第1回 dandelion/KOKIA

 本サイトの日記で何度か名前が出ている数少ないアーティストですので、紹介するまでもないかもしれません。個性的な声と素晴らしい歌唱力を持ったシンガーソングライターです。ちょっと癖はあるかもしれませんが、味があります。詞も明るめのものから深いものまで幅広いです。詳しくはKOKIA OFFICIAL WEB SITEを見ると良いと思います。雰囲気が良く出ています。
 さて、曲の方ですが、「dandelion」は05年第1弾シングルです。詞・曲ともにKOKIA自身によるもので、彼女の魅力に溢れています。ヘッドホンによってかなり鳴らし方の変わる曲のように思います。そういう意味ではこのページ向きの曲です。


・1台目 HP1000(PHILIPS)
 2万円以下で女性ヴォーカルが艶っぽい機種というと、自分の中で1番に頭に浮かぶのがHP1000だったので、素直にこれにしてみました。
 悪くないです。と言うよりも、1万円台のヘッドホンとしては十分以上の仕事をしてくれます。薄い低域が支配的でやや曇っているような気もしますが、その反面この曲の温かみは非常に良く伝わってきます。人によってはハイハット等の高域がややきつく感じるかもしれませんが、個人的にはこれくらいの方がメリハリがあって良いように思います。ヴォーカルの艶っぽさや柔らかさも素晴らしいです。
 あえて不満点を挙げるなら曇りです。

・2台目 MDR-CD3000(SONY)
 曇りを解消しつつヴォーカルの艶っぽさは維持したいと思い、これにしてみました。予想通り、HP1000ほど曇った感じはない上ヴォーカルも悪くないです。HP1000と比べてかなり明るい印象を受けます。艶っぽいと言うよりは瑞々しいという感じです。全体的なバランスが良く、ほぼ文句ないです。
 ただ、MDR-CD3000はやや古臭い音作りの上に冷静な鳴らし方で、この曲のように叙情的な趣のある曲はいまいち感動が足りないといった印象です。また、サ行やタ行の音や高域がHP1000以上に痛いように感じます。個人的には、ヴォーカルももっと柔らかい方が好みです。

・3台目 RS-1(GRADO)
 ある意味MDR-CD3000と正反対の感動ヘッドホンです。女性ヴォーカルには定評がある機種ですし、HP1000の不満点だった曇りも心配ないと思いこれにしました。高域も痛くないですし。
 この曲の明るさを良く引き出してくれます。ヴォーカルは艶っぽさよりも瑞々しさが前面に出ているように感じますが、これはソースがそもそもそういう録音だからでしょう。すべての楽器が調和してヴォーカルを盛り上げ、音楽が体全体を包み込み、聴き手を高みへと導きます。
 HP1000とは反対にややローエンドの量が足りない気もしますが、贅沢と言うものでしょう。


 初回なのでいまいち勝手が分かりませんが、こんな感じでしょうか? 更に贅沢を言うならアンプをHA-1Aにするという手があります。この組み合わせで聴くKOKIAの曲はほぼ完璧と言ってよい表現のように感じます。
 今回の曲は思ったとおり、かなり鳴らすのが難しく、曇ったり、嫌味が出たりします。今回は試しませんでしたが、低音よりの機種は合わないでしょう。結構高い音を鳴らす楽器を使ってますので。
 余談ですが、KOKIAを知らない人にはアルバム「Remember me」がオススメです。大抵のレンタルショップなら置いていると思うので、未聴の方は聴いてみてはどうでしょうか。上記のオフィシャルサイトで試聴できる曲もあります(その中では「Remember the kiss」がオススメです)。レンタルショップになければ、十分に買う価値のあるCDだと思います(もちろん個人的に、ですが)。


試聴はこちら。













戻る





TOP > 曲別HP探索 > 第1回