第46回 涙のリクエスト
/チェッカーズ「COMPLETE THE CHECKERS all singles collection」より
チェッカーズは男性7人組のバンドです。1980年代を中心に活躍し、アイドル的人気を博しました。メンバーはヴォーカル3人に、ギター、ベース、ドラムス、サックスです。
今回取り上げるのは1984年に発表されたシングルです。大ヒットした曲なので、特に興味のない人でも知っている人が多いのではないかと思います。
「どういう風に聴きたいか」「どういう点を重視するか」については、今回はリクエストされた曲ではないので私が決めたいと思います。ヴォーカルが癖なくはっきりと聴こえてくること、全体としてスカスカになったり重苦しくなったりしないこと、それなりに録音状態が良く各楽器の音がしっかり収録されているのでその良さを出してくれることの三点を重視したいと思います。
・1台目 PRO DJ100(KOSS)
前述の条件を最も満たしているように感じたので選びました。三点ともある程度満たしているように思いますが、ヴォーカルはどちらかと言うと明るめで、スカスカか重苦しいかと言われるとスカスカな傾向ではあります。ただ、これは今回の曲の低域が少なめでクリアな録音になっていることも影響していると思われます。録音の良さはしっかり感じられます。
他にはATH-TAD500、HD215、MDR-ZX700、UR/40等で聴いてみました。ATH-TAD500は最後までPRO DJ100と迷いましたが、PRO DJ100の方がやや録音の良さが感じられる上、メリハリがあってポップスらしく爽やかに楽しめるように感じられたのでそちらにしました。ただし、ヴォーカルを柔らかく鳴らしてほしいならATH-TAD500の方が合うと思います。HD215は悪くないのですが、ヴォーカルが若干硬く明るい点と、全体としてスカスカ気味な点が気になります。MDR-ZX700はスカスカでも重苦しくもないのですが、あえて言うならもっさりしていてヴォーカルも塗りつぶしたような感じで違和感がありますし、録音の良さも感じられません。UR/40はなかなか良いのですが、録音の良さはあまり感じられません。
不満点は、もう少しだけ厚みや低域の量があってスカスカした感じを抑えてくれるとなお良いと思われる点です。
・2台目 HA-MX10-B(Victor)
1台目の不満点を踏まえて選びました。基本的には1台目と似た傾向で、それでいて不満点をある程度改善してくれます。厚み、低域の量ともにHA-MX10-Bの方がややあります。ヴォーカルはどちらかと言うと明るめで、録音の良さがしっかり感じられます。
他にはHP-AURVN-LV、MDR-CD900ST、RH-300、RP-21等で聴いてみました。HP-AURVN-LVとMDR-CD900STはどちらもなかなか良いのですが、HA-MX10-Bと比べるとやや録音の良さが感じられません。ただし、ヴォーカルを柔らかく鳴らしてほしいならHP-AURVN-LVとMDR-CD900STの方が合うと思います。RH-300はヴォーカルがややおとなしめで、録音の良さもそれほど感じられません。RP-21は悪くないのですが、もう少しポップスらしく爽やかに鳴らしてほしい印象です。
不満点は特にありません。次は色々聴いてみて選ぶしかないと思います。
・3台目 DT860(beyerdynamic)
最初に書いた条件をある程度満たしていることに加えて、ポップスらしく爽やかに鳴らしてくれる点が良かったので選びました。ヴォーカルはどちらかと言うと明るめではっきり聴こえてきます。スカスカか重苦しいかと言われるとスカスカな傾向です。そういう意味で、大雑把に言うなら1、2台目と近い傾向ではあります。録音の良さはある程度感じられますが、この点については2台目ほどではない印象です。
不満点は特にありません。
・4台目 AH-D5000(DENON)
ここまでは明るめなものが多くなってしまったので、最初に書いた条件を満たした上でもう少し落ち着いたものはないかと思い探したところこれになりました。1〜3台目と比べると重苦しい傾向ではありますが、基本的にはニュートラルです。AH-D5000が重苦しいと言うよりは、1〜3台目がスカスカと言った方がまだ妥当なくらいだと思います。1〜3台目と違ってヴォーカルに粗っぽさがない点が魅力です。録音の良さはある程度感じられますが、やはり2台目ほどではない印象です。
他にはATH-AD2000、HD800、K701、KH-K1000、SR-325i等で聴いてみました。ATH-AD2000はヴォーカルが少し暗めな点が気になります。HD800は録音の良さがしっかり感じられる点は良いのですが、ヴォーカルが少し遠い点と若干硬めな点が気になります。K701とKH-K1000は全体のバランスが良くヴォーカルの癖のなさもかなりハイレベルなのですが、ヴォーカルが少し遠い点と録音の良さがそれほど感じられない点が気になります。SR-325iは悪くないのですが、ヴォーカルがやや明るすぎる点と録音の良さを感じるには粗が邪魔をするような点が気になります。
・5台目 MDR-EX1000(SONY)
最初に書いた条件を最も満たしているように感じたので選びました。三点とも問題ないと思いますが、特に録音の良さはしっかり感じられる印象です。ただし、単に楽しめるかどうかという見方をするなら他にもっと良いものがあるかもしれません。色々と聴いてみたのですが、HiDefJax AcousticSteelはMDR-EX1000と比べると録音の良さが感じられない、Image X10は全体的におとなしめなのでもう少し明るくヴォーカルもはっきり聴こえてきてほしい、SE535はヴォーカルが少し暗めな点が気になる等の不満がありました。
他にはZH-BX500とSiberia In-Ear Headphoneが良かったです。最初に書いた条件を三点ともある程度満たしていると思います。
今回は探索していく中でポップスらしく爽やかに鳴らしてくれる点が大事な気がしてきたので、最初に書いた条件に加えて明るめのものが選ばれている傾向があります。これくらいの方が、発売当時聴いていた人も違和感なくすんなり楽しめるのではないかと思います。
ヘッドホンアンプはHead Amp 2/MkII SEが良いと思います。最初に書いた条件にマッチします。
今回の内容を参考に、好みに合わせて選んでください。
試聴は下のamazonのページで。
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