H118

音質
 低音より。低域はかなり量が多い。どちらかと言うと圧力のある質。重低音から中低域まで全体的に多い印象。重心は普通からやや低め。中低域はしっかり出る。中域はやや低域の量に負ける感じ。質的にはどちらかと言うと落ち着いていて聴きやすい。高域は若干少なめ。粗がない点は良いが、地味な質で伸びが悪い。
 分解能は価格の割にやや悪い。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろいまいちと評価すべきかそれなりと評価すべきか迷うところ。粗なく丁寧にこなしてくれる点は良い。音場感は、広さはやや狭め、明確さは普通からやや悪め。近くで音を鳴らす感じで頭内定位が気になりやすい。原音忠実性はいまいちと評価すべきかそれなりと評価すべきか迷うところ。低域の量が多すぎる点は気になるが、それを除けばそれほど大きな違和感はない。原音の粗や生っぽさはあまり感じられない。エッジはきつくないが、低域の量やこもり感で聴き疲れする面はある。高域にしろヴォーカルのサ行にしろあまり痛くないが、高域よりはヴォーカルのサ行の方が痛い。
 明瞭さ、音の鮮やかさはいまいち。厚みはしっかりある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはそれなりと評価すべきかなかなか良いと評価すべきか迷うところ。女性ヴォーカルよりは男性ヴォーカルに向いている印象。線の細さや透明感を求めるなら合わないだろう。ノリが良いと言うよりは、どっしりとした安定感がある。切れやスピード感よりは、低域に基づく迫力や力強さの方がある。軽快さや爽やかさを求める人にはあまり合わないだろう。響きは適度からやや豊かで、こもり感が気になる。密閉型特有の圧迫感が強い。
 弦楽器は生楽器らしさに欠けるが、滑らかで心地よい。金管楽器はやや地味で、金属的な質感をあまり出してくれない。打ち込み系の音の表現はいまいち。音の質感の相性が不満。
 高域不足や頭内定位といった問題はあるが、濃厚で粗のない音を求めているなら良いだろう。

装着感
 普通。側圧は強めでずれにくい。ヘッドバンドのクッションはしっかり入っているし、重量を側圧で支える感じで頭頂部が痛くなりやすいということはない。
 イヤーパッドは耳を覆うサイズだが、内周はあまり広くないし深さがやや浅めなため耳に当たる人も多いだろう。上下左右に角度調節ができる。装着の仕方にもよるだろうが、頭の幅が広い人は耳の下に隙間ができるような装着感になることがあると思われる。イヤーパッドの形状が独特なこともあってやや個性的な装着感。材質はレザータイプの人工皮革で、やや変わった質。中身がしっかり詰まっているような感じで弾力がある。
 ヘッドバンドが短いため頭の大きい人は装着できない可能性が高い。

その他
 遮音性及び音漏れ防止は良好。
 作りは価格なり。デザインは、色は地味だがハウジングとイヤーパッドの形状が個性的。ヘッドホン本体側でもコードの着脱が可能、折りたたみ可能。
 プラグは金メッキのミニプラグ。コードの太さは約3.5mm、やや硬いがそれほど扱いづらくはない。イヤーパッドのサイズは、外周108mm×76mm、内周62mm×30mm、深さ16mm。

付属品
ミニ→標準変換プラグ
キャリングケース



参考
メーカー製品ページ

周波数特性グラフ


比較メモ
Crossfade M-100
Crossfade M-100は低音よりのドンシャリ、H118は低音より。低域はH118の方が若干量が多い。H118の方がやや柔らかい質。重心はCrossfade M-100の方がやや低い。中域はCrossfade M-100の方がやや明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域はCrossfade M-100の方が若干量が多い。硬く明るい質で目立つ。分解能はCrossfade M-100の方が上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろやや勝っている。音場感は、広さはほぼ同レベル、明確さはCrossfade M-100の方がやや上。H118の方が近くで音を鳴らす感じで頭内定位が気になりやすい。原音忠実性はCrossfade M-100の方がやや上。周波数特性上の癖のなさで若干勝っている。原音の粗や生っぽさはCrossfade M-100の方が感じられる。エッジはCrossfade M-100の方がややきつく聴き疲れしやすい。高域はCrossfade M-100の方がやや痛い、ヴォーカルのサ行は大差ない痛さ。明瞭さ、音の鮮やかさはCrossfade M-100の方がやや上。厚みはH118の方が若干ある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはH118の方が若干感じられる。どちらかと言うと、Crossfade M-100の方が女性ヴォーカル向き、H118の方が男性ヴォーカル向き。Crossfade M-100の方が明るくノリが良い。切れやスピード感がある。響きは、低域はH118の方がやや豊か、高域はCrossfade M-100の方がやや豊か。弦楽器は、Crossfade M-100の方が繊細で生楽器らしさが感じられる、H118の方が滑らかで心地よい。金管楽器はCrossfade M-100の方が鮮やかで、金属的な質感を出してくれる。打ち込み系の音の表現はCrossfade M-100の方がうまい。音の質感の相性や切れで勝っている。使い分けるなら、高域の量や切れを求めるならCrossfade M-100、低域の量や粗のなさを求めるならH118。

