RD-A310

音質
 広い目で見ればそれなりにフラット。低域は中域と同量から若干多め。特に締まっているわけでもぼやけているわけでもない。重心は普通からやや低め。中域は低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域は中域と同量から若干少なめ。どちらかと言うと線が細く明るい質。
 分解能は価格の割にやや良い。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ大きな不満は出ないレベル。音場感は耳のせなのであまり良くはないが、耳のせとしてはそれなりに広い。明確さはいまいち。頭内定位が気になりやすい。原音忠実性はそれなり。周波数特性上の癖はあまり大きくないが、歪んでいるような違和感がある。原音の粗や生っぽさはある程度感じられる。エッジのきつさは普通だが、頭内定位や違和感で多少聴き疲れしやすい面はある。高域にしろヴォーカルのサ行にしろやや痛いと感じることはあるが、特に酷くはない。
 明瞭さ、音の鮮やかさはそれなり。厚みは普通からやや薄め。温かみはあまり感じられない。ヴォーカルの艶っぽさはそれなり。どちらかと言うと透明感がある傾向。明るく爽やか。迫力や力強さにはやや欠ける。響きは適度からやや豊か。
 弦楽器は生楽器らしさが感じられる傾向で、心地よさにはやや欠ける。ヴァイオリン等を澄んだ感じで聴きたいなら良い。金管楽器はやや細いもののそれなりに鮮やかで金属的な質感を出してくれる。打ち込み系の音の表現はそれなり。音の質感の相性、切れ、低域の質等、様々な点から見て良くもなく悪くもなくといった感じ。ただし、厚みが足りないように感じられることはある。
 バランスは良いのだが、頭内定位や歪んだような違和感が気になる機種。

装着感
 普通。側圧は普通で、特にずれやすくはない。ヘッドバンドは剥き出しのプラスチックだが、軽量なためそれほど痛くない。
 イヤーパッドは耳のせサイズ、上下左右に角度調節ができる。材質はシワが気になる安っぽい人工皮革。

その他
 遮音性は良好、音漏れ防止は普通だが密閉型にしてはやや悪い。
 作りは価格なり。デザインはあまり癖がなく良い。スイーベル機構で折りたたみ可能。
 プラグは金メッキのミニプラグ。コードの太さは約2.5m、硬さは普通で特に扱いづらさは感じない。イヤーパッドのサイズは、外周70mm×70mm、内周40mm×40mm、深さ10mm。

付属品
無し



参考
メーカー製品ページ

周波数特性グラフ


比較メモ
AH-P372
AH-P372はやや低音より、RD-A310はかなりフラット。低域はAH-P372の方が若干量が多い。AH-P372の方が濃く中身が詰まったような質、RD-A310の方がやや弾力のある質。重心はAH-P372の方がやや低い。中域はRD-A310の方がやや明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域はRD-A310の方が若干量が多い。やや明るい質で目立つ。分解能はRD-A310の方がやや上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ若干勝っている。音場感は、RD-A310の方がやや広く、AH-P372の方が若干明確。RD-A310の方が頭内定位が気になりやすい。原音忠実性は微妙。周波数特性上の癖のなさは大差ないが、違和感はAH-P372の方が小さい。原音の粗や生っぽさはRD-A310の方がやや感じられる。エッジはRD-A310の方が若干きつく聴き疲れしやすい。高域はRD-A310の方がやや痛い、ヴォーカルのサ行は大差ない痛さ。明瞭さ、音の鮮やかさはRD-A310の方がやや上。厚みはAH-P372の方がややある。温かみはAH-P372の方がやや感じられる。ヴォーカルの艶っぽさはRD-A310の方がやや感じられる。RD-A310の方が透明感がある。RD-A310の方が明るく爽やか、AH-P372の方がどっしりとした安定感がある。響きはRD-A310の方がやや豊か。弦楽器は、AH-P372の方が心地よい、RD-A310の方が生楽器らしさが感じられる。ヴァイオリン等を澄んだ感じで聴きたいならRD-A310の方がやや良い。金管楽器はRD-A310の方がやや鮮やか、AH-P372の方がやや力強い。打ち込み系の音の表現はRD-A310の方がややうまい。音の質感の相性で勝っている。使い分けるなら、低域の量や安定感を求めるならAH-P372、明るさや透明感を求めるならRD-A310。

P5
どちらもかなりフラット。低域はRD-A310の方が若干量が多い。特に所謂重低音より下はRD-A310の方がしっかり出る。P5の方が薄く曇ったような質、RD-A310の方が弾力のある質。制動はP5の方がやや感じられる。重心はRD-A310の方がやや低い。中域はRD-A310の方がやや明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域はP5の方が若干量が多い。P5の方がややざらつく感じ。RD-A310の方が線が細く明るい質。分解能はP5の方がやや上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ若干勝っている。音場感は、RD-A310の方がやや広く、P5の方がやや明確。RD-A310の方が頭内定位が気になりやすい。原音忠実性はP5の方が若干上。P5の方が一聴して違和感がない。原音の粗はRD-A310の方が若干感じられるが、生っぽさはP5の方が若干感じられる。エッジはRD-A310の方がややきつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろRD-A310の方がやや細く刺さる。明瞭さはRD-A310の方がやや上、音の鮮やかさはほぼ同レベル。厚みはP5の方がややある。温かみはP5の方がやや感じられる。ヴォーカルの艶っぽさは微妙。P5の方がややスモーキー、RD-A310の方がやや透明感がある。RD-A310の方が明るく爽やか。RD-A310の方があっさりしていて軽い音。P5の方が何を鳴らしてもしっかりした音で良いと感じる人もいると思われる。響きはRD-A310の方が若干豊か。弦楽器はP5の方がやや心地よく、音色も自然。金管楽器は、P5の方が太く力強い、RD-A310の方が細く明るい。打ち込み系の音の表現は微妙。音の質感の相性は大差ない。P5の方が厚みで勝っている、RD-A310の方が中高域から高域の明るさで勝っている。使い分けるなら、基本的にはP5、P5では低域の量が足りないとか暗いという不満があるならRD-A310。

