ATH-CK7

音質
 やや低音よりのドンシャリ。低域は量的にはやや多めだが、質的にはそれほど低い音を鳴らすわけでもなく、全体として適度な印象。中域は低域に埋もれることなくはっきり聴こえてくるが、若干うわずり気味だし、ソースによってはやや嫌味が出る。高域はaudio-technicaらしい金属的な鳴りでかなり硬いが、あまり細くはないので痛く感じにくい。
 分解能、音場感ともに価格なりといった感じで、それほど突出してはいない。原音忠実性はいまいち。エッジは多少きつめだが、それほど聴き疲れしないレベル。
 明瞭さ、音の鮮やかさ、厚みはなかなか良い。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはいまいち。ややキンキンした感じが気になる。スピード感があり、かなりノリが良い。響きはややあっさりから適度。こもり感は多少気になるレベル。全体的な傾向としては明るく、硬く、冷たい音調だが、破綻はしていない。
 弦楽器はヴァイオリン等の澄んだ表現はそれなりに楽しめるが、チェロ等の心地よさには欠ける。金管楽器はかなり鮮やかで金属的な鳴りが楽しめる。打ち込み系の音の表現はかなりうまい。付帯音が少ないし、低域の量、音の厚み、太さ等どれをとっても打ち込み系の音に向いている。
 ポップスをノリ良く楽しみたいならかなり良い機種。

装着感
 普通。カナル型だが、イヤーピースを耳の奥に押し込むタイプではないので装着しやすいし、耳の穴が痛くなりにくい。やや重いが、装着感には影響ないようだ。人によってはコードが顔に当たるのが不快に感じるかもしれない。
 イヤーピースの材質はシリコンのようだ。3サイズ付属している。

その他
 遮音性及び音漏れ防止は良好。ただし、遮音性はカナル型にしては良くない。
 作り、デザインともになかなか良い。
 プラグは金メッキのL型ミニプラグ。コードの太さは合流前は約1.5mm、合流後は約2mm、やや硬く扱いづらい。

付属品
イヤーピース3種類
キャリングポーチ



参考
メーカー製品ページ

周波数特性グラフ


比較メモ
AH-C700
AH-C700は低音よりのドンシャリ、ATH-CK7はややドンシャリ。低域はAH-C700の方が柔らかくぼやけていて量が多い。中域はどちらも低域の量に押される感じはあるが、低域の量の割にはどちらもそれなりに聴こえてくる。ただ、低域の量が少なく中域がややうわずっているATH-CK7の方がはっきり聴こえてくる感はある。中高域から高域は、音の高さはそれほど差はないが、ATH-CK7の方が粗がある。分解能はほぼ互角だが、どちらかと言えばAH-C700の方が上。音場感も大きな差はないが、AH-C700の方がやや立体的。原音忠実性は低域の量が過剰な点を除けばAH-C700の方が良い。ATH-CK7の方が作ったような音。ATH-CK7の方がエッジがきついが、AH-C700は低音が出すぎでこもりのせいで疲れるため、どちらが聴き疲れするかはソースや聴く人によって違ってくるだろう。明瞭さ、音の鮮やかさはATH-CK7の方がやや上。厚みはATH-CK7の方が上。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはAH-C700の方がやや上。どちらもノリが良いように感じるが、AH-C700は低音で押している感じで鳴らし方そのものは意外と上品であるのに対して、ATH-CK7は鳴らし方そのものが元気な感じ。響きはAH-C700の方が豊かでこもり感が気になる。その他気になる点としては、ATH-CK7の方がドラムや破裂音などが前に出てくる感じで目立つというのが挙げられる。弦楽器はAH-C700の方が繊細かつ心地よい。金管楽器はどちらもなかなか鮮やかで楽しめるが、ATH-CK7の方が派手で、分かりやすい魅力がある。打ち込み系の音の表現はATH-CK7の方がうまい。音の締まりや低域の質で勝っている。使い分けるなら、低域が出すぎでも良いから作ったような音や硬い音を避けたいならAH-C700、そうでないならATH-CK7。

