SE-CS25

音質
 高音より。低域は厚みが薄く紙のような質で、ソースによってはボスボスと詰まったような音になる癖がある。量も少なめ。中域は低域に邪魔されずはっきり聴こえてくるが、やや高めの音でソースによってはうわずるような癖が気になる。高域はかなり明るく金属的で、量も多いため目立つ。粗はそれなりにある。
 分解能は価格の割にはやや良い。音場感は、広さは普通からやや狭めだが明確さは悪くない。原音忠実性はいまいち。一聴して多少違和感(それも独特の違和感)があるし、周波数特性にも癖がある。原音の粗や生っぽさは、多少は感じられる。エッジはきつく、聴き疲れしやすい。全体的にザラザラしたようなやや粗っぽい音。高域にしろヴォーカルのサ行にしろ鋭く刺さる。
 明瞭さ、音の鮮やかさは基本的にはなかなか良いのだが、ソースによっては多少曇っているように感じられることがある。厚みは普通からややや薄め。温かみは感じられない。温かみがないと言うよりは冷たい音。ヴォーカルの艶っぽさはそれなり。明るく元気でノリが良い。硬く締まっていて、柔らかさや線の太さといったものは感じられない。ドラムや破裂音が目立つ。響きはややあっさり。
 弦楽器はヴァイオリン等の澄んだ感じを楽しみたいなら悪くないが、チェロやコントラバスは心地よさに欠ける上に量が少なく癖も気になる。金管楽器はしっかり芯が通っていて、かなり高く鮮やかで楽しめる。打ち込み系の音の表現はそれなり。音の質感の相性や切れはなかなか良いのだが、音の厚みや低域の量感が不足しているし、ソースによっては音が割れるような感じで粗っぽい点もマイナス。
 高域やエッジのきつさで聴き疲れしやすいし、低域は質的にも量的にも不満だが、それらの点さえ気にならないなら価格の割には良い機種。
 上記の内容はイヤホンチップ、アタッチメントともに不使用の際のもの。イヤホンチップを使用すると若干低音よりになり、エッジのきつさがやわらいで聴きやすくなる。アタッチメントを使用するとかなり低音よりになり、全体的に柔らかく温かみのある音になる(本機は大抵のイヤホンよりアタッチメントによる音の変化が大きい印象、「高音より」が「やや低音より」になるくらいの変化があり、音質評点も2.5〜3点程度になる)。イヤホンチップよりアタッチメントの方が音の変化はかなり大きい。ただし、イヤホンチップの効果は個人差が大きいと思われるし、人によっては大きすぎて使用に堪えないだろう。

装着感
 良好。一般的なインナーイヤーヘッドホンなので、装着しにくい等の問題はないし、長時間装着してもまったく疲れない。ずれやすさは普通のインナーイヤーヘッドホンなみで、コードを引っ掛けたりしない限り問題ないレベル。重い、コードが顔に当たりやすい等の不満もない。普通のアタッチメント(スポンジ)に加えて、ドーナツ状のゴム製イヤーチップが付属しているので、耳のサイズの違いにも多少対応してくれると思われる。
 付属しているアタッチメント(通常のスポンジ状)を使用すると、ずれにくくなり更に装着感が良くなるように感じる。

その他
 遮音性は悪い。音漏れ防止は普通。
 作り、デザインはなかなか良い。特にデザインや本体の質感は価格を考えれば素晴らしいと言える。
 プラグは金メッキのミニプラグ。コードの太さは合流前は約1.5mm、合流後は幅約3mm・厚さ約1.5mm、硬さは普通で特に扱いづらさは感じない。

付属品
アタッチメント
イヤホンチップ
1m延長コード



参考
メーカー製品ページ

比較メモ
ATH-C602
ATH-C602はややドンシャリ、SE-CS25は高音より。低域はATH-C602の方がやや量が多く重心も低い。中域はSE-CS25の方がやや高い音で低域に邪魔されずはっきり聴こえてくるが、ソースによってはうわずるような癖が気になる。高域はSE-CS25の方が明るく金属的で目立つ。ATH-C602がハイハットをシャンと鳴らすところを、SE-CS25はチンと鳴らすような感じ。分解能はSE-CS25の方が若干上。音場感はATH-C602の方がやや広い。原音忠実性はATH-C602の方がやや上。周波数特性上の癖のなさで勝っている。エッジはSE-CS25の方がややきつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろSE-CS25の方がやや痛い。明瞭さ、音の鮮やかさはSE-CS25の方がやや上。厚みはATH-C602の方がある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはATH-C602の方がやや上。ATH-C602の方がニュートラルな鳴らし方で、癖が小さくバランスが良い。響きはATH-C602の方がやや豊か。弦楽器はATH-C602の方が繊細かつ心地よいが、ヴァイオリン等の澄んだ感じを求めるならSE-CS25の方が良い。金管楽器はSE-CS25の方が芯が通っている感じで、鮮やかで楽しめる。打ち込み系の音の表現は微妙。音の質感の相性や切れはSE-CS25の方がやや上だが、音の厚みや低域の量感はATH-C602の方がやや上。使い分けるなら、バランスの良さや温かみ重視ならATH-C602、高域の明るさや明瞭さ重視ならSE-CS25。

