第21回 映画鑑賞向きのヘッドホン

 本サイトでは基本的に音楽鑑賞にヘッドホンを使うことを前提に話を進めていますが、もちろん音楽鑑賞以外にヘッドホンを使いたいという人も多いでしょう。その中でも、今回は映画鑑賞に向いているヘッドホンをいくつか取り上げてみたいと思います。
 具体的な機種名を挙げる前に「映画鑑賞向きのヘッドホン」とはどういうヘッドホンなのか、個人的な意見を述べさせてもらいたいと思います。この時点であまりに意見が違う人は、今回の内容は参考にならないと思います。
 まず、「映画」と言っても、「音楽」と同じように様々なジャンルがあります。分かりやすく言えば「ローマの休日」と「マトリックス」では求められる音は全然違うでしょう。あらゆる映画を最高の音質で楽しめるヘッドホンというものは存在しないと思います。タイトルごとに、相性の良いヘッドホン、悪いヘッドホンがあるわけです。
 上記のような前提のものとで、わりと一般的な「映画鑑賞向きのヘッドホン」の条件として下記のように考えています。

1.装着感が良いこと(側圧が弱めで、蒸れにくいこと)
2.低域がある程度出る上、中域が埋もれないこと
3.音場が明確なこと
4.音が細すぎないこと
5.聴き疲れしないこと

 これだけの条件を満たすヘッドホンは、ほとんどありません。多少妥協して、全体のバランスを考えた上で映画鑑賞向きのヘッドホンをいくつか選んでみました。


HD595
 映画鑑賞向きと言うには低域が伸びすぎでメリハリに欠けると思いますが、装着感は非常に良いですし、音場も明確、聴き疲れしません。

MDR-F1
 やや迫力に欠けるという欠点はありますが、上記の条件をすべて満たしています。多少音量を上げても痛い音にはならないので、迫力に欠けると感じる人は音量をあげるか、イコライザーで低音を強調すると良いと思います。

SE-A1000
 ホームシアターヘッドホンという売り文句の通り、映画鑑賞にかなり向いています。上記の条件はすべて満たしていますし、MDR-F1より低音が出ます。迫力も十分です。強いて欠点を挙げるなら中域が埋もれ気味な点ですが、普通に映画を見る分には問題ないと思います。総合的に見て、映画鑑賞向きヘッドホンNo.1です。

TriPort
 側圧はそれなりにある上、蒸れますが、それ以外は非常に映画鑑賞向きです。独特の音場があり、その点ではSE-A1000より良いと感じる人も多いでしょう。


 私自身、それほど映画に詳しいわけではありませんが、多少は見ます。数年前から年20本ペースで劇場に足を運んでいましたが、ここ1年はかなり本数が減ってしまいました。それでも、どちらかと言うと「映画は映画館で観る派」なので、今回の内容はあまり当てにはならないかもしれません。一応映画も観るヘッドホンマニアの一意見と思ってください。







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