UBQ-ES703

音質
 やや高音より。低域はやや量が少ない。どちらかと言うと薄く曇ったような質。ソースによってはやや歪みが気になることがある。重心は普通からやや高め。中低域はしっかり出る。中域は低域に邪魔されずはっきり聴こえてくるし、変な癖もない。高域は中域と同量から若干多め。どちらかと言うと線が細く、硬く明るい質。
 分解能は価格なりからやや良いレベル。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろそれなり。音場感は広さ・明確さともに普通。明確さよりは広がりが感じられる傾向。原音忠実性はそれなり。低域は多少気になるが、一聴して大きな違和感はない。原音の粗や生っぽさはそれなりに感じられる。エッジはあまりきつくなく、それほど聴き疲れしない。高域にしろヴォーカルのサ行にしろやや細く刺さると感じることはあるが、特に酷くはない。
 明瞭さ、音の鮮やかさはなかなか良い。厚みは普通。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはなかなか良い。ヴォーカルは文字通りやや艶が乗る感じ。ノリの良さと繊細さをある程度両立している。響きは適度からやや豊か。やや付帯音が多いような印象。
 弦楽器は心地よさよりは繊細さの方が感じられる印象。チェロやコントラバスでは低域が物足りないことが多いし、歪みが気になることもある。金管楽器はなかなか鮮やかで、金属的な質感を出してくれる。打ち込み系の音の表現はそれなり。音の質感の相性は悪くないが、付帯音の多さが合わないことがある。
 中低域が比較的しっかり出る点と付帯音が多めな点が特徴的な機種。
 上記の内容はアタッチメント不使用の際のもの。アタッチメントを使用するとやや低音よりになり、全体的に柔らかく温かみのある音になる。

装着感
 良好。一般的なインナーイヤーヘッドホンなので、装着しにくい等の問題はないし、長時間装着してもまったく疲れない。ずれやすさは基本的には普通のインナーイヤーヘッドホンなみで、コードを引っ掛けたりしない限り問題ないレベル。重い、コードが顔に当たりやすい等の不満もない。
 付属しているアタッチメント(通常のスポンジ状)を使用すると、ずれにくくなり装着感が良くなるように感じる。

その他
 遮音性は悪い。音漏れ防止は普通。いずれも開放型イヤホンとしては平均レベル。
 作りは価格なり。デザインは多少アクセントがあるが、それほど人を選ばないと思われる。
 プラグは金メッキのミニプラグ。コードの太さは合流前は約1.5mm、合流後は約2mm、合流後のみやや硬いがそれほど扱いづらくはない。

付属品
アタッチメント
キャリングポーチ



参考
メーカー製品ページ

比較メモ
ATH-CM707
ATH-CM707はややかまぼこ、UBQ-ES703はやや高音より。低域はATH-CM707の方が若干量が多い。ATH-CM707の方がしっかりした質。UBQ-ES703の方が薄く曇ったような質。重心はATH-CM707の方がやや低い。中域は、ATH-CM707の方が張り出すような癖がある分はっきり聴こえてくるのに対して、UBQ-ES703の方が低域が少ない分はっきり聴こえてくる。高域はUBQ-ES703の方が若干量が多い。線の細い質。UBQ-ES703の方が伸びが良い。分解能は大差ないが、どちらかと言うとUBQ-ES703の方が上。音の分離はほぼ同レベル、一つ一つの音の微細な描写はUBQ-ES703の方が若干上。音場感は微妙。ATH-CM707の方が左右に広い、UBQ-ES703の方が上下に広い。明確さはほぼ同レベル。UBQ-ES703の方が近くで音を鳴らす感じで頭内定位が気になりやすい。原音忠実性はUBQ-ES703の方が若干上。周波数特性上の癖のなさで若干勝っている。原音の粗や生っぽさが感じられる度合いはほぼ同レベル。エッジはUBQ-ES703の方が若干きついが、ATH-CM707の方が中域の張り出しで疲れる面があり、総合的な聴き疲れはソースや聴く人によって変わってくるだろう。高域はUBQ-ES703の方が若干細く刺さる、ヴォーカルのサ行は大差ない痛さ。明瞭さ、音の鮮やかさはUBQ-ES703の方が若干上。厚みはATH-CM707の方がややある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはUBQ-ES703の方がやや感じられる。ヴォーカルはUBQ-ES703の方がスモーキーで聴きやすい。ATH-CM707の方がややノリが良い、UBQ-ES703の方がやや繊細。ATH-CM707の方が低域に基づく迫力や力強さがある。響きはUBQ-ES703の方がやや豊か。ATH-CM707の方がソースによっては太い芯が通っているように感じられることがある。弦楽器はUBQ-ES703の方が繊細で、音色も自然。金管楽器は、ATH-CM707の方がやや太く力強い、UBQ-ES703の方がやや細く明るい。打ち込み系の音の表現はATH-CM707の方が若干うまい。音の質感の相性や切れで勝っている。使い分けるなら、厚みや低域の量を求めるならATH-CM707、響きや高域の量を求めるならUBQ-ES703。