EHP-IE10
EHP-IE10はやや低音よりのかまぼこ、SE-CS25は高音より。低域はEHP-IE10の方が量が多く、癖がない。中域はSE-CS25の方が高い音で、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくるが、うわずったり張り出したりする癖が気になることも多い。高域はSE-CS25の方がかなり量が多く、明るく金属的で目立つ。EHP-IE10の方が粗がない。分解能はSE-CS25の方がやや上。一つ一つの音の微細な描写でやや勝っている。音場感は、EHP-IE10の方が前方定位する。原音忠実性はEHP-IE10の方が上。一聴して違和感が小さい。原音の粗や生っぽさはSE-CS25の方が感じられる。エッジはSE-CS25の方がかなりきつく、聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろSE-CS25の方がかなり痛い。SE-CS25の方が全体的にザラザラした音。明瞭さ、音の鮮やかさはSE-CS25の方が上。厚みはEHP-IE10の方がややある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはEHP-IE10の方が上。SE-CS25はヴォーカルの擦れがかなり気になるが、EHP-IE10はそんなことはない。SE-CS25の方が明るくノリが良い。EHP-IE10の方が粗がないという意味で繊細。響きは、低域はEHP-IE10の方が豊か、高域はSE-CS25の方が豊か。SE-CS25の方がドラムや破裂音が目立つ。弦楽器はEHP-IE10の方が癖がなく安心して聴ける。金管楽器はSE-CS25の方が金属的で鮮やかだが、やりすぎな感はある。打ち込み系の音の表現は微妙。音の質感の相性や切れはSE-CS25の方がやや上だが、音の厚みや低域の量感はEHP-IE10の方がやや上。使い分けるなら、低域が欲しいならEHP-IE10、高域が欲しいならSE-CS25。あるいは、癖のなさや温かみ重視ならEHP-IE10、癖があっても良いから明るく鳴らして欲しいならSE-CS25。

MHP-EZ1
どちらも高音より。低域はSE-CS25の方が若干量が多い。やや柔らかく、薄く曇ったような質。MHP-EZ1の方が癖がない。中域はどちらも高い音で低域に邪魔されずはっきり聴こえてくるが、ソースによってはうわずるような癖が気になる点は似ている。どちらかと言うとMHP-EZ1の方がうわずりが気になる。高域はMHP-EZ1の方がやや細く高い質。量は同程度。分解能はMHP-EZ1の方が若干上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ大差ないが、どちらかと言うとMHP-EZ1の方が勝っている。音場感はSE-CS25の方がやや広い。原音忠実性はMHP-EZ1の方がやや上。全体的に癖が小さい。原音の粗や生っぽさが感じられる度合いは同程度。エッジはSE-CS25の方が若干きついが、MHP-EZ1の方が中域のうわずりで疲れることがあり、総合的な聴き疲れはソースや聴く人によって変わってくるだろう。高域の痛さは同レベルだが、MHP-EZ1の方が細く刺さる傾向、SE-CS25の方が粗っぽい傾向。ヴォーカルのサ行はSE-CS25の方がやや痛い。SE-CS25の方が全体的にザラザラした音。明瞭さはMHP-EZ1の方が若干上。SE-CS25はソースによっては若干曇りが気になることがあるが、MHP-EZ1はほとんどそういうことがない。音の鮮やかさ、厚みはほぼ同レベル。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはSE-CS25の方がやや上。どちらも明るく元気でノリが良い傾向。響きはSE-CS25の方がやや豊か。どちらもかなり硬い音だが、どちらかと言うとSE-CS25の方が柔らかいところがある。弦楽器はMHP-EZ1の方が癖がないが、ソースによってはSE-CS25の方が柔らかく心地よいと感じることがある。金管楽器はどちらも高く鮮やかで楽しめる。MHP-EZ1の方がやや高く、SE-CS25の方がやや太い芯が通っていて力強い。打ち込み系の音の表現はほぼ同レベル。音の質感の相性や全体のバランス等、かなり近い。あまり使い分けには向かないが、あえて使い分けるなら、癖のなさ重視ならMHP-EZ1、MHP-EZ1では硬すぎるならSE-CS25。

