TS120BK

音質
 高音よりのかまぼこ。低域はかなり量が少ない。特にローエンドは少ない。薄く曇ったような質。ソースによってはやや歪みが気になることがある。重心は高め。中域はやや低域の曇りに覆われる感じ。質的には落ち着いていて聴きやすい。中高域はやや控えめ。高域は中域と同量から若干少なめ。やや金属的な質だが、あまり明るくはない。かまぼこや高音よりという表現より、低域が少なく次いで中高域が少ないという表現が適切な印象。
 分解能は価格なりからやや良いレベル。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろいまいち。音場感は、広さは普通、明確さはいまいち。原音忠実性はいまいち。低域の量が少なすぎるし、一聴して違和感がある。原音の粗や生っぽさはあまり感じられない。エッジはあまりきつくなく、それほど聴き疲れしない。高域にしろヴォーカルのサ行にしろやや痛いと感じることはあるが、特に酷くはない。
 明瞭さ、音の鮮やかさはいまいち。厚みは薄め。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはそれなり。ヴォーカルはややスモーキー。ノリが良いわけでも繊細なわけでもない、ただ何となく鳴らしている感じ。響きは適度。
 弦楽器は繊細さや生楽器らしさに欠ける。金管楽器は金属的な質感を出してくれるが、あまり派手ではない。打ち込み系の音の表現はいまいち。音の質感の相性や切れが若干不満だし、厚みや低域の量感も不足。
 普通の安物イヤホンといった感じの音。曇りが気になる古臭い音で基本的にはどの帯域もあまり主張してこないような印象を受けるが、ソースによっては金属的な高域がやや目立つことがある。

装着感
 良好。一般的なインナーイヤーヘッドホンなので、装着しにくい等の問題はないし、長時間装着してもまったく疲れない。ずれやすさは普通のインナーイヤーヘッドホンなみで、コードを引っ掛けたりしない限り問題ないレベル。ただし、巻きとり部は大きくて邪魔(直径約30mm、厚さ約13mm、重量10g)。巻きとり部を胸ポケットに入れるような使い方が実用的と思われる。

その他
 遮音性は悪い。音漏れ防止は普通。いずれも開放型イヤホンとしては平均レベル。
 作りは価格なりでかなり安っぽい。デザインはまったく考えられていないように感じる。コード巻きとり機能があるが、巻きとりの方法が書いておらず、分かりやすいボタン等もない。おそらくコードの引き伸ばしと戻しの加減で巻きとるものと思われる。
 プラグは金メッキのミニプラグ。コードの太さは合流前は約1mm、合流後は幅約2.5mm・厚さ約1mm、やや硬いがそれほど扱いづらさは感じない。

付属品
無し



参考
比較メモ
Piano Forte
Piano Forteは低音よりのかまぼこ、TS120BKは高音よりのかまぼこ。低域はPiano Forteの方がやや量が多い。広い目で見ればどちらも薄く曇ったような質だが、Piano Forteの方がかなり存在感がある。重心はPiano Forteの方がやや低い。中域はTS120BKの方がやや明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。Piano Forteはソースによっては張り出すような癖が気になることがあるが、TS120BKはそういうことはない。高域はTS120BKの方がやや量が多い。硬く明るい質で目立つ。分解能はTS120BKの方がやや上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ若干勝っている。音場感は広さ・明確さともにほぼ同レベル。Piano Forteの方が前方定位する感じ。原音忠実性は微妙。Piano Forteは高域が少なすぎるのに対して、TS120BKは低域が少なすぎる。原音の粗や生っぽさはTS120BKの方が若干感じられる。エッジはTS120BKの方がややきつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろTS120BKの方が若干痛い。明瞭さ、音の鮮やかさはTS120BKの方がやや上。厚みはPiano Forteの方がある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはほぼ同レベル。ヴォーカルはTS120BKの方が透明感がある。ノリの良さは微妙。TS120BKの方が音色が明るい。Piano Forteの方が低域に基づく迫力や力強さがある。響きは、低域はPiano Forteの方がやや豊か、高域はTS120BKの方がやや豊か。TS120BKは普通の安物イヤホンといった感じの音だが、Piano Forteはそういう感じではなく個性的。弦楽器は、Piano Forteの方が心地よい、TS120BKの方が繊細で生楽器らしさが感じられる。金管楽器はTS120BKの方がやや鮮やかで、金属的な質感を出してくれる。打ち込み系の音の表現はTS120BKの方がややうまい。音の質感の相性や切れで勝っている。使い分けるなら、低域の量や聴き疲れのなさを求めるならPiano Forte、高域の量や透明感を求めるならTS120BK。