HA-WD100
H118は低音より、HA-WD100は低音よりのドンシャリ。低域はH118の方が若干量が多い。ただし、一部帯域はHA-WD100の方がしっかり出るため、ソースによってはHA-WD100の方が多いように感じられることがある。H118の方が癖のない質。重心はHA-WD100の方が若干低い。中域はHA-WD100の方がやや明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域はHA-WD100の方がやや量が多い。明るい質で目立つ。H118の方が粗がない。分解能は微妙。音の分離はHA-WD100の方が若干上、一つ一つの音の微細な描写はH118の方が粗なく丁寧にこなしてくれる。音場感は、HA-WD100の方が若干広い、H118の方が若干明確。H118の方が近くで音を鳴らす感じで頭内定位が気になりやすい。原音忠実性は微妙。H118の方が一聴して違和感がない。原音の粗や生っぽさはHA-WD100の方が感じられる。エッジはHA-WD100の方がややきつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろHA-WD100の方がやや痛い。明瞭さ、音の鮮やかさはHA-WD100の方がやや上。厚みはH118の方が若干ある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさははH118の方が若干感じられる。ヴォーカルは、H118の方がややスモーキー、HA-WD100の方が擦れやリップノイズを出してくれる。HA-WD100の方が明るくノリが良い。切れやメリハリがある。響きは、低域はH118の方がやや豊か、高域はHA-WD100の方がやや豊か。H118の方がややこもり感が気になる。HA-WD100の方が全体的に粗が気になる。弦楽器は、H118の方が滑らかで心地よい、HA-WD100の方が生楽器らしさが感じられる。金管楽器はHA-WD100の方がやや鮮やかで、金属的な質感を出してくれる。打ち込み系の音の表現はHA-WD100の方がややうまい。音の質感の相性や切れで勝っている。使い分けるなら、粗のなさや温かみを求めるならH118、高域の量やメリハリを求めるならHA-WD100。

MDR-1R
どちらも低音より。低域はほぼ同量。H118の方が圧力のある質、MDR-1Rの方が柔らかい質。重心はH118の方が若干低い。中域はH118の方が若干明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。中高域はH118の方がしっかり出る。高域はほぼ同量。MDR-1Rの方がやや明るい質で目立つ。H118の方が粗がない。分解能は微妙。音の分離はH118の方が若干上、一つ一つの音の微細な描写はMDR-1Rの方が若干上。音場感は、MDR-1Rの方がやや広い、H118の方が若干明確。H118の方が近くで音を鳴らす感じで頭内定位が気になりやすい。原音忠実性は微妙。どちらも低域の量が多すぎるものの、それを除けば一聴して大きな違和感はない。原音の粗や生っぽさが感じられる度合いはほぼ同レベル。エッジのきつさは大差ないが、H118の方が音の圧力で疲れる面がある。高域はMDR-1Rの方が若干痛い、ヴォーカルのサ行はH118の方が若干痛い。明瞭さはH118の方が若干上、音の鮮やかさはMDR-1Rの方が若干上。厚みはH118の方が若干ある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはMDR-1Rの方が若干感じられる。ヴォーカルはMDR-1Rの方がややスモーキー。H118の方が若干ノリが良い。切れやスピード感がある。響きはMDR-1Rの方がやや豊か。こもり感は微妙。こもり感と言うより、H118の方が密閉型特有の圧迫感が気になる、MDR-1Rの方が曇りが気になる。弦楽器はどちらも滑らかで心地よい傾向。金管楽器はMDR-1Rの方が若干鮮やか。打ち込み系の音の表現は微妙。音の質感の相性はMDR-1Rの方が若干上、切れはH118の方が若干上。使い分けるなら、音の圧力や粗のなさを求めるならH118、音の広がりや高域の明るさを求めるならMDR-1R。