UHP301
SE-CS25は高音より、UHP301は低音よりのかまぼこ。低域はUHP301の方がやや量が多い。質的にはどちらもボスボスと鳴らすような癖がある点は似ている。中域はSE-CS25の方が高い音で、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。ソースによってはどちらもうわずったりする癖が気になるが、SE-CS25の方がやや気になることが多い。高域はSE-CS25の方が圧倒的に高く鋭い音で量も多い。この2機種の最大の違いはこの点だろう。分解能はSE-CS25の方が上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろSE-CS25の方がやや上。音場感は、広さは大差ないがSE-CS25の方が明確で癖がない。原音忠実性は微妙。どちらもそれぞれ周波数特性上の癖があるし、違和感もある。原音の粗や生っぽさはSE-CS25の方がやや感じられる。エッジはSE-CS25の方がきつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろSE-CS25の方が痛い。明瞭さ、音の鮮やかさはSE-CS25の方が上。厚みはUHP301の方が若干ある。温かみは低域が出る分UHP301の方が多少感じられる。ヴォーカルの艶っぽさはSE-CS25の方がやや上。SE-CS25の方が明るく元気でノリが良い。響きは、低域はUHP301の方がやや豊か、高域はSE-CS25の方がやや豊か。ただし、高域についてはUHP301はほとんど聴こえてこないと言った方が正しいだろう。SE-CS25の方がドラムや破裂音が目立つ。弦楽器はSE-CS25の方が繊細で癖がない。金管楽器はSE-CS25の方が高く鮮やかで楽しめる。打ち込み系の音の表現はSE-CS25の方がややうまい。音の質感の相性や切れで勝っている。使い分けるなら、高域が欲しいならSE-CS25、不要ならUHP301。あるいは、基本的にはSE-CS25、SE-CS25では高域やエッジのきつさで聴き疲れするならUHP301。

サウンド-ヘッドホン-2
SE-CS25は高音より、サウンド-ヘッドホン-2はやや高音より。低域はサウンド-ヘッドホン-2の方が重心が低く厚みもあり量もやや多い。中域はどちらも低域に邪魔されずはっきり聴こえてくるが、やや高めの音でうわずるような感じが気になることがある点が似ている。高域はSE-CS25の方がやや金属的で明るく目立つ。サウンド-ヘッドホン-2の方がやや線が細く粗がない。分解能はほぼ同レベル。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ大差ない。音場感はサウンド-ヘッドホン-2の方がやや広い。原音忠実性はサウンド-ヘッドホン-2の方がやや上。周波数特性上の癖が小さいし、原音の粗や生っぽさの感じられる度合いでもやや勝っている。エッジはSE-CS25の方がややきつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろSE-CS25の方が若干痛い。明瞭さ、音の鮮やかさはほぼ同レベルだが、SE-CS25はソースによってはやや曇っているように感じられることがあり、そういうソースではサウンド-ヘッドホン-2の方が明瞭に感じられる。厚みはサウンド-ヘッドホン-2の方がある。温かみはサウンド-ヘッドホン-2の方がやや上、ヴォーカルの艶っぽさはほぼ同レベル。どちらも明るくノリが良い傾向だが、サウンド-ヘッドホン-2の方がややニュートラルな印象。響きはサウンド-ヘッドホン-2の方がやや豊か。SE-CS25の方が全体的にやや硬い音。SE-CS25の方がドラムや破裂音が目立つ。弦楽器は、中域から高域は良い勝負なのだが、低域はサウンド-ヘッドホン-2の方が良い。癖がなく心地よい。金管楽器はどちらも高く鮮やかで楽しめる。ソースによって評価が変わってくる程度の差だが、どちらかと言うとSE-CS25の方が明るく、サウンド-ヘッドホン-2の方が癖がない。打ち込み系の音の表現は微妙。音の質感の相性や切れはSE-CS25の方が若干良いのだが、音の厚みや低域の量感はサウンド-ヘッドホン-2の方があってバランスも良い。使い分けるなら、基本的にはサウンド-ヘッドホン-2、もう少し高域が明るく音が硬い方が良いならSE-CS25。


 


※生産終了










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スペック

駆動方式 構造 周波数帯域 音圧感度 インピーダンス
ダイナミック 開放型 18Hz〜22kHz 106dB 16Ω
重量 ドライバー直径 コードの長さ コードの出し方 備考
6g 13.5mm 0.5m 両出し(Y型) -

評点

音質 装着感 遮音性 音漏れ デザイン 携帯性 音の傾向 参考最安価格
2 5 2 3 4 5 1400円
※生産終了

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公開日:2009.2.24