第96回 襟裳岬/森進一「森進一 ベスト」より
森進一は日本の歌手です。特徴的な擦れ声に聞き覚えのある人が多いのではないでしょうか。ジャンルとしては演歌に分類されることが多いものの、演歌の枠にとらわれず幅広いアーティストから楽曲提供を受けていることでも知られます。
今回取り上げるのは2005年発表のベストアルバム「森進一 ベスト」の7曲目で、元は1974年発表のシングル曲です。森進一の代表曲の一つで、ヴォーカルと演歌らしい伴奏で構成されています。
「どういう風に聴きたいか」「どういう点を重視するか」については、「歌いっぷりに情念、情熱を感じられるヘッドホン」とのことです。声の擦れをきちんと出してくれるものが良いと思いますが、あとはフィーリング重視で選んでいきたいと思います。
・1台目 PortaPro(KOSS)
前述の条件を最も満たしているように感じたので選びました。声の擦れをきちんと出してくれますし、何よりフィーリングの面で情念が感じられます。PortaProは曲によっては低域の量が多すぎる点が気になることもあるのですが、今回の曲は低域があまり多くないため比較的気にならない方だと思います。
他にはAPHN-AC30、ATH-TAD500、HP-535、HS-AVNLV2、UR/40等で聴いてみました。APHN-AC30は最後までPortaProと迷いましたが、PortaProの方がやや力強いせいか情念が感じられたのでそちらにしました。ATH-TAD500は声の擦れは出してくれるのですが、やや明るいせいか情念はそれほど感じられません。HP-535も声の擦れは出してくれるのですが、やや癖が強いせいか情念が損なわれているような印象です。HS-AVNLV2とUR/40は声の擦れはそれほど出してくれない割に情念は感じられるのですが、PortaProと比べると力強さに欠けるせいか物足りない感じです。
不満点は特にありません。全体的に少しずつ改善できれば良いのではないかと思います。
・2台目 MDR-CD900ST(SONY)
最初に書いた条件を最も満たしているように感じたので選びました。声の擦れをきちんと出してくれますし、フィーリングの面でも情念が感じられます。1台目と比べてどちらが良いと感じるかは人によって違ってきそうですが、2台目の方が声にリアリティーや存在感があると感じる人が多いのではないかと思います。曲全体の雰囲気として温かみを求めるなら1台目の方が合うように感じられます。
他にはDTX900、HP-AURVN-LV、MDR-MA900、MUSIC SERIES ONE、SRH840等で聴いてみました。DTX900は最後までMDR-CD900STと迷いましたが、MDR-CD900STの方が1台目とはまた違った方向性の魅力があるように感じられたのでそちらにしました。HP-AURVN-LVとMDR-MA900は声の擦れは出してくれるのですが、MDR-CD900STと比べると力強さに欠けるせいか物足りない感じです。MUSIC SERIES ONEも声の擦れは出してくれるのですが、やや明るいせいか情念はそれほど感じられません。SRH840は悪くないのですが、教科書どおり丁寧に歌っているようなところがあるせいか情念が出し切れていない印象です。
不満点と言うか希望は、1台目と2台目の良いとこ取りをしたいということです。
・3台目 DT880(beyerdynamic)
2台目の不満点を踏まえて選びました。とは言え、2台目よりは1台目に近い印象ですし、良いとこ取りという意味では他になかったので消去法で選ばれたようなところがあります。最初に書いた条件を最も満たしているものを選んだとしても、これになったのではないかと思います。声の擦れをきちんと出してくれますし、何よりフィーリングの面で情念が感じられます。癖が小さくすんなり曲の世界に入り込める点も長所だと思います。
不満点は特にありません。次は色々聴いてみて選ぶしかないと思います。
・4台目 RS-1(GRADO)
色々聴いてみた結果これになりました。声の擦れとメリハリのきいた歌い方が際立っていて、それにより情念がストレートに伝わってくるような印象です。3台目と比べると声が明るく全体的に癖があります。1〜3台目のどれにも似ていないような、それでいて大きな魅力があるような、そんな印象を受けます。
他にはDT990PRO、HD650、PRO900、SRH1840、T1等で聴いてみました。DT990PROは声の擦れは出してくれるのですが、声以外の音が悪目立ちしてしまうせいか情念が損なわれているような印象です。HD650はなかなか良いのですが、これなら3台目で良いという気がします。PRO900は声の擦れの質に癖がある上、低域があまり多くない今回の曲でさえ低域が目立ちすぎる感じです。SRH1840は悪くないのですが、教科書どおり丁寧に歌っているようなところがあるせいか情念が出し切れていない印象です。T1は声の擦れは出してくれるのですが、硬くギスギスしているような感じで今回の曲の情念とは違うように思われます。
・5台目 EPH-100(YAMAHA)
最初に書いた条件を最も満たしているように感じたので選びました。と言っても、なかなか良いものが見つからなかったため、苦し紛れに消去法で選んだような感じです。声の擦れはそれなりですが、明るかったり力強さに欠けたりして情念が損なわれることはありません。どちらかと言うと落ち着いた声色でじっくりと聴かせるタイプです。色々と聴いてみたのですが、HiDefJax AcousticSteelは声の擦れは出してくれるもののやや明るいせいか情念はそれほど感じられない、Image X10は力強さに欠けるせいか物足りない、SE535はなかなか良いもののEPH-100と比べると力強さに欠ける等の不満がありました。
他にはSE215とMDR-NWNC33が良かったです。最初に書いた条件をそれなりに満たしています。
今回はほぼフィーリングで選んだので、人によっては何か違うということが起こりやすいと思います。
ヘッドホンアンプはHD-1L Limited Edition(RC1)が良いと思います。これもフィーリングですが、情念をしっかり出してくれる感じです。
今回の内容を参考に、好みに合わせて選んでください。
試聴は下のamazonのページで。
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