MDR-V6
H118は低音より、MDR-V6はややドンシャリ。低域はH118の方がやや量が多い。MDR-V6の方がやや弾力のある質。重心はMDR-V6の方が若干低い。中低域はH118の方がしっかり出る。中域はMDR-V6の方がやや明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域はMDR-V6の方がやや量が多い。H118の方が地味で粗がない。分解能はMDR-V6の方が上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろやや勝っている。ただし、一つ一つの音の微細な描写はH118の方が粗なく丁寧にこなしてくれる面はある。音場感は、広さはほぼ同レベル、明確さはMDR-V6の方が上。H118の方が近くで音を鳴らす感じで頭内定位が気になりやすい。原音忠実性はMDR-V6の方がやや上。H118は低域の量が多すぎる。原音の粗や生っぽさはMDR-V6の方が感じられる。エッジはMDR-V6の方がきついが、H118は低域の量やこもり感で疲れる面があるため、総合的な聴き疲れはソースや聴く人によって変わってくるだろう。高域にしろヴォーカルのサ行にしろMDR-V6の方が痛い。明瞭さ、音の鮮やかさはMDR-V6の方が上。厚みはH118の方が若干ある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはH118の方がやや感じられる。H118の方が男性ヴォーカルに合う。MDR-V6の方がノリが良い。切れやメリハリがある。響きはH118の方が豊かでこもり感が気になる。MDR-V6の方がドラムや破裂音が目立つ。弦楽器は、H118の方が滑らかで心地よい、MDR-V6の方が生楽器らしさが感じられる。金管楽器はMDR-V6の方がやや鮮やか。打ち込み系の音の表現はMDR-V6の方がうまい。音の質感の相性や切れで勝っている。使い分けるなら、粗のなさや温かみを求めるならH118、高域の量やメリハリを求めるならMDR-V6。

PS500
H118は低音より、PS500は低音よりのドンシャリ。低域はPS500の方が若干量が多い。H118の方が癖のない質、PS500の方がやや柔らかい質。重心はH118の方が若干低い。中域はH118の方が若干明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域はPS500の方がやや量が多い。硬く明るい質で目立つ。H118の方が粗がない。分解能は微妙。音の分離はH118の方が若干上、一つ一つの音の微細な描写はPS500の方が若干上。ただし、一つ一つの音の微細な描写はH118の方が粗なく丁寧にこなしてくれる面はある。音場感は、PS500の方がやや広い、H118の方が若干明確。H118の方が近くで音を鳴らす感じで頭内定位が気になりやすい。原音忠実性はH118の方が若干上。一聴して違和感がない。原音の粗や生っぽさはPS500の方が若干感じられる。エッジはPS500の方がややきつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろPS500の方がやや痛い。明瞭さはほぼ同レベル、音の鮮やかさはPS500の方が若干上。厚みはH118の方が若干ある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはPS500の方が若干感じられる。ヴォーカルはPS500の方が擦れやリップノイズを出してくれる。ノリの良さは微妙。H118の方が切れやスピード感はあるが、高域不足やエッジの丸さで刺激に欠ける面がある。響きはPS500の方がやや豊か。PS500の方がドラムや破裂音が目立つ。H118の方が味付けせずにそのまま鳴らす感じ、PS500の方が味付けしてでも雰囲気や空気感を出そうとする感じ。弦楽器は、H118の方が滑らかで心地よい、PS500の方が生楽器らしさが感じられる。金管楽器はPS500の方がやや鮮やかで、金属的な質感を出してくれる。打ち込み系の音の表現は微妙。音の質感の相性はPS500の方が若干上、切れはH118の方が若干上。使い分けるなら、癖のなさや粗のなさを求めるならH118、音の広がりや生楽器らしさを求めるならPS500。

サイン波応答


位相+高周波歪み


インパルス応答(CSD)


インパルス応答(録音波形)


100Hz・1kHz・10kHzサイン波の再生














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スペック

駆動方式 構造 周波数帯域 音圧感度 インピーダンス
ダイナミック 密閉型 20Hz〜20kHz 98dB 68Ω
重量 ドライバー直径 コードの長さ コードの出し方 備考
245g 40mm 3m 片出し 折りたたみ可能

評点

音質 装着感 遮音性 音漏れ デザイン 携帯性 音の傾向 参考最安価格
3 3 4 4 3 3 20700円

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公開日:2013.10.19