第89回 t r a v e l e r s/第二文芸部「KIRA☆KIRA SHOW TIME!!」より

 第二文芸部はゲーム「キラ☆キラ」に登場する架空のロックバンドです。架空ではありますが、実際にライヴを行ったりCDを発売したりしています。メンバーはヴォーカル、ギター、ベース、ドラムスです。
 今回取り上げるのは2008年発表のアルバム「KIRA☆KIRA SHOW TIME!!」の6曲目です。女性ヴォーカルのシンプルなバンドサウンドといった印象です。
 「どういう風に聴きたいか」「どういう点を重視するか」については、特に書いていなかったので私が決めたいと思います。今回の曲の爽やかさやストレートな感じを出してくれること、各楽器をしっかり鳴らしてくれることを重視したいと思います。


・1台目 MDR-V6(SONY)
 前述の条件を最も満たしているように感じたので選びました。どの点についても今回聴いた中ではかなり良い方だと思います。メリハリがあってノリ良く楽しめるような印象で、各楽器の質感もなかなかリアルです。
 他にはAPHN-AC30、HP-535、HPS5000、PRO DJ100、UR/40等で聴いてみました。APHN-AC30は癖がなく聴きやすいのですが、爽やかさやストレートな感じはあまり出してくれません。HP-535はヴォーカルの癖が気になりますし、音場の広さが仇になってかストレートな感じをあまり出してくれないような印象です。HPS5000は全体的にはなかなか良いのですが、各楽器がしっかり聴こえてこないところがある点が気になります。PRO DJ100は悪くないのですが、線が細く力強さに欠けるためストレートな感じをあまり出してくれません。UR/40は曇っていて爽やかさをあまり出してくれません。
 不満点は、やや癖が気になる点です。

・2台目 HA-MX10-B(Victor)
 1台目の不満点を踏まえて選びました。1台目の癖を小さくして、低域の量を減らしたような音です。したがって、癖のなさよりも低域の量を重視する人は1台目の方が良いと感じる可能性があります。
 他にはAH-D1100、K181DJ、MDR-MA900、MUSIC SERIES ONE、SRH840等で聴いてみました。AH-D1100とK181DJは低域の量が多すぎて別の曲のようになってしまいます。MDR-MA900は最後までHA-MX10-Bと迷いましたが、HA-MX10-Bの方がややストレートな感じを出してくれる印象だったのでそちらにしました。MUSIC SERIES ONEはHA-MX10-Bと比べるとやや癖がありますし、各楽器がしっかり聴こえてこないところがある点が気になります。SRH840は悪くないのですが、爽やかさはあまり出してくれません。
 不満点は特にありません。全体的に少しずつ改善できれば良いのではないかと思います。

・3台目 SR-325i(GRADO)
 最初に書いた条件を最も満たしているように感じたので選びました。特に今回の曲の爽やかさやストレートな感じを出してくれる点は素晴らしいです。スピード感があってノリ良く楽しめるような印象で、各楽器の質感もなかなかリアルです。曲の側からではなくヘッドホンの側から見ても、SR-325iが最も得意とするのは今回のようにバンドサウンドを爽やかに鳴らして欲しいというケースなのではないかと思います。
 不満点は特にありません。次は色々聴いてみて選ぶしかないと思います。

・4台目 T1(beyerdynamic)
 色々聴いてみた結果これになりました。3台目と比べると癖がありませんが、高域が刺激的という点は共通しています。3台目と比べると癖がないぶん魅力にも欠ける面があるという意味では2台目に近いとも言えるかもしれません(とは言え、もちろん今回聴いた中ではどちらも魅力的な部類に入りますが)。
 他にはBeats Pro、Crossfade M-100、HFI-780、SRH1840等で聴いてみました。Beats Proはやや癖が気になりますし、爽やかさはあまり出してくれません。Crossfade M-100は低域の量が多すぎて別の曲のようになってしまいます。ただし、最初に書いた条件と低域の量の両立を目指すならかなり良いと思います。HFI-780はなかなか良いのですが、3、4台目と比べると密閉型でかつ音が硬く締まっているせいか窮屈な印象を受けます。SRH1840は悪くないのですが、爽やかさはあまり出してくれません。

・5台目 e-Q7(ortofon)
 非常に爽やかなのが印象的だったので選びました。他の点についても悪くはありませんが、力強さや各楽器の質感のリアルさを重視するなら他のものが選ばれていたと思います。色々と聴いてみたのですが、HiDefJax AcousticSteelはヴォーカルの癖が気になる、IEM856mdは悪くないもののe-Q7と比べると全体的に物足りない、MDR-EX1000はなかなか良いもののe-Q7と比べると爽やかさはあまり出してくれない等の不満がありました。
 他にはZH-BX500とXBA-1SLが良かったです。今回聴いた中ではe-Q7と近い傾向です。


 今回は低域が少なめなものや高域が刺激的なものが多めになっている印象です。これは爽やかさを出してくれることを重視したためで、この条件を外せばまた違った結果になると思われます。
 ヘッドホンアンプはhpa200b(ハイエンド仕様)が良いと思います。爽やかさを出してくれます。
 今回の内容を参考に、好みに合わせて選んでください。













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