第32回 おでかけヘッドフォン2試聴レポ
音質
かなりフラット。低域は必要量といった感じで、多くも少なくもないが、厚みは薄い。中域はやや曇っているように感じるが、低域の量が程々なので、低域に埋もれて聴こえないということはない。高域はそれなりにしっかり高い音を鳴らしてくれるが、痛いわけではないし、それほど目立たない。
分解能及び原音忠実性は価格なり。音場感は意外と良い。エッジはきつくなく、それほど聴き疲れしない。
明瞭さはそれなりだが、音の鮮やかさはいまいち。厚みが薄く、ややかすんだような音。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはごく普通で、あまり味付けがない。かすんだ感じさえ気にしなければ、軽快で明るいノリの良さがあるように感じられる。響きはややあっさりで、こもり感はあまり気にならない。
弦楽器は音に粗があり心地よさに欠ける。金管楽器はそれなりに鮮やかだが、力強さが不足に感じる。打ち込み系の音の表現は悪くないが、もう少し圧力や低域の量が欲しかったところ。
全体的に、かなり癖のない音。もう少し厚みがあればかなりコストパフォーマンスが良かったように思われる。
装着感
良好。側圧は弱めだが、ヘッドバンドが2本に分かれていて軽量なためずれにくいし、頭頂部も痛くならない。しかも蒸れにくい。
イヤーパッドはかろうじて耳を覆うサイズ、左右方向の角度調節ができないが、装着感にはあまり影響ない。材質はシワが気になる安っぽい人工皮革。
その他
遮音性及び音漏れ防止は密閉型の割には悪い。
作りは安っぽいが、価格を考えればこんなものだろう。デザインはなかなか良い。折りたたみ可能だがコードが両出しなのが不満。感度やインピーダンスは公開されていないが、音量の取りやすさは普通で、ポータブル機でも十分鳴らせるだろう。
プラグはミニプラグ。コードの太さは合流前は約1.5mm、合流後は幅約3mm・厚さ約1.5mm、やや硬いがそれほど扱いづらさは感じない。
付属品
無し
参考
周波数特性グラフ
比較メモ
AHP-505
AHP-505は低音より、おでかけヘッドフォン2はかなりフラット。低域はAHP-505の方が厚み・量ともにかなりある。中域はおでかけヘッドフォン2の方が低域に埋もれず素直に聴こえる。高域はおでかけヘッドフォン2の方がしっかり高い音を鳴らしてくれるし、量も多い。分解能、音場感、原音忠実性すべておでかけヘッドフォン2の方がやや良いように感じる。おでかけヘッドフォン2の方がエッジがきついが、AHP-505は妙な圧力とこもり感で疲れるため、総合的な聴き疲れは気く人やソースによって変わってきそう。明瞭さ、音の鮮やかさはおでかけヘッドフォン2の方が上。厚みはAHP-505の方が上。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはどちらも良くないが、分厚い低域のためAHP-505の方が温かみはあるように感じられる。AHP-505の方がノリが良い。響きは、低域はAHP-505の方が豊か、高域はおでかけヘッドフォン2の方が豊か。弦楽器はどちらもうまくない。AHP-505は繊細さがまったく感じられないし、おでかけヘッドフォン2は粗があり心地よさに欠ける。金管楽器はおでかけヘッドフォン2の方がうまい。力強さには欠けるものの、なかなか高く鮮やか。打ち込み系の音の表現はおでかけヘッドフォン2の方が良いように感じるが、音の圧力や低域が欲しいときはAHP-505の方が良いだろう。得意分野はAHP-505はロック、HP-X122はポップス。使い分けるなら、ロックはAHP-505、それ以外はおでかけヘッドフォン2。
HP-X122
HP-X122はドンシャリ、おでかけヘッドフォン2はかなりフラット。低域はHP-X122の方がかなり低い音で、量もやや多い。中域はおでかけヘッドフォン2の方が低域に邪魔されずに聴こえてくるが、やや曇っているような感じがする。高域はHP-X122の方が高い音で目立つ。分解能はHP-X122の方が上、音場感はおでかけヘッドフォン2の方が上。原音忠実性は、癖のなさという意味ではおでかけヘッドフォン2の方が良いが、癖がないだけで、あまり原音忠実とは言えない。HP-X122の方が聴き疲れする。明瞭さは低域が出ない分おでかけヘッドフォン2の方が良いように感じるが、音の鮮やかさはHP-X122の方が良い。厚みはHP-X122の方がかなり上。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはほぼ互角。HP-X122の方がノリが良い。響きはHP-X122の方が若干豊か。弦楽器はどちらもうまいとは言えないが、HP-X122の方が粗がない。金管楽器はHP-X122の方が力強く、楽しめる。打ち込み系の音の表現はHP-X122の方がうまい。低域の質感や音の圧力で勝っているため。得意分野はどちらもポップス。使い分けるなら、基本的にはHP-X122、癖のない音や聴き疲れの無さを求めるときだけおでかけヘッドフォン2。
VR-403SV
VR-403SVはややドンシャリ、おでかけヘッドフォン2はかなりフラット。低域はVR-403SVの方が低い音で、量もやや多い。中域はどちらもやや曇っている感じが良く似ている。高域は量はほぼ同量だが、VR-403SVの方が若干高い音。分解能はVR-403SVの方がやや上。音場感はおでかけヘッドフォン2の方がやや上。原音忠実性はおでかけヘッドフォン2の方がやや上。どちらもそれほどエッジがきつくなく、聴き疲れしにくい。明瞭さ、音の鮮やかさはほぼ互角。厚みはVR-403SVの方がある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはほぼ互角。どちらも軽快で明るいノリの良さが感じられる。響きはおでかけヘッドフォン2の方がやや豊か。弦楽器はどちらもやや粗がある感じでいまいち。金管楽器はVR-403SVの方が力強く楽しめるが、やや癖はある。打ち込み系の音の表現は低域が強い分VR-403SVの方がうまいように感じるが、基本的な相性はおでかけヘッドフォン2の方がやや良いように感じる。得意分野はどちらもポップス。意外と似た音を鳴らすので、どちらか片方持っていれば十分の機種だろう。
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スペック
駆動方式 | 構造 | 周波数帯域 | 音圧感度 | インピーダンス |
ダイナミック | 密閉型 | - | - | - |
重量 | ドライバー直径 | コードの長さ | コードの出し方 | 備考 |
105g | - | - | 両出し | 折りたたみ可能 |
評点
音質 | 装着感 | 遮音性 | 音漏れ | デザイン | 携帯性 | 音の傾向 | 参考最安価格 |
2 | 4 | 3 | 3 | 4 | 3 | 均 | 1800円 |
今回は、SWIMMERのヘッドホン、おでかけヘッドフォン2(正式な型番は不明、ミュージックBK柄)をお借りしたので、その試聴レポです。形式は普段のヘッドホンレビュー+比較メモという形で行いたいと思います。ちなみに、他にミュージックWH・PK、フラワーLTPK、プードルRD等、非常に沢山の柄があります。詳しくはこちらをご覧下さい。。