RP-HT510

音質
 高音よりのドンシャリ。低域は厚み・量ともに程々。中域は特に低域に埋もれたりはしないが、やや控え目。高域は尖った音を大音量で鳴らす。
 分解能、音場感は価格なり。原音忠実性は悪い。エージングによって多少は改善されるものの、非常にエッジがきつく聴き疲れするし、音が割れやすい。サ行の音等も痛い。特にチープな再生環境では聴くに堪えない。
 明瞭さ、音の鮮やかさ、厚み、温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはすべてそれなり。ヴォーカルは、ソースによってはかすれが気になる。なかなかノリが良いが、低域でごり押しする感じではなく、むしろ軽快でテンポ良い。響きはややあっさりで、こもり感はそれほど気にならない。
 弦楽器は最低限の繊細さはあるように感じるものの、不自然で心地よさがまるで足りない。金管楽器はなかなか鮮やかで、不自然さもあまり気にならない。打ち込み系の音の表現は多少粗があるものの、明るくなかなかうまい。

装着感
 普通。側圧は普通から若干強めくらいで、重量も軽めなためずれにくい。ヘッドバンドにクッションが付いているが、もう少し厚くして欲しい感じ。
 イヤーパッドは耳全体を覆うサイズで、上下左右に角度調節ができる。材質はシワが気になる安っぽい人工皮革で、それほど不快ではないが、やや蒸れる。この価格帯の中ではかなり装着感が良いほうだろう。

その他
 遮音性及び音漏れ防止は普通。
 作りは安っぽく、デザインも良くない。
 安さが売りの機種。ソースやアンプによっては聴けないほどエッジがきついので、正直言ってあまりおすすめできる機種ではないが、とにかく刺激的なものが欲しいなら使えないことはない。
 プラグは金メッキのミニプラグ。コードの太さは約3mm、やや硬くて癖が付きやすく扱いづらい。イヤーパッドのサイズは、外周106mm×90mm、内周60mm×46mm、深さ16mm。

付属品
ミニ→標準変換プラグ



参考
メーカー製品ページ

周波数特性グラフ


比較メモ
HPS5000
どちらもドンシャリだが、HPS5000の方がやや低音より。ただし、HPS5000の低域の聴こえ方は頭の幅によってかなり違ってくるので参考程度。高域はRP-HT510の方がかなり強い。分解能及び原音忠実性はHPS5000の方が上。音場感はRP-HT510の方がやや良いように感じる。RP-HT510の方がエッジがきつく聴き疲れする。明瞭さ、音の鮮やかさ、温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはRP-HT510の方が若干上。どちらもかなりノリが良い。響きはどちらもあっさり。弦楽器、金管楽器、打ち込み系の音の表現すべてHPS5000の方がうまい。金管楽器はRP-HT510の方が一段高い音を鳴らすのだが、いかんせん割れすぎでチープな音。得意分野はどちらもポップス。使い分け以前に、HPS5000は装着感が悪すぎてNG、RP-HT510は聴き疲れし過ぎでNGという人が多いだろう。

HP-X122
どちらもドンシャリだが、RP-HT510の方が高音より。超低域はHP-X122の方がかなり出る上厚みもある。高域はRP-HT510の方が細く高い。分解能、原音忠実性はHP-X122の方が上、音場感はほぼ互角。RP-HT510は非常にエッジがきつくしかもホワイトノイズが大きいため聴き疲れするが、HP-X122はそれほどでもない。明瞭さや音の鮮やかさはほぼ互角。厚み、密度、温かみ、ヴォーカルの艶っぽさ、ノリの良さはHP-X122の方が上。響きはどちらも適度だが、HP-X122の方がやや豊か。弦楽器、金管楽器、打ち込み系の音の表現すべてHP-X122の方が上。得意分野はどちらもポップス。何を聴くにしてもHP-X122の方が良い。

RP-HT560
RP-HT510は高音よりのドンシャリ、RP-HT560はかなりフラット。低域は、量は大差ないがRP-HT510の方が不自然に低くて厚みがある。中域はRP-HT510の方がうわずっていて嫌味がある。高域はRP-HT510の方が細く高く突き刺さってくるような音。分解能はRP-HT510の方がやや良いように感じるが、音が細く割れているだけにも思える。音場感はほぼ同等。原音忠実性はRP-HT560の方が上。RP-HT510の方がエッジがきつく聴き疲れしやすい。明瞭さ、音の鮮やかさ、厚みはRP-HT510の方がやや上。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはRP-HT560の方がやや上。RP-HT510の方がノリが良く、RP-HT560の方が粗がない。響きはどちらもややあっさりでほぼ同等。弦楽器はRP-HT560の方が繊細かつ心地よい。金管楽器はRP-HT510の方が高く鮮やかだが、非常に聴き疲れするので、普通に聴くならRP-HT560の方が良いだろう。打ち込み系の音の表現はRP-HT510の方がややうまいように感じるが、中高域から高域は金管楽器同様非常に聴き疲れするので、普通はRP-HT560を推す。得意分野はどちらもポップス。使い分けるなら、RP-HT510はあまりに聴き疲れするので、基本的にはRP-HT560、聴き疲れを度外視して明るさやノリの良さを重視するならRP-HT510。

VR-403SV
どちらもドンシャリだが、VR-403SVの方がフラット。低域は、全体的な量はほぼ同量だが、厚みはRP-HT510の方がかなりある。と言うより、むしろVR-403SVが薄いと言う方が的確なのかもしれない。高域は圧倒的にRP-HT510の方が出る。分解能、音場感、原音忠実性すべてRP-HT510の方がやや上。RP-HT510の方がエッジがきつく聴き疲れする。高域がかなり強い上、音が割れて突き刺さってくる感じ。その反面、VR-403SVは曇っている。明瞭さ、音の鮮やかさ、厚み、密度、情報量はRP-HT510の方が上。温かみやヴォーカルの艶っぽさはVR-403SVの方がやや上。RP-HT510の方がノリが良い。響きはVR-403SVの方が豊か。弦楽器、金管楽器、打ち込み系の音の表現すべてRP-HT510の方がうまい。得意分野はどちらもポップス。使い分けるならジャンルではなく、聴き疲れしても良いならRP-HT510、聴き疲れしたくないならVR-403SVという方法が良いだろう。RP-HT510はとにかく疲れるし、音が割れる。

サイン波応答


位相+高周波歪み


インパルス応答(CSD)


インパルス応答(録音波形)


100Hz・1kHz・10kHzサイン波の再生














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スペック

駆動方式 構造 周波数帯域 音圧感度 インピーダンス
ダイナミック 密閉型 8Hz〜28kHz 103dB 40Ω
重量 ドライバー直径 コードの長さ コードの出し方 備考
250g 40mm 3m 片出し -

評点

音質 装着感 遮音性 音漏れ デザイン 携帯性 音の傾向 参考最安価格
1.5 3 3 3 2 1 高、低 2600円

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公開日:2004.12.27