RH-5Ma
RD-A310はかなりフラット、RH-5Maは低音よりのドンシャリ。低域はRH-5Maの方がやや量が多い。RH-5Maの方が厚みや圧力があるため、存在感がある。重心の低さはほぼ同レベル。中域はソースによって印象が変わってくる。中域の中でも低めの音はRD-A310の方が低域に邪魔されずはっきり聴こえてくることが多いが、中域の中でも高めの音はRH-5Maの方がやや明るく目立つことが多い。中高域はRH-5Maの方がしっかり出る。高域はRH-5Maの方がやや量が多い。やや太く硬い質。分解能はほぼ同レベル。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ大差ない。音場感は、RD-A310の方がやや広く、RH-5Maの方がやや明確。RD-A310の方が頭内定位が気になりやすい。原音忠実性は微妙。周波数特性上の癖のなさはRD-A310の方がやや上だが、違和感はRH-5Maの方が小さい。原音の粗はRD-A310の方がやや感じられるが、生っぽさはRH-5Maの方がやや感じられる。エッジはRD-A310の方が若干きつい。RD-A310は頭内定位や違和感で疲れる面があるのに対して、RH-5Maは音の圧力やこもり感で疲れる面がある。総合的な聴き疲れはソースや聴く人によって変わってくるだろう。高域にしろヴォーカルのサ行にしろRH-5Maの方がやや痛い。明瞭さはRD-A310の方がやや上、音の鮮やかさはRH-5Maの方がやや上。厚みはRH-5Maの方がある。温かみはRH-5Maの方が感じられる。ヴォーカルの艶っぽさはほぼ同レベル。RH-5Maの方がノリが良い。RH-5Maの方が低域に基づく迫力や力強さがある。RD-A310の方があっさりしていて軽い音。RH-5Maの方が何を鳴らしてもしっかりした音で良いと感じる人もいると思われる。響きはRH-5Maの方がやや豊かでこもり感が気になる。弦楽器はRH-5Maの方がやや心地よい。金管楽器は、RD-A310の方が細く明るい、RH-5Maの方が太く力強い。RH-5Maの方が金属的な質感を出してくれる。打ち込み系の音の表現はRH-5Maの方が若干うまい。音の質感の相性や厚みで勝っている。使い分けるなら、バランスや軽快さを求めるならならRD-A310、厚みや迫力を求めるならRH-5Ma。

ZUMREED PORTABLE HEADPHONE
RD-A310はかなりフラット、ZUMREED PORTABLE HEADPHONEは低音より。低域はZUMREED PORTABLE HEADPHONEの方が若干量が多い。ZUMREED PORTABLE HEADPHONEの方がぼやけた質。RD-A310の方が癖がない。重心はRD-A310の方が若干低い。中域はRD-A310の方がやや明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。ZUMREED PORTABLE HEADPHONEはソースによっては張り出すような癖が気になることがあるが、RD-A310はそういうことはない。高域はRD-A310の方がやや量が多い。やや線が細く明るい質。分解能はRD-A310の方がやや上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ若干勝っている。音場感はRD-A310の方が広く明確。ZUMREED PORTABLE HEADPHONEの方が頭内定位が気になりやすい。原音忠実性はRD-A310の方が上。一聴して違和感がない。原音の粗や生っぽさはRD-A310の方がやや感じられる。エッジのきつさは大差ないが、ZUMREED PORTABLE HEADPHONEの方が中域の張り出しや頭内定位で疲れる面がある。高域はRD-A310の方が若干痛い、ヴォーカルのサ行は大差ない痛さ。明瞭さ、音の鮮やかさはRD-A310の方が上。厚みはほぼ同レベル。温かみは曇っている分ZUMREED PORTABLE HEADPHONEの方が感じられる面もあるが、人声や生楽器のリアルな温かみという意味ではRD-A310の方が上。ヴォーカルの艶っぽさはRD-A310の方が感じられる。RD-A310の方が透明感がある、ZUMREED PORTABLE HEADPHONEの方がスモーキー。RD-A310の方が明るくノリが良い。響きはZUMREED PORTABLE HEADPHONEの方がやや豊かでこもり感が気になる。弦楽器はRD-A310の方が繊細で、音色も自然。金管楽器はRD-A310の方がやや鮮やか。打ち込み系の音の表現はRD-A310の方がうまい。音の質感の相性や切れで勝っている。使い分けるなら、基本的にはRD-A310、RD-A310では高域の量が多すぎるとか原音の粗が気になるという不満があるならZUMREED PORTABLE HEADPHONE。

サイン波応答


位相+高周波歪み


インパルス応答(CSD)


インパルス応答(録音波形)


100Hz・1kHz・10kHzサイン波の再生














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スペック

駆動方式 構造 周波数帯域 音圧感度 インピーダンス
ダイナミック 密閉型 20Hz〜20kHz 108dB 32Ω
重量 ドライバー直径 コードの長さ コードの出し方 備考
132g 40mm 1.2m 片出し -

評点

音質 装着感 遮音性 音漏れ デザイン 携帯性 音の傾向 参考最安価格
2.5 3 4 3 3 3 1900円

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公開日:2011.9.2