ATH-CK10
ATH-CK10はやや高音より、ATH-CK7はややドンシャリ。低域はATH-CK7の方が量が多くぼやけている。ATH-CK10の方がローエンドが弱く締まりがある。中低域はATH-CK10も十分出る。中域はどちらもはっきり聴こえてくるが、表現力としてはATH-CK10の方がかなり上。音の高さはATH-CK10の方が高いくらいなのだが、ATH-CK7の方が張り出す感じで痛い感じに目立つことが多い。中高域はATH-CK7の方がしっかり出る感じ。高域はATH-CK10の方が細く繊細で上まで伸びている。ATH-CK7の方が太く金属的。ATH-CK10がハイハットをシャンと鳴らすところを、ATH-CK7はチンと鳴らす感じ。分解能はATH-CK10の方が上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ勝っている。音場感はATH-CK10の方がやや広く明確。原音忠実性はATH-CK10の方が上。周波数特性上の癖のなさ、一聴したときの違和感の少なさ、原音の粗や生っぽさが感じられる度合い、すべてにおいて勝っている。エッジのきつさは微妙なところ。ヴォーカルのサ行の痛さは同等レベル。ATH-CK10の方が線が細いという意味で疲れる面もあるのだが、基本的にATH-CK7の方が雑で粗がありしかも中域が張り出す感じで疲れることが多い。明瞭さはATH-CK10の方が上、音の鮮やかさはほぼ同レベル。厚みはATH-CK7の方がある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはATH-CK10の方が上。ATH-CK10の方がかなり繊細。どちらもある種のノリの良さがあるのだが、ATH-CK10はしっかり制御された切れやタイトさに基づくノリの良さ、ATH-CK7は力任せに振り回すようなノリの良さ。響きはATH-CK7の方が豊か。弦楽器はATH-CK10の方がかなり繊細でうまい。金管楽器は迫力という意味ではATH-CK7の方が良いが、ATH-CK10の方が丁寧で原音に近くしかも十分な鮮やかさを持っている。打ち込み系の音の表現はほぼ同レベルだが、好みが分かれるかもしれない。ATH-CK7は低域の量が多く音の厚みがある点が良く、ATH-CK10は低域の締まりや切れがある点が良い。音の質感はどちらも硬質で相性が良いが、ATH-CK10の方が線が細いのでそれを嫌う人もいるだろう。使い分けるなら、基本的にはATH-CK10、低域の量や迫力重視ならATH-CK7。

ATH-CK52
ATH-CK52は高音よりのドンシャリ、ATH-CK7はややドンシャリ。低域はどちらもしっかり低い音を鳴らしてくれる点は似ているが、ATH-CK7の方がやや量が多い。中域はどちらも似たような癖があるが、ATH-CK52の方がややうわずっていて悪い意味で目立つ感じ。高域はATH-CK52の方が高く鋭い音で量も多い。分解能はほぼ同等だが、ATH-CK52の方がエッジがきつく鋭い音なので細かい音まで鳴らしているように感じることもある。音場感はATH-CK52の方が遠くから音を鳴らしているような感じ。逆に言えばATH-CK7の方が臨場感がある。明確さという意味ではさほど差を感じない。原音忠実性はATH-CK7の方が上。原音の粗はATH-CK52の方が感じられる面もあるのだが、ATH-CK7の方が周波数特性上の癖が小さい上に原音の実体感のようなものが感じられる。ATH-CK52の方がエッジがきつく聴き疲れしやすい。明瞭さ、音の鮮やかさはATH-CK52の方がやや上。厚みはATH-CK7の方が上。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはATH-CK7の方が上。ATH-CK7の方がノリが良くかつ繊細。響きは、低域はATH-CK7の方が豊か、高域はATH-CK52の方が豊か。弦楽器はATH-CK7の方が繊細かつ心地よい。金管楽器はATH-CK52の方が高く鮮やかだが、やりすぎな感がある。ATH-CK7でも十分鮮やか。打ち込み系の音の表現はATH-CK7の方がうまい。低域の量感や音の厚みで勝っている。使い分けるなら、基本的にはATH-CK7、よほど高域が欲しいときだけATH-CK52。