EP-AVNAIR
EP-AVNAIRはややドンシャリ、UBQ-ES703はやや高音より。低域はEP-AVNAIRの方がある程度量が多い。UBQ-ES703の方が薄く曇ったような質。EP-AVNAIRの方がかなり存在感がある。UBQ-ES703の方が歪みが気になることが多い。重心はEP-AVNAIRの方が低い。中低域は低域と比べると量の差が小さい。中域は、EP-AVNAIRの方が音の分離が良い分はっきり聴こえてくるのに対して、UBQ-ES703の方が低域が少ない分はっきり聴こえてくる。高域はほぼ同量。UBQ-ES703の方がやや鋭い質。EP-AVNAIRの方が粗がない。分解能はEP-AVNAIRの方がやや上。特に音の分離に差がある。一つ一つの音の微細な描写は、UBQ-ES703は付帯音でごまかされているような印象を受けるのに対して、EP-AVNAIRはそういうことがない。音場感は、広さはほぼ同レベル、明確さはEP-AVNAIRの方が上。UBQ-ES703の方が広がりが感じられる。原音忠実性はEP-AVNAIRの方がやや上。一聴して違和感がない。原音の粗や生っぽさははEP-AVNAIRの方が若干感じられる。エッジのきつさや聴き疲れは微妙。EP-AVNAIRの方が輪郭が明確なため疲れる面があるのに対して、UBQ-ES703の方が粗があるため疲れる面がある。高域はUBQ-ES703の方がやや細く刺さる、ヴォーカルのサ行は大差ない痛さ。明瞭さ、音の鮮やかさはEP-AVNAIRの方がやや上。厚みはEP-AVNAIRの方がある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはUBQ-ES703の方が若干感じられる。ヴォーカルは文字通り艶が乗る感じ。EP-AVNAIRの方がノリが良い。切れやメリハリ、低域に基づく迫力や力強さ、いずれも勝っている。響きはUBQ-ES703の方がやや豊か。弦楽器は、付帯音を求めるならUBQ-ES703の方が良いが、チェロやコントラバスでは低域が物足りないことが多い。金管楽器はEP-AVNAIRの方が力強く、癖がない。打ち込み系の音の表現はEP-AVNAIRの方がうまい。音の質感の相性、切れ、厚み、低域の質等、様々な点で勝っている。使い分けるなら、基本的にはEP-AVNAIR、EP-AVNAIRでは低域の量が多すぎるとか付帯音が足りないという不満があるならUBQ-ES703。

HA-EB75
HA-EB75はやや低音よりのかまぼこ、UBQ-ES703はやや高音より。低域はHA-EB75の方が若干量が多い。HA-EB75の方が癖のない質、UBQ-ES703の方が若干薄く曇ったような質。UBQ-ES703の方が歪みが気になることが多い。重心はHA-EB75の方が若干低い。中域はUBQ-ES703の方がやや明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域はUBQ-ES703の方が若干量が多い。硬く明るい質で目立つ。分解能はUBQ-ES703の方がやや上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ若干勝っている。音場感はUBQ-ES703の方が若干広く明確。原音忠実性は微妙。周波数特性上の癖のなさはHA-EB75の方が若干上。原音の粗や生っぽさはUBQ-ES703の方が若干感じられる。エッジはUBQ-ES703の方がややきつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろUBQ-ES703の方がやや痛い。明瞭さ、音の鮮やかさはUBQ-ES703の方がやや上。厚みはほぼ同レベル。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはUBQ-ES703の方が若干感じられる。ヴォーカルはUBQ-ES703の方が擦れやリップノイズを出してくれる。UBQ-ES703の方が若干明るくノリが良い。響きはUBQ-ES703の方が若干豊か。UBQ-ES703の方がドラムや破裂音が目立つ。弦楽器は、HA-EB75の方が若干心地よい、UBQ-ES703の方がやや生楽器らしさが感じられる。金管楽器はUBQ-ES703の方がやや鮮やかで、金属的な質感を出してくれる。打ち込み系の音の表現はUBQ-ES703の方が若干うまい。音の質感の相性で勝っている。ただし、UBQ-ES703は付帯音の多さが合わないことがある。使い分けるなら、癖のなさや聴き疲れのなさを求めるならHA-EB75、明るさや付帯音を求めるならUBQ-ES703。

