SE-MJ71

音質
 ドンシャリ。低域はかなり量が多い。やや柔らかくぼやけた質。重心の低さは普通。中域は低域に埋もれる感じ。やや引っ込んでいるように感じられることがある。質的には変な癖はないが、どちらかと言うとおとなしくあまり芯が通っていない印象。高域は多め。明るく鋭い質で目立つ。粗が気になる。
 分解能は価格なりからやや良いレベル。音の分離はいまいち、一つ一つの音の微細な描写はそれなり。音場感は、広さは狭め、明確さは普通。原音忠実性はいまいち。低域・高域ともに癖がある。原音の粗や生っぽさはそれなりに感じられる。エッジのきつさは高域を除けば普通だが、低域の量やこもり感で聴き疲れする面がある。高域にしろヴォーカルのサ行にしろやや鋭く刺さる。
 明瞭さはいまいち、音の鮮やかさはそれなり。厚みは普通。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはそれなり。ヴォーカルはややスモーキーでかつ擦れやリップノイズを出してくれる。どちらかと言うとノリが良い傾向。切れやスピード感よりは、低域に基づく迫力や力強さの方がある。響きは適度からやや豊かで、こもり感がかなり気になる。
 弦楽器はチェロやコントラバスを心地よく聴きたい場合にもヴァイオリン等を澄んだ感じで聴きたい場合にも特に良くはないが、同じくらい向いている。金管楽器は細く明るい質で、やややりすぎな感がある。打ち込み系の音の表現はそれなりと評価すべきかなかなか良いと評価すべきか迷うところ。低域を除けば音の質感の相性にしろ切れにしろ問題ない。
 量感のある低域と刺激的な高域を備えた分かりやすいドンシャリなので、そういうものを求めている人には合うと思われる。

装着感
 悪い。側圧はやや強め。ヘッドバンドは剥き出しのプラスチックだが、軽量のため頭頂部は痛くならないし、ずれにくい。
 イヤーパッドは耳のせサイズ、上下左右に角度調節ができる。材質はレザータイプの人工皮革。やや硬め。

その他
 遮音性は悪い、音漏れ防止は普通。音漏れ防止も密閉型としてはやや悪い。
 作りは価格なり。デザインはあまり癖がなく良い。スイーベル機構で折りたたみ可能。少し変わった方法で平たく小さく折りたたむことができる。R側のハウジング内部はLRの区別がつきやすいように赤色になっている。
 プラグは金メッキのミニプラグ。コードの太さは合流前は約1.5mm、合流後は幅約3.5mm・厚さ約1.5mm、硬さは普通からやや硬めで特に扱いづらくはない。イヤーパッドのサイズは、外周68mm×68mm、内周34mm×34mm、深さ12mm。

付属品
無し




参考
メーカー製品ページ

周波数特性グラフ


比較メモ
ATH-ES7
ATH-ES7はややドンシャリ、SE-MJ71はドンシャリ。低域はSE-MJ71の方が若干量が多い。SE-MJ71の方がやや薄く曇ったような質。重心はATH-ES7の方がやや低い。中域は、ATH-ES7の方が低域の量が少ない分はっきり聴こえてくるのに対して、SE-MJ71の方が質的に若干明るい分はっきり聴こえてくる。高域はSE-MJ71の方がやや量が多い。線の細い質。ATH-ES7の方が粗や癖がない。分解能はATH-ES7の方が若干上。音の分離で若干勝っている。一つ一つの音の微細な描写はSE-MJ71の方が線が細いぶん良いように感じられる面もあるが、ATH-ES7の方が粗なく丁寧にこなしてくれる。音場感はATH-ES7の方が若干広く明確。原音忠実性はATH-ES7の方が若干上。低域・高域ともに癖が小さい。原音の粗はSE-MJ71の方がやや感じられるが、生っぽさはATH-ES7の方がやや感じられる。エッジはSE-MJ71の方がややきつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろSE-MJ71の方がやや鋭く刺さる。明瞭さはATH-ES7の方が若干上、音の鮮やかさはほぼ同レベル。厚みはATH-ES7の方がややある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはほぼ同レベル。ヴォーカルはSE-MJ71の方がややスモーキーでかつ擦れやリップノイズを出してくれる。ATH-ES7の方がややノリが良い。切れがある。響きはSE-MJ71の方がやや豊かでこもり感が気になる。弦楽器は微妙。ソースによって変わってくるが、ヴァイオリン等を澄んだ感じで聴きたいならSE-MJ71の方が良いことが多い印象。金管楽器は、ATH-ES7の方がやや太く力強い、SE-MJ71の方がやや細く明るい。打ち込み系の音の表現はATH-ES7の方がややうまい。音の質感の相性や切れで若干勝っている。使い分けるなら、基本的にはATH-ES7、ATH-ES7では刺激が足りないとか線の太さが合わないという不満があるならSE-MJ71。