SE-CE521
SE-CE521はややドンシャリ、TS120BKは高音よりのかまぼこ。低域はSE-CE521の方がある程度量が多い。特に所謂重低音はSE-CE521の方がしっかり出る。TS120BKの方が薄く曇ったような質。TS120BKの方が歪みが気になることが多い。重心はSE-CE521の方が低い。中域はSE-CE521の方が明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域はSE-CE521の方が若干量が多い。やや線の細い質。分解能はSE-CE521の方が上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろやや勝っている。音場感はSE-CE521の方がやや広く明確。原音忠実性はSE-CE521の方が上。一聴して違和感がない。原音の粗や生っぽさはSE-CE521の方が感じられる。エッジはSE-CE521の方が若干きつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろ大差ない痛さだが、SE-CE521の方がやや細く刺さる感じ、TS120BKの方がやや粗っぽく痛い感じ。明瞭さ、音の鮮やかさはSE-CE521の方がやや上。厚みはSE-CE521の方がややある。温かみは曇っている分TS120BKの方が感じられる面もあるが、人声や生楽器のリアルな温かみという意味ではSE-CE521の方が上。ヴォーカルの艶っぽさはSE-CE521の方が若干感じられる。SE-CE521の方が癖がなくソースを選ばない、TS120BKの方がスモーキー。SE-CE521の方が明るくノリが良い。切れやメリハリがある。響きはTS120BKの方がやや豊か。弦楽器はSE-CE521の方が生楽器らしさが感じられるし、音色も自然。金管楽器は微妙。SE-CE521の方が癖がない、TS120BKの方がやや金属的な質感を出してくれる。打ち込み系の音の表現はSE-CE521の方がうまい。音の質感の相性や切れで勝っている。使い分けるなら、基本的にはSE-CE521、SE-CE521では低域の量が多すぎるとか明るすぎるという不満があるならTS120BK。

ヘッドホン-3
どちらも高音よりのかまぼこ。低域はTS120BKの方が若干量が多い。どちらもローエンドが弱く薄く曇ったような質。重心はTS120BKの方が若干低い。中域はヘッドホン-3の方がやや明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域はTS120BKの方が若干量が多い。ヘッドホン-3の方が若干線が細く地味。分解能はほぼ同レベル。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ大差ない。音場感は、TS120BKの方が若干広い、明確さはほぼ同レベル。原音忠実性はTS120BKの方が若干上。周波数特性上の癖のなさで若干勝っている。原音の粗や生っぽさが感じられる度合いはほぼ同レベル。エッジのきつさや聴き疲れはほぼ同レベル。高域はTS120BKの方が若干痛い、ヴォーカルのサ行はヘッドホン-3の方が若干痛い。明瞭さはヘッドホン-3の方が若干上、音の鮮やかさはTS120BKの方が若干上。厚みはTS120BKの方が若干ある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはTS120BKの方がやや感じられる。ヴォーカルはTS120BKの方がスモーキー。ノリの良さは微妙。ヘッドホン-3の方が若干切れがある。TS120BKの方が若干低域に基づく迫力や力強さがある。響きはTS120BKの方がやや豊か。弦楽器はTS120BKの方が若干心地よい。金管楽器はTS120BKの方が若干金属的な質感を出してくれる。打ち込み系の音の表現はほぼ同レベル。音の質感の相性にしろ切れにしろ大差ない。使い分けるなら、低域の量や迫力を求めるならTS120BK、中域の量や明瞭さを求めるならヘッドホン-3。













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スペック

駆動方式 構造 周波数帯域 音圧感度 インピーダンス
ダイナミック - 20Hz〜20kHz 118dB 32Ω
重量 ドライバー直径 コードの長さ コードの出し方 備考
5g 15mm 1m 両出し(Y型) -

評点

音質 装着感 遮音性 音漏れ デザイン 携帯性 音の傾向 参考最安価格
1.5 4 2 3 1 5 中(高) 300円

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公開日:2013.5.6