MX760
どちらもやや高音より。低域はMX760の方が若干量が多い。UBQ-ES703の方が薄く曇ったような質。MX760の方が締まりや制動が感じられる。UBQ-ES703の方が歪みが気になることが多い。重心はMX760の方がやや低い。中低域はUBQ-ES703の方がしっかり出る。中域はMX760の方がやや明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域はほぼ同量。UBQ-ES703の方がやや太く金属的。MX760がハイハットをシャンと鳴らすところを、UBQ-ES703はチンと鳴らすような音色の違いがある。分解能はほぼ同レベル。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ大差ない。音場感はMX760の方が若干広く明確。原音忠実性は微妙。UBQ-ES703の方が低域の癖や歪みが気になることが多い。原音の粗や生っぽさはUBQ-ES703の方が若干感じられる。エッジのきつさや聴き疲れはほぼ同レベル。高域にしろヴォーカルのサ行にしろ大差ない痛さ。明瞭さはMX760の方が若干上、音の鮮やかさはほぼ同レベル。厚みはほぼ同レベル。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはUBQ-ES703の方がやや感じられる。ヴォーカルはUBQ-ES703の方がややスモーキー。MX760の方がやや明るく爽やか。MX760の方が切れやスピード感がある。響きはUBQ-ES703の方がやや豊か。弦楽器はUBQ-ES703の方が生楽器らしさが感じられるが、チェロやコントラバスでは歪みが気になることも多い。金管楽器は、MX760の方が細く綺麗、UBQ-ES703の方が太く金属的。打ち込み系の音の表現はMX760の方がややうまい。切れで勝っている。UBQ-ES703は付帯音の多さが合わないことがある。使い分けるなら、切れや明瞭さを求めるならMX760、響きや温かみを求めるならUBQ-ES703。

NW-STUDIO PRO
NW-STUDIO PROはかなりフラット、UBQ-ES703はやや高音より。低域はNW-STUDIO PROの方がやや量が多い。NW-STUDIO PROの方がしっかりした塊のような質。重心はNW-STUDIO PROの方がやや低い。低域から中域にかけてNW-STUDIO PROの方が歪みが気になることが多い。中域は、どちらがはっきり聴こえてくるかという点についてはソースによって印象が変わりやすいが、質的にはUBQ-ES703の方が癖がなく聴きやすい。高域はUBQ-ES703の方が若干量が多い。線の細い質。分解能は微妙。音の分離はNW-STUDIO PROの方が若干上、一つ一つの音の微細な描写はUBQ-ES703の方が若干上。音場感はUBQ-ES703の方がやや広く明確。NW-STUDIO PROの方が頭内定位が気になりやすい。原音忠実性はUBQ-ES703の方がやや上。一聴して違和感がない。原音の粗や生っぽさはNW-STUDIO PROの方が若干感じられる。エッジはNW-STUDIO PROの方がややきつく、歪みや違和感で疲れる面もあり、聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろNW-STUDIO PROの方が粗っぽく痛い、UBQ-ES703の方がやや細く刺さる。明瞭さ、音の鮮やかさはほぼ同レベル。厚みはNW-STUDIO PROの方が若干ある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはUBQ-ES703の方がやや感じられる。ヴォーカルはUBQ-ES703の方が柔らかくて癖がなく聴きやすい。NW-STUDIO PROの方がややノリが良い、UBQ-ES703の方が繊細。響きはUBQ-ES703の方が若干豊か。どちらもやや付帯音が気になるが、UBQ-ES703の方がきめの細かい質。弦楽器はUBQ-ES703の方が繊細で、音色も自然。金管楽器は、NW-STUDIO PROの方が太く力強い、UBQ-ES703の方が細く綺麗。打ち込み系の音の表現は微妙。音の質感の相性や切れはNW-STUDIO PROの方が若干上だが、歪みや癖でまともに聴けないことも多い。使い分けるなら、低域の量やノリの良さを求めるならNW-STUDIO PRO、原音忠実性や繊細さを求めるならUBQ-ES703。










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スペック

駆動方式 構造 周波数帯域 音圧感度 インピーダンス
ダイナミック 開放型 15Hz〜35kHz 105dB 16Ω
重量 ドライバー直径 コードの長さ コードの出し方 備考
7g 14.8mm 1.2m 両出し(Y型) -

評点

音質 装着感 遮音性 音漏れ デザイン 携帯性 音の傾向 参考最安価格
3.5 5 2 3 4 5 均(高) 4600円

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公開日:2012.6.23