ATH-SJ11
ATH-SJ11は低音より、SE-MJ71はドンシャリ。低域はATH-SJ11の方が若干量が多い。特に所謂重低音より下はATH-SJ11の方がしっかり出る。SE-MJ71の方が薄く曇ったような質。重心はATH-SJ11の方が低い。中域は、ATH-SJ11の方が低域の量に負ける感じ、SE-MJ71の方が低域の曇りに覆われる感じ。質的にはATH-SJ11の方が癖がない。高域はSE-MJ71の方がある程度量が多い。線が細く明るい質で目立つ。分解能はSE-MJ71の方がやや上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ若干勝っている。音場感は、SE-MJ71の方が若干広い、明確さはほぼ同レベル。原音忠実性は微妙。周波数特性上の癖のなさはATH-SJ11の方がやや上。原音の粗や生っぽさはSE-MJ71の方が感じられる。エッジはSE-MJ71の方がきつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろSE-MJ71の方が鋭く刺さる。明瞭さはほぼ同レベル、音の鮮やかさはSE-MJ71の方がやや上。厚みはATH-SJ11の方がややある。温かみはほぼ同レベル、ヴォーカルの艶っぽさはSE-MJ71の方がやや感じられる。ヴォーカルはSE-MJ71の方がややスモーキーでかつ擦れやリップノイズを出してくれる。SE-MJ71の方がやや明るくノリが良い、ATH-SJ11の方がややどっしりとした安定感がある。響きはSE-MJ71の方がやや豊か。SE-MJ71の方がドラムや破裂音が目立つ。弦楽器は、ATH-SJ11の方が若干心地よい、SE-MJ71の方が生楽器らしさが感じられる。金管楽器はSE-MJ71の方が細く鮮やかで金属的な質感を出してくれるが、やややりすぎな感がある。打ち込み系の音の表現はSE-MJ71の方がややうまい。音の質感の相性で勝っている。使い分けるなら、重低音の量や聴き疲れのなさを求めるならATH-SJ11、高域の量やノリの良さを求めるならSE-MJ71。

RP-DJ500
RP-DJ500は低音よりのドンシャリ、SE-MJ71はドンシャリ。低域はSE-MJ71の方が若干量が多い。RP-DJ500の方がやや圧力のある質、SE-MJ71の方がやや柔らかい質。重心はRP-DJ500の方が若干低い。中域はどちらも低域に埋もれる感じだが、ソースによっては芯が通っている分RP-DJ500の方がはっきり聴こえてくることがある。高域はSE-MJ71の方がやや量が多い。明るく鋭い質で目立つ。RP-DJ500の方が粗がない。分解能はSE-MJ71の方が若干上。音の分離はほぼ同レベル、一つ一つの音の微細な描写はSE-MJ71の方が若干上。音場感は、RP-DJ500の方が若干広い、明確さはほぼ同レベル。原音忠実性はSE-MJ71の方が若干上。中域はRP-DJ500の方がやや癖が大きいが、高域はSE-MJ71の方がやや癖が大きい。原音の粗や生っぽさはSE-MJ71の方が若干感じられる。エッジはSE-MJ71の方がややきつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろSE-MJ71の方がやや鋭く刺さる。明瞭さはほぼ同レベル、音の鮮やかさはSE-MJ71の方が若干上。厚みはRP-DJ500の方がややある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはSE-MJ71の方がやや感じられる。ヴォーカルはSE-MJ71の方がややスモーキー。RP-DJ500の方がややノリが良い。切れやスピード感は大差ないが、厚みと音の圧力で勝っている。響きはほぼ同レベルで、どちらもこもり感が気になる。弦楽器はSE-MJ71の方がやや心地よく、音色も自然。金管楽器は、RP-DJ500の方がやや太く力強い、SE-MJ71の方がやや細く鮮やか。SE-MJ71の方がやややりすぎな感がある。打ち込み系の音の表現はほぼ同レベル。音の質感の相性にしろ切れにしろ大差ない。使い分けるなら、聴き疲れのなさや高域の癖のなさを求めるならRP-DJ500、音の鮮やかさや中域の癖のなさを求めるならSE-MJ71。

