音質
低音よりのドンシャリ。低域は量が多いだけでなく、圧力がかなりある。中域は低域に負け気味。中高域から高域はPioneer独特の癖がやや感じられるが、それほどきつくはない。
分解能、音場感、原音忠実性すべていまいち。エッジはそれほどきつくないが、ソースによっては低音の量や音の圧力で聴き疲れする。
明瞭さ、音の鮮やかさはいまいち。厚みはかなりある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはそれなり。ノリが良く、繊細さに欠ける。ノリの良さは低域の量や音の圧力から来るもので、軽快さは無い。響きは適度からやや豊かで、こもり感が気になる。
弦楽器は繊細さが足りない。金管楽器は程よい鮮やかさが楽しめる。打ち込み系の音の表現はかなりうまい。低域の量、厚み、音の圧力、線の太さ等がマッチする。
ポップスやロックをノリ良く楽しみたいならそれなりに良い機種だが、細かい表現が決定的に苦手でクラシック等には向かない。
装着感
悪い。側圧はかなり強い。ヘッドバンドにクッションがないが、側圧が強いため頭頂部に負担がかかりづらいため、頭頂部はそれほど痛くならない。側圧が強いためずれにくいが、そのぶん蒸れる。
イヤーパッドは耳のせサイズで、上下左右に角度調節ができる。材質はレザータイプの人工皮革で、それほど硬くはないのだが側圧の強さのためかかなり耳たぶが痛い。
その他
遮音性及び音漏れ防止は密閉型の割には悪い。メーカー表記では密閉型になっているが、ハウジングに穴が開いていてそこから音が漏れる。半密閉と考えたほうが良いかもしれない。
作りは安っぽいが、デザインは悪くない。スイーベル機構で折りたたみ可能。
プラグは金メッキのミニプラグ。コードの太さは約2.5m、硬さは普通で特に扱いづらさは感じない。イヤーパッドのサイズは、外周76mm×76mm、内周34mm×34mm、深さ10mm。
付属品
ミニ→標準変換プラグ
2m延長コード
コードストラップ
ベロアタイプイヤーパッド
参考
メーカー製品ページ
周波数特性グラフ
比較メモ
ATH-ES7
ATH-ES7はややドンシャリ、SE-MJ5は低音よりのドンシャリ。低域はどちらもしっかり出るが、SE-MJ5の方がやや量が多く曇っている感じ。中域はATH-ES7の方が低域と混ざらない感じではっきり聴こえてくる。高域はSE-MJ5の方がやや高い音を鳴らす。ATH-ES7がシャンと鳴らすところをSE-MJ5はチンと鳴らす感じ。分解能はATH-ES7の方がやや上。音の分離に差がある。音場感はほぼ同レベル。原音忠実性はどちらもいまいち。どちらも原音忠実よりは楽しく聴かせることを目的とした音作りに感じる。ATH-ES7の方がエッジがきつくやや聴き疲れしやすい。明瞭さ、音の鮮やかさはATH-ES7の方が上。厚みはATH-ES7の方がある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはほぼ同レベル。どちらもノリが良い傾向だが、ATH-ES7の方が圧力や締まりがある感じ。響きはSE-MJ5の方が豊か。弦楽器はどちらもいまいちでほぼ同レベル。金管楽器はATH-ES7の方が鮮やかで力強い。打ち込み系の音の表現はどちらもなかなかうまいが、ATH-ES7の方が低域の締まりや切れで勝っているように感じる。使い分けるなら、基本的にはATH-ES7、聴き疲れを避けたい場合や高域の質感の好みによってはSE-MJ5。
ATH-PRO700
