第92回 Strawberry Fields Forever/The Beatles「Magical Mystery Tour」より

 The Beatlesはイギリスのロックバンドです。知らない人はいないのではないでしょうか。メンバーはヴォーカル、ギター、ベース、ドラムスです。
 今回取り上げるのは1967年発表の「Magical Mystery Tour」の8曲目です。この作品はテレビ映画用のサウンドトラックとして作られたものです。
 「どういう風に聴きたいか」「どういう点を重視するか」については、「重視するポイントは、明るすぎず・この曲の持つ「寂しさ・浮遊感」などを表現できること。終盤のリンゴの雪崩のようなドラムに迫力があること。ジョンのボーカルに怖さを感じること。全体が「暗い」一辺倒でなく、オーケストレーションで「明るさ」を出しているところはそのまま出してほしい。「明るさ」と「暗さ」が同居したカオスな所がこの曲の魅力だと思うので、それを表現してほしい」とのことです。基本的にはニュートラルなもので、あとは雰囲気をきちんと出してくれるものということになるかと思います。

・1台目 ATH-TAD500(audio-technica)
 前述の条件を最も満たしているように感じたので選びました。特に寂しさや怖さがしっかり感じられる印象です。今回聴いた中では各楽器にまとまりがないせいかカオスな印象が強くなっているように感じられます。終盤のドラムの迫力はほどほどですが、今回聴いた中ではやや尖った音なので、そういう意味では質的な存在感があります。
 他にはAPHN-AC30、HD449、HS-AVNLV2、PortaPro、UR/40等で聴いてみました。APHN-AC30は最後までATH-TAD500と迷いましたが、ATH-TAD500の方が寂しさや怖さが感じられたのでそちらにしました。HD449はニュートラルなことはニュートラルなのですが、それだけといった印象で、寂しさや怖さはあまり出してくれません。HS-AVNLV2は悪くないのですが、寂しさはあまり感じられません。PortaProはある意味で雰囲気はあるのですが、寂しさはあまり感じられませんし、低域の量が多すぎるせいで別の曲のようになってしまうところがあります。UR/40は悪くないのですが、妙にまとまりがあるせいかカオスな印象が薄れているように感じられます。
 不満点は特にどこがと言うより全体的に物足りない感じです。

・2台目 MDR-MA900(SONY)
 最初に書いた条件を最も満たしているように感じたので選びました。今回聴いた中では比較的1台目に近い印象です。寂しさやカオスな印象が多少強くなっているように感じられます。
 他にはDTX900、K612PRO、MDR-CD900ST、MUSIC SERIES ONE、SRH840等で聴いてみました。DTX900とMUSIC SERIES ONEはある意味で雰囲気はあるのですが、寂しさはあまり感じられません。K612PROとSRH840はニュートラルなことはニュートラルなのですが、寂しさや怖さはあまり出してくれません。今回の曲に限っては、それぞれに妙な相性の悪さがあるようにも感じられます(例えば、K612PROは上品なところ、SRH840は力強いところが、悪い方に作用している気もします)。MDR-CD900STは最後までMDR-MA900と迷いましたが、MDR-MA900の方が寂しさやカオスな印象が感じられたのでそちらにしました。ただし、ヴォーカルの怖さを重視するならMDR-CD900STの方が良いと思います。
 不満点は1台目同様、特にどこがと言うより全体的に物足りない感じです。

・3台目 T1(beyerdynamic)
 最初に書いた条件を最も満たしているように感じたので選びました。特にどこが良いと言うよりは総合的に見て良い印象です。ただ、今回は他の機種に難があったため消去法で選ばれたような側面もある気がします。基本的には1、2台目と近い方向性と言えると思いますが、終盤のドラムについてはアタック感で勝っているぶん最も迫力があるように感じられる面があります。
 不満点は特にありません。次は色々聴いてみて選ぶしかないと思います。

・4台目 RS-1(GRADO)
 色々聴いてみた結果これになりました。特にヴォーカルの怖さが感じられる印象です。これは擦れをしっかり出してくれる点が効いているものと思われます。カオスな印象も感じられます。ただし、人によっては全然ダメということもありそうな気がします(特に音量を上げると)。少なくとも、3台目よりは人を選ぶと思います。
 他にはDR-631、HD650、HD800、SRH1840等で聴いてみました。DR-631はある意味で妙な相性の良さがある印象ですが、これは基本的に古い音源を古臭い音を鳴らすヘッドホンで聴いたときの相性の良さであって、最初に書いた条件を特別満たしているという感じではありません。HD650は悪くないのですが、寂しさはあまり感じられません。HD800とSRH1840はニュートラルなことはニュートラルなのですが、寂しさや怖さはもう少し欲しかったところです。

・5台目 SE535(SHURE)
 最初に書いた条件を最も満たしているように感じたので選びました。特に寂しさや怖さがしっかり感じられる印象です。もう少しだけ明るさと暗さの対比が際立ってくれれば最高だったと思います。色々と聴いてみたのですが、HiDefJax AcousticSteelとImage X10は寂しさがあまり感じられない、MDR-EX1000はニュートラルなことはニュートラルなのですが寂しさや怖さはもう少し欲しい等の不満がありました。
 他にはSE215とMDR-NWNC33が良かったです。ただし、どちらも低域の量が多すぎるのは難点です。


 今回はフィーリングによる部分が大きいため、人によって結果が大きく違ってくるように思われます。
 ヘッドホンアンプはHead Amp 2/MkII SEが良いと思います。素のままの寂しさや怖さを出してくれます。
 今回の内容を参考に、好みに合わせて選んでください。













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