ATH-CKS90
ATH-CK7はややドンシャリ、ATH-CKS90は低音よりのドンシャリ。低域はATH-CKS90の方がやや量が多い。質的にはそれなりに違いがあるが、表現が難しい。ベースはATH-CKS90の方が量感があり目立つことが多いが、バスドラはATH-CK7の方がアタック感があり目立つことが多い。重心の低さはほぼ同レベル。中域はATH-CK7の方がやや明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくるが、うわずったり張り出したりする癖が気になることも多い。高域はATH-CK7の方がやや量が多い。ATH-CKS90の方がやや線が細く粗がない。分解能は大差ないが、どちらかと言うとATH-CKS90の方が上。音の分離は大差ない。一つ一つの音の微細な描写はATH-CKS90の方が粗なく丁寧にこなしてくれる。音場感は、ATH-CK7の方がやや広く、ATH-CKS90の方がやや明確。原音忠実性はATH-CKS90の方がやや上。周波数特性上の癖が小さく、一聴して違和感がない。原音の粗や生っぽさはATH-CK7の方が感じられる。エッジはATH-CK7の方がきつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろATH-CK7の方が痛い。明瞭さ、音の鮮やかさはATH-CK7の方が上。厚みはほぼ同レベル。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはATH-CKS90の方が感じられる。ヴォーカルはATH-CKS90の方が癖がなくソースを選ばない。どちらもノリの良さが感じられるが、ATH-CK7の方が自由奔放な感じ、ATH-CKS90の方がしっかり制御されている感じ。ATH-CK7の方が音色が明るい。粗がないという意味でATH-CKS90の方が繊細。響きは微妙。響きと言うよりも帯域バランスと粗の違いで響きの印象が大きく変わってくる。ATH-CK7の方が粗っぽさがロックに合う面がある。弦楽器はATH-CKS90の方が繊細かつ心地よい。金管楽器は、ATH-CK7の方がやや鮮やか、ATH-CKS90の方が癖がない。打ち込み系の音の表現はATH-CK7の方がややうまい。音の質感の相性や中高域から高域の明るさで勝っている。使い分けるなら、高域の量や粗を求めるならATH-CK7、低域の量や原音忠実性を求めるならATH-CKS90。

BI-RACKEAR
ATH-CK7はややドンシャリ、BI-RACKEARは低音よりのドンシャリ。低域はBI-RACKEARの方がやや量が多い。特に所謂重低音より下はBI-RACKEARの方がしっかり出る。BI-RACKEARの方がかなり存在感がある。重心はBI-RACKEARの方が低い。中域はATH-CK7の方がやや明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくるが、うわずったり張り出したりする癖が気になることも多い。高域はATH-CK7の方が若干量が多い。どちらも硬く明るい質である点は似ている。分解能はほぼ同レベル。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ大差ない。音場感は、ATH-CK7の方がやや広い。明確さはほぼ同レベル。原音忠実性はBI-RACKEARの方が若干上。BI-RACKEARの方が一聴して違和感が小さい。原音の粗や生っぽさはATH-CK7の方が若干感じられる。エッジはATH-CK7の方がややきついが、BI-RACKEARは低域の量で疲れる面があるため、総合的な聴き疲れはソースや聴く人によって変わってくるだろう。高域にしろヴォーカルのサ行にしろATH-CK7の方が若干痛い。明瞭さ、音の鮮やかさはATH-CK7の方が若干上。厚みはほぼ同レベル。温かみはBI-RACKEARの方がやや感じられる。ヴォーカルの艶っぽさは微妙だが、BI-RACKEARの方が癖がなく安心して聴けることが多い。どちらもノリが良い傾向だが、ATH-CK7の方が自由奔放な感じ、BI-RACKEARの方がしっかり制御されている感じ。ATH-CK7の方が音色が明るい。BI-RACKEARの方が低域に基づく迫力や力強さがある。響きはほぼ同レベル。弦楽器はBI-RACKEARの方が若干滑らかで心地よいし、音色も自然。金管楽器はATH-CK7の方が若干鮮やかだが、やややりすぎな感がある。打ち込み系の音の表現はほぼ同レベル。音の質感の相性、切れ、厚み等、様々な点から見て大差ない。使い分けるなら、高域の量や音場の広さを求めるならATH-CK7、低域の量や原音忠実性を求めるならBI-RACKEAR。

