第22回 ブランデンブルク協奏曲/バッハ

 今回はバッハのブランデンブルク協奏曲です。今回とりあげたCDの指揮はゲーベル、演奏はムジカ・アンティクワ・ケルン、録音は1986年〜1987年です。全体的に非常に良くまとまった演奏ですし、録音状態もかなり良いと思います。
 曲の方は6曲の合奏協奏曲で、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、チェンバロ、オーボエ、ファゴット、コルノ・ダ・カッチャ(ホルンのような楽器)等の楽器から成ります。いかにも宮廷音楽といった趣の上品な曲です。また、ゲーベルの解釈による古楽器を使用した極めてオリジナルに近い演奏になっているようです。
 ヘッドホンとしては弦楽器を中心に繊細な表現を得意とするものが合うと思います。


・1台目 K240monitor(AKG)
 弦楽器がうまく、繊細な機種ということで選びました。正直、2万円以下ではこれしかないだろう、と思いました。
 実際聴いてみると、期待通り各楽器を繊細に鳴らしてくれ、この曲の上品な感じに良く合いました。自然で無難な鳴らし方と言って良いと思います。
 不満点は、もう少し音に鮮やかさが欲しい点でしょうか。

・2台目 RS-1(GRADO)
 K240monitorより鮮やかで、しかも弦楽器等の表現がうまい機種ということで選びました。
 少しテンションが高すぎる気はしますが、それにしても見事な表現です。RS-1独特の音場感も有利に働いているように感じます。また、チェンバロやコルノ・ダ・カッチャ、トランペット等の表現はK240monitorよりはるかにうまいです。
 不満点はほとんどありませんが、敢えて挙げるなら細部の描写にもう少し繊細さが欲しい点でしょうか。もっとも、これはアンプがHD53でRS-1の能力を十分引き出せていないだけに感じますが。

・3台目 SRS-4040(STAX)
 K240monitorで鮮やかさが足りず、RS-1ではテンションが高すぎて繊細さが物足りないとなれば、残る機種はこれしかないでしょう。
 文句の付けようの無い鳴らし方です。素晴らしいと言うほかありません。これまでの不満点をすべて払拭してくれます。まるでこの曲を鳴らすためにある機種であるかのように感じます。逆にSRS-4040から見ても、これほどその能力をフルに発揮できる曲はそう無いでしょう。


 今回はどの機種も各々かなりうまく鳴らしてくれましたが、やはり1台選ぶならSRS-4040でしょう。今回とりあげたような曲を好む人は、是非ともSRS-4040で聴いてみることをお勧めします。


試聴はこちら。













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