第17回 LEGEND/中島美嘉「Music」より
今回は、今や日本を代表する女性シンガーと言っても過言ではないでしょう、中島美嘉です。説明の必要もないでしょうが、魅力的なハスキーヴォイスとしっかりとした歌唱力、それに時に暖かくそしてまた時に毅然と歌いあげる曲の幅の広さも彼女の魅力に華を添えていると思います。
今回取り上げる曲LEGENDは、スローテンポで夢見心地にさせてくれるような、そんなナンバーです。中島美嘉の声の魅力を良く引き出している曲だと思います。
この曲を聴くのに重要なのは、ヴォーカルの艶っぽさはもちろんのこと、低域の柔らかい安定感のように感じました。声は遠くからではなく、耳元で囁くように鳴らしてくれるとなお良いように思います。
・1台目 HP1000(PHILIPS)
1台目を選ぶに当たり、直感的にHP1000が頭に浮かんだので、これは聴きもしないで決め付けてしまうという良くない傾向の現れだと思い、他にもATH-AD700やK240monitor等も聴いてみましたが、やはりHP1000が最も良かったです。ヴォーカルの艶っぽさはもちろんのこと、この曲の浮遊感や独特の雰囲気をうまく伝えてくれます。
不満点としては、やや粗がある点でしょうか。ただ、これはアンプの影響が大きいと思いますが。
・2台目 RS-1(GRADO)
HP1000で粗が気になるとなったら、アンプを変える以外にはRS-1が最も効果的だと思って選びました。期待通り魅力的です。ただ、HP1000を聴いた後だったせいか、ローエンドがもう少し出てもいいように感じました。また、これもアンプのせいだと思いますが、比較的すっきりした鳴らし方になってしまっていて、どこか浮遊感や温かみに欠けるように感じます。HP1000くらい曇り気味の方が、CD3300とHD53で鳴らす分には合っているように感じました。アンプをHA-1Aにすればだいぶ印象は変わるのでしょうが。
不満点としては、もう少し濃く低域をしっかり鳴らして欲しい、という点でしょう。
・3台目 HD650(SENNHEISER)
今回取り上げた機種の中で、文句なく最も良いと感じました。HP1000とRS-1の良いとこ取りプラスαのような印象です。これはHD650とHD53の相性の良さのせいもあるのでしょうが、それにしてもヴォーカルの艶っぽさと低域の安定感を両立していて安心して聴ける印象です。全体的な表現もかなりのものです。CD3300とHD53ではこれ以上のものは望めないでしょう。
今回はHD650で非常に満足できましたが、プレーヤーやアンプを変えれば、また結果は変わってきそうです。いずれにせよ今回取り上げた機種ならそこそこ魅力的に聴けると思いますので、自分の環境に合わせてヘッドホンを選んでみてください。
試聴は下のamazonのページで。
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