CX300
ATH-CK7はやや低音よりのドンシャリ、CX300は低音よりのドンシャリ。低域はCX300の方が量が多いし、低い音で厚みもある。ATH-CK7はCX300と比べるとローエンドが弱い印象。中域はATH-CK7がややうわずり気味なのに対して、CX300は癖がない。それでいてCX300の方がはっきり聴こえてくる。高域はどちらもかなり高い音を鳴らしてくれるが、CX300の方が細く粗がない。分解能及び原音忠実性はCX300の方がやや上。音場感は互角。エッジのきつさはほぼ互角だが、ATH-CK7は音が割れ気味で聴き疲れするのに対して、CX300は音の圧力で聴き疲れする。明瞭さ、音の鮮やかさ、厚みはほぼ互角。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはCX300の方が上。ただし、これはどちらかと言うとATH-CK7が冷たいという見方の方が正しいだろう。ノリの良さにしろ繊細さにしろ、CX300の方がやや上。響きはCX300の方が豊かでこもり感が気になる。弦楽器はCX300の方が粗がなく繊細。金管楽器はどちらも鮮やかだが、CX300の方がしっかり芯の通った音。打ち込み系の音の表現はどちらもうまいが、CX300の方が音に圧力があり楽しめる。得意分野はどちらもポップス。使い分けるなら、基本的にはCX300、低域の量が多すぎると感じるときはATH-CK7。

E2c
ATH-CK7はやや低音よりのドンシャリ、E2cはかなりフラット。低域はATH-CK7の方が一段低い音で、量も多い。中域はどちらもしっかり聴こえてくるが、ATH-CK7はかなりうわずっているために目立つのに対して、E2cは癖がないため特に目立たない。高域はATH-CK7の方が一段高く量も多い。金属的な鳴り。分解能は、ATH-CK7の方が線が細いため若干良いように感じるが、実際はそれほど差がないだろう。音場感はATH-CK7の方が若干広く良い。原音忠実性はE2cの方が圧倒的に上。ATH-CK7は原音忠実というよりも音楽、主にポップスやブラスを楽しむための音作りに特化しているように感じる。中域から中高域にかけての癖は、人によっては我慢できないだろう。ATH-CK7の方がエッジがきつく聴き疲れする。明瞭さ、音の鮮やかさ、厚みはATH-CK7の方が上。特に鮮やかさについてはATH-CK7とE2cは対照的。温かみはどちらもあまり感じられないが、どちらかと言えばE2cの方が上か。ヴォーカルの艶っぽさは、線が細い分ATH-CK7の方が感じられる気がするが、痛さや音割れもあり、プラスマイナスゼロと言った印象。ATH-CK7の方がかなりノリが良い。中域の響きはE2cの方が豊かだが、高域はATH-CK7の方が豊か。弦楽器はE2cの方が変な癖がなく安心して聴ける。金管楽器はATH-CK7の方が高く鮮やかだが、かなり作ったような印象を受ける。打ち込み系の音の表現は、ATH-CK7は線が細く音割れが気になるし、E2cでは厚みや切れに欠ける気がする。一長一短だが、基本的にはATH-CK7の方が楽しめる。使い分けるならポップスやブラスを楽しみたいときはATH-CK7、それ以外はE2cか。

IE-1
ATH-CK7はややドンシャリ、IE-1はやや高音より。低域はATH-CK7の方がしっかり低い音を鳴らしてくれるし量も多め。中域はIE-1の方がはっきり聴こえてくる。高域はIE-1の方がやや高い音で量も多い。この2機種を比べた場合、ATH-CK7の方が低音よりと言える。分解能はATH-CK7の方がやや上。音の分離に差がある。音場感は広さ、明確さともに同レベル。原音忠実性はATH-CK7の方がやや上。IE-1はATH-CK7と比べてザラザラした質感で余計な音を鳴らしすぎる。IE-1の方がエッジがきつめだが、ATH-CK7の方が圧力のある音で、どちらが聴き疲れするかはソースによって変わってくる。明瞭さ、音の鮮やかさはIE-1の方が上。厚みはATH-CK7の方がある。温かみはIE-1の方が感じられる。ヴォーカルの艶っぽさは基本的にはIE-1の方が良いが、付帯音やサ行等の痛さが気になる場合にはATH-CK7の方が良いかもしれない。ATH-CK7の方がノリが良い。響きは、低域はATH-CK7の方が豊か、高域はIE-1の方が豊か。弦楽器はATH-CK7の方が生楽器らしくて良いが、IE-1の方がある種の聴きやすさがある。金管楽器はIE-1の方が高く鮮やかだが、やりすぎの感がある。打ち込み系の音の表現はATH-CK7の方がうまい。低域の量感や音の厚み・圧力で勝っている。ただ、IE-1の中高域の鮮やかさもかなり魅力的。使い分けるなら、付帯音の多さやザラザラした質感を嫌うならATH-CK7、硬く芯の通った音を嫌うならIE-1。あるいは、低域の量重視ならATH-CK7、高域の量重視ならIE-1。