SE-MJ5
SE-MJ5は低音よりのドンシャリ、SE-MJ71はドンシャリ。低域はSE-MJ71の方が若干量が多い。SE-MJ71の方がぼやけたり曇ったりする質。重心はSE-MJ5の方が若干低い。中低域はSE-MJ71の方がしっかり出る。中域はSE-MJ5の方が低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。質的にはSE-MJ5の方がしっかりしている。高域はSE-MJ71の方が若干量が多い。SE-MJ71の方が線の細い質。分解能はSE-MJ5の方が若干上。音の分離で若干勝っている。一つ一つの音の微細な描写は大差ない。音場感は広さ・明確さともにほぼ同レベル。原音忠実性はSE-MJ5の方がやや上。低域・高域ともに癖が小さい。原音の粗や生っぽさはSE-MJ5の方がやや感じられる。エッジのきつさや聴き疲れは微妙。高域を除けばSE-MJ71の方がやや聴きやすい印象。高域はSE-MJ71の方がやや細く刺さる、ヴォーカルのサ行はSE-MJ5の方がやや痛い。明瞭さはSE-MJ5の方が若干上、音の鮮やかさはほぼ同レベル。厚みはSE-MJ5の方がややある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはSE-MJ71の方が若干感じられる。ヴォーカルは、SE-MJ5の方がやや芯の通った質、SE-MJ71の方がややスモーキー。どちらかと言うとSE-MJ5の方がノリが良い。SE-MJ5の方が切れやスピード感がある。響きはSE-MJ71の方が若干豊かでこもり感が気になる。弦楽器は、SE-MJ5の方がやや生楽器らしさが感じられる、SE-MJ71の方がやや心地よい。金管楽器は、SE-MJ5の方がやや太く力強い、SE-MJ71の方がやや細く明るい。打ち込み系の音の表現はSE-MJ5の方がややうまい。音の質感の相性は大差ないが、切れで勝っている。使い分けるなら、明瞭さや切れを求めるならSE-MJ5、低域の量や温かみを求めるならSE-MJ71。

ZHP-005
SE-MJ71はドンシャリ、ZHP-005は低音より。低域はSE-MJ71の方が若干量が多い。ZHP-005の方が薄く曇ったような質。重心はSE-MJ71の方がやや低い。中域はZHP-005の方が不要な芯が通っている分はっきり聴こえてくる。高域はSE-MJ71の方がやや量が多い。線が細く明るい質で目立つ。分解能はSE-MJ71の方がやや上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ若干勝っている。音場感は、広さはほぼ同レベル、明確さはSE-MJ71の方が上。ZHP-005の方が頭内定位が気になりやすい。原音忠実性はSE-MJ71の方が上。一聴して違和感が小さい。原音の粗や生っぽさはSE-MJ71の方が若干感じられる。エッジのきつさは微妙。高域を除けばSE-MJ71の方がやや聴きやすい印象。ZHP-005の方がこもり感や妙なハウリングのような感じがあって聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろSE-MJ71の方がやや細く刺さる感じ、ZHP-005の方が粗っぽく痛い感じ。明瞭さ、音の鮮やかさはSE-MJ71の方が若干上。厚みはZHP-005の方が若干ある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはSE-MJ71の方がやや感じられる。ヴォーカルはSE-MJ71の方が癖がなくソースを選ばない。どちらかと言うと、ZHP-005の方がノリが良い、SE-MJ71の方が繊細。響きはSE-MJ71の方が若干豊かだが、こもり感はZHP-005の方がやや気になる。ZHP-005の方が歪みが気になる。弦楽器はSE-MJ71の方が繊細かつ心地よいし、音色も自然。金管楽器は、SE-MJ71の方が細く綺麗、ZHP-005の方が太く力強い。SE-MJ71の方が癖がない。打ち込み系の音の表現はSE-MJ71の方が若干うまい。癖のなさや低域の質で勝っている。使い分けるなら、基本的にはSE-MJ71、SE-MJ71では低域の量が多すぎるとか高域が細く刺さる点が気になるという不満があるならZHP-005。

サイン波応答


位相+高周波歪み


インパルス応答(CSD)


インパルス応答(録音波形)


100Hz・1kHz・10kHzサイン波の再生



     










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スペック

駆動方式 構造 周波数帯域 音圧感度 インピーダンス
ダイナミック 密閉型 5Hz〜28kHz 105dB 32Ω
重量 ドライバー直径 コードの長さ コードの出し方 備考
115g 40mm 1.2m 両出し 折りたたみ可能

評点

音質 装着感 遮音性 音漏れ デザイン 携帯性 音の傾向 参考最安価格
2 2 2 3 4 3 低、高 3100円

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公開日:2012.2.8