どちらもドンシャリだが、ATH-PRO700の方がややフラット。低域はSE-MJ5の方がやや低い音を鳴らすが、量はあまり差がない。中域はATH-PRO700の方がはっきり聴こえてくる。中高域から高域はSE-MJ5の方が高い音を鳴らすし量も多い。分解能、音場感、原音忠実性すべてATH-PRO700の方が上。どちらもそれほどエッジはきつくないのだが、音の圧力で聴き疲れする部分は似ている。明瞭さ、音の鮮やかさ、厚み、温かみ、ヴォーカルの艶っぽさすべてほぼ互角だが、音の密度はATH-PRO700の方が高いように感じる。どちらもノリが良い。響きはSE-MJ5の方が豊かで、こもり感が気になる。弦楽器はどちらもうまくない。金管楽器はSE-MJ5の方がかなり高い音で目立つが、チープな感触。打ち込み系の音の表現はどちらもうまいが、基本性能に勝るATH-PRO700にやや分があるように感じる。得意分野はどちらもポップス。使い分けるなら、基本的にはATH-PRO700、高域が欲しいときにはSE-MJ5。
CDH-508
CDH-508はやや低音より。SE-MJ5はドンシャリ。低域はCDH-508の方が低い音で、柔らかい質感。量はほぼ同量。中域はSE-MJ5の方がはっきり聴こえてくる。逆に、CDH-508はかなり曇りが気になる。高域はSE-MJ5の方が高く硬く、量も多い。分解能、音場感ともにSE-MJ5の方がやや良い。原音忠実性はどちらもいまいち。CDH-508は曇りが気になるし、SE-MJ5は中高域から高域の癖が気になる。SE-MJ5の方がややエッジがきつい上に、音の圧力があり聴き疲れする。明瞭さ、音の鮮やかさ、厚みはSE-MJ5の方がかなり上。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはCDH-508の方がかなり上。ノリの良さならSE-MJ5、繊細さならCDH-508。響きは曇りのせいかCDH-508の方が豊かに感じるが、高域はSE-MJ5の方が響く。CDH-508は柔らかい音、SE-MJ5は硬い音。弦楽器はCDH-508の方が繊細かつ心地よい。金管楽器はSE-MJ5の方が高く鮮やか。打ち込み系の音の表現はSE-MJ5の方がうまい。音の圧力や厚みが良く合う。得意分野はCDH-508はジャズ、SE-MJ5はポップス。使い分けるなら、クラシックやジャズはCDH-508、ポップスやロックはSE-MJ5。
EHP-CL430
どちらも低音よりのドンシャリ。低域はEHP-CL430の方が厚みが薄く、ローエンドまで出る感じ。EHP-CL430の方が低く、量も多いように感じるが、ぼやけて締まりがない。SE-MJ5はEHP-CL30と比べれば締まりがある。中域はSE-MJ5の方がはっきり聴こえてくる。EHP-CL430はかなり低域に埋もれる。高域はSE-MJ5の方が硬く高い音を鳴らす。分解能、音場感ともに若干SE-MJ5の方が良いか。原音忠実性はどちらも良くないが、原音の実体感のようなものはSE-MJ5の方が感じられる。EHP-CL430はただ何となく鳴らしている印象。SE-MJ5の方がややエッジがきつく聴き疲れする。明瞭さ、音の鮮やかさはSE-MJ5の方が上。厚みはSE-MJ5の方がかなりある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはEHP-CL430の方がやや上。繊細さが感じられないのはどちらも似たようなものだが、ノリの良さはSE-MJ5の方がかなり上。響きはEHP-CL430の方がやや豊かで、こもり感がかなり気になる。SE-MJ5の方が芯の通った圧力のある音。この点が一番の違いかもしれない。弦楽器はどちらもうまくない。SE-MJ5の方がくっきりした鳴らし方。ぼやけて繊細さがなくても良いならEHP-CL30でも聴けないことはないが、基本的にSE-MJ5の方がましだろう。金管楽器はSE-MJ5の方が高く鮮やか。打ち込み系の音の表現はSE-MJ5の方がかなりうまい。圧力やスピード感がまったく違う。得意分野はEHP-CL430がクラシック、SE-MJ5がポップス。使い分けるなら、基本的にはSE-MJ5で、聴き疲れが気になるときや元気が良すぎると感じるときはEHP-CL430が良いだろう。
RP-DJ700
