MDR-Q36LW

音質
 広い目で見ればかなりフラット。特に低域が強いわけではないが、その割には曇りが気になる。中域にやや癖があり、ソースによってはヴォーカル等に嫌味が出ることがある。高域は比較的癖がなく無難な音。
 分解能、音場感、原音忠実性すべていまいち。エッジはそれほどきつくないのだが、その割には聴き疲れする。
 明瞭さ、音の鮮やかさ、厚み、温かみ、ヴォーカルの艶っぽさすべていまいち。ノリが良いわけでも繊細なわけでもないが、価格を考えればそれなりにバランスは良い。響きは豊か。
 弦楽器はそれなりに繊細で心地よさもあるが、原音とは違う。金管楽器は安っぽい鳴らし方で、鮮やかさもいまいち。打ち込み系の音の表現は良くも悪くもない印象。
 価格分の価値があるかどうかは微妙なところ。

装着感
 普通。耳かけ型にしては重いこと、耳にかける部分がプラスチックなことから、長時間使用すると耳が痛くなる。また、本体が分厚いことと、耳にかける部分がバネ式で元の位置に戻ろうとする力がかかることから、ずれやすいのが難点。
 耳にかける部分がハウジングに対して垂直方向に動かないため、慣れるまで装着いずらい。特にメガネをつけている人は苦労しそう。

その他
 遮音性は悪いが、音漏れ防止は耳かけ型にしては良い。
 作りは価格なり。デザインは悪くない。ボタンをプッシュするだけでプラグコードが巻きとれる、シングル巻きとり機構が特徴。かなりの勢いで巻き取るため、慣れるまでは注意が必要。
 プラグは金メッキのミニプラグ。コードの太さは約1.5mm、布巻きで癖が付きづらく扱いやすい。イヤーパッドのサイズは、外周38mm×38mm。

付属品
無し



参考

周波数特性グラフ



比較メモ
HP-AL700
どちらもかなりフラットだが、HP-AL700の方がやや低音より。低域は厚みはともかく、全体的な量としてHP-AL700の方が若干出る。中域は、MDR-Q36LWの場合ソースによって変な嫌味が出ることがあるのに対して、HP-AL700はそんなことはない。高域はMDR-Q36LWの方が若干強い。分解能、音場感、原音忠実性すべてHP-AL700の方がやや上。どちらもエッジはきつくなく聴きやすい。明瞭さ、音の鮮やかさ、厚みはどちらもいまいち。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはHP-AL700の方がやや上。HP-AL700の方がノリが良くしかも繊細。ただし、大きな差はない。響きはHP-AL700の方がやや豊か。弦楽器はどちらもやや曇りがちでまったりした味わい。澄んだ感じを楽しみたいならどちらもあまり向かないだろう。金管楽器はどちらもいまいちだが、どちらかと言えばHP-AL700の方が良いか。打ち込み系の音の表現も同様で、あまり大きな差はないように思う。得意分野はどちらもポップス。大抵の場合にはHP-AL700の方が良いように思うが、傾向はかなり似ているので、微妙な好みの差で評価が変わってきそう。

HP-MD1
どちらもかなりフラット。別メーカーとは思えないほど非常に良く似た音を鳴らす。低域は質・量ともにかなり近いが、どちらかと言えばMDR-Q36LWの方が柔らかい質感。中域はどちらもやや嫌味がある点まで似ている。高域はHP-MD1の方が若干強い。分解能、音場感、原音忠実性すべてほぼ互角。どちらもエッジはきつくないが、中域の嫌味のせいでソースによっては聴き疲れする。明瞭さ、音の鮮やかさはHP-MD1の方が若干上。厚みはほぼ互角。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはMDR-Q36LWの方が若干上。どちらもノリが良いわけでも繊細なわけでもないが、価格の割にバランスが良い点が良く似ている。響きはMDR-Q36LWの方が豊か。この点が、この2機種の一番の違いかもしれない。弦楽器はMDR-Q36LWの方が若干うまい。金管楽器はHP-MD1の方が若干鮮やかで目立つ。打ち込み系の音の表現はどちらかと言えばMDR-Q36LWの方がうまい。得意分野はどちらもポップス。どちらか片方持っていれば十分な機種。