MDR-EX71SL
どちらもややドンシャリだが、どちらかと言うとATH-CK7の方がフラット。低域の量はほぼ互角だが、MDR-EX71SLの方が若干低い音。中域はATH-CK7の方がややうわずり気味のせいかはっきり聴こえてくる。高域はMDR-EX71SLの方が若干高く粗がある音。分解能、音場感ともにATH-CK7の方が若干良いが、価格分の差があるかどうかは微妙。原音忠実性はほぼ互角。基本的にはATH-CK7の方が良いのだが、中域のうわずり気味な部分が致命的に感じる。MDR-EX71SLの中域は癖がない。エッジのきつさ、聴き疲れはほぼ互角。明瞭さ、音の鮮やかさはATH-CK7の方がやや上。厚みはほぼ互角。温かみはMDR-EX71SLの方が感じられる。ATH-CK7はaudio-technicaらしい硬く冷たい音。ヴォーカルの艶っぽさはほぼ互角だが、ATH-CK7の方がキンキンした硬さがあり、MDR-EX71SLの方が若干サ行の音が痛い。どちらもノリが良い。粗のなさという点ではATH-CK7の方が若干上。響きはどちらも適度であまり差はない。弦楽器はATH-CK7の方が原音の生っぽさが感じられるように思うが、基本的に大きな差はない。金管楽器はどちらもかなり高く鮮やかだが、鮮やかさという点ではATH-CK7の方が上。打ち込み系の音の表現はATH-CK7の方がうまい。得意分野はどちらもポップス、使い分けるならロックはMDR-EX71SL、それ以外はATH-CK7だろう。ただし、ATH-CK7の癖を受け付けない人にとっては、何を聴くにしてもMDR-EX71SLの方が良いかもしれない。

MDR-EX90SL
どちらもやや低音よりのドンシャリ。低域はATH-CK7の方が低く厚みがあるが、量そのものはMDR-EX90SLの方が多い。中域はATH-CK7の方が低域がタイトな上、うわずり気味ではっきり聴こえてくる。中高域はATH-CK7の方が高く金属的な鳴りだが、高域はMDR-EX90SLの方が自然に良く伸びている。分解能、音場感、原音忠実性すべてMDR-EX90SLの方が上。音の分離はATH-CK7の方がやや上のようにも感じるが、微細な描写のうまさでMDR-EX90SLが圧倒的に勝っている。ATH-CK7が原音忠実など眼中に無い音作りであるのに対して、MDR-EX90SLは基本的に原音忠実路線のように感じる。ATH-CK7の方がエッジがきつく聴き疲れする。明瞭さ、音の鮮やかさ、厚みはATH-CK7の方が上。ただし、すべて原音忠実を犠牲にした上でのもの。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはMDR-EX90SLの方がかなり良い。ATH-CK7がノリが良いのに対して、MDR-EX90SLはノリの良さと繊細さを両立させている。響きはMDR-EX90SLの方が豊か。弦楽器はMDR-EX90SLの方が繊細かつ心地よい。金管楽器はATH-CK7の方が鮮やかで金属的な鳴りが楽しめるが、ソースによってはチープに感じるし原音と違いすぎる。MDR-EX90SLはそれほど原音とかけ離れていない音で鮮やかさを必要量持っている感じ。打ち込み系の音の表現はATH-CK7の方がうまい。低域の厚みや切れで勝っている。使い分けるなら、基本的にはMDR-EX90SL、原音忠実などどうでも良いからポップスやロックをノリ良く楽しみたいならATH-CK7。