どちらもドンシャリだが、RP-DJ700の方がやや低音より。低域はRP-DJ700の方がやや低い音を鳴らすが、圧力はSE-MJ5の方がある。量はほぼ同量。中域はどちらもそれほど低域に埋もれたりしない。RP-DJ700の方がやや曇りがちではあるが落ち着いた音を鳴らす。中高域から高域はSE-MJ5の方が高い音を鳴らすし量も多い。分解能、音場感はほぼ同等だが、音場感はSE-MJ5の方が若干良いか。原音忠実性はRP-DJ700の方がやや良い。SE-MJ5はPioneer独特の高域の癖がある。SE-MJ5の方が聴き疲れする。明瞭さ、音の鮮やかさはSE-MJ5の方がやや上。厚みはSE-MJ5の方があるように感じられる。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはRP-DJ700の方が上。SE-MJ5の方が太く硬い音で、ノリが良い。言い換えれば、RP-DJ700の方が線が細く繊細。響きはSE-MJ5の方がやや豊か。弦楽器はRP-DJ700の方が柔らかくて心地よいが、ヴァイオリン等の澄んだ感じを楽しみたいならSE-MJ5の方が良いだろう。金管楽器はSE-MJ5の方が一段高く、量も多い。打ち込み系の音の表現はSE-MJ5の方が得意。音の厚みや圧力、スピード感が上。得意分野はRP-DJ700がロック、SE-MJ5がポップス。使い分けるならポップスやブラスメインの曲はSE-MJ5、それ以外はRP-DJ700。
SE-M870
どちらもややドンシャリだが、SE-MJ5の方がやや低音より。低域はSE-MJ5の方がやや低い音で、量も若干多いように感じる。中域はSE-M870の方が曇りなくストレートに聴こえてくる。高域はSE-M870の方がかなり細く、量も多い。分解能、音場感ともにSE-M870の方が良い。原音忠実性はほぼ互角。Pioneerらしい高域の癖はSE-M870の方がきついが、SE-MJ5は曇りや細部の表現のなさが気になる。SE-M870の方がエッジがきつくやや聴き疲れする。明瞭さ、音の鮮やかさはSE-M870の方が上。厚みは一聴してSE-MJ5の方があるように感じるが、低域の量感を除けばそれほど差はない。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはSE-M870の方が上。どちらも基本的にノリが良いが、SE-MJ5が低音と音の圧力によるノリの良さであるのに対して、SE-M870は軽快さやスピード感のあるノリの良さ。響きはほぼ互角。SE-MJ5の方がかなりこもり感が気になる。弦楽器はSE-M870の方が繊細かつ心地よい。金管楽器はSE-M870の方が高く鮮やかな鳴らし方だが、作ったような感じは否めない。打ち込み系の音の表現はどちらもなかなかうまい。低域の量が欲しい場合や、SE-M870では線が細すぎると感じる人はSE-MJ5の方が合うだろう。得意分野はどちらもポップス。使い分けるなら、基本的にはSE-M870で、聴き疲れや高域の癖が気になるときはSE-MJ5を使えばよいだろう。
SE-MJ71
SE-MJ5は低音よりのドンシャリ、SE-MJ71はドンシャリ。低域はSE-MJ71の方が若干量が多い。SE-MJ71の方がぼやけたり曇ったりする質。重心はSE-MJ5の方が若干低い。中低域はSE-MJ71の方がしっかり出る。中域はSE-MJ5の方が低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。質的にはSE-MJ5の方がしっかりしている。高域はSE-MJ71の方が若干量が多い。SE-MJ71の方が線の細い質。分解能はSE-MJ5の方が若干上。音の分離で若干勝っている。一つ一つの音の微細な描写は大差ない。音場感は広さ・明確さともにほぼ同レベル。原音忠実性はSE-MJ5の方がやや上。低域・高域ともに癖が小さい。原音の粗や生っぽさはSE-MJ5の方がやや感じられる。エッジのきつさや聴き疲れは微妙。高域を除けばSE-MJ71の方がやや聴きやすい印象。高域はSE-MJ71の方がやや細く刺さる、ヴォーカルのサ行はSE-MJ5の方がやや痛い。明瞭さはSE-MJ5の方が若干上、音の鮮やかさはほぼ同レベル。