第52回 交響曲第4番「ロマンティック」/ブルックナー

 今回は、アントン・ブルックナーの交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」のベーム指揮、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団演奏の1973年の録音です。この曲にはいくつかの“版”があり、それによって楽器の編成だけでなく曲そのものもかなり違ってきますが、今回取り上げるものはノヴァーク版第2稿と呼ばれるもので、今日演奏されることの多い版です。演奏は、バランスが良く壮大でありながらどことなく上品な感じがします。
 多くの交響曲がそうであるように、この曲も弱奏から強奏までかなり音量に幅があります。したがって、ヘッドホンとしては弱奏から強奏まで破綻せずにしっかり鳴らしてくれるものが良いでしょう。また、どの楽器が主役ということがなく、弦も管もそれぞれ見せ場がある曲なので、できればどの楽器もうまく鳴らして欲しいところです。


・1台目 TR-HP03B(shiroshita)
 演奏からにじみ出る味をヘッドフォンでどう再現できるか、という点について重視したいというリクエストがありましたので、これを選びました。他にはHP1000やMUSIC SERIES ONEも候補にあがったのですが、楽器の生っぽさが感じられる点や情感豊かに鳴らしてくれる点で、TR-HP03Bが最も良いと感じました。
 不満点はやや明るい表現になる点でしょうか。

・2台目 DT880(beyerdynamic)
 1台目よりも暗く、しかも雰囲気をしっかり出してくれるということで選びました。
 思ったとおり、雰囲気が素晴らしいですし、弦も管も魅力的です。ただ、一つ一つの楽器の細部の音がどうも大味で粗があるように感じます。それにしても雰囲気のある鳴らし方という点ではDT880は素晴らしいものを持っていると再確認しました。
 不満点は、細かい音を粗なく表現して欲しい点です。

・3台目 K701(AKG)
 2台目の不満点を踏まえて選びましたが、DT880を聴いた後だとどうも雰囲気が出ていないように感じます。上品で線が細く粗のない表現なのは良いと思うのですが、「演奏からにじみ出る味をヘッドフォンでどう再現できるか」という点については駄目だと言わざるを得ません。上品さを最優先に今回のCDを聴くならK701もありなのでしょうが、個人的にはあっさりしすぎで説得力に欠けるように思います。
 DT880の雰囲気とK701の細部の表現を兼ね備えたヘッドホンがあれば良いのですが、あいにくそのようなヘッドホンは心当たりがありません。


 今回はSTAXを選ぼうかとも思ったのですが、K701と同様、或いはそれ以上に綺麗で上品過ぎて雰囲気が出ないように感じたので選びませんでした。そういう点ではTR-HP03BやDT880の方が勝っているとも言えます。
 あとはHD650も悪くはないと思いますが、今回のCDではどうも曇りがちでしかも高域の刺激も足りないように感じたので選びませんでした。低域が控え目なアンプでZuケーブルを使用する等の調整をすればかなり良くなるとは思いますが・・・・・
 今回の曲はどこを重視するかが人によってかなり変わってくるようにも思いますし、細部は好みによって評価が変わってくると思います。今回の内容を参考にして選んでみてください。


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