RP-HJE70
ATH-CK7はやや低音よりのドンシャリ、RP-HJE70はやや高音よりのドンシャリ。低域はATH-CK7の方がやや強い。中域はどちらもそれなりに聴こえてくるが、低域や高域よりはやや弱めな印象。ATH-CK7はやや嫌味があるが、PR-HJE70はない。高域はRP-HJE70の方が細く硬い音。分解能、音場感、原音忠実性すべてRP-HJE70の方がやや上。RP-HJE70の方がエッジがきつく聴き疲れしやすい。明瞭さ、音の鮮やかさはRP-HJE70の方が上。厚みはほぼ互角。温かみはどちらもあまり感じられない。ヴォーカルの艶っぽさはRP-HJE70の方がやや上。どちらもノリが良い。響きはどちらもややあっさりから適度だが、どちらかと言えばRP-HJE70の方が豊か。どちらもこもり感はあまり気にならない。硬い音を鳴らす点は良く似ているが、どちらかと言えばATH-CK7の方が柔らかい。弦楽器はどちらもあまりうまくない。特に温かみが足りないように感じる。繊細さはRP-HJE70の方が上。金管楽器はRP-HJE70の方が高く鮮やか。しっかり芯が通っていて気持ちよい。打ち込み系の音の表現はどちらも悪くないが、どちらかと言えばATH-CK7の方がうまい。ATH-CK7の方が低域が出るし、RP-HJE70は線が細い感じが合わない。得意分野はどちらもポップス、RP-HJE70の聴き疲れが嫌ならATH-CK7、ATH-CK7の中域の嫌味や不自然さが気になるならRP-HJE70を使えば良いだろう。

Turbine Pro Copper
ATH-CK7はやや低音よりのドンシャリ、Turbine Pro Copperはやや低音より。低域はATH-CK7の方が若干量が多い。Turbine Pro Copperの方がやや締まっている。重心はTurbine Pro Copperの方が若干低い。中域は、ATH-CK7の方がうわずったり張り出したりするせいではっきり聴こえてくるのに対して、Turbine Pro Copperの方が低域がぼやけないためにはっきり聴こえてくる。中高域はATH-CK7の方がしっかり出る。高域はATH-CK7の方がやや量が多い。Turbine Pro Copperの方がやや線が細く粗がない。分解能はTurbine Pro Copperの方がやや上。音の分離で若干勝っているし、一つ一つの音の微細な描写は粗なく丁寧にこなしてくれる。音場感はTurbine Pro Copperの方がやや奥行きがあり明確。Turbine Pro Copperの方が音像がシャープ。原音忠実性はTurbine Pro Copperの方が上。周波数特性上の癖のなさで勝っている。原音の粗が感じられる度合いはほぼ同レベル、生っぽさはTurbine Pro Copperの方がやや感じられる。エッジはATH-CK7の方がきつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろATH-CK7の方が痛い。明瞭さはTurbine Pro Copperの方がやや上、音の鮮やかさはほぼ同レベル。厚みはTurbine Pro Copperの方が若干ある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはTurbine Pro Copperの方が若干感じられる。どちらも明るく元気でノリが良い。基本的にはTurbine Pro Copperの方がきちんと制御されていて良いが、ソースや聴き方によってはATH-CK7の雑さが合うこともある。響きはATH-CK7の方がやや豊か。どちらも硬く冷たい傾向である点は似ている。弦楽器はTurbine Pro Copperの方が繊細かつ心地よいし、音色も自然。金管楽器はどちらも鮮やかで金属的な質感を出してくれる。ATH-CK7の方がやりすぎな感があり、Turbine Pro Copperの方が癖がない。打ち込み系の音の表現はTurbine Pro Copperの方が若干うまい。音の質感の相性は大差ないが、切れでやや勝っている。使い分けるなら、基本的にはTurbine Pro Copper、Turbine Pro Copperでは高域の量が足りないとか制御されすぎているという不満があるならATH-CK7。

サイン波応答


位相+高周波歪み


インパルス応答(CSD)


インパルス応答(録音波形)


100Hz・1kHz・10kHzサイン波の再生


曲別HP探索2
第14回 Black Winter Night/DragonForce「Valley of the Damned」より





※生産終了










戻る





スペック

駆動方式 構造 周波数帯域 音圧感度 インピーダンス
ダイナミック 密閉型 12Hz〜24kHz 104dB 16Ω
重量 ドライバー直径 コードの長さ コードの出し方 備考
10g 11mm 1.2m 両出し(Y型) -

評点

音質 装着感 遮音性 音漏れ デザイン 携帯性 音の傾向 参考最安価格
3.5 4 4 5 4 5 均(低、高) 7500円

TOP > ヘッドホンレビュー > ATH-CK7

公開日:2006.2.26

※生産終了