厚みはSE-MJ5の方がややある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはSE-MJ71の方が若干感じられる。ヴォーカルは、SE-MJ5の方がやや芯の通った質、SE-MJ71の方がややスモーキー。どちらかと言うとSE-MJ5の方がノリが良い。SE-MJ5の方が切れやスピード感がある。響きはSE-MJ71の方が若干豊かでこもり感が気になる。弦楽器は、SE-MJ5の方がやや生楽器らしさが感じられる、SE-MJ71の方がやや心地よい。金管楽器は、SE-MJ5の方がやや太く力強い、SE-MJ71の方がやや細く明るい。打ち込み系の音の表現はSE-MJ5の方がややうまい。音の質感の相性は大差ないが、切れで勝っている。使い分けるなら、明瞭さや切れを求めるならSE-MJ5、低域の量や温かみを求めるならSE-MJ71。
ZUMREED PORTABLE HEADPHONE
SE-MJ5は低音よりのドンシャリ、ZUMREED PORTABLE HEADPHONEは低音より。低域はZUMREED PORTABLE HEADPHONEの方がやや重心が低く柔らかい。SE-MJ5の方が厚みや圧力があり存在感がある。中域はSE-MJ5の方がやや高い音だが、ZUMREED PORTABLE HEADPHONEの方が張り出すような感じで目立つこともある。高域はSE-MJ5の方が金属的で量が多い。分解能はSE-MJ5の方が上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろさがある。音場感はSE-MJ5の方が癖がなく明確。ZUMREED PORTABLE HEADPHONEの方が頭内定位が気になる。原音忠実性はSE-MJ5の方が上。周波数特性的にはどちらも癖があるが、SE-MJ5の方が違和感が少ないし、原音の粗や生っぽさも感じられる。エッジはSE-MJ5の方がきついが、ZUMREED PORTABLE HEADPHONEは中域が張り出すような感じや妙なハウリングのような感じで疲れることがあり、総合的な聴き疲れはソースや聴く人によって変わってくるだろう。明瞭さ、音の鮮やかさはSE-MJ5の方が上。厚みはSE-MJ5の方がある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさは微妙。柔らかい音で曇っているためZUMREED PORTABLE HEADPHONEの方が良いと感じる面もあるが、これはぬるま湯のような良さで、SE-MJ5の方がしっかりした表現であるのは確か。SE-MJ5の方がかなりノリが良い。響きはほぼ同レベル。ZUMREED PORTABLE HEADPHONEの方が歪みが気になる。弦楽器はSE-MJ5の方がうまい。生楽器らしさに差がある。金管楽器はSE-MJ5の方が高く鮮やかで楽しめる。打ち込み系の音の表現はSE-MJ5の方がうまい。音の質感の相性やダイナミックな鳴らし方で勝っている。使い分けるなら、基本的にはSE-MJ5、エッジのきつさや高域の多さによる聴き疲れを避けたいならZUMREED PORTABLE HEADPHONE。
サイン波応答
位相+高周波歪み
インパルス応答(CSD)
インパルス応答(録音波形)
100Hz・1kHz・10kHzサイン波の再生
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駆動方式 |
構造 |
周波数帯域 |
音圧感度 |
インピーダンス |
ダイナミック |
密閉型 |
5Hz〜28kHz |
105dB |
32Ω |
重量 |
ドライバー直径 |
コードの長さ |
コードの出し方 |
備考 |
220g |
40mm |
1.2m |
片出し |
折りたたみ可能 |
音質 |
装着感 |
遮音性 |
音漏れ |
デザイン |
携帯性 |
音の傾向 |
参考最安価格 |
2.5 |
2 |
3 |
3 |
4 |
3 |
低(高) |
4300円 |