MDR-G75LW
MDR-G75LWはややドンシャリ、MDR-Q36LWはかなりフラット。低域は質的にはそれなりに似ているが、MDR-G75LWの方がやや量が多い。中域はMDR-Q36LWの方が低域の量に負けずにはっきり聴こえてくるが、質的に上ずったり不自然に張り出したりするようなところがあり良くない。高域はMDR-G75LWの方が高い音で量も多い。分解能はMDR-G75LWの方がやや上。音場感はMDR-G75LWの方がやや広く明確。原音忠実性MDR-G75LWの方が上。MDR-Q36LWはどうしても中域の癖が気になる。エッジのきつさはほぼ同レベルだが、MDR-Q36LWの方が中域が張り出したりするせいで疲れることがある。明瞭さ、音の鮮やかさはMDR-G75LWの方が上。厚みはMDR-G75LWの方がある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはMDR-G75LWの方がやや上。MDR-G75LWの方がノリが良い。しっかりメリハリがある感じ。響きはMDR-G75LWの方がやや豊か。おおまかな傾向は比較的近いが、MDR-G75LWの方が全体的にワンランク上のように感じる。弦楽器はMDR-G75LWの方が繊細かつ心地よい。金管楽器はMDR-G75LWの方が鮮やかで力強い。打ち込み系の音の表現はMDR-G75LWの方がうまい。低域の量感、音の厚み、ダイナミックな鳴らし方等、様々な面で勝っている。使い分けるなら、基本的にはMDR-G75LW、MDR-G75LWではよほど低域や高域の量が多いと感じるときだけMDR-Q36LW。

PHP-200
MDR-Q36LWはかなりフラット、PHP-200はややドンシャリ。低域の量はほぼ同量だが、PHP-200の方が低い音を鳴らす。高域はPHP-200の方がかなり出る上、シャリつくので余計強く感じる。分解能はPHP-200の方がやや上。音場感はどちらもいまいちだが、どちらかと言えばPHP-200の方が良い。原音忠実性はどちらもいまいち。PHP-200の方がエッジがきつく聴き疲れする。明瞭さ、音の鮮やかさ、厚み、温かみ、ヴォーカルの艶っぽさすべてPHP-200の方が上。特に音の鮮やかさは段違い。ただし、かなり粗があるのも確か。ノリの良さならPHP-200、繊細さならMDR-Q36LW。響きはPHP-200の方がやや豊か。弦楽器はPHP-200の方が線が細くワンランク上の表現だが、曇りがちな心地よさや伸びを求めるのならMDR-Q36LWの方が良いと言う人もいるかもしれない。金管楽器はPHP-200の方が圧倒的に鮮やかで元気が良い。打ち込み系の音の表現も同様で、PHP-200の方が楽しめる。これは、単にドンシャリだからというレベルを超えた話。得意分野はどちらもポップス。ほとんど何を聴くにしてもPHP-200の方が楽しめるように感じるが、チープな機器で再生する場合には非常に粗が気になると思われるので、その場合にはMDR-Q36LWを使うというのも選択肢ではあると思う。

SE-E33
MDR-Q36LWはかなりフラット、SE-E33はかまぼこ。低域はMDR-Q36LWの方が一段低い音で、量もかなり差がある。中域はどちらもソースによっては嫌味が出たりするが、そういう意味ではSE-E33の方がまだまし。高域は量的にはそれほど変わりないように感じるが、MDR-Q36LWの方が細く硬い音を鳴らす。分解能、音場感、原音忠実性すべてどちらも大差ないレベル。どちらもエッジはきつくないが、SE-E33の方が中域に芯の通った感じが痛くて聴き疲れすることがある。明瞭さ、音の鮮やかさはSE-E33の方がやや上。厚み、温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはMDR-Q36LWの方がやや上。どちらもただ音を鳴らすだけの機種といった感じで、ノリが良いわけでも繊細なわけでもない。響きはMDR-Q36LWの方がやや豊か。MDR-Q36LWの方が迫力がある反面、SE-E33の方が軽快。弦楽器はどちらもやや癖が強く、最低レベル。金管楽器はSE-E33の方が芯の通った力強い鳴りで魅力的。打ち込み系の音の表現は、基本的にはSE-E33の方がうまいが、低域が出る分MDR-Q36LWの方が楽しめることも多い。総合的にはほぼ互角か。得意分野はどちらもポップス。使い分けるなら、低域が欲しい場合やロックを聴く場合にはMDR-Q36LW、それ以外はSE-E33か。

サイン波応答


位相+高周波歪み


インパルス応答(CSD)


インパルス応答(録音波形)


100Hz・1kHz・10kHzサイン波の再生



    


※生産終了










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スペック

駆動方式 構造 周波数帯域 音圧感度 インピーダンス
ダイナミック 開放型 20Hz〜24kHz 104dB 24Ω
重量 ドライバー直径 コードの長さ コードの出し方 備考
42g 30mm 〜1m - 耳かけ型

評点

音質 装着感 遮音性 音漏れ デザイン 携帯性 音の傾向 参考最安価格
2 3 1 3 4 4 1400円
※生産終了

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公開日:2005.8.29