまりに変わった鳴らし方をするので判断が難しいが、基本的にはiGradoの方が上だと考えて良いだろう。音場感はiGradoの方が広く自然。MGD-01は非常に頭内定位が気になるし、狭くて分かりづらい。原音忠実性はiGradoの方が圧倒的に上。MGD-01は一聴して非常に違和感がある音で、普通のヘッドホンではちょっとありえないくらいのレベルだが、iGradoは一応普通に聴ける感じ。また、MGD-01は粗のある音をエコーのかかったような感じで鳴らすところも、違和感の原因だろう。MGD-01の方がエッジがきつい上に少し音量を上げると振動がもろに肌に伝わるので疲れる。明瞭さはMGD-01の方が良い。これは、MGD-01は低域がばっさり鳴らないため。鮮やかさもMGD-01の方が上。これはMGD-01の中高域から高域がiGradoに比べればしっかり量があるため。厚み、温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはiGradoの方が上。iGradoの方がノリが良くかつ繊細。響きは、低域はiGradoの方が豊か、高域はMGD-01の方が豊か。弦楽器はiGradoの方が圧倒的に心地よいし、MGD-01のような変な粗もない。金管楽器はMGD-01の方が明るくて量も多いが、とにかく粗と違和感があるので、普通に聴く分にはiGradoの方が良いだろう。打ち込み系の音の表現も同様で、低域が出ないことを除けば硬くて冷たい質感のMGD-01が合うようにも感じるが、粗と違和感のせいでとても聴けない音になる。使い分けるなら、基本的にはiGradoで、MGD-01の粗や違和感、低域が出ない点を気にせず金管楽器や打ち込み系の音を聴きたいときだけMGD-01。
MM-HP207
MGD-01は高音よりのかまぼこ、MM-HP207はややかまぼこ。低域はMM-HP207の方が出るが、これはMGD-01があまりに出ないと言うべきだろう。中域はMGD-01の方が曇りなくはっきり聴こえてくる。高域はMGD-01の方が明るく金属的。分解能は、MGD-01があまりに変わった音を鳴らすために判断が難しいが、音の分離はMGD-01の方が上、一つ一つの音の微細な描写はMM-HP207の方が上だろう。音場感はMM-HP207の方が広く明確。原音忠実性はMM-HP207の方が上。MGD-01はあまりに違和感がありすぎる。ただし、原音の粗や生っぽさはMGD-01の方が感じられる傾向。エッジはMGD-01の方がきつく、振動も発生するため聴き疲れしやすい。明瞭さ、音の鮮やかさはMGD-01の方が上。厚みはMGD-01の方がある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはMM-HP207の方が上。MM-HP207の方が粗がないという意味で繊細。響きは、低域はMM-HP207の方が豊か、高域はMGD-01の方が豊か。弦楽器はMM-HP207の方が繊細かつ心地よい。金管楽器はMGD-01の方が明るく楽しめるが、粗や違和感はある。打ち込み系の音の表現は、音の質感の相性はMGD-01の方が良いが、あまりに違和感のある音でしかも低域がまったくと言って良いほど鳴らないので、普通はMM-HP207の方が良いと感じるだろう。使い分けるなら、基本的にはMM-HP207、粗や違和感があっても良いから明るく鳴らして欲しいならMGD-01。
PMX60
MGD-01は高音よりのかまぼこ、PMX60はかなりフラット。低域はPMX60の方が出るが、これはMGD-01があまりに出ないと言うべきだろう。中域はMGD-01の方が曇りなくはっきり聴こえてくる。高域はMGD-01の方が明るく金属的。分解能は、MGD-01があまりに変わった音を鳴らすために判断が難しいが、音の分離はMGD-01の方が上、一つ一つの音の微細な描写はPMX60の方が上だろう。音場感はPMX60の方が広く明確。原音忠実性はPMX60の方が上。MGD-01はあまりに違和感がありすぎる。ただし、原音の粗や生っぽさはMGD-01の方が感じられる傾向。エッジはMGD-01の方がきつく、振動も発生するため聴き疲れしやすい。明瞭さ、音の鮮やかさはMGD-01の方が上。厚みはMGD-01の方がある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはPMX60の方が上。PMX60の方が粗がないという意味で繊細。響きは、低域はPMX60の方が豊か、高域はMGD-01の方が豊か。弦楽器はPMX60の方が繊細かつ心地よい。金管楽器はMGD-01の方が明るく楽しめるが、粗や違和感はある。打ち込み系の音の表現は、音の質感の相性はMGD-01の方が良いが、あまりに違和感のある音でしかも低域がまったくと言って良いほど鳴らないので、普通はPMX60の方が良いと感じるだろう。使い分けるなら、基本的にはPMX60、粗や違和感があっても良いから明るく鳴らして欲しいならMGD-01。
SE-E33
どちらもかまぼこ。低域はSE-E33の方が量が多いし、やや低い音を鳴らす。中域はMGD-01の方が低域に邪魔されない上やや高い音ではっきり聴こえてくる。高域はMGD-01の方が量が多く、高く金属的。分解能はMGD-01の方が上。SE-E33は音の分離が悪いし微細な表現もこなしてくれないが、MGD-01は粗があるものの一応鳴らそうとはしてくれる感じ。音場感はSE-E33の方が明確。原音忠実性はSE-E33の方が上。MGD-01はとにかく一聴して違和感があるのに対して、SE-E33は普通に聴ける。ただし、原音の生っぽさはMGD-01の方がやや良いかもしれない。SE-E33の方がエッジがきつく聴き疲れする。明瞭さ、音の鮮やかさはMGD-01の方が上。厚みはMGD-01の方がある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはSE-E33の方が上。どちらもただ何となく鳴らしているだけの機種だが、SE-E33の方が低域が出るため多少ノリが良いように感じる。響きは、低域はSE-E33の方が豊か、高域はMGD-01の方が豊か。弦楽器はSE-E33の方が心地よいが、塗りつぶしたように繊細さがない。金管楽器はMGD-01の方が高く鮮やか。打ち込み系の音の表現は、低域が出るという意味ではSE-E33の方が良いが、音の質感はMGD-01の方が相性が良いように感じる(ただし、それでも粗は気になる)。使い分けるなら、粗や違和感を気にするならSE-E33、粗や違和感があっても良いから明るさや高域の量を重視するならMGD-01。
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スペック
駆動方式 | 構造 | 周波数帯域 | 音圧感度 | インピーダンス |
骨伝導 | - | 50Hz〜4kHz | 80dB | 8Ω |
重量 | ドライバー直径 | コードの長さ | コードの出し方 | 備考 |
60g | - | 0.5m | 片出し | 折りたたみ可能 |
評点
音質 | 装着感 | 遮音性 | 音漏れ | デザイン | 携帯性 | 音の傾向 | 参考最安価格 |
1.5 | 2 | 1 | 2 | 4 | 3 | 中(高) | 9800円 |
公開日:2007.8.7